構造物理化学 I (20150413) M: 以下は宮本のコメント
14s3001: 
温度を上げるとともに物体が放出する輻射は低振動から高振動に変化していくとありましたが, この法則に従わない物質はありますか? また条件を変化させて別な物質の輻射に近づくことはありますか. M: 前提条件を確認せよ. これは ``黒体輻射'' の話である.

14s3002: 
レイリー・ジーンズの法則で, 輻射が紫外線領域に入れば振動数が増加し, 古典力学では説明できない紫外破綻というそうですが, 具体的にどのような場面で自然界で起こるのでしょうか? M: 話が全く分かっていない予感. 実測の加熱された物体が発する光 (黒体輻射でよく近似できる) を, 特にその紫外部を, レイリー・ジーンズの法則では正しく記述できないということ. 現実にはありえない紫外破綻を, 理論では予言している.

14s3003: 
今回の講義で先に 10 章〜14 章を伝えた意図は何ですか? しっかりと構造物理化学 II までを学び終えた伝えた方が興味もわきやすくなり効果的なような気がします. M: 貴重なご意見をありがとうございます. しかし意図を理解していただけなかったのは残念です.

14s3005*: 
当時は, どのようにして図 1.1 にあるような黒体輻射の曲線が描かれたのでしょうか. 他の物体のデータから黒体のふるまいを推測するには, 「何が理想的か」の基準が必要であるはずです. この基準は, どのようにして決められるのでしょうか. M: 科学はしょせん自然を近似的にしか記述することはできません. 現実の現象からさまざまな効果を取捨選択して本質を見つけるためには, 科学者の鋭い洞察力が必要と思われます. ガリレイも, 空気や斜面の摩擦抵抗を無視できたからこそ, 物体の落下速度がその質量に依存しないことを発見できたのだと思います.

14s3006: 
水分子の形のように本来の原理と違うことを学ぶことは, 本来の原理を学ぶうえで, 妨げになるのではないのでしょうか. 違うことを学ぶメリットはなんなのでしょうか. M: 何を勘違いしているのか? 水分子の形自体は (定性的に) 正しく予言しているし, 他の多くの分子についてもほとんど正しい結果であるのに. 詳しく調べていないので, 正しく予想できない例は知らないが. // ``学ぶ'' という行為を ``既存の知識の暗記'' と捕らえていたり, ``本来の原理'' とやらを誰かが天下り的に与えてくれると考えている人には, メリットを見出しにくいでしょうね.

14s3007: 
教科書の 5 ページに輻射しているどんな物体も理想化すれば黒体とみなせるとありますが, この場合の理想化とは, 具体的にはどのように考えればいいのですか? M: ``黒体'' の定義を考え, 現実の物体の, その定義からのズレを考えればいいのでは?

14s3008+: 
プランクの法則は量子仮説があって成り立つものですが, 式の中に整数を表す文字が入ってないのはなぜですか? M: そういう分かりやすい形で量子仮説が導入されているわけではありません. 等比級数の和という形で効いてくるようです. 詳しい本を参照してください.

14s3009: 
CO$ _2$ は異核だから, 赤外線を吸収し, 熱を帯び, 地球温暖化の原因となっているということでしたが, H$ _2$O も異核であるので, 地球温暖化の原因は H$ _2$O にもあるとは言えませんか. M: 全くその通りです. 月の日陰の気温(?) や火星に比べて地球が温暖なのは, 水を含んだ大気があるからと考えられています.

14s3010+: 
ウィーンの公式とプランクの法則は式の形が似ているので, ある条件下で値が誤差の範囲内におさまるのは理解できますが, レイリー・ジーンズの公式が赤外部で一致するのはなぜなのでしょうか. M: 頭で考えるだけでなく, 手を動かしましょう. ある法則が別の法則の一部として内包されるということは, しばしば見られます. 例えばニュートン力学は相対性理論において ``光速度無限大'' の極限で一致します. // 論理が逆では? 実測と一致するような式をウィーンやレイリー・ジーンズは探したが, 不完全だった. // 14s3012 の後半も参照

14s3011: 
13 章での説明において, 分子に光を当てて分子の形を見る, と言われていましたが, 水分子などの構造が単純な分子はともかく, 分子量の大きなものをそうやって見ることができるのでしょうか? // あと, 読書感想文の提出内容に「調査報告など…」と言われていましたが生徒の感想文を読んで気になった本などは先生自身が読んでみたりするのですか? M: 手に取れる大きさの物体を目で ``見る'' 事に対して, 比喩的な意味での ``見る'' です, もちろん. // ギクッ. 面白そうな本があれば, それは読んでみたいと思うのが普通ではありませんか?

