化学の基礎II(G) (20141208) M: 以下は宮本のコメント
14s3001: 
(6.3) 式から (6.4) 式を導くときに $ \displaystyle \frac{1}{2} N^*$ をかけるのは理解できたのですが, (6.2) 式から (6.3) 式への導き方がうまく理解できませんでした. (6.3) 式を導くときに二分子間の相対速度で考えているので, このとき $ \displaystyle \frac{1}{2}$ 倍することはないのでしょうか? M: 全然違います. 例えば正面衝突なら, 相対速度は 2 倍です. 平均して真横からの衝突と考えれば $ \displaystyle \sqrt{2}$ 倍. 傍注や参考書を読んで, よくよく考えてください.

14s3002: 
1 個の分子のエネルギーを求める際に「分子が静止状態でもっている電子エネルギー」とありますが, なぜ静止状態でなければならないのですか? M: エネルギーをその由来に基づいて分割して考えることが, ちゃんと理解できていないようですね.

14s3003: 
式 (6.6) について, $ \displaystyle \varepsilon^$ele, $ \displaystyle \varepsilon^$trans, $ \displaystyle \varepsilon^$rot, $ \displaystyle \varepsilon^$vib はなぜ, 単純に和として $ \displaystyle \varepsilon$ が導き出されるのですか? 複雑に運動しているから相互作用が発生しないのですか? M: もちろん厳密には相互作用が発生しますが, それは ``複雑に運動しているから'' ではありません. // そもそも相互作用の大きさは, どの程度だと考えているのでしょうか? // まずは物事をなるべく単純化して考えるとか, 細かいことを考えたければ, その後で詳しく考える, という考え方に賛同いただけないのでしょうか?

14s3005*: 
平均自由行程と原子の直径は, どちらかが分かれば, もう片方も求められる関係ですよね. つまり, どちらかが実験によって測定できなければならないと思うのですが, どちらが先にどんな方法で測定されたのでしょうか. M: 私は知りません. 調べて分かったら, 教えてくださいネ ;-)

14s3006: 
極性分子が回転運動をすることにより, 電磁場が変化し, 分子運動に影響が及ぼされることはあるのでしょうか? M: ``影響が及ぼされる'' のあたりの日本語が変に思われるのは, 私だけか? // 14s3003 の最後のコメント参照

14s3007: 
分子は運動していますが, 衝突したときに摩擦などはあるのですか? あるとしたら, 運動は止まることはあるのですか? M: 一分子 (衝突を考えるから二分子か) のレベルで ``摩擦'' とは, どういうことか? // 分子同士の衝突においても, 厳密に言えば弾性衝突かどうかに議論の余地があるのは, 分子の壁との衝突と同類だということが, 想像できないのでしょうか?? // 仮にある分子が止まったとしても (どこを基準に静止?), 単位時間当たりの衝突回数の莫大さを考えると, 静止したままでいるとはとても考えられないと思うのだが??

14s3008: 
電子レンジであたためたものはガスを使って火であたためたものより冷めやすいですが, それはあたためる物質の運動の種類 (振動, 回転) のせいなのですか. M: 寡聞にして, そんなことは聞いたことがありません. 本当に電子レンジで温めたものの方が冷めやすいのですか? 容器や周囲の温度など, 他の条件は同一ですか??

14s3009: 
衝突は $ \sigma \BRAKET1{v}$ 内に他の分子の中心があるときに起こるものであるが, 「分子の中心」とは, 分子の重心を示しているのか. // 気体の衝突において, 相対速度の平均値をとるのに, x, y, z を考慮に入れているのに, 平均自由行程は x, y, z を考慮に入れなくてもよいのか. M: あいかわらず前提に無頓着ですね. 分子を剛体球と考えています. // 論理構造を理解していない予感. 相対速度の平均値を求めたあとでは, 運動方向には制限はなく, 一般の方向と考えてよい. すると平均自由行程は, その進行方向の話なので, あらためて成分に分けて考えない.

14s3010: 
3 原子で考えたとき, 変角振動が他の 2 つの振動より大きくエネルギー準位が低い理由はなんですか. M: 事実誤認では(?) そもそも ``振動が大きくエネルギー準位が低い'' とは, 自己矛盾では(?)

14s3012: 
折れ線のような分子の縦方向の振動はないのでしょうか. いろいろな分子の方向の振動エネルギーを考えると一概に数で表せるようなものになると思えなくなるのですが… M: 納得できていないことは分かるが, 質問の意味は不明. ``折れ線のような分子の縦方向の振動'' とは? 二酸化炭素で紹介した O-C-O の変角振動が折れ線のような振動ではないのか? ``数で表せるようなもの'' とは何を意味しているのか? 思うのは勝手だが, 基準振動を勉強して考え直してはいかがか(?)

