化学の基礎II(G) (20141127)
M: 以下は宮本のコメント
- 14s3001:
- 無極性分子も電子分布の偏りによって瞬間的な双極子が存在するとありましたが、このとき起こる誘起力によって, 全体で電荷をもつことはないのでしょうか? 非常に小さな誘起力なので起こりえないのでしょうか. M: 電磁気力は電荷に比例し距離の二乗に反比例します. 誘起された双極子モーメント内の対になる電荷間と, 誘起の元になった電荷との間と, どちらの力が大きいでしょうか? また電荷を持つ (イオン化) に必要なエネルギーはどのくらいでしょうか?
- 14s3002:
- ファンデルワールス力の一種である分散力は瞬間的な双極子が生成していると習いましたがその瞬間的なエネルギーはどのようにして観測できるのでしょうか? また, 実験で値を計測するのは可能でしょうか? M: 説明の文言をよく読んでください. 「〜と考える」は, 実在を意味するか? また, 量子力学的な共鳴という考えもあることに注意. 個人的には ``瞬間的'' という表現は正確ではなく, 言葉のアヤだと思っています.
- 14s3003:
-
の * は何ですか? 単なる
と明確な区別があるのですか? // 水素結合の説明が共鳴みたいに見えるところから水素結合はとても安定な結合なのですか? M: どうして講義時間中に質問しないのでしょうか? // ``結合の安定性'' とは何ですか? 結合エネルギーの目安の値は教科書に載っています.
- 14s3005:
- 絶対零度まで冷やした金属では, 電子が熱エネルギーを受け取れないために空の軌道に移れず, 電気を通さなくなるのでしょうか. M: 電気抵抗の温度依存性とか, 超伝導といってみるテスト // どうやって絶対零度で電気伝導性を測るのですか?
- 14s3006:
- 水素結合は H のキャッチボールだとも考えることができるとありましたが, キャッチボールをすることにより, さらに安定になるということはどのような視点から説明することができるのですか? M: 単なるたとえ話に, 必要以上にイメージを膨らませても無意味. // そもそも現代物理では, 力は粒子により媒介される.
- 14s3007:
- レナード・ジョーンズ ポテンシャルは, 共有結合やイオン結合, 水素結合などと比べて非常に弱い力であると書いてあるのですが, それは, 結合を作るにはエネルギーが足りないということなのですか? M: 全然違います.
- 14s3008:
- 分散力が利用されている日常的な道具などはあるのでしょうか? 力が小さすぎて精密機械でも使われているかどうか怪しいと思うのですが. M: ``○○力を利用する'' って, どんなイメージですか? 特定の力を利用するっていうイメージは, 電磁石ぐらいしか思いつきませんが.
- 14s3009:
- N と Cl はどちらも電気陰性度が 3.0 です. では N
と Cl
と NCl
の結合性オービタルの波動関数に違いはありますか. M: そりゃもちろんあるでしょ. 何がどう違うかは, 自分で考えてみてください.
- 14s3010:
- 水分子が瞬間的に隣り合う水分子と結合を入れ替えているというようなことを言っていましたが, 試験管の中にアンモニアを多量に含んだ時も同じように水素結合を入れかえるのでしょうか. [図は省略] M: 同じように自分で考えてみて, 分からない理由は何か?
- 14s3011:
- 金属結合において, 無限に重なったオービタルが連続となるというのはどういうことでしょうか. その時, 反結合性オービタルには全く電子が入っていないのですか. M: ある二つのエネルギー準位の間隔が無限に小さいとはどういうことか? // 多数の原子に渡るオービタルで, 結合性・反結合性とは, どんな意味?
- 14s3012*:
- ファンデルワールス力について, 配向力・誘起力・分散力をあわせた全引力相互作用エネルギーは
で表され, 三つの分子間相互作用の和は
or
ind
dis で与えられるとありますが, それぞれの大小は物質の性質にどのくらい, どのように影響が与えられてみえるのでしょうか. M: 重要ですが, 簡単には答えられません. 配向力だけ考えてみても, (永久)双極子モーメントの大きさとその向きの変えやすさは, 当然, 物質によって異なります. 物質の誘電率も指標になるかもしれませんが, これも温度や周波数に依存します.
- 14s3013+:
- アルゴンやキセノンのような完全に無極性な分子の間にも, 瞬間的な双極子が生成しているようですが, その瞬間は無極性ではないのに, アルゴンやキセノンは「完全に無極性な分子」といえるのでしょうか. M: 言った人に聞けばいいのでは(?) // てゆーか, ここまで来ると, ``完全に無極性な分子'' とはどういう意味なのかという疑問がわきませんか?