14s3012: 
ウィーンの公式は高振動数領域で一致するとおっしゃっていましたが, 物理化学において高振動数とはどのくらいの値なのですか. また, 低振動でどのような式の不一致があるのでしょうか. M: 高低という相対表現に, 絶対的な基準値があると思いますか? // 数式は与えられているのですから, 自分でプロットしてみればいいのではないでしょうか?

14s3013: 
歴史上の人物が様々な学問に影響をおよぼしているが, 現代の人で影響をおよぼしている人はいるのですか. (教科書に載る等) M: 未来人 (ケン・ソゴルとかセワシ君とか) に聞けばいいのでは?

14s3014: 
人間は可視光を眼球内細胞の中にある分子のシストランスが反転することで感じると説明されたが, 反転したシストランスは何によって元に? M: 別に. 放っておけばそのうちに熱分布に戻るでしょ.

14s3015: 
等核の分子でもエネルギーを吸収する物質またはエネルギーを吸収させる方法はありますか. M: そりゃあるでしょうね. 例えばオーロラは極地方の大気上空での窒素や酸素の発光なのだし.

14s3016: 
エネルギーは連続量でないのに, 図 1.1 のような曲線が描かれるのは なぜですか. M: てゆーか, 連続でないからこそ, そういう図になるのだが…

14s3017: 
光を当てることで原子を分解して素粒子にすることは可能ですか? M: どのくらいのエネルギーが必要だろうか? そのためにはどのくらいの波長の光を当てればいいか?

14s3018: 
プランクの法則における「エネルギーは連続量ではない」が よくわかりません. 古典力学だからですか? M: 全然違います. エネルギーを連続量と考える古典力学で説明できない現象です. 14s3008 参照

14s3019: 
単位面積あたりのエネルギーが同じものは体積が違っても同じ表面温度なのか. M: ``エネルギー'' は示量性の量 (``単位○○あたり'' なら示強性), ``温度'' は示強性の量.

14s3020: 
マイクロ波の成分は聞いたことがありますが, 13 章ので挙がった他 3 光線の成分は何なのですか? M: ``マイクロ波の成分'' とか ``3 光線の成分'' とは, どういう意味でしょうか?

14s3021: 
今日の講義を受けて量子仮説を使うことはどの法則を説明するのにも大切なことがわかりましたが, ではなぜプランクの法則やレイリー・ジーンズの法則では, そのすべてのことを説明できなかったのですか? M: とんでもない勘違いの予感. マッカーリ &サイモン だけでなく II(G) の教科書や他の参考書もよく読む必要がありそうですね.

14s3022: 
プランクの法則が世に出たことにより, それまでのウィーンの公式やレイリー・ジーンズの法則は完全に使われなくなったのですか? M: ちゃんと年代順に並べましょう. 使う目的によると思われますが.

14s3023: 
VSEPR が本当は少し誤りがあることに驚きました. // また, 構造物理化学では, 式が多数出てくるとおっしゃっていて, 今回でもいくつかありましたが, それらは論理からしっかり理解すべきでしょうか. いきなりたくさん式が出てきて理解し難いです…. M: 必要なものは理解しなければいけないでしょう. 数式は自然を記述する言語です.