14s3013: 
表6.1 で, 衝突直径が CO$ _2$ よりも小さい H$ _2$ が, なぜ衝突頻度や衝突数が CO$ _2$ より高いのですか. M: 14s3027 参照

14s3015: 
分子が回転運動をすると遠心力で結合距離が変わると思うのですが それは振動運動に含まれるのでしょうか. M: 振動運動は, 平衡位置を中心とした運動です. 例えば伸びたり縮んだりを周期的に繰り返す運動です. 平衡位置が移動して, いわば伸びっぱなしになったものは, 振動ではありませんネ. 14s3003 も参照

14s3016: 
分子のボールとバネのモデルでのバネの長さは原子間のキョリと等しいものですか? 分子の運動のとき, バネの長さが変化するのなら, 原子間のキョリも運動と共に変化するということですか? M: そもそも分子内振動という状況というか現象を, 理解していただけていないようで, 残念. 具体的な振動の様子も, 講義で示したし, 教科書にも振動について書いてあるのに, 読んでも理解できなかったということでしょうか(?)

14s3017: 
H$ _2$ と CO$ _2$ を比較して, 平均自由行程は H$ _2$ の方が長いのに, 衝突頻度が高いのはなぜですか. M: 14s3027 参照

14s3018: 
回転運動と振動運動は厳密に分離されているのでしょうか? M: 14s3003 の最後のコメント参照

14s3019: 
単原子分子にも回転エネルギーはあるのか. M: 常識的に考えて判断できないのは何故か? // 運動の自由度を考えて... (以下同文)

14s3020: 
6.5 式について $ \displaystyle L = \frac{\BRAKET1{v}}{Z_\text{A}}$ の形で, 距離 $ \BRAKET1{v}$ [m] を衝突数 $ \displaystyle Z_$A で割る, という意味は納得できましたが, 変形後, $ \displaystyle L = \frac{1}{\sqrt{2} \sigma N^*}$ となった時, $ L$ の単位は [m] であるはずなのに右辺では $ \displaystyle \frac{1}{\sqrt{2} \sigma[\text{m}^2] N^*[\text{m}^{-2}]}$ となり単位が合わないのではないか, と思いました. どういうことなのでしょうか? M: 勘違いですね. よく見直して考えてみましょう.

14s3021: 
今日の講義で気体の衝突の求め方はわかりましたが, なぜ分子どおしが衝突することを求めることが大事なのでしょうか? M: 教科書にも書いてありますし, 私も講義で説明したのですが, 伝わっていなくて残念.

14s3022: 
非直線形の 2 原子分子の自由度は 0 になりますが, これは振動していないということですか. M: 勘違い, 計算間違いでしょう. 常識的に考えて, 結合が伸び縮みする振動が存在することは明らかですから.

14s3023: 
水素分子等が球形でないことはわかるが, なぜそこからモデルとしてバネが用いられるのか. M: 教科書のこの章の説明をよく読んでも, 想像できないのですか? // 結合の伸縮振動, 力の定数, フックのポテンシャル等, バネと関連付けされる概念は多数登場しているはずですが(?) // もしかしたら物理力不足ですか?

14s3024: 
講義の中で気体分子のことを多く取り上げ, 液体や固体の分子のことはあまりでてこないように思えるのですが, これは気体分子の考え方が液体や固体に滴応できるからということですか. M: (理想) 気体と, 液体や固体との違いは何か? // 14s3003 の最後のコメント参照

14s3025: 
分子には並進, 回転, 振動の 3 つの運動が存在している. 図6.3 のそれぞれの絵のバネにはどのような意味があるのか. ただの棒ではダメなのか? M: 化学結合を学習したときに, 原子間距離を横軸にして, ポテンシャル曲線を考えた. 極小を与える位置が平衡核間距離だった. すなわち核間距離は固定されているわけではない. 14s3042 参照

14s3026: 
$ \displaystyle \varepsilon = \varepsilon^$ele$ + \varepsilon^$trans$ + \varepsilon^$rot$ + \varepsilon^$vib が 0 になることはあるのですか. なぜ単純に和で求まるのか. M: 各成分の符号を考えてみればいいのでは? // なぜ単純な和と考えてはいけないのですか? 14s3003 の最後のコメント参照

14s3027: 
教科書 75 ページの表6.1 について, H$ _2$ は He と比べて衝突直径と平均自由行程の値に他の 3 つの分子より差が無いのに衝突頻度と衝突数には大きな差があります. O$ _2$ についても, He と比べて衝突直径, 平均自由行程に差があるのに, 衝突頻度と衝突数ではあまり差がありません. これはそれぞれの分子の速さの違いによるものなのでしょうか? M: 衝突直径 (衝突断面積), 分子の (平均の) 速さ, 衝突頻度, 衝突数, etc. の間には, どんな関係があるか? そこから何が言えるか? 自分で考えてみればいいのでは? // どうして他人に答えを教えてもらう必要があるのでしょうか??

