化学の基礎II(G) (20140107) M: 以下は宮本のコメント
13s3001: 
1 次元空間の箱 (!) の話で V と x の 2 つの文字が出てきたのは どうしてですか. 長さと高さがあるなら, 2 次元の平面ではないのですか. M: 関数の変数は何と何で, いくつありますか.

13s3002: 
3 次元の箱もシュレディンガー方程式で解くことができますか? M: 13s3017 参照

13s3003: 
教科書や講義ではポテンシャルエネルギーを 0 としてシュレディンガー方程式を解きましたが, ポテンシャルエネルギーを 0 としない場合, 箱の大きさという制限もなくなりますが, このとき波動関数はどのようになりますか. M: ``箱の大きさという制限もなくなります'' というのは, どうしてですか?

13s3004+: 
ロンスキー行列式を調べ, 答えがゼロでなかった場合になぜ $ \psi$ の一般解が求まるのかが理解できませんでした. ロンスキー行列式を調べることで, 何がわかるのでしょうか. M: 二つの特殊解が一次独立であるかを確かめました. 微分方程式の解き方について, 応用数学 (?) をおさらいしてください.

13s3005: 
波動関数を 2 乗にすると粒子の存在確率に比例するが, そのままの波動関数 $ \psi$ は何を表すのでしょうか. M: 波動関数には物理的な意味は無い. 自乗したら粒子の存在確率を意味する.

13s3006+: 
シュレーディンガー方程式はどのようにして導かれるのですか. M: 何か元になる定理があってそこから導出された, というものではない. 古典力学におけるニュートンの運動方程式と同じく, 公理的仮説.

13s3007: 
粒子の存在確率 $ P$ が 1 になるときはあるのでしょうか. M: 粒子が存在することのできる全空間に渡って積分すれば.

13s3008: 
$ \displaystyle \hat{H}$ は演算子で $ \psi$ に作用しているということですが, どのような作用をしているのですか. M:  $ \displaystyle \hat{H}$ は具体的には p.103 の始めに書いてあるようなものなので, $ \psi$ を二階偏微分したり定数を乗じたりすることにより, 別の関数を与える.

13s3009: 
シュレディンガー方程式はどのように導かれましたか? M: 13s3006 参照

13s3010: 
$ \hbar$ のバーは どういう意味でつけられているんですか? M: p.102 にも記載されているが, $ \displaystyle \hbar = \frac{h}{2 \pi}$ であり, プランク定数を $ 2 \pi$ で除したもの. プランク定数とは異なるものだが, プランク定数同様に良く用いられる.

13s3011: 
表4.1 で, エネルギーの演算子は時間的に定常でない場合は どのようになるのですか. また, 他にどのような演算子がありますか. M: 時間に依存する Schrödinger 方程式は $ \displaystyle \hat{\cal{H}} \Psi = i \hbar \frac{\partial}{\partial t} \Psi$ // 後半は 13s3022 参照

13s3012: 
具体的に, どのようなものが演算子にあたるのでしょうか. M: 13s3022 参照

13s3013: 
物質のとりうるエネルギーが離散的になるということが よく分かりませんでした. どういうことですか. M: 言葉の通り. 例えば箱の中の粒子問題では, 1, 4, 9 … という値のエネルギーを 持つことができる/持つ状態は存在が許容される が, 2.5, 3.14 といった値のエネルギーを持つ状態は存在しない.

13s3014: 
ハミルトン演算子の ``ハミルトン'' とは何ですか. M: 人名 // 読書感想文(仮)のネタ?!

13s3015*: 
(1) 波動関数の 2 乗と粒子の存在確率の比例定数は何か. // (2*) 波動関数の単位は何か. // (3) 粒子が 2 つ以上つながって回転運動すると, 波動関数はどうなるか. // (4) 粒子 1 個に注目して波動関数を解いて, それを箱の中の粒子全体にあてはめてもよいのか? M: (1) 規格化定数 // (2) 13s3005 の回答参照 // (3) 別に. 剛体回転子 と言ってみるテスト. // (4) ``箱の中の粒子全体'' とは, どういうことか? 今, 考えているのは, どんな系だったっけ??

