化学の基礎II(G) (20140114) M: 以下は宮本のコメント
13s3001: 
微分の連鎖規制[原文ママ]について, $ \displaystyle \frac{\partial}{\partial x} = \frac{\partial}{\partial r}\frac{\...
...a}{\partial x} + \frac{\partial}{\partial \phi}\frac{\partial \phi}{\partial x}$ これの右辺が $ \displaystyle 3 \frac{\partial}{\partial x}$ にならないのは どうしてですか? M: 偏微分について, 勉強してはいかがでしょうか.

13s3003: 
放電管において, 電極にかける電圧を操作することでエネルギー差 $ \Delta E$ を操作できますか. できるとしたら欲しい色の発光を得ることができそうですが. // シュレディンガー方程式を変数分離する際に n, l, m をどのように導入すればよいですか. M: 電極から電子が飛び出すために必要な仕事関数がありますので, 放電している電子の運動エネルギーの最大値は決められそうですが, それ以上の制御は困難な気がします. // 13s3019 参照

13s3004: 
デカルト座標系ではなく極座標系を使うのはなぜですか. M: 明示的には説明しませんでしたが, 講義でした話の中にヒントがありました. 気づいてくれなかったのは残念 (;_;)

13s3005: 
教科書 (5.3) 式からどのようにして $ \displaystyle \left\{ \sin \frac{\text{d}}{\text{d}\theta} \left( \sin \theta ...
...{\text{d}\theta} \right) + \lambda \sin\theta - m^2 \right\} \Theta(\theta) = 0$ [原文ママ] $ \displaystyle \left\{ \frac{\text{d}^2}{\text{d}\phi^2} + m^2\right\} \Phi(\phi) = 0$ の式を導びくことができるのですか. M: 教科書 (5.3), (5.3') 式を導出したのと同じ手順です. 変数分離法を勉強してはいかがでしょうか.

13s3006: 
電子の存在確率が 0 になるということは 電子がその部分をよけるということでしょうか. M: 擬人化表現を使いたければ, ご自由に. 自分の解釈について, 他人の承認が必要なのはなぜ?

13s3007: 
同じ軌道内に電子が複数存在する場合は どの電子も存在確率が同じなんでしょうか. それとも例えば電子の相互作用などによって それぞれ存在確率は違うんでしょうか. M: ``多電子原子'' の節を参照. 13s3036 参照 // 自然を理解するにあたり, どう理解すればいいでしょうか? いきなり複雑なモデルで考えることに挑戦しますか?

13s3008: 
原子による発光スペクトルの波長の違いは なぜなのですか. M: 発光波長が違うということは, どういうことでしょうか? // 元素により, Schrödinger 方程式は, 何がどう違うでしょうか?

13s3009: 
教科書では水素原子を例に説明されていましたが, 他の原子でも同じように考えられますか? M: ``同じよう'' とは, どういう意味か? // 講義では H だけでなく, He$ ^+$, Li$ ^{2+}$ 等も含めた, 一般性の高い話をしましたが(?) // 13s3036 参照

13s3010: 
数式に関数が含まれているときに $ \psi$ と書かれている場合と $ \psi(x)$ と書かれている場合がありますが, 違いはあるのですか? M: 省略すると意味が通じないのですか? いちいち明記しないと, わからないのでしょうか? 漢字で略字を用いたりすることはないのですか?

13s3011+: 
電子の存在確率が 0 になる部分があるのは なぜですか. また, 存在確率が 0 の部分は電子の通過がないので, 電子は軌道内のすべての部分には自由に移動できないということですか. M: 自然がそうなっている. // 電子の運動について軌跡を考えることはできない. ``電子がある瞬間にここにいて, 次の瞬間に節 (node) の向こう側に移動する'' という描像は誤り.

13s3012: 
ボーア半径のボーアって原子模型のあのボーア先生ですか. あと, シュレディンガーの猫の思考実験は, 量子力学と何か関係があるのでしょうか. M: 読書感想文 (仮) のネタ, 発見(?) :-)

13s3013: 
シュレディンガー方程式を解くことのできない原子について, 近似を用いて原子の本質に迫ると書いていたんですが, 近似とはどうすることなんですか. M: 摂動法とか変分法とかがあります. マッカーリ&サイモンや アトキンスなどの教科書参照.