- 14s3014:
- 無極性の分子も瞬間的な電荷の偏りで瞬間に分極し, 他の無極性分子を誘起させるなら, その誘起された分子がさらに他の無極性分子を誘起させることはあるのだろうか. もしそうなら, 無極性の分子は存在しないのではないか. M: 前半について, 自分で考えて答えを出せないのはなぜか? // 後半については, 14s3013 参照
- 14s3015:
- マリケンの電気陰性度はどの程度正確な値なのでしょうか. M: 質問の意図不明. 定義式は明快なので, 元になったイオン化エネルギーと電子親和力が正確であれば, 正しく計算で求められると思いますが(?)
- 14s3016:
- 金属結合において, 自由電子が動き回る様子は, バンド理論に当てはめると, フェルミ準位を超えて, 電子が空の軌道に移動する様子であるということですか? M: 物性物理, 固体物理の本を読めばわかるのでは(?)
- 14s3017:
- アンモニアがプロトンと反応すると電荷を持ち, それによってエネルギーが高くなると不安定になると思うのですが, なぜこのような反応が起こるのでしょうか. M: 思うのはあなたの勝手ですが, 根拠は何ですか? 本当にエネルギーが高くなるのですか? // 実際にアンモニウムイオンが形成されていることを, どのように説明・理解するつもりですか?
- 14s3018:
- H
は電子の偏りが 0 %, HCl は 18.5% とあったが, 何% が共有結合とイオン結合の境目なのか. そもそも区別しないのか. M: 講義で強調したことが, 全く伝わっていないようで, 残念です. もしもどこかに境界線があったとして, それを 0.1 % でも越えたら, 全く異なった別種の結合になってしまうのか, 自分でよく考えてください.
- 14s3019:
- 分散力の大きさは原子数が多い分子ほど大きくなるのか. M: 私は知りません, 調べて分かったら, 教えてくださいネ
- 14s3020*:
- 教科書 58 ページにエネルギー
について,
という式がありますが,
の単位は
Jm
となっています.
なら, エネルギーの単位は J となり成り立つと思いますが,
に反比例となると単位が合わないと思います.
だけ単位が Jm
なのですか? M: 単位は重要です.
と
は別物のはずです (同じものに別の名前 (記号) を割り当てると, 混乱する). それは (4.4) からも明らかです.
- 14s3021:
- 教科書によると電子雲が重なるぐらい接近すると, ポテンシャルエネルギーは急激に増加するが少し離れると非常に小さくなると書いてありましたが, なぜ少し離れると非常に小さくなるのですか? M: そもそも, ポテンシャルエネルギーが急激に増加するのは, なぜでしょうか?
- 14s3022:
- 水素結合が方向性をもっていると どんな効果があるのですか? M: そのまんまですけど. 自分でよく考えてみて, 何が問題なのでしょうか?
- 14s3023:
- 配向力, 誘起力, 分散力は なぜ表4.4 の様な大小関係になるのですか. M: あなたはどうなると考えていた (予想していた) のですか? その理由は? それと比べて表の結果は, どうだったのでしょうか? せっかく見つけた興味深い題材なので, 安易に答えを教えてもらってそれを暗記するなんて, もったいないと思いませんか?
- 14s3024:
- イオン化エネルギーと電子親和力から電気陰性度を求められるのはわかったのですが 教科書には「実際にはイオン化エネルギーの方に大きく依存する」と書いてあったのですが それはなぜですか. M: 原子間で結合を作るときに利用される原子オービタルと, 陽イオン化または陰イオン化の時に関係ある原子オービタルは, どれか?
- 14s3025:
- ファンデルワールス力は共有結合などに比べるととても弱い結合である. そして配向力, 誘起力, 分散力がある事を知りました. 何故この 3 つの力を調べるために極性が関わるのですか? M: 質問の意味不明. ``調べる'' とは?
- 14s3026:
- 高校では暗記していたことを今日の講義で説明され, なぜそうなるのか納得できてよかったです. 電気陰性度の式でケリマン[原文ママ]の式ではイオン化エネルギーに大きく依存するからポーリングは別の式を提案したと書いていましたが イオン化エネルギーに依存すると何かまずいことでもあるのでしょうか? M: 誤読の予感. 14s3024 も参照
- 14s3027:
- 共有結合やイオン結合は電子の偏りの度合いに差があるものの, 波動関数やオービタルにはほとんど違いがなく, 明確な境界は引けないことはわかりました. しかし, マクロの世界になると, 共有結合結晶とイオン結晶では多くの違いが出ますが, これは電子の偏りによるものなのでしょうか? M: 質問の仕方がアレですけど... // 結合に典型的な共有結合やイオン結合があるように, 結晶にも典型的なモノがあるだけでは(?) 中間的なものを捜してみればいかがでしょうか.