13s3016: 
今回は 1 次元で説明してもらいましたが, 2 次元, 3 次元だと何か違いはありますか? M: 別に. // 13s3017 も参照

13s3017: 
教科書内では二次元までの運動を取り扱って説明されていますが, 三次元以上の運動をシュレーディンガー方程式で解くことは現在できているのですか. M: マッカーリ&サイモンや アトキンスを参照すれば, 変数分離による解法が紹介されている. また, 教科書 5 章以降の原子や分子の系は, 三次元空間に実在するモノだ.

13s3018: 
未知の $ \psi$ を求める時に解が虚数ででてくるが, それは現実世界で解としていいのか? M: ``解が虚数ででてくる'' とは, どういうことか? // 13s3005 も参照

13s3019: 
シュレディンガー方程式において, $ \psi$ が固有関数でない場合というのは, $ \psi$$ \sin$, $ \cos$, 指数関数のどれでもないということなのですか. そのとき, 系のエネルギーの平均値しか求められないのは なぜなのですか. M: ``講義で取り上げた, 教科書に記載の系の場合については'' の話で, 固有関数でない関数とは, 文字どおりに固有関数 $ \sin(\frac{n \pi}{L}x)$. 以外の関数. // 個別の測定では固有値が得られるが, 系が固有状態でない場合には, 複数回の測定において毎回異なる固有値が得られることになる. 量子力学では, 個別の測定値がどうなるかは予想できないが, 平均値はわかる. すなわち, それぞれの固有値が観測される確率はわかる. 参考書など参照

13s3020: 
シュレディンガー方程式のシュレディンガーは, シュレディンガーの猫のシュレディンガーと同じ人物でしょうか? M: 読書感想文(仮)のネタ?!

13s3021: 
今回の授業はとにかくよく解りませんでした. 計算で一般解がでても結局これがなにを意味しているのかわからないんのですが, 具体的に何を意味しているのですか? M: 波動関数とエネルギーです. 教科書や複数の参考書を読んで考えて考えて, してみてはいかがでしょうか.

13s3022: 
演算子の具体的な例は他にありますか? M: 量子力学では, 物理量に対応する演算子があると考える. 従って, すべての物理量に対して, 対応する演算子を考えることができる. 表4.1 で不足ならば, マッカーリ&サイモンや アトキンスを参照してはいかがか.

13s3023: 
シュレディンガー方程式によって存在位置は推測できるようですが, 粒子というのは常に動いており, 一瞬の位置を知ることで何がわかるのでしょうか. M: ``存在位置を推測する'' のではニュアンスが微妙に違う. ミクロな粒子には運動の軌跡というものが無いので, 存在確率の分布や, 平均の位置, 平均の運動量, その他必要に応じて系のさまざまな物理量を知ることができる. 何が不満なのか?

13s3024*: 
シュレディンガー方程式で固有値方程式を解くことになるなら, シュレディンガー方程式は線形代数学の一種であることになるのでしょうか? 数学での行列は演算子でもあるから... M: そうですね. 量子力学 (シュレディンガー方程式) は, 複素ヒルベルト空間における線形作用素問題とも言えます.

13s3025*: 
エネルギーの値が飛び飛びと言うことはエネルギーにも最小単位があると言うことだろうか. M: 黒体輻射の問題では, エネルギーを $ h \nu$ を単位とするかたまりと考えましたネ.

13s3028: 
波動関数の絶対値の 2 乗は, その区間に粒子の存在する確率を表していますが, あるエネルギー固有値が得られる確率はどう求められるのですか. M: 系がハミルトニアンの固有状態であれば (固有関数で記述されていれば), 100 % の確率でその固有値が得られます. // そうでない場合は, 系の状態は固有関数の線型結合で記述されることになる. 13s3019 の後半の回答参照

13s3029: 
箱の中の粒子についての話をしましたが もし粒子が動くことのできないほどの大きさの箱であったならばどうなるんですか. また箱の中の粒子のポテンシャルエネルギーは必ず 0 でなくてはだめなんですか. M: ``粒子が動くことのできないほどの大きさの箱'' とは, どのくらいの小ささの箱でしょうか? そもそも粒子の大きさは…(?) // 別に. 問題の設定なので, あなたの好きにすればいいのでは. 13s3003 も参照

13s3031: 
演算子はハミルトニアンの他にどういったものがありますか. M: 13s3022 参照

13s3032: 
教科書には 3 次元の運動についてシュレディンガー方程式を解いていませんが, どのように解くのですか? M: 5 章以降であつかっているのは三次元の系だが(?) 13s3017 参照

