構造物理化学演習 (20140630) M: 以下は宮本のコメント
12s3001: 
水素原子の基底状態エネルギーを求める際には試行関数として $ \DS \phi(r) = \e^{-\alpha r^2}$ (264 ページ), 調和振動子の基底状態エネルギーを求める際には試行関数として $ \DS \phi(x) = \frac{1}{1 + \beta x^2}$ (例 7.2) を利用しているが, 試行関数はどのようにして使い分けているのか. M: 別に. p.264 上の記述の通り, 試行関数が何らかの意味で厳密な波動関数に近ければ近いほど, そのエネルギーの期待値は厳密な値に近くなる. よって, 厳密な波動関数に近い試行関数を予測するように知恵を絞る.

12s3002: 
たった一つのパラメーターを含む試行関数を用いただけで水素原子の基底状態エネルギーの厳密な解に近くなるのは なぜか? M: 何の話か? // 12s3001 も参照

12s3004: 
水素原子よりも分子量が大きい原子のエネルギーを求めるときに, より実際の求められる値に近づけるためには, どのように計算すればよいのか? M: ``実際の求められる値'' とは何か? // 別に. 12s3018 参照

12s3005: 
ヘリウムのような厳密解が分からないようなものにも変分法などの近似で基底状態のエネルギーを求めていいのですか. M: そもそも何のために ``近似法'' を使うのか??

12s3006: 
摂動法を用いて厳密な解を求める時は, コンピュータによる計算が多く使われているのか. M: 多いかどうか, 私は統計データを知らない.

12s3007: 
7.18 では $ \DS \int \psi_1^* \hat{H}^{(0)} \psi_2 \d\tau$ の項が消えているが どういうことか. 直交しているのかと思ったが どこをどうすればよいのかがわからない. M: 別に. 普通に計算すればいいだけでしょ. // 教科書 § 4.5 をよく読めばいいのでは?

12s3008: 
摂動のない系というのは現実にありますか? 「摂動論は問題の解を別の問題の既知の解で表現する」とあるので, 逐次補正項を高次まで求めても厳密解とはならないと思うのですが, どうなんでしょうか? M: 実在系で厳密解が既知のものはあるか? // 12s3009 のコメント参照 (なぜ自分で判断できないのか?)

12s3009: 
試行関数 $ \DS \phi = \sum_{j=1}^{N} C_1 \e^{-\alpha_j r^2}$ を用いて水素原子の基底状態のエネルギーを求めるとき, N の値を大きくしていくと, 厳密な結果と計算値が一致することはあるのか. M: 演習時間の始めに, 厳密解とほとんど望みの精度を持つ近似解についてコメントしたのに, 伝わっていなくて残念.

12s3010: 
式 (7.30) のもう一方の解が箱の中の粒子の第一励起状態エネルギーの上限に相当することは どこからわかるのか. M: 教科書 § 4.5 をよく読めばいいのでは?

12s3011: 
非調和振動子では, 非調和項を調和振動子に対する摂動と考えるとあるが, なぜそのように考えることができるのか. M: あなたは問題の系に対して, どのような物理モデルを考えて, どのように理解・解釈したいのか?

12s3012: 
摂動論は任意の場所で精度を変えられるが, 一般的に精度が良いと言われる補正はどこまでなのか. また, そこまで補正を行わなかった人は精度が悪いのか. M: ``任意の場所で精度を変えられる'' とは, どういうことか?? // 精度の良し悪しの境界はどこにあるのか? 仮にそれが存在したら, 質問の後半は自明では(?) // あぁっ, 引っ掛け問題か. 補正の精度は良いかどうか自明だが, 人の精度なんて知らない.

12s3013: 
水素やヘリウムよりも原子番号の大きな原子も摂動論を使えばエネルギーが求まるのか. M: 12s3004, 12s3005 参照

12s3014: 
p.273 の (7.26) 式で試行関数が両方とも $ \phi$ であるが, 規格化直交していないということなのか? M: 意味不明. その $ \phi$ は前ページ下の $ \phi$ でしょ(?) それを使って何の計算をしているかよく見ればいいのでは(?)

12s3015: 
7 章の初めにほとんど望みの精度で解くことができるとあるが, この「ほとんど望みの精度」とは「厳密」とは違うのか. M: 時間の初めにコメントしたのに, 伝わっていなくて残念.

12s3016: 
変分パラメーターについて 1 次ではなく, 2 次の試行関数を使うと, 永年行列式が得られる. M: 何の事を言っているのか不明ですが, 質問でないことは分かりました.

