構造物理化学II (20131211)
M: 以下は宮本のコメント
- 12s3001:
- 同種粒子の区別ができないというところで, 波の二重性で考慮することもできるとあったが, この場合では 2 つの波がぶつかって波の向かう方向と波が来た方向と, 各 2 つずつで 4 つの方向へ向かう場合は考えられるのか? M: 意味不明. 古典的な波が衝突すると, その後どうなるか?
- 12s3002*:
- ボーズ粒子とフェルミ粒子の例が講義中でとりあげられていたが, その区別はどうやっておこなっているのか. M: 集団としての振る舞いが全く違う. それぞれボーズ・アインシュタイン統計あるいはフェルミ・ディラック統計に従う. 簡単に言えば, 後者はパウリの排他原理に従う.
- 12s3003:
- 反対称波動関数はスレーター行列式でどのように表現できるか. M: スレーター行列式が, 反対称波動関数そのものである.
- 12s3004:
- HF 法によって得た値は化合的[原文ママ]精度には不充分であるが, この得た値が化合的に利用されていることはないのか? M: 意味不明. ``化合的に利用'' されるとは, どういうことか? 12s3006 も参照.
- 12s3005:
を仮定してくり返し計算を行い
を求めるといっていたが,
を仮定するとは何か基準のようなものがあってそれにならって仮定するのか. どのようにするのか. M: 別に. 好きにすればいいのでは(?) HF 理論の中で,
についての制限が, どこかに出てきましたか(?) もちろん, 系に応じた物理的特性を備えている必要があるだろうし, 解に近い方がくり返しの回数が少ないなど有利なわけだが.
- 12s3006:
- ハートリーフォック法でだした値は, 化学的精度は不十分であるが, ここでだした値は何かに使用することができるのか. M: 別に. 化学的に定量的な精密な議論が必要なければ, 定性的な議論で充分ならば, 好きに使えばいいのでは(?)
- 12s3007:
- ハートリーフォック方程式で仮定する波動関数に条件などはあるのですか. また, 選び方みたいなものはあるのですか. M: 12s3005 参照
- 12s3009:
- ハートリー・フォック法は, 電子間の相関を考慮していなかったが, 摂動法では相関エネルギーを見積もることができるということは, 摂動法の方が優れていると考えることができるのか. M: 誤解. そもそも相関エネルギー CE の定義が
exact
HF なわけで, この CE を
HF に対する摂動とみなす. 0 次近似のエネルギーと, 摂動論による 1 次の補正エネルギーを比較することは, どういう意味があるのか?
- 12s3010:
- 波動関数は, 電子の交換に対して, 反対称でなければならないということは, 同種粒子の交換において, 任意定数 C は必ず
になるということか. M: 良く考えて, 理解するようにしてください. そうすれば, いちいち他人の同意を求める必要がなくなるでしょう.
- 12s3011:
-
とは どういうことを表しているのですか? M: 何らかの一粒子系の波動関数
- 12s3012:
- 同種粒子の交換で
と表されたが, 異種粒子の場合は どうなるのか. M: 別に. 普通に考えればいいでしょ. // 同種粒子の場合と異種粒子の場合とで, 何が違うのか?
- 12s3013:
- フェルミ粒子の例として電子などがあると言っていたが, 電子がフェルミ粒子だと どうやってわかったのか. M: 12s3002 参照
- 12s3014:
-
HF と
exact の差は すべての近似を正確にすれば容認できる程度に小さくすることができるか. M: 原理的には可能だろう. しかし現実は困難だろう.
- 12s3016:
- 水素や He ではなく, 軌道が p, d に広がっている原子を考えるときには, 波動関数はなにが変化するのか. M: 水素原子の波動関数にも, p や d があるが(?)
- 12s3018+:
- Li 原子の波動関数を考えるときに, そもそも 3 つ目の電子は 2s 軌道にあるものとして考えるべきではないのか. M: その知見は, どうやって得られて, なぜ正しいと言えるのか? また, 他の原子には, どのように拡張すればいいのか?
