化学の基礎II(G) (20150126) M: 以下は宮本のコメント
14s3001: 
例えば $ \DS v = k [$A$ ]^\alpha[$B$ ]^\beta$ の反応において [A] の状態 (気体であるか固体であるか) に関係なく $ v$ は一定の値をとるのでしょうか. M: 本気ですか? 気体と固体とで, 反応する分子が出会う確率は同じだと思っているのですか??

14s3002: 
反応速度の求め方を習いましたが, 触媒を用いたときは反応速度は求められるのでしょうか? M: 別に, 普通に求めればいいのでは(?)

14s3003: 
(11.3) と (11.9) の式が等しい関係になるのですか? 両方とも $ v=$ という関係がありますが, (11.3) は接線の傾きから, (11.9) は濃度の違いから作られた式だと思ったので, 等しいイメージがわきませんでした. M: そうですか. よくよく考えてください.

14s3005: 
ある反応が素反応かどうかは, どうやって判定されるのでしょうか. // 反応速度定数 $ k$ は式 (12.1) によると $ \DS k = A \exp\left( -\frac{E_\text{a}}{R T} \right)$ と表すことができるらしいのですが, この式には気体定数 $ R$ が含まれています. この式は, 気体反応以外の反応でも反応速度定数を表すのでしょうか. M: 教科書 p.134 に ``素反応では反応次数が化学量論係数と必ず一致する'' と書いてある. その対偶は, ``反応次数が化学量論係数と一致しない反応は素反応ではない''. // $ \DS R = k_$B$ N_$A ;-)

14s3006: 
実験的に反応速度を測定するとして, その反応が非常にはやい反応であった場合, どのような方法が用いられているのでしょうか. M: 別に, 特別なことはない. 反応速度は濃度にも依存するので, 適切な濃度で実験すればいいのでは(?)

14s3007+: 
半減期で減り続けて, 最後の 1 分子になることはあるのですか? また, 最後の 1 分子になった場合, 半減期はどうなるのですか? M: 微分方程式で表現できるということは, 暗黙のうちに, 濃度は微分可能な関数であることが前提とされている. われわれが通常取り扱う範囲では, 分子の数は膨大なので, ほとんど個別の分子を識別できない. したがって濃度を連続量と考える事に不都合はない. しかし個別の分子を数えられるレベルでは, 濃度 (を表す関数) は微分可能だろうか? // 小さいサンプルサイズの集団に対して統計的な扱いは意味がない. 最後の一分子が反応してしまったら, それ以上は反応が進まないのは当たり前では(?)

14s3008: 
二次の反応速度定数を実験なしで測定できるような画期的な方法はないのでしょうか? M: 実験なしで測定するとは, 自己矛盾で画期的ですネ. 次章に期待か.

14s3009: 
複合反応は素反応の重ね合わせた結果だから, 素反応の反応速度の和は複合反応の反応速度になるという解釈で間違いないですか. M: いいえ, 大間違いです. 13 章参照.

14s3010*: 
熱を与えると分子の持つエネルギーが大きくなりますが, 温度や圧力が上がったり, 体積を小さくすると反応速度は大きくなるのでしょうか. M: 次章に期待 :-)

14s3011: 
表11.1 の $ n=0$ では濃度の単位が含まれているのに, ゼロ次反応では濃度に依存しないというのは なぜですか. M: (11.14) 式 ($ v=k$) の両辺の単位は一致していますけど(?) // むしろ教科書 p.134 の ``一次反応だけは反応速度定数が反応物の濃度に依存しない'' との記述が変な感じですネ.

14s3012-: 
$ \ln [$A$ ] + C = -k t$ の式が数学的になりたつものであるとわかりましたが, 分子の安定・不安定さは何か変化をもたらしますか? M: 何の話か検討もつきません. 数式が数学的に成り立つとか (成り立たない数式があるのか(?)), 数学的に成り立つ式と分子の安定さとの関連とか (分子の安定さ (何だ(?)) を表す項やパラメータが含まれた数式か(?)), 何の話をしたいのでしょうか? 数式が登場した途端に, 思考回路がアサッテに向くのでしょうか?