12s3017: 
教科書にある ``望みの解'' とは, 自分が問を読んで理解したうえでの解答だけでは不十分なのですか. 採点者側の ``望みの解'' を示さなければいけないのですか. M: 誤解もここまで来ると滑稽ですね. 教科書の一字一句を正確に読めばいいのでは(?)

12s3018: 
原子番号が大きく, 電子が複数ある原子だと近似的方法を用いても計算が複雑になると思うのだが, どうやって計算するのか. M: 複雑だろうが煩雑だろうが, 古今東西, 計算は計算であり, やることは同じ. むしろそういう普遍性があるから数学は有用なのだ.

12s3019: 
原子を扱う際には極座標を, H$ _2$ のような二中心系の分子を扱う際には楕円体座標を用いると便利であると, 教科書にあるが, 分子の系態それぞれに対応した座標系があるのか? M: 振動の問題における基準座標以外に, 分子の形態に対応した座標のようなものを私は知りません. 調べてわかったら, 教えてくださいネ

12s3020: 
例題 7.5 では試行関数 $ \phi$ が規格化されるという条件からすべての $ \DS c_j$ を決定しているが, 他に使える条件はないのか. M: 個別の状況に応じて工夫すればいいのでは(?) てゆーか, それしかない.

12s3021+: 
高次の補正が 0 になることはあるのですか? M: 剛体回転子に対するシュタルク効果の問題では, 一次の補正はゼロだが二次の補正は存在し, これによりエネルギー準位のシフトが説明される. 問題 7.20(e) も参照

12s3023: 
(式 7.3) $ \DS E_\phi = \frac{\int \phi^* \hat{H} \phi \d\tau}{\int \phi^* \phi \d\tau}$ の分子, 分母の積分は $ r,~\theta,~\phi$ についての三重積分ですが, それぞれの成分 1 つだけの積分にするにはどうすればよいですか. M: 数学の復習が必要そうですネ

12s3024: 
摂動論において, 第一項が摂動でないのはなぜですか? M: 何を言ってるのか分からない. 一般的な話なのか? // いずれにしても, 摂動論を復習すればいいのでは??

12s3025: 
近似の法方として変分法や摂動法以外に何かあるのでしょうか. M: いきなり数値計算しちゃう(?)

12s3026+: 
無摂動系の固有エネルギーに縮退がある時に, 縮退のない一般の場合の摂動論はそのまま適用できるのか? M: サポート Web ページにも記載している参考書を見ればいいのでは(?) // 大抵は, 摂動により縮退が解ける事になる.

12s3027: 
7.14 の基底エネルギーの上限とはそもそも何でしょうか. 厳密な基底エネルギーが $ \DS \frac{\pi^2 \hbar^2}{2 m a^2}$ があるのに上限があるということは どういうことなのでしょうか. M: 日本語が通じないのかな? 変分法が何をやっているのか, その意味を理解していないのかな??

12s3028: 
水素型波動関数でハミルトン演算子を分離するとき電子間反発の項を無視しなければならないのは なぜか? M: じゃあ, 無視しなければどうなるか, 自分で計算してみればいいのでは(?)

12s3030: 
最適な試行関数とはどのくらい厳密な試行関数のことをいうのか. M: 12s3009 参照 // フィ〜リングで理解したつもりなのかな?

12s3031: 
任意のパラメータ $ \alpha,~\beta,~\gamma \dots$ とありますが 任意とは複素数でもいいのでしょうか. M: 本当に ``任意'' の意味が分からないのか? 辞書を見ればいいのでは(?)

12s3032: 
変分法や摂動論以外に, 実験値との誤差が 5 % 未満になる近似法はありますか. あるなら, どのようなものですか. M: そんな定量的な話は, 私は知りません. // しかし近似的方法により, ほとんど望みの精度で解を得ることができるので, どんな近似法でも良いのかもしれませんネ :-)

12s3033+: 
問題 8.5 で光の速度を原子単位で表すと, $ \DS c = \frac{2.998 \times 10^{8} \text{~m s}^{-1}}{2.188 \times 10^{6} \text{~m s}^{-1}} = 137.0$ となり $ \DS$   m s$ ^{-1}$ が消えてしまったのだが, 原子単位では光の速度は単位がないのか. M: 通常の表記では原子単位系の採用により, 真空中の光の速度 $ \DS c_0$ $ \DS c_0 = 137.0$ となる. しかし本当は, $ \DS c_0 = 137.0 \left( \frac{e^2}{4 \pi \varepsilon_0 \hbar} \right)$ とでも書かれるべきであろう.

12s3034: 
フォック演算子は具体的にどういった演算子のことをいうのか. M: 教科書第 8 章をよく読めばいいのでは?