14s3028: 
分子を剛体と仮定したとあるが, 実際には剛体ではないのではないか. M: そうですね. 14s3003 の最後のコメント参照

14s3029: 
気体を閉じ込めた容器の形や内壁に何らかの工夫を加えて気体分子の衝突後の運動方向に指向性を持たせることが出来れば容器内の気体密度をコントロールする事が出来たりするのでしょうか? M: 空想や仮定の話, あるいは思考実験なら, どうぞ好きにしてください. そこに論理的整合性を求めるのであれば, 論理的に考えればいいでしょう. // 具体的にどうやって衝突後の運動方向に指向性を持たせるか, 考えてみればいいのでは?

14s3030: 
p.79 の図6.5 から $ \displaystyle R_$e より二原子間が大きくなると二原子間の結合エネルギーよりもポテンシャルエネルギーが大きくなってしまうので分子は不安定になってしまうという理解でよろしいのですよね? M: 全然よろしくありません (キッパリ).

14s3031: 
原子の運動の様子を知ることは 化学反応を予想することなどに役立つが 分子の運動の様子を知ることは, どんなことに役立つのでしょうか? M: 自分で役立て方を考えればいいのでは?

14s3032: 
気体の衝突で CO$ _2$ の方が衝突直径が大きくかつ平均自由行程が短いにもかかわらず, 衝突数が H$ _2$ の方が大きいのはどうしてでしょうか. M: 14s3027 参照

14s3033: 
分子が二重結合, 三重結合になると, 分子のそれぞれのエネルギーにどのような影響を及ぼしますか. M: ``それぞれのエネルギー'' とは, 何のことか? 結合次数が変わると, 分子の何が変わるのか?

14s3035: 
今回の講義では純粋な気体における分子の衝突を扱いましたが, 混合物気体内での衝突を考えたとき, 衝突断面積はどのようになるのでしょうか? 予想なのですが, 半径は「 $ \displaystyle \frac{1}{2} d + \frac{1}{2} ($他の分子の直径の平均$ )$」のようになるのでしょうか? M: 科学は豆知識クイズではない. 他人に ``正解'' を教わって, それを暗記するような勉強は, 推奨しません. そもそも新規な事項について, ``正解'' を知っている人など, いるわけがない.

14s3036: 
分子の衝突数や頻度は実験的に求めることができるのでしょうか. M: 14s3005 参照

14s3037: 
n 原子分子の運動の自由度も, n 原子分子を構成する原子の位置の自由度も 3n であるので, 運動が 3 変数とも定まれば位置も決まってしまう, と考えられるのか. その場合 不確定性原理に矛盾するのではないか. M: ``自由度'' の意味を誤解している. 教科書 p.76 の中ごろの文章をよく読めばいいのでは(?)

14s3038: 
分子の力学エネルギーを考えるとき, 運動エネルギー, ポテンシャルエネルギーの他に 位置エネルギーは考えないのですか? 分子にも重力が働くと思うのですが. M: ポテンシャルエネルギーと位置エネルギーって, 何が違うと思っているのでしょうか? // 20141201 の 13s3025 参照

14s3039: 
平均自由行程について, 実際には, 分子のほとんどは球体ではなく, その上に三次元方向に運動します. その時, 衝突断面積が次々と変わってしまうと思うのですが, $ \displaystyle L = \frac{1}{\sqrt{2} \sigma N^*}$ という 1 つの式で表しきれるのでしょうか. M: 三次元方向に運動することは障害にならない. 力学を復習してください. // ``次々と変わってしまう'' がよくわかりませんが, そもそも分子の幾何学的な直径とは異なるものなので, 平均的な断面積を考えればよいのではないか. // 14s3003 の最後のコメント参照

14s3040: 
分子の運動は, 並進運動と回転運動, 振動運動の 3 つが上げられて[原文ママ]いたが, それ以外に分子の運動はないのですか? M: 例えば他に何があるというのか? // 自由度 (変数の数) を考えれば, 余分な変数は独立なものではないので, 運動の記述には無駄で意味がない.

14s3041: 
平均自由行程や衝突頻度を知ることは, 化学の分野においてどのような意味をもつのでしょうか. M: 自分で調べたり, 発見すればいいのでは? // 例えば系中にある多数の分子が, 温度の変化に伴って, 速やかにボルツマン分布することを保証してくれる (7 章参照).