13s3033: 
一次元運動, 二次元運動とあるが, 三次元運動はないのだろうか? M: そりゃあるでしょ. // 13s3017 参照

13s3034: 
波動関数からあらゆる物理量が求められるそうですが, マクロな世界で使う物理量などを求めることはあるのでしょうか. M: 位置や運動量や角運動量やエネルギーは, マクロな世界で使う物理量なのでは(?) // 13s3022 も参照

13s3035: 
波動関数の重要な 3 つの性質を満たす波動関数を良く振るまう波動関数と言うのであれば, 良く振るまわない波動関数もあるのですか? M: 論理的には存在することになりますね. でもそういう波動関数は, Schrödinger 方程式の解には成り得ない.

13s3036: 
$ \displaystyle E = \frac{n^2 h^2}{8 m L^2}$ となりましたが $ n \rightarrow \infty$ のときに $ E \rightarrow \infty$ となりますが 無限大のエネルギーがあるのですか? M: 式に何か誤りがありますか?

13s3037: 
三次元の場合どのような運動をするのですか? そのときのシュレーディンガー方程式はどうなるのですか? M: 別に. 普通に三次元空間での粒子の運動を考えればいいでしょ. 13s3017 参照

13s3038*: 
なぜ演算子を用いるのですか. M: 必要だから, 便利だから, なのでは(?)

13s3039+: 
エネルギーが離散的になるとは どういうことか. M: 13s3013 参照

13s3040: 
どうして $ \displaystyle \hbar = \frac{h}{2 \pi}$ なのでしょうか. それともこれはこれで暗記するしかないのでしょうか. M: ``暗記'' というのには違和感があるが...... まあ, 良く使われる記号という意味では, 覚えていないとしょうがないものではある.

13s3041: 
演算子とかを, 都合がいいからと決めていたようですが, それも, 経験則からきているのでしょうか. M: ``都合がいいから'' というのは, 全く好き勝手に決めたという意味ではない. 他と矛盾が無いように決めている. 例えば古典物理学的に, 平面波を表す式は $ \displaystyle \exp(ikx)$ なので, これに作用させて固有値として運動量 (波数) が得られるように決めたのかも.

13s3042: 
$ \displaystyle E = \frac{n^2 h^2}{8 m L^2}$ (n は整数) の式で, $ n=1, 2, 3 \dots$ と無限個あるのなら, 箱の中のすべてのものを足すと $ E$ が無限大になりますが, 無限大のエネルギーが存在しているということですか. M: ``箱の中のすべてのものを足す'' とは, どういうことか? そもそも今考えている系で, 箱の中には何が入っていたか. どうして全てのものを足す必要があるのでしょうか?

13s3043: 
$ \vert\psi\vert^2$ が定数のとき, 存在確率は一定であるといい, 粒子がどこにいるかまったくわからないことを意味するのは, ごく自然なことではないのか? M: そうですね, 当り前の事です. それがどうかしましたか?

13s3044: 
$ \vert\psi\vert^2$ が粒子の存在確率を表すのに, $ \psi$ は結果として波のように書いているが どういうふうに理解していけばよいでしょうか. M: そのまんまでしょ. 場所によって, 存在確率が異なる. ある瞬間の水面の波を見れば, 盛り上がっている場所と窪んでいる場所が交互に存在しているように見えるのと, 何の違いがあるのでしょうか? 何か理解し難いことがあるのでしょうか?

13s3045: 
一般解を求めるときのロンスキー行列を使って計算するのが よくわかりませんでした. M: そうですか. 提出物が要件を満足していません. // 13s3004 の回答も参照

13s3046: 
教科書では一次元運動と二次元運動でシュレーディンガー方程式を解いていますが, 三次元運動でも解くことはできますか. M: 13s3017 参照

12s3017: 
酸素を液化すると磁化するのは なぜですか? M: まず事実として, 本当に酸素を液化すると磁化するんですか? (外部磁場が無くても) 液化するだけで自発的に磁化する, 液体が磁気モーメントを持つとは, かなり奇妙ですね. // 酸素分子は, 基底状態が三重項なので, 分子は磁気モーメントを持っている. でもこれは相に依存しない話です.