- 12s3019:
- ハートリーフォック法で, ヘリウムの相関エネルギーをもっと小さくすることはできないのか. M: 意味不明. 特定の方法で計算すれば, いつ誰がやっても得られる結果は同じでしょ(?)
- 12s3020:
- 完全に満たされた副殻は無視することができる, とあるが, 満たされていない場合は絶対に無視できないのか. M: 何の話か? // 前者は「完全に満たされた副殻ならば, 常に無視することができる」の意味なので, 同値な命題は……, 裏の命題は……
- 12s3021:
- He は任意の 2 つの電子の交換において, 反対称をもたないようだが, 反対称をもたないということは どういうことを示すのか? M: 誤解. 電子はフェルミ粒子なので, 交換に対して波動関数は反対称でなければならない. // もしも波動関数が反対称でなければ, 当然それは ``間違い''.
- 12s3023:
- ハートリーフォック法を用いてから摂動法でエネルギーを求めるなら, 初めから摂動法を用いれば良い気がするのですが, 2 つの方法間に違いはあるのですか. M: ``2 つの方法'' とは, 何を指すのか? // 12s3009 参照
- 12s3024:
- 電子は固有のスピン角運動量をもつとありますが 何に固有なのですか. M: 電子は固有の電荷も持っているのだが, このことは理解できるか?
- 12s3025:
- 電子間の相互作用には どんなものがあるのでしょうか. M: 本気の質問か? 質量や電荷を持つ物体間には, 重力やクーロン力という相互作用が働くことを知らないのか? 物理の基礎を勉強しなおす必要がある??
- 12s3026:
- なぜスピン変数には古典的に対応する量がないのか? M: 古典力学的に, 三次元空間に第四の自由度はあるか?
- 12s3027:
- 同種粒子を区別するために原子に番号をつけるとおっしゃっていたが, 実際に番号をつけるなんてことが可能なのですか. M: あなたは可能だ思いますか? 教科書の説明の記述をキチンと読んで, 説明の論理を理解してください.
- 12s3028:
- ハートリー-フォック法で励起状態の原子について考えることはできるのか. M: あなたはどう考えますか? できる・できない理由は, 何かあるか?
- 12s3030:
- リチウム原子について, 1s オービタルに 3 個の電子を詰めないで, 2s オービタルに 1 個詰めるということを考えないのはなぜか. M: 12s3018 参照
- 12s3031:
- なぜ同種粒子の交換すると //
ここで C は任意の定数 // の式のように
は
に対して定数倍だけ変化しているとわかったのでしょうか. M: わかったわけではない. もしも同じ状態を表す複数の波動関数があったとしても, その違いはたかだか定数倍であるのは, 量子力学の基本原理によりあきらか.
- 12s3032:
- 2 つの電子が重なることはない, という事実から相関エネルギーを考える必要がありますが, ではそもそも絶対に重ならない 1s 軌道と 2s 軌道に入っている電子間に相関エネルギーはありますか. 高度な参考書を見る前に, 少し考えてみたいので教えてください. M: その前提 ``1s 軌道と 2s 軌道に入っている電子は, そもそも絶対に重ならない'' は, 正しいか? あなたの言う ``重なる'' の意味は??
- 12s3033:
- なぜ He の場合では, 波動関数が反対称にならないのか. M: 12s3021 参照
- 12s3034:
- He について HF 法を使ったとき, 1.4 % のエラーしかないのに IP の値が 110 kJ mol
もあるのは なぜか. M: IP の定義は? // エラーは, 何に対して 1.4 % や 110 kJmol
なのか?
- 12s3035:
- 反対称の波動関数なら, 重なったら安定になるのでしょうか. M: 意味不明. ``重なったら'' とは, 何の話か?