13s3014: 
先生の説明では, 換算質量 $ \mu$ を用いてシュレーディンガー方程式をたてていましたが, 教科書では電子の質量 $ m$ を用いていました. 式を見比べても $ \mu$$ m$ に変わっただけのようなのですが, どう違うのですか. M: ``月は地球のまわりをまわっている'' のか? 物理学 (力学) の復習が必要か(?) // 13s3037 の後半も参照

13s3015: 
原子軌道の波動関数のグラフを見たとき, 1 つの変数に対して複数の値が対応と判断しました. 波動関数は関数なのですか? M:  $ \psi(x,y,z)$ 等の波動関数が備えるべき条件とは?

13s3016: 
Na の D 線のように $ \displaystyle \Delta E = E_n - E_{n'}$ で予想と違った値が出るようなものは 他にありますか? M: ``予想と違う'' は微妙に違う. $ \Delta E$ はほとんど Schrödinger 方程式の予想通りであるが, 非常に微小な分裂は予想外だったということで, 方程式が全くの誤りだった訳では無い. // そもそも ``元素に固有で, 離散的なスペクトル'' 自体が, 古典力学・電磁気学では予想不可能.

13s3017: 
水素原子はシュレーディンガー方程式が解けるようですが, 他に解くことができる原子は何ですか? M: 13s3009 参照

13s3018: 
微分方程式で $ \lambda$ ではなく $ l(l + 1)$ であるという部分がよくわかりませんでした. M: 微分方程式を解く過程の説明を省略し, 結果の概略のみを示したので, しかたありません. 13s3019 参照

13s3019: 
なぜ, 微分方程式に n, l, m といった量子数という整数が必要となり, 導入されるのですか. M: 少し高度な参考書でなければ記載が無いようですが, 方程式の解が物理的に意味のある波動関数であるために, 解に整数を導入する必要があります. 詳細は参考書を参照.

13s3020: 
白色光がいろいろな波長の光の集まりなら, なぜカラフルに見えないのですか? M: おやおや...... ``補色'' と言ってみるテスト

13s3022: 
波動関数で, S 軌道が一番外側にある可能性が高いことはわかったのですが, なぜですか? M: ``波動関数を見れば, 実際にそうなっている'' としか言いようがない.

13s3023: 
水素原子にスピンの動きを想定した場合 シュレーディンガー方程式は どのように変化するのでしょうか? M: ``スピンの動き'' というものは無い. // ハミルトニアンに, 必要に応じて電子スピンの寄与する項を (スピン-軌道相互作用の項とか, 外部磁場によるゼーマン相互作用項とか) 付け加える.

13s3024: 
水素原子について, 今日やりましたが, 単原子分子である希ガス (18 族) 原子についてシュレーディンガー方程式は解けないのでしょうか? (高校化学では希ガスは安定と習い, 高校物理の熱力学では単原子分子については考えやすいと習ったので…) M: 安定だったり考えやすかったりするのは, なぜでしょう? :-) // 13s3036 参照

13s3025*: 
電磁波の波長は無段階で変化することができるのだろうか, それとも, 波長は段階で変化するのだろうか. M: 電磁波の振動数は, 振動する電荷により発生しますが, とりうる振動数は離散的だろうか? 考え始めると夜も眠れない?!

13s3026: 
電子のスピンは止まることはないんですか. また, スピンに速さの違いなどはないんですか? M: スピンは, マクロな物体の自転にたとえられますが, あくまで比喩で, 実際に有限の大きさの物体が自転している訳では無い. 従って自転の速さを問うても意味は無い. // しかしスピン角運動量は 0, 1/2, 1, 3/2, ... などの値を取り, それに対応して磁気モーメントの大きさも異なる.

13s3027: 
授業中, n, l, m などがでてきましたが, 途中「n が導入される」とありましたが, どこにどのように導入されるのか 教えてほしいです. M: 質問になっていません. // 13s3019 参照; 波動関数やエネルギーの表式は, マッカーリ&サイモンや アトキンスの教科書にも記載がある.

13s3028: 
シュレディンガー方程式から求めた波動関数は規格化されていない状態ででてくるのですか? M: 必要ならば規格化すればいいだけでは(?) それで何か困ることがあるか?

