構造物理化学 I (20150622) M: 以下は宮本のコメント
14s3001: 
変数分離の原理を誤って理解しているかもしれませんが, $ \DS \hat{H}$ が時間に依存するときでも, 変数分離を用いて x と t を分離することはできないのでしょうか? M: 他人から聞いた答えを暗記するのではなく, 自分で計算をやってみればいいのでは(?)

14s3002: 
古典力学での内容を量子力学の仮説として今回の講義で紹介してもらいましたが, 古典力学を量子力学で説明できるようになったのはいつの時代からなのでしょうか? M: トンでもない勘違いの予感. ``古典力学での内容を量子力学の仮説として紹介'' など, 全くしていませんけど(??) // 量子力学の成立以前には, 不可能でしょうネ.

14s3003: 
3 章で 仮説 1 や仮説 3 を何のことわりもなく扱ったと思うのですが, なぜ改めて 4 章で, 仮説として, もってきたのですか? M: 教科書の執筆方針に異存があるなら, 著者に文句を言うなり, あなたの意に沿った順に記述している参考書を見ればいいのでは(?) // 慣れない分野の話を, 厳密だからといって抽象的な話から入り, あなたにとって理解しやすいですか?

14s3005: 
仮説 (公理) は今日の講義で取り上げられた 6 つで全てでしょうか. // ミクロな視点では, どんな現象も量子力学的に解釈できると思うのですが, エルミート演算子でない演算子が物理量に対応することはありますか. M: この教科書には, 書いていないようですが, 不存在根拠にはなりませんネ. 他の参考書なども見てみればいいのでは(?) // 教科書や参考書をじっくり読んで考えればいいのでは(?)

14s3006: 
自由粒子の波動関数は規格化可能ですか? M: 教科書や参考書を見て自分で考えてみればいいのでは(?) // 自由空間の平面波では, 波の一周期に渡っての積分で規格化しておくのが一般的だと思われます.

14s3007: 
粒子の軌跡によって, その粒子の状態が完全に記述することができるのはなぜですか? 動く経路が分かっても, 動く速さなどは軌跡からでは分からない気がするのですが. M: 何をどう勘違いしたものか. 誰もそんなこと言ってないし, 量子力学的な粒子に運動の軌跡はないし.

14s3008: 
エルミート演算子を用いると, どういうことが起きるのですか? M: 自習・予習しない宣言ですか? 14s3010 参照

14s3009: 
量子力学の仮説 6 で, パウリの排他原理の説明がありましたが, 仮説 6 の内容を見る限りパウリの排他原理から仮説 6 が生まれたように感じます. しかし, 原理から仮説が生まれることって正しいのでしょうか. M: 論理的にはおかしくない. しかし仮説 6 に対して誤解がある模様. パウリの排他原理を仮説 6 として採用したのであり, 一方から他方を導出したのではない.

14s3010: 
エルミート演算子によって, 固有値が実数であることが確かめられるようですが, それによりどんな都合が良くなるのですか. M: 観測される物理量は実数値をもつ.

14s3011: 
量子力学では, 古典力学のような軌跡で考えないとは分かっているのですが, 仮説 1 で粒子が多数になるとどうしても相互作用が起こるのに, 粒子の存在確率の式のみで考えていいのでしょうか. 位置を特定できなくとも, 多少影響を考えた式でなくていいのですか. M: もちろん複数粒子の系で, 粒子間に相互作用を考える事はあります. 当然です. 粒子の位置が一点に特定できなくても, 各点での存在確率がわかれば, トータルの相互作用はわかるでしょ.

14s3012: 
固有値問題の直交において もし $ n=m$ の場合, 粒子のふるまいは制限されるのでしょうか. M: 意味不明. そもそも粒子のふるまいは, 波動関数により記述されている. 固有値とか直交とかとは独立な話.

14s3013: 
$ \psi$ は負になることはあるのか. M: 本気ですか? 例えば箱の中の粒子の波動関数を見ればいいのでは(?)