14s3024: 
分子の形を考える時に VSEPR の説明は間違っているといっていたのですが, それでも形をある程度予測できるのは なぜですか. M: 不思議といえば不思議ですね. 真実のひとかけらくらいは含んでいるからでしょうか, 考えてみるのも一興かと :-)

14s3025: 
ウィーンの法則, レイリー・ジーンズの法則, jプランクの法則とは, 黒体という物質の黒体輻射を説明するために求めたものなのですか. 現代において証明できたのですか (黒体について). M: とんでもない勘違いの予感. マッカーリ &サイモン だけでなく II(G) の教科書や他の参考書もよく読む必要がありそうですね.

14s3026: 
10 章以降の内容は構造物理化学ではやらないということでしたが, 化学の基礎で学んだ内容で理解できる内容なのでしょうか. M: 理解できるかどうか, 自分で勉強してみればわかるのでは(?)

14s3027: 
数式に少しでもなれたい時は, 教科書の数式を自分で書けるようになる他に, 問題集のようなものを解くといいでしょうか. それとも, 教科書の式をしっかり確認した方がいいでしょうか. M: あなたに適切な勉強方法は, あなたにしかわからないのでは(?)

14s3029: 
黒体輻射の法則を説明できるプランクの式と異なるウィーンとレイリー・ジーンズの式がそれぞれ高振動数領域, 赤外部で実測と一致するのはどうしてでしょうか. 一致とはいっても各領域内でのズレはあったという事でしょうか. M: 14s3010 参照

14s3030: 
1 回の授業で何ページくらい進めるのですか? // 現在黒体に近いと言える物体, 物質を作る研究などはなされていますか? それは何に利用されるのでしょうか? M: 機械的には, 総ページ数を回数で割れば求められるのでは? // されているかどうか, 私は知りませんが, その必要性は小さいと思われます (教科書や参考書の記述をよく読めば良いのでは). 利用法については, 自分でよくよく調べてみればいいのでは :-p

14s3031: 
同等の原子から成る分子と, 異った原子から成る分子において光の吸収によって回転の変化が起きるので前者と後者のエネルギー吸収に差が出ると学んだが結合の種類が同じ場合は差がでないのではないか? M: 私の話と微妙に違う気がするが… どうして ``結合の種類が同じ場合は差がでない'' のか? そもそも何と何が同じという話??

14s3032: 
12 章で群論を扱っていますが, この群はどういった範囲を表しているのでしょうか. M: 対称操作を要素とする集合です. 点群ではほとんどが有限の集合ですが, $ D_{\infty h}$ $ C_{\infty v}$ の二つだけは無限集合です. (分かって質問しているのだろうか?)

14s3033: 
黒体についてですが, 光を扱っているので, すべての振動数の物体を集めるなら白になると思ったのですが, どうして黒なのでしょうか. M: たしかに ``ホワイト・ノイズ'' という言い方をしますね. 発光体と吸収体とで白黒を使い分けるのかもしれません. ``空洞放射'' も同じ意味で使われますが, この空洞は外部から入った光を全て吸収する黒体とみなせますネ.

14s3034: 
なぜ古典化学ではエネルギーが等配分されていると思われていたのですか. M: (古典) 統計力学を勉強すれば良いのでは(?)

14s3035: 
H$ _2$O 分子の形の説明において VSEPR を用いるのは正確ではないとありましたが, それでは VSEPR 自体が誤りということですか? また, なぜ今まで VSEPR で説明されてきたのでしょうか? M: 微妙に誤解している予感. ``VSEPR を用いるのは正確ではない'' とは言っていない. 14s3024 も参照

14s3036: 
15 章で光化学の話をおっしゃっていましたが, 光があたると必ずなにか反応が起こるのでしょうか. それとも, 特定の物質のみが反応するのでしょうか. M: 二種類の物質を混合したら, 必ずなにか反応が起こるのでしょうか?

14s3037: 
ウィーンの公式が高振動領域のみを再現するなど, なぜ一部分では当てはまるのに全体には当てはまらない公式が存在するのか. M: 科学観がズレている予感. // 14s3010 参照

14s3038: 
なぜ VSEPR 理論は分子の構造を決める理由が正しくないにもかかわらず, 分子の構造を決める際に適用されるのですか? M: 使える道具を使って何故悪い? // 14s3024 参照

14s3039: 
$ d_{z^2}$ の混成オービタルの $ xy$ 平面上に輪ができるのはなぜなのでしょうか. 不思議でしょうがないです. M: $ d_{z^2}$ は混成オービタルでなくても単独でそうなります. 波動関数の式を参照してください.