- 12s3036+:
- ボーズ粒子であれば, 2 つの粒子を交換しても反対称にならないということなのでしょうか? M: 論理的に考えれば, いつでも誰でも同じ結論になるはずのものに対して, なぜ他人の同意が必要なのでしょうか?
- 12s3037:
- ハートリー-フォック方程式を p 軌道や d 軌道に応用することはできるのですか. M: 12s3005 参照
- 12s3038:
- スピン粒子数は どのような物理的意味を持つのか. M: 意味不明. ``スピン粒子数'' とは, 何か? (手書きでかな漢字の誤変換は珍しい) // もしも, スピン量子数のことなら, §8.4 のはじめの記述や §8.11 と, (角運動量の関係する) 章末問題 6.46 を参照
- 12s3039:
- 厳密な結果
exact
と ハートリーフォックエネルギー
HF
の差は
であるが, この差をより小さくするには どうしたらよいのか. M: 相関エネルギーを見積もる方法について, 二つの方法を講義中に紹介した. 詳細はより高級な参考書を参照せよとも. または 12s3019 参照
- 12s3041:
- p.308 の固有関数
と
が形式的な関係とは どういう意味ですか? M: 言葉通りだが, 何が分からないのか? ``形式的'' の対義語は? // 球面調和関数で, 実際に l や m に 1/2 が入ることはあるのか? // 球面調和関数は三次元空間の二つの自由度を用いて記述されている関数だが,
や
は, その点どうか?
- 12s3042:
- 自己無撞着場の方法で,
を仮定するということは, 適当な
を自分で見つけなければならないということですか. M: その問題を解きたい本人が決めずに, いったい誰が責任をもって決める (特定の関数を仮定する) というのでしょうか?
- 12s3043:
- HF 法で用いた有効ポテンシャルの独立粒子近似は他の方法で用いられることはあるのか. M: 別に. 必要なら使えばいいでしょ. てゆうか, 多体系をあつかうのに, これより単純で簡単な考え方があるだろうか. どうして最初から問題を難しく考える必要があるのか.
- 12s3044+:
- 電子はなぜフェルミ粒子であるのか. M: なぜ電子が存在するのか? という問いは, 科学で解答可能だろうか??
- 12s3045:
- ハートリーフォック方程式を解く際に, まず
を仮定しますが, 何かを規準に仮定しなければならないということはあるのですか. M: 12s3005 参照
- 12s3046:
- 自己無撞着場の方法によって得られた
の値は 最終的に確定した
と完全に一致するのか. M: 一致するかどうか, あなたならどうやって判断しますか? // あなたは, どのくらいの精度で近似解を得たいのですか?
- 12s3047:
- ハートリー・フォック法で, He のエネルギーを計算したところ, 1.4 % のエラーとなりましたが, 自己無撞着場の法方[原文ママ]をさらに繰り返すことによって, 誤差をさらに縮められないのでしょうか. そもそも, 何回計算を繰り返して 1.4 % エラーとなったのでしょうか? // また, 膨大な数の計算を繰り返して, 1.4 % エラーを縮められないのであれば, 実験値が間違っているという見方はできないのでしょうか? M: SCF のサイクルを繰り返すと, 一体何が小さくなるのだろうか? // 12s3019 や 12s3039 参照 // 事実が誤りだとは, どういうことか? 現実を否定するのか?? 現実よりも近似計算の方が真値だと???
- 11s3001:
- 実効 1 電子ハミルトニアンの式の, 右辺第二項目 (
) は何を基に導かれたのでしょうか. M: えーっと, 本気ですか? クーロンの法則を復習する必要があるという意味か??
- 11s3009:
- 教 p.309 で
と
はエルミートではなければならないということは, この 2 つは必ずしも可換でなくてもよいということを意味しますか? M: どうしてそういう話になるのでしょうか? 定義により, 同時固有関数を持ちますけど(?)
