構造物理化学 II (20151021) M: 以下は宮本のコメント
14s3001: 
うまく理解ができなかったのですが, 式 (6.31) は球面調和関数であり, $ \DS Y_l^m(\theta, \phi)$ は球の表面に規格化直交しているとありますが, このときの球の方程式とはどのような式ですか? $ \sin\theta$ などで球を表すのが少し不思議でした. M: 球面の式は, 高校数学で学習していると思うのですが(?) // ``球の表面にわたって'' は, 積分の様子を表している.

14s3002: 
規格化された関数での粒子の存在確率が 1 になると本で見ましたが, 1 以外の値をとることはありますか. M: 確率について, 数学の基礎を復習する必要がありそうな予感.

14s3003: 
球面調和関数に複素共役をわざわざつける必要性はないのに, つけるのはどうしてですか? M: ``複素共役をつける'' とは, どういうことか? // 必要性が無いと, どうして言えるのか?

14s3005*: 
Condon らの流儀について, $ \Theta$ の符号が変わることがあるとのことでしたが, そうなると結局 $ \Psi$ の符号が変わりますよね. $ \Psi$ は 2 乗されてはじめて意味を持つのだから, $ \Theta$ の符号についてわざわざ条件をつけるのは無意味に感じました. Condon の流儀の方が, すぐれている点はありますか. また, $ \Psi$, $ Y$, $ \Theta$, $ \Phi$ などの関数が, それ自身で意味をもつことはありますか. M: 宿題をやれば, その片鱗はうかがえるはずです. また, 原子オービタルの実関数表示を作る時に, 計算式が少し異なるところがあります. 微分方程式 (シュレーディンガー方程式) の解であること, 波動関数の規格化, 粒子の存在確率等の点で符号の有無が無関係である事は, まったくその通りであるので, 流儀の優劣は無い. 別の要素がからんでくる. // 波動関数について, 教科書に書いてあるとおり.

14s3006: 
球面調和関数は, 水素原子だけでなくほかの原子にも適用できるのですか. M: ルジャンドル方程式についての教科書の説明 (p.211) や, 教科書 8 章や, 参考書を読んだのでしょうか(?)

14s3007: 
$ \DS \hat{L}^2$ $ \DS \hat{L}_z$ は可換ですが, $ \DS \hat{L}^2 \cdot \hat{L}_z$ $ \DS \hat{L}_z \cdot \hat{L}^2$ を使い分ける意味はあるのですか? M: どこで使い分けていたのですか?

14s3008: 
$ \DS \hat{L}$ を考えるとき, デカルト座標系と極座標系のどっちで考える方が都合がいいのですか? M: 別に. 好きにすれば良いのでは(?) 問題によっても異なるだろうし.

14s3009: 
角運動量の二乗をあらわす演算子にはプランク定数も二乗するのはなぜですか. M: 各成分には $ \hbar$ が含まれている. 物理量の次元 (単位) を考えてみれば良いのでは(?)

14s3010: 
球面調和関数みは $ (-1)$ をかける流儀とかけない流儀があると言っていたのですが, 最終的に求められる解は一致するのでしょうか. M: ``最終的に求められる解'' とは何か? 14s3005 参照

14s3011*: 
水素原子の波動関数を解く過程で 磁気, 方位の量子数は表れるが スピン量子数は表れないのか? M: シュレーディンガー方程式に含まれる変数の数は 3 個ですから, 主量子数・方位量子数・磁気量子数の三つの量子数, すなわち三つの自由度に対応しています. スピン量子数は, 第四の自由度です. 教科書や参考書で勉強してください.

14s3012: 
式 (6.33) と剛体回転子の場合の式 (6.35) は どのような性質の違いがあるのですか. どちらもハミルトニアンから求められる式なので同様の性質があるのですか. M: 異なる演算子についての固有値方程式という, 見た通りの違いですが, 何が分からないのでしょうか?