13s3029: 
教科書では放電状態において水素分子は励起状態の水素原子ができるとあるが 電子が 1 つである水素原子はどうして励起状態になることができるんですか. M: ``励起状態'' とは何か? が分かっていない様子ですネ. 励起状態の水素原子とは, 電子が励起状態にある水素原子のことです. 水素原子について, 電子が入ることのできる軌道 (存在が許されているエネルギー状態) は, 1s, 2s, 2p, ... と無数にあります. このうち最もエネルギーの低い 1s 軌道に電子が入っている状態が 基底状態 で, それ以外は基底状態よりもエネルギーが高い励起状態です. // 教科書 p.137 も参照

13s3030: 
高校ではアルカリ金属やアルカリ土類金属などでしか炎色反応は習いませんでしたが, 全ての元素が特有の光を持っているのですか? M: 暗記式勉強法の弊害ですね :-( // 発光の原理を考えれば, 特有の光を持つことについて, 元素・原子に制限があるだろうか? ちなみに, ``特有の光を持たない'' とは, どういうことか??

13s3031: 
無限遠以外に電子が絶対に存在しないポテンシャルがあると言っていましたが, その原因はあるのですか. M: 質問の意味がわからない. ``無限遠以外に電子が絶対に存在しないポテンシャル'' とは何か? そんなこと言った覚えはないのだが...... // 波動関数の値がゼロの地点は, 波動関数の二乗が粒子 (ここでは電子) の存在確率に比例するのだから, 電子は存在しないといえる.

13s3032: 
クーロンポテンシャルエネルギーが主量子数に依存して, 方位量子数や磁気量子数に依存しないのは なぜですか? また, 水素分子中の電子に対するシュレディンガー方程式は解けますか. M: いくらミクロの世界の物理学とマクロの世界の物理学に違いがあるとは言っても, このレベルで違いがあると考える理由は無い. そもそも点電荷間のクーロンポテンシャルは, 距離のみに依存するものであって, 方向によって異なるという性質は無い.

13s3033: 
「偏微分」というものは, いつからできたのだろうか. M: 常微分よりは後だと思うが...... 読書感想文 (仮) のネタ, 発見(?) :-)

13s3034: 
換算質量がよくわかりません. どうやって 2 つの質点を 1 つで考えるのですか. M: 13s3014 参照

13s3035: 
$ \displaystyle \Delta E = E_n - E_{n'}$ において, n の状態から n' という別の状態に変化するときに離散スペクトルが観測されるとのことでしたが, 別の状態に変化するというのは具体的にどのような変化でしょうか? M: 13s3029 参照

13s3036: 
水素原子についてはシュレーディンガー方程式で解くことができるが, 他のほとんどの原子について, シュレーディンガー方程式で解けないのは なぜですか. M: どの意味で ``解ける/解けない'' を言っているのか? 13s3013 も参照 // 一般には三体問題 (多体問題) に解析解が存在しないことについて, 物理学の基礎を復習する必要がありそうですネ

13s3037: 
輝線はなぜ点や波状でなく線状に現れるのでしょうか. // (+) $ _1^1$H と $ _1^2$H だと発光スペクトルは変わるのでしょうか. M: ランプの光をスリットを通してプリズムなどの分光器に導入しているから. // 13s3014 参照. 重水素発見のエピソードも興味深い

13s3038: 
D 線とは何ですか M: ナトリウムのオレンジ色の発光の輝線だとの説明は理解していただけなかったのでしょか? // フラウンホーファー線と言ってみるテスト, 教科書 p.135 参照

13s3039: 
水素原子中の電子が負のクーロンポテンシャルで束縛されているというのがイメージできません. M: 質問になっていません. // ``束縛'' の意味は分かりますか? クーロンポテンシャルにより原子核の周りが窪んだポテンシャルになっているのですが, ボールが落し穴にハマルようなイメージを持てないのでしょうか?

13s3040: 
換算質量はどのようなことを示しているのでしょうか? 原子核と電子の質量に差があるなら, その間の重心は考えなくてもよいのでしょうか. M: 勘違いの予感. 二つの質点に質量の差がなくても, その間の重心を考えることはあるでしょう. // 13s3014 参照

13s3041: 
電子の存在確率って積分したら 1 になるんですか? グラフのぱっと見じゃならなそうな印象をうけました. M: 教科書の表5.2 の波動関数を積分してみればいいのでは? // あなたの主観を否定することはできないが, たぶん勘違いでしょう.

13s3042: 
アルカリ金属の炎色反応で, Li が赤, Na が黄, K が紫色だったと思うのですが, 原子番号が大きくなるにつれて波長が短くなっているのですが, これが, 授業の最後に説明していた $ \displaystyle \frac{1}{\lambda} \propto (\frac{1}{n} - \frac{1}{n'})$ の式のような規則性のことなのですか? M: ちがいます. 教科書 p.137 や参考書をよくよく読んでください.