- 14s3028:
- 100 % イオン結合とは実際に存在するのですか? // クラスター構造に関係して, なぜクラスターで水素結合が止まるのか? 全ての水分子が水素結合した方が安定だと思うのですが…. M: 電子の分布範囲が一個の原子の近傍に限定されていなく, 原理的には無限遠まで広がっていることを考慮してはどうでしょうか. // 止まっていない.
秒のオーダーで結合が組み変わっている. もしもがっちりと結合して, その結合によって水分子が固定されてしまえば, それは液体の水ではなくなってしまうと思うのですが...
- 14s3029*:
- O
が常磁性をもつことは以前の構義[原文ママ]で学びましたが, 希ガスの様な分子が低温で液体となるのが分散力によるものであるなら分極による磁性をもつのでしょうか. M: マクロな物性には, 電場に対する応答として誘電率があるのと同様に, 磁場に対しての磁化率というものがあります. 一方分子レベルでは, 分子内の電子分布の偏りにより電気双極子モーメントを持ちますが, 常磁性分子の磁気モーメントの方向が分子内でどちらを向いているのかは, わかりません. // もしも分子の構造に対して特定の方向に磁気モーメントが向いているのであれば, 外部磁場によって分子の配向を制御できることになりますネ ;-)
- 14s3030:
- p.47 の図3.11 には
という向きに矢印が向いていますが, 正電荷と負電荷のポテンシャルエネルギーは正電荷の方が高く, 正で表わされ, 負電荷は負で表わされており負電荷が正電荷を引っぱっているというふうにとれますが, なぜ
なのでしょうか. こういう風に表すという定義なのでしょうか. それとも何か意味があるのでしょうか. M: 物理を復習する(?)
- 14s3031:
- バンド理論から金属が電気を通すしくみがわかったが, 銀が金よりも伝導率が高い理由がわからない. 原子核から遠い価電子をもつ方が伝導率が高いのではないのか. (バンド理論では電子の動きやすい方が伝導率が大きくなるから) M: 講義では概要を説明したに過ぎない. 詳細な議論が必要ならば, ちゃんと勉強してください. 原子のパッキングとか相対論効果も関係しそう.
- 14s3032:
- 異核で極性のない分子での原子間の結合は全て共有結合なのですか? M: そもそもそういう状況が現実にあるのか?
- 14s3033:
- 教科書にマリケンが電気陰性度を数値化したことに対して, ポーリングが別の計算式を提案したとあります. これは使い分ける必要があるのか. またどちらか 1 つだけで十分なのか. M: 十分かどうか, 私は知りません. 自分で判断すればいいのでは?
- 14s3034:
- よく CM で, マイナスイオンという言葉を聞くのですが, 実際にマイナスのイオンのみを低いエネルギーで空気中に分散させることはできるのでしょうか. M: その CM で言うマイナスイオンとやらは, 何ですか? // 微粒子が帯電する (させる) ことはあるが. 低いエネルギーとは?
- 14s3035:
- 水素結合している構造を無理やりひきはなそうとしたとき, H がくっついていく方向に規則性はありますか. M: そりゃもちろん, 確率という意味での規則はあるでしょう.
- 14s3036:
- 表4.4 をみると極性分子同士でも誘起力や分散力があるようですが, それはなぜですか. // 瞬間的な分極はどのくらいの頻度でおきているのですか. // ファンデルワールス力の大きさは分子の大きさや結合距離に依存するのですか. M: 力が発生するメカニズムを考えると, 逆にどうして無いと考えることが出来るのでしょうか. // 14s3002 も参照 // (4.4) 式や表4.5 を見て考えればいいのでは(?)
- 14s3037:
- 無極性分子の瞬間的な電荷の偏りは, 偏りの大きさは変化しながらもずっと存在しているものなのか. もしそうであれば, 無極性分子同士もファンデルワールス力を持たない場合はないということになるのか. M: 質問の意図がわかりにくい. 現実に希ガスが低温で液化することを, どう理解するつもりか(?)
- 14s3038:
- 中性分子のそれぞれの原子の
,
の位置において
や
同士の反発力が
と
の引きあう力より大きくなるとき, 結合は切れてしまうのですか? M: ``それぞれの原子の
,
の位置'' って, どういうことですか?