14s3014: 
時間に依存しないシュレーディンガー方程式などの定常状態の波動関数の値は時間に依存する式の解答の平均値という認識であっているか? M: 全然違う. 教科書 pp.136-137 および参考書等を参照

14s3015: 
$ \psi$$ \psi'$ が 1 価で連続で有限なとき, 行儀よいというのはなぜでしょうか. M: 名付けた人に聞けばいいのでは(?) :-p

14s3016: 
規格化とは どのような事柄ですか? M: 教科書 pp.126-127 および参考書等を参照

14s3017: 
量子力学の仮説 1 より, 量子力学系の状態は, その粒子の座標に依存する関数 $ \psi(x)$ により完全に指定される, とありますが, それはこの関数を温度 $ T$ を含む式に変形することができるということでしょうか. M: やりたければ, やればいいのでは? // ところで, ``温度'' とは何でしょうか?

14s3018: 
仮説 2 において, 式 (4.31) のとき $ \DS \hat{A}$ はエレミート[原文ママ]演算子であるが, この他に分かることは何かあるのか. M: 演算子がエルミートであることの定義式が, 何か?

14s3020: 
p.136 に $ \DS \hat{A}$ を固有関数の 1 つと仮定するとありました. (4.32) ではエルミート演算子とありましたが, (4.11) では, 結局のところ固有関数なのでしょうか? M: どこにそんなことが書いてありましたか?? // おかしいと思ったら, よくよく見直したり, 他の参考書を読んだりすればいいのでは(?)

14s3021: 
なぜ量子力学演算子は複素数になりえるのに実数の固有値でなければいけないのですか? M: 正気ですか? 14s3010 のコメント参照

14s3022: 
エルミート演算子を考えると どんなことが分かるのですか. M: 14s3008 参照

14s3023: 
「(4.31) が成り立てばエルニート[原文ママ]演算子であるが, 必ず成り立つわけではない」とおっしゃっていましたが, 成立しなくてもエルニート演算子と呼ばれるものが存在する, ということですか. M: 誤解. 仮説 2 において, 単なる線形演算子ではなくエルミート演算子であるとした文脈を考えてください. 演算子にはエルミートな演算子とそうじゃない演算子がある, という意味.

14s3024+: 
行儀のよい $ \psi(x)$ は 1 価, 有限, 連続 でなければならないとありますが, なぜこのような条件があたえられているのですか. M: 物理的には, 自然は粒子の存在確率は連続である (特異点を避ける) こと, 粒子の存在確率の値は 1 価でなければならない, など. 数学的には, 二階の線形微分方程式の解であり, また重なり積分などの計算が可能であるための要請.

14s3025: 
$ \psi(x)$ は行儀のよい関数であり「一価, 有限, 連続」を満たしているものであります. これら 3 つの内, 一つでも異なればどの程度不安定になりますか? M: 意味不明. ``不安定'' とは, 何の話か? 安定・不安定の判断基準は何か??

14s3026+: 
仮説 6 だけが別の章なのは なぜですか? M: どんな粒子についての話なのか, 仮説同士を比べてみればいいのでは(?)

14s3027+: 
波動関数について, ベクトルと同じような操作ができるということは, 波動関数をベクトルとして表すことが可能なのでしょうか. M: 講義でも線形代数, 線形空間ということばを紹介した. 時間に依存しないシュレーディンガー方程式は, 複素ヒルベルト空間における線形作用素問題と言える. // 量子力学の二通りの定式化, 波動方程式と行列力学, が等価であることにも注意.

14s3028: 
仮説が公理であるということは一体どういうことか? 公理はただしいのではなかったのか? M: さんざん説明したつもりだったのに, 全然理解してもらえていないようで, 残念. 教科書 四章に書かれている仮説 1-5 は, 何らかの方法で正誤を検証できるようなものではなく, また誰にでも正しいことが自明であるとも言いがたい. しかしこれらを基礎に, 量子力学の理論が構築されている. hypothesis と postulate の違いを理解してください.

14s3029: 
行儀のよい関数の有限とは何を指しているのでしょうか. 箱の中の粒子にのみ適用できるということでしょうか. M: 教科書 p.127 や参考書をよく読めばいいのでは(?) 一般の話なので, 特定の状況に限るわけではない.