13s3043: 
2p 軌道において, $ \displaystyle \psi_x$, $ \displaystyle \psi_y$, $ \displaystyle \psi_z$ が一様な磁場の中で, 実体をもってくるとありますが, どういうことですか? M: 教科書を誤読している予感. // 等方的な自由空間では三重縮退していた軌道 (どのような線形結合もまた, 等しく Schrödinger 方程式の解である) が, 磁場中では縮退が解ける. また他の原子との結合を形成すれば周囲の環境は x, y, z 方向で差違が生じるので, 縮退が解ける.

13s3044: 
励起状態について, 発光する原子はみな, 放電することで主量子数がより大きい軌道に電子をためることができるのか? M: 放電して発光する原子は, どこからエネルギーを獲得するのだろうか? (いくらミクロの世界の物理学とマクロの世界の物理学に違いがあるとは言っても, エネルギー保存則が成り立たないと考える理由は無い) 13s3029 参照

13s3045: 
変数分離法を用いて, 3 変数の微分方程式から, 1 変数の微分方程式に変換するのがよくわかりませんでした. M: 質問になっていません. // 具体的な手順を示して説明しなかったので, しかたないですね. マッカーリ&サイモンや アトキンスの教科書など, 参考書を参照してください.

13s3046: 
ほとんどの原子・分子についてシュレーディンガー方程式は解くことができないとのことですが, 水素原子について解けるのはなぜですか? M: 13s3036 参照, 13s3014 参照

12s3017: 
電荷が移動するとき, 磁場が発生するのは なぜか. M: われわれの周りの自然の持つ性質がそうだ, としか言いようがない. // 物理学の基礎 (電磁気学) を復習する必要がある(?)

12s3024: 
太陽から出た光は, Na によって青色の波長が吸収されるとありますが, 月に反射した光が白っぽく見えるのはなぜですか. M: ``太陽から出た光は, Na によって青色の波長が吸収される'' と, どこに書いてありましたか? // 太陽の光はそのままで十分に白っぽく見えますが(?)

12s3026: 
発光スペクトルで, 太陽の光を分光器にかけた時の場合の光は虹色ですが, それは様々な原子の光をもっているということですか? M: 太陽は, 何でできていますか? 主要な成分は何か?

12s3047*: 
今回の講義で, プロジェクターを使って見た図についてなのですが, 軌道の「 (主量子数)$ - 1$」と電子の確率密度が 0 になる節面の数が一致するのはなぜですか? M: ``エネルギーが高くなるにつれて節面の数が順に増加する'' ということは, 重要な性質です. 水素原子のオービタルのエネルギーは主量子数 n だけに依存するので, 節面の数は n だけに依存することになりますネ.

11s3001: 
2s や 3s の軌道は球形ですが, どこに密度がゼロになる部分があるのでしょうか. M: 講義では, 動径分布関数の形を示しました.

11s3014: 
電子の存在確立[原文ママ]は, ある地点で 0 になることがあるとのお話でしたが, ということはそこよりも内側の電子と外側の電子が入れ替わることはないのでしょうか? [図は省略] M: 二重に誤解の予感. 1) 講義で示した動径分布関数は, 一電子の関数である. 2) 13s3011 参照

11s3022: 
$ H \psi = E \psi$ となるので $ H = E$ となるためハミルトニアン演算子と与えられるエネルギー ($ E$) は, 同じであると考えてよいのでしょうか? M: ``それはダメである'' という話を前回しましたが, 理解されていないようで残念.

11s3031: 
Na 以外の原子でも輝線を詳しく見ると二重線になっているのですか. Na だけが特別そうなのですか. M: 多電子原子の話, 項記号の話を マッカーリ&サイモンの 8 章でしています. よくよく読んではいかがでしょうか.

11s3032: 
$ n=2, 3$ のときに, 最大の存在確率より内側の部分に起伏があるのは波動関数の中に三角関数が含まれるからですが, どういった物理法則からそうなるのか. M: 誤解です. 指摘の起伏は, ラゲールの陪多項式から生じます. // ここの物理法則は......球対称なクーロンポテンシャル中で運動するミクロな粒子 (量子力学) でしょう :-)

10s3008: 
発光スペクトルを光のエネルギー $ \displaystyle E = \frac{h c}{\lambda}$ 以外の条件を用いて導くことはできるのか? M: 光 (光子) のエネルギーは, どのように表現されるのか?

10s3017: 
真空中の温度は何によって決まりますか. M: 真空の温度をどうやって測りますか? // 二つのモノの温度が同一であるとは, どういうことですか?



Ryo MIYAMOTO, 2014-01-23