14s3013+: 
素反応では, 反応次数が化学量論係数と必ず一致し, 複合反応では一致しない場合もあるということは理解しましたが, 一致することは, そんなに重要なことであるのか. 別に, 一致しなくてもいいと思うのですが. M: ある反応について理解しようとする時, 何をどこまで知れば, 理解したと言えるでしょうか?

14s3014: 
一次反応と二次反応の速度定数の決定に違いがあるように, 三次反応にも上記の 2 つの反応と異なる速度定数を決定する要素が存在するのか. M: ``速度定数を決定する要素'' については 14s3018 参照. // たぶん質問しているのは違うことだと思うのだが, 自分で考えてわからないのは何故なのだろうか?

14s3015: 
複合反応での反応速度はどうなるのですか. M: 別に. 教科書 p.135 に記載の通りでしょ.

14s3016: 
一次反応をする物質の代表的な例を教えて下さい. M: それを他人から教わって, どうするというのか? なぜ自分で調べないのか?? 参考書も見ればいいのでは(?)

14s3017: 
(11.27) は (11.29) の素反応を想定して化学量論係数 2 で割ってあるとありますが, 化学量論係数 3 であれば単純に 3 で割ると考えてよろしいのですか. M: 自分で判断できないのは何故か? 教科書 pp.130-131 参照

14s3018: 
反応速度定数 $ k$ は どうやって決まるのでしょうか? M: 実験的に決める. 12 章参照

14s3019: 
半減期は不変なのですか. それとも条件によっては短くなったり長くなったりするんですか. M: 14s3018 参照

14s3020: 
A + B → P + Q の反応でも, A → P の反応でも, 反応物と生成物の濃度変化のグラフで, 反応物の濃度が 0 となる所は書かれていません. 例えば A → P では, [A]=0 となることはないのですか? M: 一次の反応速度式に従うとして, [A]=0 となる時間を求めてみればいいのでは(?) // 14s3007 も参照

14s3021: 
単分子反応のときの反応速度は, 反応物の濃度の単純な積になりますが, 複合反応の場合は, 全体の反応式には現れない中間体を生成して単分子反応のときのようにできないとありましたが, このようなとき複合反応全体の反応速度を求めるためにはどうすればよいのですか? M: 14s3015 参照

14s3022: 
一次反応の場合, 実験で調べるのは $ \DS t_\frac{1}{2}$ でなくとも $ k$ を求められますか. M: 教科書 p.140 参照

14s3023: 
「物理化学」という単元においても数学を利用することに, 勉強の幅の広さを感じました. 寿命についてなのですが, そのとき特に反応に変化などはあるのですか, ただ指数関数であるため $ 1/\e$ に名前をつけているのですか. M: $ 1/\e$ には名前などついていないと思いますが... 寿命 $ \tau$ は指数関数 (的な減衰) にとって, 特徴的な値ですネ.

14s3024: 
三分子反応において三分子とも組みかわる素反応はなく, 二分子が結合し, 残りの一分子がその結合の余剰エネルギーを奪う第三体として働くと教科書にあるのですが このようになるのは何故ですか. M: ただの反応ではなく ``素反応 (p.131)'' であることに注意. 三分子が同時に出会う確率がどれだけのものか.

14s3025: 
原発で問題となった放射性物質は月日が流れると半減期で半分になりますが, なぜ絶対ゼロにならないのか. そのために除染をしているのか? M: 14s3020 参照 // 科学を専攻している大学生が, これでは恥ずかしいのでは(?)

14s3026: 
「複合反応でも $ v = k [$A$ ]^\alpha[$B$ ]^\beta$ で表せる場合が多いことが知られている」とあるが, $ v = k [$A$ ]^\alpha[$B$ ]^\beta$ で表せる複合反応と表せない複合反応には どんな違いがありますか. M: 教科書 p.135 をよく読めばいいのでは(?)

14s3027: 
複合反応する時, X のような中間体を介して反応が起こりますが, このとき, 反応速度において X の濃度を考慮しないのは, 反応の過程で使い切ってしまうからでしょうか? 「経験的にわかっている」と書いてあるので, そうなることは決まっているものだとは思うのですが... M: 違います. 教科書 pp.133-134 と 13 章をよく読めばいいのでは(?)

14s3028: 
なぜ $ \DS \frac{1}{\e}$ になる時を重視して考えるのか. 寿命を求めることで何があるのか. M: 14s3023 の後半とか, 14s3013 のコメントとか参照.

