構造物理化学演習 (20140623) M: 以下は宮本のコメント
12s3001: 
球面調和関数が $ \DS \hat{L}^2$ $ \DS \hat{L}_z$ の両方の固有関数になっているために $ \DS \hat{L}^2$ $ \DS \hat{L}_z$ の精確な値を同時に決定できないということは, なぜ $ \DS \hat{L}^2$ $ \DS \hat{L}_z$ が可換であることを示せるのか. M: 意味のよく分からない質問文だが, おそらく誤解しているのだろう.

12s3002: 
ディラック方程式が生んだ空孔理論とは一体どんなものなのか. M: 自分で勉強してみればいいのでは? または解説書や啓蒙書を読むとか.

12s3003: 
教科書 p.265 の図 7.1 のガウス試行関数と厳密な波動関数を比較することで何が分かるのか. M: 何のための比較なのだろうか? 文脈から何を言いたいのか読み取れないのか?

12s3004: 
行列式の任意の 2 行あるいは 2 列を入れ替えると, 行列式の符号が変化するだけなのは どうしてなのか? M: 線形代数の本を読んで, 行列式の定義についてよく考えればいいのでは?

12s3005: 
式 (7.37) から得られる箱の中の粒子の第一励起状態エネルギーの上限がかなり粗いものになるのはなぜですか. M: 別に. 荒いかどうかは主観でもあるし, 単にそうだというだけ. 不満なら別の試行関数を考えればいいのでは(?)

12s3006: 
なぜエルミート演算子が直交しなければならないのか. M: ``演算子が直交する'' とは, どういうことか?

12s3007*: 
n 次元の永年行列式からは n 個のエネルギー状態が得られるが, 軌道の組み合わせを考えると それ以上のオービタルがあるのに その n 個以外はどうなっているのか. M: 端的に言えば, ハミルトニアンの固有関数になっていない. ハミルトニアンの固有状態ではない一般の状態をあらわしているだけ. n 次元空間の基底関数は, n 個までしかとることができない.

12s3008: 
行列方程式を解くことによって得られるπ電子のエネルギーは, 実際のπ電子のエネルギー (実験値) と等しいまたは近い値になるのでしょうか? M: もしならなければ, その計算に価値はあるだろうか?

12s3009: 
球面調和関数が $ \DS \hat{L}^2$ $ \DS \hat{L}_z$ の両方の固有関数であるのに, $ \DS \hat{L}_x$ $ \DS \hat{L}_y$ が固有関数でないのはなぜか. M:  $ \DS \hat{L}_x$ $ \DS \hat{L}_y$ は演算子だが…(?) // 不確定性原理と言ってみるテスト

12s3010: 
ヘリウム原子のシュレーディンガー方程式は厳密に解けないとあるが, コンピュータ等を用いても解けないのか. 「限りなく近似した解のみが存在する」ということか. M: ``厳密に解けない'' の意味を理解できないのだろうか? // 三体問題とか多体問題とかを調べてみればいいのでは? // 方法と道具の区別がつかないのだろうか?

12s3011: 
原子が磁場中に置かれたとき なぜ多重線が生じるのか. M: 章末問題 6.43-6.46 の説明の何が分からないのか? どれだけ自分で参考書を見るなどして勉強したのか? // 20140616 の 12s3033 参照

12s3012: 
ウンゼルトの定理は経験則であるか. M: 一般則が数式で表現されるような定理なのに?

12s3013: 
磁場中では 2p 状態のエネルギー準位が図 6.2 のように分裂するが $ m=1$ のときのエネルギー準位が一番高いのはどうしてか. M: 12s3011 参照

12s3014: 
余因数は 3 行 3 劣の行列式以外でも定義できるのか. M: 線形代数の教科書を見ればいいのでは(?)

12s3016: 
$ \DS \hat{L}^2$ $ \DS \hat{L}_+$ $ \DS \hat{L}_-$ と可換であることは, 電子のどのようなことを表しているのか. M: 軌道角運動量の性質 (あたりまえ). あとは, 自分で調べて考えればいいのでは(?)

12s3017: 
$ \DS \hat{L}_z$ を決めると角度φが不確かになるのは なぜですか. M: 不確定性関係

12s3018: 
ある演算子 $ \DS \hat{A}$ $ \DS \hat{B}$ があり, $ \DS [\hat{A}, \hat{B}^m]=0$ であることは, 物理的にどのような意味があるのか. M: 私は知りません, 考えて思いついたら, 教えてくださいネ // 教科書の問題で行われる計算の全てに (現時点で) 物理的意味が存在しなければいけないのか?