14s3013: 
球の表面にわたって規格化直交しているものは, すべて球面調和関数と呼んでいいのでしょうか. M: 日本語力が足りないのでしょうか? 教科書の当該箇所の文の主語は `` $ \DS Y_l^m(\theta, \phi)$'' であり, 述語は ``(球面調和関数と) いう'' です. その他の関数のことなど一切言及されていません. また ``〜ので'' の節は, 球面とか調和という語句の理由と見るべきです. たとえば立方じゃなくて球面だと. 14s3001 のコメント後半も参照

14s3014: 
球面調和関数の 球面にわたって規格化直交している の 球面にわたって とは どういうことか? M: 言葉の意味が分からなければ, 辞書を見ればいいのでは(?) // 14s3001 のコメント後半も参照

14s3015: 
球面調和関数で教科書と Condon & Shortlay の場合とではどちらが一般的なのでしょうか. また, 符号が異なることで何か不都合なことはありますか. M: Condon & Shortley のスタイルは, その著書によって参照されますが, マッカーリ &サイモン の教科書の方式には, 特に呼び名はありません. このことから推して知るべし. // 14s3005 参照

14s3016: 
波動関数も規格化直交系であるということは, 水素原子の波動性を球面調和関数で説明できたということですか? M: 誤解を含んでいる予感. 波動関数が波動性を表していて, 規格化も直交も直接は関係なさそう.

14s3017: 
規格直交系の説明の際に 規格化の要素として $ \DS \int \left( Y_l^m \right)^* Y_l^m \, \d\tau = 1$ 直交の要素として $ \DS \int \left( Y_1^1 \right)^* Y_1^{-1} \, \d\tau = 0$ となっていましたが, これは等式が矛盾するのではないでしょうか. M: どこがどう矛盾するというのでしょうか??

14s3018: 
(6.37) の 3 式は 水素の角度方向 $ \varphi$, $ \theta$, $ r$ についての式とは異なるんですか? M: 何の式なのか, 教科書をよく読んで考えてみればいいのでは(?)

14s3020: 
$ \DS \int \left( Y_l^m \right)^* Y_n^k \, \d\tau = \delta_{l n} \delta_{m k}$ の積分範囲について, $ \theta$$ \phi$ で範囲が異なるのですか? M: 極座標系の変数の変域について, 確認すればいいのでは(?)

14s3021: 
(6.30) の式が直交するときの条件として $ \DS Y_{-1}^1(\theta,\phi)$ $ ^*\DS Y_{-1}^1(\theta,\phi)$ を積分すると直交すると説明していましたが, この場合は, 積分するときに積分範囲を決めないとできないのではないですか? M: オレサマ記号を使われても意味不明. また ``積分すると直交する'' などとの説明はしていない. 勘違いでしょう. // 積分範囲を決めないと積分できないのは全くその通り. しかしその積分範囲は, ``規格化'' の場合と同じように決まっている. 教科書 3 章と 4 章の復習が必要な予感.

14s3022: 
授業で直交条件が $ \DS \int \left( Y_1^1 \right)^* Y_1^{-1} \, \d\tau = 0$ と表されていましたが, 積分範囲は書かなくても良いのですか. M: 自明だから. 14s3021 のコメントの後半も参照

14s3023: 
式 (6.9) を整理した式において 角運動量の 2 乗を表す演算子 $ \DS \hat{L}^2$ を用いましたが, なぜいきなりそれを用いたのですか. M: 教科書をよく読めば良いのでは(?) // (5.52) で既出 (と記載).

14s3024: 
教科書には角運動量の 2 乗が $ \DS L^2 = \hbar^2 l (l + 1)$ $ l = 0, 1, 2, \dots$ で与えられる値だけをとるとありますが この条件はどのようにして求められたのですか. M: 何に対するどんな条件の話か? // 固有値方程式の固有値の求め方について, または演算子と物理量の関係は, 教科書 3-4 章や参考書を読んで復習すればいいのでは? // または, ルジャンドル方程式の解き方の話なら, 201510xx の 14s30xx 参照. *****

14s3025: 
規格化で $ \DS \int \left( Y_0^0 \right)^* Y_0^0 \, \d\tau = 1$ とありますが * を用いての計算はどのようにするのですか? M: 別に, 普通通りですが. 数学の A 章とか数学の基礎の復習が必要なのか(?)

14s3026: 
Condon & Shortley の式は $ m$ は正の整数であるということでいい点と悪い点があるということでしたが この式のいい点, 悪い点はなんですか. M: 何か勘違いをしているようです. $ m$ $ 0, \pm 1, \pm 2, \dots, \pm l$ なので, 正の整数に限りません. // 符号の付き方を示す式では正の整数である $ m$ を使っただけ. 式をちゃんと見れば, 右肩の指数は例えば 1 と $ -1$ のように正負の両方があります.

14s3027: 
複素共役をとったものと, その元のものが違うものということは, $ \DS \int \left( Y_l^m \right)^* Y_n^k \, \d\tau$ だけでなく, $ \DS \int Y_l^m \left( Y_n^k \right)^* \, \d\tau$ も確かめる必要があるのではないですか. M: そう思うのならば, 確かめればいいのでは? // 質問文中にある二つの積分の間の関係は?