- 14s3039:
- 無極性分子を構成している元素の電子が多さ (元素の原子番号の大きさ) は, 誘起力や分散力のあり方に何か影響をおよぼすのか. M: 私は知りません. 調べて分かったら, 教えてくださいネ
;-)
- 14s3040:
- 結合や相互作用の引き合う力の本質がプラスとマイナスが引き合う力であり, 結合や相互作用の大きさは, 相互作用する物質の間の距離によって決められているが, この法則に例外はあるのでしょうか? M: どの法則のことか, よくわからない. もしかして物理の電磁気学を復習する必要がある(?)
- 14s3041:
- イオン結合や共有結合, ファンデルワールス力はそれぞれ結合距離が異なり, 結合エネルギーは結合距離と密接に関係していますが, どうしてファンデルワールス力が他の結合よりも結合距離が長いのですか. M: 何か話の論理が逆のような気がする......
- 14s3042:
- 配向力, 誘起力, 分散力について, 原理がとてもわかりやすかったです. ありがとうございます. 分散力についてですが, お互いに無極性分子なので, 両方の分子が瞬間的に分極しているとしたら, 分子間に正または負の優劣がなければ 誘起されないと思ったのですが, どちらかが瞬間的に分極する時は, いつでも誘起されるのですか? また, 電子は物理法則に従うとおっしゃっていましたが, 1 つの軌道に 2 つ以上の電子が入ったり, 陽子と電子がくっついたままになっていないように, 例外があると思うのですが, 電子はいつも同じようにふるまうのですか? M: どういたしまして. // 14s3036 が参考になる(?) // 何が何の例外だと言っているのでしょうか? 本当に例外なのか?
- 14s3043:
- クラスター構造は非常に短く, 新しい水素結合を作ると説明されましたが, 分子間力の強い水素結合が切れるんですか? また, なぜ, クラスター構造を形成すると水は強い会合性液体であると言えるのですか? M: 14s3028 のコメント参照 // 弱い会合性液体がどんなモノか, 考えてみればいいのでは(?)
- 14s3044*:
- 分散力は瞬間的な分極による相互作用ということでファンデルワールス力の中でもあまり大きい力ではないのでは, と考えていましたが, 教科書の表4.4 を見ると配向力などよりも大きいようです. 何故このような結果になるのですか? M: 現実にそうなんだから仕方ない. 14s3002 のコメント参照
- 14s3045:
- ファンデルワールス力の発生原因である分散力は, 教科書の説明を読んでみると, 無極性な分子の間に働く力とありましたが, 極性の分子でも分散力は働きますか? M: 14s3036 参照
- 14s3046:
- ファンデルワールス力の三つの力について学びましたが, なぜ誘起力は他の二つに比べて相互作用がやや小さくなるのでしょうか. M: 私は知らない. 調べて分かったら, 教えてくださいネ
- 13s3010:
- 光電効果について, ある 1 つの金属に対して何度も光電効果を起こしたら金属が + の電荷をもったイオンのようになったりはしないのですか? M: なるかもしれませんね. それがどうかしましたか?
- 13s3030:
- 分子同士を近づけていくと引力よりも反発力が強くなる, つまりポテンシャルエネルギーが大きくなるとのことですが, では, 原子核の中の陽子 (He 原子核など) のポテンシャルエネルギーはどうなっているのでしょうか. M: 何を聞きたいのか, 意味不明
- 13s3041:
- 吸湿性を示す, 例えば NaOH や CaO シリカゲルなどは水素結合の力で気体の水を集めているんですか? M: ``水素結合の力'' って何ですか? 分子レベルで, 何と水分子とが結合しているかを考えればいいのでは(?)
- 12s3024:
- 分子はとても質量が小さいのに, 相互作用によって結合できるのはなぜですか. M: 質量と相互作用の大きさが, どう関係しているのですか?
- 11s3001:
- クロマトグラフィーなどの実験で無極性分子どうしを相互作用させて極性分子から分離するものがありますが, 一般に 誘起力<分散力 なのですか? M: どのくらい一般性があるか知りませんが, いくつかの分子については表4.4 の通りです. // そこで何と何が相互作用して, その結果どういうことが起きているのか, 詳しくじっくりと考えてみればいいのでは(?)
- 10s3042:
- 分極の大きな分子が一定量存在するような環境下においても無極性分子同士の相互作用は見られますか. また, 瞬間双極子が永久双極子よりも大きな相互作用を生むことはありますか. M: 当該分子同士の出会う確率はゼロなのでしょうか? // 双極子の大きさとか配向を考えればいいのでは(?) または表4.4 参照
rmiya, 2014-12-05