14s3029: 
反応前の物質の濃度が完全にゼロになることはないということでしょうか? M: 何の話でしょうか?? 反応前の物質が無ければ, そもそもその反応が起こらない?!

14s3031: 
なぜ一次反応だけは反応速度定数によるのだろうか. なぜ濃度によらないのか. M: 質問の意味不明. たぶん勘違いでしょう. 教科書 p.137 以降をよく読めばいいのでは(?)

14s3032: 
二次反応の 2A → P の速度の式が $ \DS v = -\frac{\d [\text{A}]}{\d t}$ $ \DS\frac{1}{2}$ がかけられていないのは, この二次反応が単分子だからでしょうか. M: 勘違いでは(?) (11.27) 式には $ \DS\frac{1}{2}$ の因子がありますけど(?)

14s3033: 
今回の授業では反応次数は自然数でしたが, 分数や負の数になったり, また値が定まらないことはあるのでしょうか. M: 14s3026 参照

14s3034: 
放射性を持つ原子は, 半減期で分解すると, 放射線を出して別の原子になりますが, 放射性を持たない原子も半減期をむかえると何かしらのエネルギーを出して, 別の原子になるのでしょうか. M: 正気ですか?? // もしもエネルギーを出すのなら, それはどこから発生し, どういう形態のエネルギーとして放出されるのでしょうか? (エネルギー保存則) 別の原子になったとして, 原子番号や質量数が変わるためのつじつま合わせは どうなっているのでしょうか? (質量保存則や電荷保存則) あなたの質問では, 以上に関して ``放射線を出さずに'' 原子が変化するという想定ですよね?

14s3035: 
反応速度は反応の効率だけでなく安全性にもつながっていくと思いますが, 反応の安全性について自分で考えなければならない場合, 計算で求めた反応速度に加え, 反応熱や実験器具の内容 (反応が行われている容器の素材など) を考えていけばよいのでしょうか? M: 必要だと思われることを考えればいいのでは(?) // あなたがどんな物質のどんな反応を想定しているかも知らずに, これさえ考えておけば充分ということが言えると思いますか?

14s3036-: 
前回までの内容では誰々がこのような実験をしてこの結果, 法則ができたよいうような記述がたくさんあったと思うのですが, 今日の講義の内容はどんな実験から導かれたというのはあるのでしょうか. M: つまり ``単分子反応の反応速度は反応物の濃度に比例する ということを実験結果から導く'' とか ``微分方程式の解を実験的に求める'' ということか? 自分の言っていることが, 科学的にどれほど奇妙な論理なのか, 気づいていないのですね?

14s3037: 
反応速度のプロットの表し方は様々ありましたが, それぞれどんなメリットがあるのですか. M: 百聞は一見にしかず // 別に, 自分でメリットがあると思う様にプロットすればいいのでは(?)

14s3038: 
二分子反応など反応する分子が増えるにつれて, 反応する分子が同時に出会う確率が低くなり, 反応時間が長くなるということですか? また, 反応する分子の組み合わせによって反応速度が変化することはないのですか? M: 素反応の話です. ``低くなる'' と言っている場合ではないと思うのだが(?) // 後半については, そうですね. 教科書 pp.132, 135 や教科書のほかの部分や参考書もよく読めばいいのでは(?)

14s3039: 
$ a$A$ + b$B$ \rightarrow p$P$ + q$Q の反応について, $ \DS v = -\frac{1}{a}\frac{\d[\text{A}]}{\d t} = -\frac{1}{b}\frac{\d[\text{B}]...
...ac{1}{p}\frac{\d[\text{P}]}{\d t}= \frac{1}{q}\frac{\d[\text{Q}]}{\d t} ~~(> 0)$ となることを学んだのですが, なぜ $ \DS \frac{1}{a}$ $ \DS \frac{1}{b}$ が化学量論係数のちがいを考慮したことになるのでしょうか. M: じっくりと考えて理解してください. 実例で考えるのもいいかもしれない.

14s3040: 
教科書によると, 素反応であれば, 反応速度は必ず反応物の濃度の単純な積になり, 複合反応でも反応速度を反応物濃度のべき乗の積で表せる場合が多いことが経験的に知られていると書かれていたのですが, 今はまだ複合反応の反応速度を必ず表せる公式はないということなのでしょうか? また, 無い場合は公式ができる可能性はあるのですか? M: 前半について, 文の意味を理解できないのだろうか? // 後半について, 現象を数式で表現することの意味を理解していない(?)