14s3042+: 
回転・並進はわかるのですが, 分子の形が剛体球でないとしても, 「ボールとバネのモデル」で表せるのが, なぜなのかよくわかりませんでした. 原子によって, 電気陰性度で電気のかたよりがあったとして, そこで平衡になるのなら わざわざ振動する必要があるのですか? M: 力学を本当の意味で理解していないようですね. // 振動していないとしたら, 何かで動かないように (例えば結合距離が変化しないように) 固定されているというのでしょうか?? ``平衡'' とは, その位置で釣り合っているというだけで, 静止を意味しません. 粒子に力が働いていない時には, 静止ではなく等速直線運動をします. そして平衡核間距離よりも結合距離が長ければ, 縮む方向に力を受けますが, 別な向きの力を受けなければ粒子 (原子) は運動方向を変えることはありません. 力学の基本です. 実際には平衡核間距離よりも結合距離が短くなれば, 伸びる方向に力を受けるわけです. (図6.5 のポテンシャル参照) // また, ちょうど平衡核間距離に原子を配置することは, 可能なのでしょうか? そのように原子が配置されていたとしても, 別の分子と衝突したら, どうなるでしょうか? 結合距離は変化しないのでしょうか? その結合は剛体なのか?

14s3043: 
平均自由行程 $ L$ を求める $ \displaystyle \frac{\BRAKET1{v}}{Z_\text{A}}$ $ \BRAKET1{v}$ は単位時間に移動するキョリだと思ったのですが, 表6.1 の平均自由行程 $ L$ と衝突頻度 $ \displaystyle Z_$A の単位をみると, 平均速度が正しいような気がします. でも平均速度を衝突頻度で割っても平均自由行程が出ないと思います. なぜですか? M: 混乱しているから. ``(平均) 速度'' って, ``単位時間に移動する距離 (の平均値)'' でしょ(?)

14s3044: 
自由度が大きい=複雑な運動をしている, という解釈で大丈夫ですか. M: 大丈夫じゃなさそう. ``複雑な運動'' とは, どういうことですか? 例えば ``後方1回宙返り1/2ひねり+前方1回宙返り1/2ひねり'' ですか? :-p

14s3045: 
平均自由行程は, 衝突回数が多い, 即ち衝突断面積が大きくて濃度が大きいほど短くなるとありましたが, それぞれの原子において, 衝突断面積 (または衝突直径) というのは どのような方法で決められているのですか? M: 14s3005 参照

14s3046: 
水素の衝突数が多いのは分かりましたが, ではどうして水素は衝突数が大きいのに平均自由行程も大きいのでしょうか. M: 14s3027 参照

13s3012: 
[前段は省略] 1 個の分子の平均運動エネルギーと真空の誘電率では同じ文字を (誘電率は $ \displaystyle \varepsilon_0$ だが) が用いられているが, この文字には何らかの意味ないし役割が課せられているのだろうか. 何もないのであれば何故同じ文字が使われているのか. M: 普通, 関数を $ f$ で表すのは, なぜか?

13s3025: 
平均自由行程が無限大になることはあり得るのだろうか? M: (6.5) 式を見て考えれば (?)

13s3030: 
光の吸収スペクトルが現れるのは, 光により分子にエネルギーが与えられ, 運動の仕方が変わるからですか. M: (1.2) 式, 図1.4 や図6.9 を見て, 自分で考えればいいのでは(?)

13s3041: 
表6.1 で, N$ _2$ と O$ _2$$ d$ を比べると N$ _2$ の方が大きいのですが, 三重結合を持つ N$ _2$ の方が大きくなるのは有効核電荷の違いですか? M: めちゃくちゃな論理ですね. 三重結合 (または結合次数) と有効核電荷の間に, いったいどんな関係が...... さらにそれと衝突直径との間に関連があるとは(??) もっときちんとした論理で考えてみるべきでしょう.

12s3024: 
衝突により, 結合がおこる場合, 運動エネルギーは足し合わされるのですか? M: 意味不明 ``結合がおこる'' とは何のことか? さらにそれが ``衝突により'' とは?? 運動エネルギーとは, 何の運動エネルギーのこと?

10s3042: 
分子の衝突において, 衝突する分子はどのくらいの位置まで近づくことができるのでしょうか. 被占軌道が交錯するまで近づけるのか, それ以前に静電反発によって跳ね返されるのでしょうか. M: 常に跳ね返されてしまっては, 絶対に反応が起こらないことになってしまう. 例えば活性化エネルギーと唱えながら, 図4.5 をにらんで考えればいいのでは(?)



rmiya, 20150202