12s3024: 
演算子はなんの為に存在するのですか? M: さあ. 数や関数は, 何の為に存在するのでしょうね.

12s3026: 
規格化の際に粒子が存在できる所が全空間と言っていましたが, 宇宙とかでも粒子は存在できると思うのですが, 逆に粒子が存在できない空間とはどんな所になるのですか? M: 例えば, 粒子は無限大のエネルギーを持てないので, 無限大のポテンシャルエネルギーの場所には存在できないでしょう. あと当然ですが, 粒子が存在する領域が限定されている場合, それは定義ですから, 他の場所には粒子は存在しない.

12s3047: 
シュレーディンガー方程式 $ \displaystyle \hat{\cal{H}} \psi = E \psi$ のエネルギー E は $ \displaystyle E = \frac{\int \psi^* \hat{\cal{H}} \psi \,\text{d}\tau}{\int \psi^* \psi \,\text{d}\tau}$ で求まりますが, この時, ハミルトニアン $ \displaystyle \hat{\cal{H}}$ が波動関数の複素共役に作用しないのはなぜですか? $ \displaystyle \psi^*$ $ \displaystyle \psi$ を入れ替えて $ \displaystyle E = \int \psi \hat{\cal{H}} \psi^* \,$d$ \tau$ ではだめなのでしょうか? M: ハミルトニアンはエルミート演算子ですから, 次の等式を満足します. $ \displaystyle \int \phi^* \hat{\cal{H}} \psi \,$d$ \tau = \left( \int \psi^* \hat{\cal{H}} \phi \,\text{d}\tau\right)^*$ これを見ると左辺では $ \psi$ に作用しているのに, 右辺では $ \phi$ に作用しており, その結果が (一方の複素共役をとれば) 等しい(!)

11s3001: 
不確定性原理より粒子の運動を 0 と定めることができませんが, では結局 絶対温度の定義は なんなのでしょうか. M: SI 的には, 水の三重点の熱力学温度の 1/273.16 を 1 K と定義しています. したがってこの水の三重点から 273.16 K 下がった地点が 0 K ということになりますね. 0 K でエントロピーがゼロの完全結晶でも, その構成原子は平衡位置の近傍でゼロ点振動していることになりますが, それが何か不都合なのでしょうか?

11s3014: 
説明済みであったら申し訳ないのですが なぜ一次独立であるか確かめる必要性があるのでしょうか. 解説お願いします. M: もしも $ f_1$$ f_2$ が一次独立であれば, 一般解は $ c_1 f_1 + c_2 f_2$ となります. しかし一次独立でなければ, $ f_2 = a f_1$ ということです. すると前述の形式で線型結合を作っても, $ c_1 f_1 + c_2 f_2 = (c_1 + c_2 a) f_1 = C f_1$ となります. これは任意定数を二個含む一般解ではなく, 一つの特殊解の単なる定数倍でしかない. // 13s3004 の回答も参照

11s3022: 
電子の位置を計則[原文ママ]しようとするさい, ガンマ線などの波長の短い光をつかうと聞きましたが なぜなのですか? 波長が短い光は, エネルギーが高いため, 電子に大きく影響を与えてしまうと思うのですが. M: 例えば可視光で, 電子が見えますか? 用いる波長と分解能との関係は?? // そうですね. 不確定性原理をそのように説明している本はたくさんあると思いますが, それがどうかしたのですか?

11s3031: 
$ \displaystyle \psi = e^{\lambda x}$ の e は, $ \sin$$ \cos$ で計算しても同じように波動関数を求めることが出来るのですか. M: 11s3032 参照

11s3032: 
$ \psi$ は指数関数, 三角関数のどちらを用いて求めても同じ解になるのか. M: どうして自分の手を動かして計算してみないのでしょうか? やってみれば分かることですよネ(?)

10s3008: 
微分形式において $ \delta$ が使われますが, $ \partial$ を使うときとの違いは何ですか? M: ``微分形式において'' とは, 何の話でしょうか?

10s3017: 
黒体は全ての波長を吸収する物体だが, その逆の全てを反射する物体はあるか. M: 吸収の反対は, 反射ではなくて放出でしょう. 量子力学の導入部で良く用いられる黒体輻射の話は, その黒体が全ての波長の光を放出する時のスペクトルの話ですね.



Ryo MIYAMOTO, 2014-01-09