14s3040: 
身の周りの黒体輻射の具体例はどんなものがありますか? M: どうして自分で考えて探してみないのでしょうか? 教科書や参考書もよく読めばいいのでは(?)

14s3041: 
ウィーンの公式やレイリー・ジーンズの法則はどのようなときに用いるのですか. M: 科学観がズレている予感. // 科学とはどういうものなのか, 人間のどういう営みなのか, ということを理解するためにも使えそうですね :-)

14s3042: 
昨年度後期の化学の基礎 II(G) では, 毎回各章を進める所まで講義をしていただき, 残りを自学という形でしたが, 今回は, 5 章までの範囲を基本的にはほぼ触れていただけるのでしょうか? M: 配布したシラバスに記載の通り (II(G) と同様には記載されていない通り) です. 他の講義と比べても II(G) が特殊な進め方だったと分かると思うのだが(?)

14s3043: 
なぜ, プランクはエネルギーは連続量ではないと仮定することができたのですか? M: 本人に聞けばいいのでは :-p または読書感想文(仮称) のネタ発見?!

14s3044: 
分子分光学において, 同一の光, たとえば赤外線を照射した場合に, 観測される反応の程度の強弱はあっても, ある原子では発熱, ある原子では発光した, などと反応そのものが異なることはあるのか? M: あなたは ``ない'' と考えるのでしょうか? その理由は??

14s3045: 
黒体輻射は古典物理学ではなく, 量子仮説を使って導いたとありますが, それはつまり今日習った公式 (ウィーン法則, プランク法則など) を用いて導いたということですか? M: 違います. とんでもない勘違いの予感. マッカーリ &サイモン だけでなく II(G) の教科書や他の参考書もよく読む必要がありそうですね.

14s3046: 
プランクの法則で量子仮説を用いたとありますが, 量子仮説とは量子数を用いた仮説ということなのでしょうか. M: 量子数を全く用いなかったとはいえないと思いますけど… 14s3008 参照

13s3006: 
プランクがいきなり量子仮説を用いたのはなぜでしょうか. データから予想しただけなのでしょうか. M: いきなり用いたかどうかは知りません. 14s3043 参照

13s3012: 
当時の物理学で黒体輻射が説明できず, 根底から覆えされたことを考えると, 今の常識も何らかのきっかけで一転してしまうことがあるという認識で間違いないでしょうか. M: ``コペルニクス的転回'' という言葉を知っていますか? また, ある程度の成功を収めた理論であれば, 新しい理論に包含されているはずです. 科学はそうやって発展してきました. 14s3010 参照

13s3025: 
エネルギーが不連続でないことは, あらゆる形態のエネルギーにとって例外ではないのか?  M: 否定形のたくさん含まれた疑問文は, 非常に意味がとりにくいです. さらに全称命題のようにも見えるし.

12s3014: 
最も黒体に近いとされる人口物質「カーボンナノチューブ黒体」において, 「吸収された光は容易に抜け出せずに彷徨い続ける」という考えは「放射率 0.99 以上」と辻褄が合わないのではないのか. M: そうですね. 何かが間違っているのでしょう.

12s3024: 
芳香族などの光によって反応する物質も, 分子分光学法を使用できますか? M: ``分子分光学'' に対する誤ったイメージを持っているのでは(?)

12s3029: 
ブラックホールは黒体といえますか? なぜ, 絵の具の黒色は黒体といえないのでしょう. M: ``黒体'' とは何か? 定義に戻って考えればいいのでは??

12s3045: 
ウィーンの法則やレイリー・ジーンズの法則もそれぞれ高振動数領や赤外部で一致しているのであれば, プランクの法則よりもその範囲であれば優れているということはないのでしょうか. M: 特定の目的に限ればあるかもしれませんが… 14s3010 も参照



rmiya, 2015-07-29