14s3028: 
以前出てきた箱の中の粒子の波動関数においては, $ \DS \int \psi_i^* \psi_j \, \d\tau = \delta_{ij}$ のようにクロネッカーのデルタは一つだけだったが, なぜ球面調和関数においては $ \DS \int_0^{2\pi} \int_0^{\pi} \left( Y_l^m \right)^* Y_n^k \, \sin\theta\d\theta\d\phi = \delta_{l n} \delta_{m k}$ のように積の形であらわれるのか? M: 本気で考えているのでしょうか? 登場する指数 (量子数) の種類と数や, それらがどうだったときに積分が 0/1 になるのか, それを数式でどう表わしたらよいか, などなど.

14s3029: 
教科書 (6.9) 式を $ \beta = l (l + 1)$ として整理した際に [ ] 内が角運動量の二乗をあらわす演算子と一致するのは偶然そうなったものなのでしょうか. M: (6.9) 式は何を意味していて, どこから出てきたのだったか?

14s3031: 
$ \DS P_l^{\vert m\vert}(\cos\theta) \Phi_m(\phi)$ が水素原子オービタルの角度部分だけでなく剛体回転子の波動関数であることから何が導かれるのでしょうか. M: 何を期待しているのか分からない. 異なる系の状態が同じ形の関数で表現できたからと言って… // 剛体回転子の回転の様子と, 水素原子の電子の回転 (公転) の様子が同じ, という当たり前の事実の言明に価値はあると思うか?

14s3032: 
$ \DS Y_1^{-1}$$ \DS Y_1^1$ の複素共役ではないのでしょうか? // $ L$$ \bm L$ と区別して書かれている文字がありますが, これは単に区別しているだけですか? M: 自分で判断できないのは, なぜでしょうか? // ``単に区別'' とは, どういう意味か? 別のモノであって区別する必要があるから字体を変えて区別しているのだが.

14s3033: 
球面調和関数で $ -$マイナス をつけるつけないは流儀の違いだとおっしゃっていましたが, 符号の違いで意味が変わってきてしまうのはないでしょうか. 符号が違うのに同一にしていいのでしょうか. M: ある波動関数を定数倍しら, その意味は変わるか? 14s3005 も参照 // 何を同一にする話か?

14s3034: 
球面調和関数のエネルギーのエネルギー[原文ママ]$ l$ と, 角運動量の $ l$ は同じものですか? M: 意味不明. ``球面調和関数のエネルギーのエネルギー'' とは, 何のことか?

14s3035: 
流儀によって $ \DS Y_1^{1}$, $ \DS Y_1^{-1}$ などに符号の違いが生じてくるという話がありましたが, これはそのときによって都合のよい方を選んで使用していくのでしょうか. M: 両立しないものを, そのときどきによって使い分けていて, 全体としてつじつまの合った議論が可能か?

14s3036: 
$ \DS Y_l^{m}(\theta, \phi)$$ l$$ m$ はどのように決まるのでしょうか. // $ \DS \hat{L}_x$, $ \DS \hat{L}_y$, $ \DS \hat{L}_z$ を極座標系にしたときに, $ \DS \hat{L}_z$ だけ かんたんなかたちになるのは図形的に理由があるのでしょうか. M: 決まるって, 何のこと? 状態をあらわす指数 (量子数) なのだが. // ``図形的に'' とは, どういうことか? 極座標系の変数の定義を考えてみればいいのでは(?)

14s3037: 
球面調和関数の流儀の違いによる良し悪しは, 用い方によって異なるものなのでしょうか. M: ``用い方'' とは, 何のことか? 14s3005 参照

14s3038: 
球面調和関数が球面上の直交関数系であることはわかりましたが, 一次元下げたときはどのような系になるのですか? M: ``一次元下げ'' るとは, どういうことか? 具体的にどうするのか? 自分で計算してみればいいのでは?

14s3040: 
球面調和関数が流儀の違いによって異なった形になっていたのですが, その流儀はどのようにして分けられているのですか? またどのくらいの個数があるのですか? M: 意味不明. ``流儀を分ける'' とは? また何の個数の話か??

14s3041: 
式 (6.9) で $ \beta = l (l + 1)$ として整理すると $ \DS -\hbar^2 \left[ \frac{1}{\sin\theta} \frac{\partial}{\partial \theta} \!\l...
...ta} \right) \right] Y_l^m(\theta, \phi) = \hbar^2 l (l + 1) Y_l^m(\theta, \phi)$ になるのはどうしてですか. M: 自分の手を動かして計算してみればいいのでは(?) なぜやらないのか?