12s3035: 
$ \DS E = \sum_{n=0}^{\infty} E^{(n)}$ とした時, $ \DS E^{(0)} >> E^{(1)} >> E^{(2)} >> E^{(3)} \dots$ という仮定の下, $ \DS E = E^{(0)} + E^{(1)}$ と近似しているという考えで合っていますか? M: 何の話か? // 12s3021 も参照

12s3036: 
7.6 でなぜ $ \DS E_$min$ = E_$exact だと分かるのですか? M: 波動関数を見れば自明

12s3037+: 
厳密解が分からない問題の近似解はどのように評価したらよいのですか. M: 例えば, 系統的に解の精度を上げていった時, その収束の様子を見るのは どうか?

12s3038: 
式 (7.37) から得られる 2 つの解のうちの大きいほうの解が, 第 1 励起状態エネルギーの上限に相当しているのは何故か. M: 12s3010 参照

12s3040: 
近似する方法の使いわけは, ある程度, A には B という方法, C には D という方法を使うと, 手間が省けるとかがあるのか. それとも完全な個人の好みなのか. M: ``パターンを暗記すれば良い'' という発想は, 捨ててください. // あなたは問題の系に対してどのような物理モデルを考えて, 理解し説明しようとしているのか?

12s3041: 
励起状態のエネルギーのもっとよい値を得る方法には, どのようなものがありますか? M: 昨年の講義 (構造物理化学 II) で宿題に出した.

12s3042+: 
摂動法で $ \DS \hat{H}$ を分解したとき〓[一文字判読不能] どのように分解しても同じ値の近似が得られるのですか. M: 近似するということの意味, 近似法の性質, どのような物理モデルを考えて系を理解しようとしているのか, などという ``科学観'' が無いのか?

12s3043: 
p.160 と p.161 で $ \d V = 4 \pi r^2 \d r$ となっていた. 7.14 の $ \d\tau$$ \d V$ と同じ考えということか. だとしたら $ \d\tau$ は体積ということなのか. M: 見て, 想像して, 分からないのか? // いつも ``体積素片'' と言っているのだが...

12s3044: 
教 p.279 に, 「〜幸いなことに多くのアルゴリズムが利用できる.」となるが, 具体的にはどのような方法か. M: 数値計算法の本を数冊見てみればいいのでは(?)

12s3045: 
厳密な, よりよい結果を求めるためには具体的にどのような試行関数を用いればよいのでしょうか. M: 12s3015 参照. // 一般解はない. 問題に依存するだろう.

12s3046: 
p.269 の図 7.2 の試行関数と厳密な波動関数を比べた図で変位が大きくなると試行関数の振幅が大きくなるのは なぜか. M: それぞれの関数は何か?

12s3047: 
近似法で用いる試行関数が規格化できないのは なぜですか? 規格化できるように規格化定数をとった試行関数を選ばないのは 何故ですか? M: 本当に規格化できないのか? そもそも規格化できない関数は, 波動関数として有効なのか??

11s3013: 
教科書 p.263 では, エネルギーを $ \DS E_\phi = \frac{\int \phi^* \hat{H} \phi \d\tau}{\int \phi^* \phi \d\tau}$ により計算できるとしています. しかし, p.271 で, $ Z$ を変分パラメーターとしたとき $ \DS E(Z) = \int \phi_0(r_1, r_2) \hat{H} \phi_0(r_1, r_2) \d r_1 \d r_2$ となって, $ \DS \hat{H}$ の平均値の形になっています. 何故前者の $ \DS E_\phi$ の式の分母「 $ \DS \int \phi^* \phi \d\tau$」がなくなってしまったのですか? どこの計算で消えてしまったのでしょうか? M: 何の計算をしているのか, その本質を理解していないのですね. 両者に何の違いもありませんが(?)

11s3019: 
E を最小にする Z は有効核電荷なのは なぜか? M: 別に, そう解釈したくなければかまいません. ご随意に.

11s3046: 
1 次の補正を計算するために, 2 次, 3 次の補正も必ず考慮しなければならないのか. M: 別に. でも考え方は一貫していないと, 今やっている計算が場当たり的なものだということになってしまいます. そんな計算が正しい保証はあるのでしょうか?

10s3042: 
変分法と摂動法では, 摂動法の方がより多くの状態を計算できるように思われますが, 変分法を用いるメリットは何でしょうか. M: 評価軸が違うのに, どうして優劣をつけたがるのかな. 適材適所でいいじゃん.

09s3043: 
変分法と摂動法は使い方しだいで非常によい結果を与えることがわかりましたが, この 2 つの内, 一方を必ず選ぶしかないということはありますか? M: あなたは系をどんな物理モデルに基づいて理解・解釈したいのですか?



rmiya, 2014-07-10