12s3019: 
分子軌道計算にも様々な種類がありますが, 今回の物理化学実験で単純 Hückel 分子軌道法を用いているのは何故か? M: 分子軌道計算の全ての過程をあらわに手がけることができ, ブラックボックスを導入せずにいられるから. // もちろん別の分子軌道法も用いてよい.

12s3020+: 
摂動論や変分法において, 近似法を用いて計算した結果を きわめて良好な結果 と表現することがあるが, 何を基準に良好といっているのか. 計算結果がどの程度一致すれば その近似法を用いてよいのか. M: 正しい ``科学観'' が身についていない(?) // そもそも科学は自然に対する近似である. 例えば, より良い近似値が得られるにもかかわらず, ハートリーフォック法ではあくまでもオービタルの描像を捨てないし, そこには分子に対する科学観が反映されている.

12s3021: 
励起状態のエネルギーの上限の値を得るとき, 波動関数の対称性を用いる方法が一番良い値が得られるのか. M: その様な一般解が存在するのかどうか, 私は知りません. 調べてわかったら, 教えてくださいネ

12s3023+: 
はしご演算子 $ \DS \hat{L}_\pm$ $ \DS \hat{L}_z$ の固有値を変化させることは, どういう意味を持つのですか. M: 状態を表す量子数が変化するということは, 状態が変化する, すなわち状態間の遷移が起こったということです. // 12s3027 参照; 20140616 の 12s3033 参照

12s3024: 
最近, 簡単な計算のまちがいが多いのですが, それを少なくするコツはありますか? M: そんな都合のいいものがあるのなら, 私が教えてほしいくらいです.

12s3025: 
行列の余因子は どのように定義されたのでしょうか. M: 定義が知りたければ, 線形代数の教科書を見ればいいのでは(?)

12s3026: 
「行列式」は, 行列の性質を表す一つの表現ととらえるのがいいのか? M: 良いかどうか, 私は知りません. でも, 唯一の表現方法に固執する必要はないのでは(?)

12s3027+: 
$ \DS \hat{L}^2$ $ \DS \hat{L}_+$ および $ \DS \hat{L}_-$ と可換, また, $ \DS \hat{L}_+$ $ \DS \hat{L}_-$ が可換であることは何を意味するのですか. M:  $ \DS \hat{L}^2$ の固有状態に $ \DS \hat{L}_+$ または $ \DS \hat{L}_-$ を作用させても, $ \DS \hat{L}^2$ の固有状態であることは変わらない. 12s3023 も参照 // $ \DS \hat{L}_x$ $ \DS \hat{L}_y$ は, $ \DS \hat{L}_+$ $ \DS \hat{L}_-$ から作られる. つまり, 遷移を引き起こす摂動は, x または y 方向からかければよい(!)

12s3028: 
$ \DS \hat{L}_x$, $ \DS \hat{L}_y$, $ \DS \hat{L}_z$ $ \DS \hat{L}^2$ と可換であるのに $ \DS \hat{L}_x$, $ \DS \hat{L}_y$, $ \DS \hat{L}_z$ の間では可換ではないのか. M: 自分で計算してみればいいのでは(?)

12s3030: 
$ \DS \hat{L}_+^*$ $ \DS \hat{L}_-$ はどこが違うのか. またこれが上昇演算子と下降演算子がエルミートである必要はないのとどういう関係があるのか. M: 前半については, それぞれを書き下してよく見比べてみればいいのでは(?) // 別に. 上昇演算子 (または下降演算子) がエルミート演算子かどうかは, 自分で計算して確かめればいいでしょ. // 逆に, 上昇演算子 (または下降演算子) がエルミート演算子である必要性が, 何かあるのでしょうか?

12s3031: 
炭素の混成軌道について考えるときなど p 軌道は 3 つの順位に分裂した状態で考えてきたが 磁場中でなくても, アルカンやアルケンは存在している. これは縮退している状態でも混成軌道ができるからなのか. それとも地球のもつ磁場または何らかの磁場により分裂しているからなのですか. M: 誤解のテンコ盛りな予感. まず, 本当に ``混成軌道について考えるときなど p 軌道は 3 つの順位に分裂した状態で考えてきた'' のか? ここの ``分裂'' とは, どういうことか? // 普通に化学を考えるとき, 地球の磁場の影響を考えているか? アルカンやアルケンは, 地球上に特別なことで, 宇宙の別の場所では成り立たないことなのか? (これも ``科学観'' の問題か?)