14s3030: 
エルミート演算子であるから固有値が求められるのですか, それとも固有値があるからエルミート演算子であることが分かるのですか. M: 全然違います. 14s3010 参照

14s3031: 
計算の複雑さからシュレーディンガー方程式が時間に依存しないものとする場合があるが電磁波と電子のように直接時間に依存するものでなくても誤差はでるのではないでしょうか. M: どうして? 教科書 pp.136-137 や参考書をよく読めばいいのでは(?)

14s3032: 
固有関数 $ \DS \hat{A} \psi_n = a_n \psi_n$, $ \DS \hat{A} \psi_m = a_m \psi_m$$ n=m$ のとき 1 で $ n \neq m$ のとき 0 でしたが 1, 0 以外の値をとることはないのでしょうか. M: 意味不明. 関数は数式じゃないし, 数式は値じゃない. 固有関数は, モノによってそれぞれ適当な値をとるでしょ(?)

14s3033: 
$ \DS \hat{A}$ がエルミート演算子であると分かったとき, それを使って他に調べて分かることはあるのでしょうか. またベクトルの直交と波動関数の直交は同じように考えていいのでしょうか. M: 14s3008 参照 // 14s3027 参照

14s3034: 
仮説 2 と, 仮説 3 の違いがよく分かりません. どのように違うのでしょうか. M: 命題の主語や述語, 数式による表現など, 全然違うと思うのですが(?)

14s3035: 
「固有関数の直交」において, 「異なる固有値に属する固有関数は互いに直交している」ならば, (内積)=0 より $ \DS \psi_m \psi_n=0$ だと考えたのですが, これは間違いでしょうか? 積分は「どの異なる 2 つの関数でも」ということでしょうか? M: 全然違います. 自分で考え出すことも重要ですが, なぜ教科書に書いてある定義や既知の関係式を用いないのでしょうか? // 例えば (列) ベクトル $ \DS\vec{a}$ ( $ \DS^t\vec{a} = (a_1 a_2 \dots)$) 等に対して, (エルミート) 内積は $ \DS\vec{a}^\dagger \vec{b} = a_1^* b_1 + a_2^* b_2 + \dots = \sum_i a_i^* b_i$ でしょ.

14s3036: 
$ \psi(x)$ は行儀よい関数であるというのは仮説にあわせてそのようになったのでしょうか. それともいつでも $ \psi(x)$ は行儀よい関数なのでしょうか. M: 何がどう, 仮説に合わせてあるというのでしょうか? // 14s3024 参照

14s3037: 
Schrödinger 方程式は $ \DS \hat{H}$ が時間に依存する場合であったとしてもまずは時間に依存しない場合で考えるということは, $ \DS \hat{H}$ が時間に依存しない Schrödinger 方程式を用いる以外に妥当な導出方法は無いのでしょうか. M: 別に. 解き方に制限は無いので, 好きにすればいいのでは(?)

14s3038: 
量子力学の仮説は, 実際に測定して証明されたことなのですか? それとも仮説であるので, そう考えられるだけで証明はされていないのですか? M: 14s3028 参照

14s3039: 
確率密度と平均値が, 結局時間に依存しなくなるのであれば, シュレーディンガー方程式に時間の要素を取り入れた意味が無くなってしまうのではないでしょうか. M: 前提を見落としています. 教科書 pp.136-137 や参考書をよく読めばいいのでは(?)

14s3040: 
日本人の肌は肌色にみえますが, これは, 肌色にみえるように余分な光の波長を吸収するものが肌に含まれていることだと思うのですが, 日焼けして肌が赤色や黒色にみえるのは, 肌色にみせていたものが日焼けする際にこわされたからなのでしょうか, それとも, 違うものに変化し, 赤や黒色にみせられるものになったからなのですか? M: ここは夏休み子供電話相談室か? :-p 理由は一つではない. 日焼けは火傷の一種とかメラミンとか言ってみるテスト. // それよりも, 政治的に正しくない表現は困ります. ``日本人'' は単一の人種 (生物学的な特長による分類) ではなく, 金髪碧眼でも国籍を取得すれば日本人です. また, あなたが想定していない色の肌を持つ人にとって, ``肌'' 色とは何か? その人の肌の色は正常・正統でない?? それって ``差別'' では?