- 11s3014:
-
から
は導かれるのでしょうか. また, [図は省略] の図で説明のあった二重性との繋がりがよくわからなかったので, 少し解説していただきたいです. M: 自分で導いてみればいいのでは? または, 教科書や参考書をよく読むとか. // ミクロな同種粒子は区別できないということが理解できれば良いです.
- 11s3015:
- ある物理法則を用いると宇宙ステーションが無重力状態でなくなるというのは本当なんですか? 宇宙というのは無重力というイメージがありましたが どうなんでしょうか…。 M: 物理法則を用いたからと言って, 現実が変わるわけではないのだが(?)
- 11s3022:
- ハートリーフォック方程式は, 1 電子分子軌道の最良な組み合わせを求めるための方程式と考えてよいのでしょうか? M: もちろん, 採用した近似の範囲内で, の話ですが.
- 11s3025:
- 地球の自転がだんだん遅くなっているそうですが, これは何が原因なのでしょうか. 自転の速度が速くなることはありえないのでしょうか. M: 潮汐, 角運動量の保存則, 他の天体が衝突する, などをキーワードに調べれて考えればいいのでは(?)
- 11s3026:
- 実効 1 電子ハミルトニアンの実効とはどう定義されるのか. M: 言葉の意味がわからなければ, 辞書を見ればいいのでは(?)
- 11s3027:
で, 波動関数は電子の交換に対して反対称でなければならないとのことでしたが, 他種粒子も区別できないとすると,
の光子と
の電子も交換可能なのですか. M: 偽の命題を前提にすれば, どんな命題でも真. // 光子と電子の区別ができないとは, 正気か??
- 11s3028:
- ハートリー-フォック方程式を満たす
は, 規格化直交系である必要はないのか? M: エルミート演算子の固有関数の集合は, どんな性質を持つか?
- 11s3034:
- HF 法のくり返し計算についてなのですが, なんでくり返すことで厳密解に近づくのか, 理屈がわからないのですが. M: SCF を求めるくり返しのサイクル毎に, しだいに厳密解に近づくわけではない. 11s3022 も参照. // くり返しのサイクルが収束して SCF な解が得られる保証もない. 実際に収束せずに発散する場合もある.
- 11s3035:
- なぜ, p.309 のように,
d
d
となるのですか? M: 定義だから
- 11s3039:
- 摂動論と近似法のどちらが精度がいいのかというのは無意味な考えと分かるのですが, 用いる関数によって どちらかの方法を用いると計算が少し楽になったりするのですか? M: 自分で計算してみれば分かるのでは(?) // 比べるためには条件をそろえないと意味がないが, 原理が全く異なる方法を, そうやって比較できるものなのか(?)
- 11s3044:
-
の形を仮定して, くり返し計算するというものがありました, この
はどのようなものでもよいのですか. M: 12s3005 参照
- 10s3021:
- 陽子, 中性子はフェルミ粒子だが, それらからできている
He 核はボース粒子なのは なぜなのか? M: スピンも整数だしね. 12s3044 参照
- 10s3026:
のボース粒子は, 二つの粒子が交換によって区別されないということは パウリの排他原理が適用できないのか. M: ``交換によって区別されない'' とは, どういうことか? // 同じスピンオービタルに二個の粒子がを入れて, その二つの粒子の交換を考えてみればいいのでは(?)
- 10s3039:
- ヘリウム以外のハートリーフォック方程式はどのようになりますか. M: 別に. 何も特別なことはないので, 自分で導いてみればいいのでは(?)
- 10s3044:
- 電子を区別して計算することは不可能なのか? M: どうやって区別できるのか?
- 07s3042:
- ・原子内, 分子内の電子がぶつかりあった時, 周囲に何か影響はでたりするのか. // ・p.308 最後の行で「定義する」とあるが本当に定義なのか.
M: ぶつかるのか? どんな影響を心配しているのか?? // 定義でなければ, 何なのか?
Ryo MIYAMOTO, 2013-12-19