プログレス物理化学 II (20141107) M: 以下は宮本のコメント
12s3033: 
NTO は数値的に求められると言っていたが必要な部分を残したある関数を仮定して数値的に求めているのか. M: 具体的に NTO をどのようにして求めているのか, 私は知りません. 調べて分かったら, 教えて下さいネ.

12s3035: 
NTO の N って何の略でしょうか. そしてその数値はどうやって求めればよいのでしょう. M: Numeric かなんかだと思われます. 12s3033 参照.

12s3036: 
ab initio 法が あるのに[薄くて判読困難] 今でも他の近似法でも考えるのか? M: 何でもかんでも力まかせに ab initio 法で計算することが, 化学の理解にとって適切とは言えないのではないでしょうか? // ab initio 法を始めとする分子軌道法は, 基本的には, 真空中に孤立した一個の分子についての電子状態を計算しますが, 現実の系はそうではない (もちろん溶媒効果などを取り込む計算方法はあるが). したがってこの例を見るだけでも, ``ab initio 万能!'' とは言えないでしょう. // 2013 年のノーベル化学賞についても調べてみて下さい.

12s3040: 
分子軌道の実際の型は, 近似や, 相対論的量子力学を用いれば可能なのか. そもそも近似の必要性があるのか. M: 意味不明. ``分子軌道の実際の型'' とは何か? // そもそも多体問題を理解していない??

12s3045: 
ガウス型オービタルが $ \displaystyle r > a_0$ で近似できて, $ \displaystyle r < a_0$ では実際より小さくなってしまうのはなぜですか. M: 数式をにらめば, 数式の意味を考えてみれば, 数値を求めてみれば, 自明だと思うのですが... // ていうか, $ \displaystyle a_0$ って何??

12s3047+: 
今日の講義で分子軌道法を行う上で注意すべきことがたくさんありましたが, コンピュータが発達していない時代はこれら全てを考慮して紙に書いて計算していたのでしょうか? またこれらの注意点全てを考慮した計算結果は化学に対してどのような形で応用されるのでしょうか? M: 不思議なことを聞きますね. 世界初のプログラム可能な電子計算機と言われる ENIAC が開発されたのは 1946 年です. 量子化学の発展とほぼ同時期だと言えるでしょう. しかし研究者の全てがこうした計算機を自由に利用できたわけではない. そしたら, 機械式計算機 (!) を使ったり紙とペンを使う以外に, 何を使えばよいのだろうか? // 正気ですか? 手順や操作を適正に行った実験結果は, 化学に対してどのような形で応用されていると, あなたは考えていますか?? フラスコの中での実験については, 色々と注意事項を考慮して実験を行うのに, 計算機の中での実験については, どうしてそういうことに無関心でいられるのでしょうか?

11s3013: 
具体的な MO 法を決める際, 実験と合うようにパラメータ化するのはずるいですよねというお話がありました. では, なぜ使われているのですか? M: 道具は使いようです. 12s3036 参照. HMO でしたら, クーロン積分や共鳴積分の値が具体的にいくつであるかに依存しない種類の議論を展開する. 半経験的手法については, パラメータを決定するために用いた数十種類の化合物には含まれていない, 個々の研究者が興味を持った化合物について利用しているので, 計算精度を考慮して, 合うことを目的としたり評価基準とするような議論は行わない. 計算結果には, パラメータの決定に用いられた化合物群の特徴を反映した傾向が見られる (水素結合の問題とか).

10s3042: 
ハートリー・フォック法のカバーできないようなスピン排除の条件を用いるような計算は どのような分子の状態を求めるのに用いられるのですか. M: 特定の場所にだけ効くようなものではないと思われますが, 強いてあげればスピン軌道相互作用が効く所かな. ナトリウムの D 線における二重線や, 一重項・三重項間の項間交差やリン光の問題などに効くかも.



rmiya, 2014-11-27