14s3041: 
教科書 p.127 では $ \DS \int \psi^*(x) \psi(x) \d x$ の解がある定数 $ A \neq 1$ に等しくなったとしても $ \psi(x)$ $ \DS A^{1/2}$ で割れば規格化できるとかいてありますが, $ \DS \int \psi^*(x) \psi(x) \d x$ の解がどのような値になってもその解を 1/2 乗すれば規格化できるのですか. M: 本気ですか? まず ``積分の解'' とは何か? さて, もしかして ``規格化'' の意味がわかっていないのか? $ \DS \int \psi^*(x) \psi(x) \,\d x = A$ ならば $ \DS \int \frac{1}{A^{1/2}}\psi^*(x) \times \frac{1}{A^{1/2}}\psi(x) \,\d x = 1$ となることの, 何が分からないのだろうか??

14s3042: 
平均値について 値が 1 になることから, 固有値は負の値を取りにくいのですか? M: 本気ですか? 例えば $ \{10, -3, -4\}$ の三つの数の平均は 1 ですけど(?)

14s3043: 
時間に依存しないシュレーディンガー方程式から時間に依存するシュレーディンガー方程式を導出できますか? M: 導出して, どうするというのだろうか? 仮説 5 について, よく考えればいいのでは?

14s3044: 
仮説というものはこれまで得てきた法則などから自分たちで仮定した設定ということですか? もしそうなら, あまり深く考えずに丸暗記してしまったほうがよいのでしょうか? M: 普通の意味での ``仮説, hypothesis'' は, そうですね. しかし教科書 4 章の仮説は postulate だと. 14s3028 参照 // 理解を伴わない, 丸暗記学習法は, 推奨したくありません.

14s3045: 
授業では量子力学における仮説について見てきましたが, それぞれの仮説は一緒に考えていくべきでしょうか. それとも別々に考えるべきか? M: 意味不明. ``一緒に考える'' とは, 具体的に何をどうすることですか?

13s3001: 
「仮説」は「仮定」と同じ意味ですか? M: 言葉の意味が分からなければ, 辞書を見ればいいのでは? 14s3028 も参照

13s3006: 
粒子が波の影響を受けるときに時間に依存する Schrödinger 方程式を使うのでしょうか. M: ちがいます. 名前の通り, 時間に依存する現象のときに使う. 教科書 pp.136-137 および参考書等を参照

13s3025: 
電子顕微鏡の原子の写真では, 電子はぼんやりとした雲のように見える. しかし電子顕微鏡で「観測された」にも関わらず, なぜ電子が一カ所にあるように見えないのか. M: 本当に電子が見えているのでしょうか? その電子顕微鏡は, どういう原理で, なにを検出して, 画像にしているのでしょうか?? さらに, 観測の時間スケールとか, 関与する電子の数とか, いろいろ......

12s3014: 
Schrödinger 方程式が時間に依存するかどうかで, 何が変わるのか. M: 13s3006 参照

12s3024: 
クロネッカーのデルタは, 規格化直交を表わす以外にも用いられますか? M: はい. 当然です. 例えば単位行列の $ ij$ 要素は $ \DS \delta_{ij}$ だとか.

12s3045: 
量子力学で用いる演算子の固有値は複素数ではいけないのは, なぜですか. M: 本気ですか?? 14s3010 参照

11s3046: 
教科書 138 ページの「一定の制限」とは, エルミート演算子に関することか. エルミート演算子は何を意味しているのか. M: 結論としては, イエス. その語句の直前の文と, p.140 下の文をよく読めばいいのでは(?)

10s3008: 
量子力学の仮説を同時に全て満たしていないと波動関数は成立しないのですか? また仮設はこの先増えることも考えられますか? M: 既存の公理系の一部を否定すれば, 全く別の理論体系になってしまうと思いますけど(?) 例えば, 平行線公理を否定することで非ユークリッド幾何学が誕生したように. 現在のところ量子力学は十分に成功していて, その経験から, 公理に過不足は感じられないと思います. だからといって現在の量子力学が完璧な理論であるとは言えない訳で, 例えば相対論的量子力学 (量子電磁力学) では...... 自分で勉強してください.



rmiya, 2015-07-29