14s3042: 
教科書と Condon & Shortley で 考え方が 2 つあるとおっしゃっていましたが, 1 つに統一しようとする流れはなかったのですか? M: 私は知りません. どちらも一長一短で優劣の評価は主観なのですが, 思想を強制される世界は好きですか?

14s3043: 
なぜ $ \DS \int \left( Y_l^m \right)^* Y_n^k \, \d\tau = 0$ になると直交だと言えるのですか? 内積がゼロになることと同じなのですか? M: 教科書や参考書で, 波動関数の直交について定義を確認すればいいのでは(?) または数学で抽象線形空間・関数空間について勉強すればいいのでは(?)

14s3044: 
球面調和関数の規格化直交は 半径である $ r$ 部分に, $ l$$ m$ に依存するような要素を持ち込んだ場合でも成り立つのでしょうか? M: 球面調和関数に半径 (動径) 方向の変数は含まれていたか? または, 多重積分の意味は?

14s3045: 
規格化直交系のところで, $ \DS Y_1^1$ $ \DS Y_1^{-1}$ は規格化直交系の組となっているので $ \DS \int Y_1^1 Y_1^{-1} \, \d x = 1$ となると考えたが, どうして $ \DS \int \left( Y_1^1 \right)^* \left( Y_1^{-1} \right) \, \d\tau = 1$ となるのか? M: どちらも, 成りません. 14s3043 のコメント参照

14s3046: 
デカルト座標と極座標の 2 つの系で表していましたが, どちらも同じことを言っているのでしょうか. M: ``同じこと'' とは, どういうことか? // 座標系が違うと, 物理現象が変わるのか?

13s3001: 
教科書の (6.9) 式を $ \beta = l (l + 1)$ として整理したのは そのようにすると都合がよいからですか. M: 自分の手を動かして計算してみれば分かるのでは? // 分離定数 $ \beta$ をそのように置いたのは, ルジャンドル方程式の解が物理的に意味のあるものであるための条件から. 14s3024 の最後のコメント参照

13s3006: 
$ \DS Y_l^m(\theta, \phi)$ が規格化直交系であることが強調されているのはなぜなのでしょうか. 計算が楽になるからでしょうか. M: 別に, 強調されてはいないと思うが(?) 重要な性質の一つであることは確かだが. // 講義で時間をかけたのは, ``規格化直交系'' という基本的な概念を理解して使える人がほとんどいなかったため.

13s3023: 
球面調和関数について, Condon & Shortley によると $ m$ が正のときに $ \DS \Theta_l^m$$ -$ の符号がつくということですが, 規格化直交系の計算にも特に影響が見られないのならわざわざつけないやり方やつけるやり方ではなく 統一したほうが良いのでは? M: 誤解がある予感. 14s3026, 14s3042 も参照

13s3025: 
角運動量は, デカルト座標系, 極座標系, どちらで表す方が一般的か. M: 統計を調べたわけではないので, 私は知らない. 好きな方, 都合のいい方を使えばいいのでは?

12s3017: 
角運動量を考えるとき, 質量や速度をあまり考慮しないのは, 運動量 ($ \bm p$) だけで必要なものが満たされているからですか? M: 速度よりも運動量の方が, より本質的な物理量と考えられる. 例として, 位置と運動量 (速度でない) との間の不確定性関係とか.

12s3029: 
規格化直交系とは, 何が直交しているのですか. M: 講義であれだけ時間を費やしたのに, 理解してもらえなくて残念. 当該の文章の主語は ``球面調和関数 $ \DS Y_l^m$'' だし, 考慮している系・集合の要素の具体例も示したのに..... (;_;)

11s3005: 
今年度のノーベル化学賞において日本人は受賞を逃しましたが, リチウムイオン二次電池の開発などに比べて, 今回の受賞者はどこが特に優れていると思われますか? M: まず賞の性格について誤解がある. 凄い研究ではなく, 凄い基礎研究が対象. 新しい分野を開拓し, その礎になるような研究が受賞の対象. また毎年分野を決めて受賞者を決めるそうなので, その年に選ばれた研究が, その他の選ばれなかった分野の研究よりも優れているという訳ではない.

記名なし: 
Condon & Shortley の流儀では, $ m$ の正負で $ Y$ の値が変わりますが, その後の計算も異なるのでしょうか? M: 自分でやってみればいいのでは(?) 14s3005 も参照



rmiya, 2015-10-22