12s3032: 
$ \DS \hat{L}^2$ $ \DS \hat{L}_\pm$ が可換である, という事実は どのような物理現象を記述するのに使えますか. M: 別に. 自分で工夫して使えばいいのでは(?) // 12s3027 も参照

12s3033: 
7.16 で調和振動子の基底状態のエネルギーを $ \DS \psi_0(x)$ $ \DS \psi_2(x)$ を用いて計算するが, $ \DS \psi_1(x)$ は計算に含めないのは奇関数だからだと思ったんですが, 実際では $ \DS \psi_1(x)$ は基底状態のエネルギーに影響を与えないのか. M: ``実際では'' とは何のことか? ``基底状態のエネルギーに影響を与える'' とは どういうことか? // 影響を与えるかどうか, 自分で計算してみればいいのでは(?)

12s3034: 
二原子分子について核の運動を無視してエネルギーを計算したとき, 実験値とどの程度の差があるのか. M: 核の運動を無視した場合と無視しない場合のエネルギーを計算して比べてみればいいのでは(?) // または重水素発見の歴史を調べるとか.

12s3035: 
E.2 の表現は ``展開する'' よりも ``展開して値を求める'' が適切では? M: どうしてその場で発言しなかったのでしょうか?

12s3036: 
クラマーの規則はどのようなときに使うか? M: 別に. 必要な時, 使いたい時に使えばいいのでは?

12s3037: 
クラマーの規則によってとける連立方程式は何元までですか. M: 未知数の数に制限があるのか? 規則が成り立つ原理を考えればわかるのでは(??)

12s3038: 
何故 古典物理学で用いられるルジャンドル方程式を量子力学に適用できるのか. M: 別に. 役に立つなら使えばいいのでは? // そもそもなぜ数学的な方程式が古典物理学に適用できることに疑問を持たないのか?

12s3042: 
4 次以上の行列式を求めるために余因数をつかわない一般解はあるのか. M: 私は知りません, 調べてわかったら教えてくださいネ // 定義に基づいて計算しますか(?)

12s3043: 
6.46 で磁場中で p 軌道が分裂するとあるが, より強力な磁場中に置くことで, s と p の分裂したもっとも低いエネルギー準位がほぼ等しくなることはあるのか. M: どの位の外部磁場が必要か, 計算してみればいいのでは(?)

12s3044: 
巻末の数学公式の $ \DS \int_0^\infty x^{2 n + 1} \e^{-ax^2} \d x = \frac{n !}{2 a^{n + 1}}$ (n は正の整数) であるが n は 0 でも成り立つか. M: 公式に添えられているパラメータの範囲は? // 自分で計算してみればいいのでは(?)

12s3045: 
$ \DS \left\vert L \right\vert$ $ \DS \hat{L}_z$ の最大値よりも大きくなるのは なぜですか. M: もしも大きくならずに等しいならば, $ \DS \hat{L}_x$ はいくつになるか?

12s3046: 
6.54 で数学的帰納法以外での求め方には どのようなものがあるのか. M: 別に. 自分で色々と考えてみればいいのでは(?)

12s3047: 
第 6 章では, 水素原子の原子核を原点に固定して, 電子の軌道を議論していますが, なぜ固定できると仮定できるのですか? ここで, 議論している電子軌道とは, 原子核を固定したと仮定した時の相対的な軌道のことなのでしょうか? M: 考えているのは核と電子の二体系ですネ. 座標系をうまくとればいいのではないでしょうか.

11s3013+: 
本日の指摘にもあった, 国語力の問題に属する質問とは自覚していますが気になった文章があったので質問します. 7 章の始めにシュレディンガー方程式をほとんど「望みの精度で解く」ことができるとありますが, これは厳密な結果が得られると解釈していいのでしょうか. M: 教科書では ``exact'' に対応する和訳を ``厳密な'' としていますが, 正確なニュアンスまで伝わっていないかもしれません. ここでの ``exact solution'' は ``解析解'' の意味です. すなわち元の方程式から, 微分・積分や四則演算などの数学の解析学的な計算のみを行って得られた解のことです. 7 章では解析解が得られない場合の近似解を問題にしていますから, ``望みの精度'' には無限の精度 (すなわち解析解・厳密解) は含まれていないと見るべきでしょう.

11s3019: 
余因数を使って行列式を解けるのは なぜか? M: ``余因数を使って行列式を解く'' とは, どういうことですか? 何をどうすることですか? // 12s3042 参照

11s3046: 
d オービタルの角度部分の三次元プロットを, 動径関数まで考慮してかくと, どのようになるのか. M: 関数形は知れているので, 自分で描いてみればいいのでは(?)

10s3042: 
どのような物理的事象を扱うときに行列式を用いると計算の上で有利になるのでしょうか. M: 別に. 好きにすればいいのでは? // 事象の種類が問題なのではなく, 解きたい問題をどのように定式化するかが重要なのでは(?)



rmiya, 2014-07-10