14s3041: 
反応速度は反応が起きている周囲の温度に影響されないのですか. M: 14s3018 参照

14s3042: 
素反応のお話で, 反応速度は濃度に比例するとおっしゃっていましたが, A + B → P の時は $ [$A$ ] \times [$B$ ]$ に比例するということでしたが, $ [$A$ ]=1$, $ [$B$ ]=4$ $ [$A$ ]=2$, $ [$B$ ]=2$ では違う速度になると思いました. そのように, 単純には表せないものだと思うのですが, なぜそれが定義されているのですか? M: 思うのは勝手だが, その根拠は何か? // ちなみに ``定義'' という言葉の使い方がヘン. 定義はいつでもどんなものでも, 互いに矛盾する定義すら出来る.

14s3043: 
一次反応や二次反応の違いで反応速度の単位に違いがでてきませんか? // 反応速度定数は反応がはじまってから終わるまで同じ値ですか? M: 表11.1 参照 // 例えば (11.17) 式や (11.20) 式を見てよく考えればいいのでは(?)

14s3044: 
化学反応の平衡状態というのは反応速度が 0 に近い状態という考えでよいのでしょうか? それとも, 逆反応と反応速度が等しくなるという考え方なのでしょうか? M: 言葉の意味がわからなければ辞書を見るとか, 化学の基礎の基礎を復習するとか, すればいいのでは(?)

14s3045: 
素反応であれば, $ \DS v = k [$A$ ]^\alpha[$B$ ]^\beta$ の式を使えることを学びましたが, 教科書では複合反応の時もこの式を使うことが出きるとありましたが, それはどうしてですか. M: 使えないと予想した理由は何か? 使えると, いけないのか?

14s3046: 
複合反応でも反応次数が化学量論係数と一致することもあるのでしょうか. また素反応との区別の仕方は中間体を生成する以外に何かあるのでしょうか. M: 教科書 p.135 をよく読めばいいのでは(?) // §13.2 の複合反応は中間体を生成しない. 14s3005 の前半参照.

13s3010: 
全反応次数が同じであれば反応物や生成物の濃度の時間変化が同じになると教科書にありますが, どうしてですか? M: 微分方程式の形式が同じ形であれば, 解の関数も同形になるのはあたりまえだと思うのですけど......

13s3012: 
反応物理化学で, 反応次数の決定法として孤立化法と初期速度法をやったのですが, この他にはどんなものがあるのでしょうか. M: 自分でどれだけ調べたり考えたりという努力をしたのか? // これらでは解けない系があるのでしょうか?

13s3025: 
[A] vs $ t$ のグラフで $ t \rightarrow \infty$ のとき $ [$A$ ] \rightarrow 0$ となるように思われるが, 現実では $ [$A$ ] \rightarrow 0$ になるような反応はあり得ないということで良いのだろうか. M: どうして ``あり得ない'' と考えたのか? 自分で判断できないのは何故なのだろうか?

13s3030: 
半減期という話が教科書にありましたが, 放射性物質の半減期も同じように求めているのですか. M: 教科書 p.139 を読めばいいのでは(?)

13s3041: 
濃度が指数関数的に変化するってことは, 収率 100 % の反応はありえないということですか? M: 数式を見て自分で良く考えればいいのに, どうして自分で判断できないのでしょうか?

12s3024: 
重合反応の次数はどのようにおくべきですか? M: 別に. 普通に考えいいのでは(?) しかし, ひと口に ``重合反応'' と言っても, 色々な種類があり, それぞれに反応機構が違う (反応次数も違う) だろう. それを十把一絡げに ``次数をどのようにおくべきか'' とは, 随分と大雑把な議論だ.

11s3001: 
三分子反応は実例がありますか? M: 水素の燃焼反応は, 実は非常に複雑であり, 多くの素反応が関与している. その中で, 生成したラジカル種 (H, O, OH) の再結合反応は, 教科書 p.132 の傍注 5) にあるような第三体 M を用いた三分子反応と考えられている. p.133 のコラムも参照



rmiya, 20150202