化学の基礎II(G) (20131210) M: 以下は宮本のコメント
13s3001: 
光や電子は粒子性をもつとのことですが それらの粒子は それ以上分割できないものでできているのですか. M: ミクロな粒子の粒子性と, 分割可能性 (内部構造をもつ) の間に, 何の関係があるというのでしょうか?

13s3003: 
$ \displaystyle E = m c^2$ から変形して $ \displaystyle h \nu = m c^2$ $ \displaystyle m = \frac{h \nu}{c^2}$ となり, これにより光子の質量が求まりそうですが, 実際は光子の質量は 0 です. これはどうしてですか. M: 前提が間違っている. 正しくは $ \displaystyle E^2 = m^2 c^4 + p^2 c^2$. ここで光子の質量がゼロなので, $ \displaystyle p = \frac{E}{c}$ となる. // 光子の質量がゼロであることは, 相対論と矛盾しない. (運動している物体の質量は, 静止質量の $ \displaystyle 1/\sqrt{1 - (v/c)^2}$ 倍に増加する. もしも光速度で運動していれば, その質量は無限大になってしまう. しかし質量がゼロならば, 不都合は生じない.) // 基礎物理定数の値が, なぜその値なのか. 科学はこれに答えることができるだろうか?

13s3004*: 
光は粒子でもあるため, 電子に光を当てて電子を観測したときに衝突の影響はないのでしょうか. 無視できるほどの小さな差なのですか. M: コンプトン効果では, どんな現象をあつかうか. // 不確定性原理と言ってみるテスト

13s3005: 
教科書に 1927 年にデヴィソンとガーマーは Ni 表面で電子を反射させると…と書いてあるが, 電子を反射させるために Ni をつかったのには どのような理由があるのですか? M: 本人に聞けばいいのでは? :-p

13s3006: 
光電効果によって太陽光にさらされている物体は電子を失った状態なのでしょうか. それとも太陽光では振動数が低いですか. M: 太陽光には, どのような波長の光が含まれているか? p.91 の記述も参考に. // 失われた電子は, どこへ行ったのか? 電荷中和の法則と言ってみるテスト

13s3007: 
運動する物質に波の性質があるということは, 分子の振動運動が波の性質であるというふうにとらえていいのでしょうか. M: 誤解の予感. // 分子の振動運動は, ばねに付けられた重りの運動と同じく, もちろん波だ. しかしこれと前半の事柄とは, 無関係である.

13s3008: 
物質に高熱を加えたときに, どうしてその温度によって物質から放出される光の強度の波長分布が変わるのですか. M: 教科書よりも少しだけ高度な参考書を読んで, 黒体輻射の理論を勉強すればいいのでは? // 定性的には, 物体が熱を受けとって高温になれば, その構成要素の粒子がより激しく運動することになる. 物質を構成している原子の中の電子や陽子 (荷電粒子) が激しく動き回ると (加速度運動をすると), 電磁波を放出する [詳しくは電磁気学を勉強せよ].

13s3009*: 
光は粒子と波の性質を持っていますが, この 2 つの性質を同時に見れる現象はありますか? M: ミクロの世界の粒子たちは, 実験により観察しようとすると, なぜか粒子または波の一方の性質だけを示すと, よく言われる. 確かにそのように見えることは多い. だが, 本当だろうか? // 例えばヤングの二重スリット実験は, 光の波動性を示す典型的な実験である. しかしこの実験を非常に弱い光を用いて行うとする. スクリーン (写真乾板, 写真フィルム, CCD 撮像素子など) をよく見ていると, 輝点がぽつりぽつりと表れるのがわかるだろう. これは粒子的な光だ. しかしこれを長時間続け露光しつづけると, 輝点の集合は干渉縞を形成していることに気付く. これは波としての光だ. どこかの時点で, 光の振る舞いが, 粒子的なものから波的なものに変化したのだろうか?

13s3010: 
物質の波動性について, 原子や分子が波として振る舞うような現象はあるのですか? M: 自分で調べてみればよいのでは? :-)

13s3011: 
章末問題 4.1 に, このときの光は X 線になるとあるが, 光と X 線はどのように違うのか. また, どのような条件で 光は X 線になるのですか. M: 日本語を誤解している予感. // 電磁波は, その波長によっておおまかに分類されて, 個別の名称がついていたりするのだが, 物理学の基礎を復習する必要がありそうですね.

13s3012: 
教科書 p.89 に何度か出てくる「しきい値」って何ですか. M: 最近の日本の家屋には, ``しきい'' が無いからねぇ 本当は ``閾値'' なのだが. 言葉の意味が分からなければ, 辞書を見ればいいのでは(?)

13s3013: 
教科書の (4.1) 式には仕事関数が省略されていますが, 省略してもよいのですか. M: それは何を表している式なのでしょうか?

13s3014: 
質量が 0 の光子が運動量 [km.m.s$ ^{-1}$] を持つのはなぜですか. M: 13s3003 の回答参照

13s3015: 
コンプトン効果でいう「運動量保存則」はニュートン力学での「運動量保存則」でしょうか. それとも, 特殊相対論での「運動量保存則」でしょうか. M: 何か違いがあるのでしょうか? $ {\bm p_1} = {\bm p_2} + {\bm p}$ (添字 1 が入射光, 2 が散乱光, 添字無しが電子の運動量. はじめ電子は静止している.)

13s3016: 
エネルギー $ h \nu$ の光子が物質中の電子に吸収され, 電子が $ h \nu$ のエネルギーを得たとすると, $ h \nu < \phi$ の場合は どれほど強い光でも電子は物質表面を飛び出せない. しかし, 強度の強い光 (レーザーなど) を物質に当てると, たとえ $ h \nu < \phi$ であっても, 表面から電子が飛び出すとある. これはどういうことか? M: 物質にあたる光の強度が強いと, 同時に複数の光子が関与する多光子過程が起こる可能性がある. するとたとえ $ h \nu < \phi$ であっても $ 2 \times h \nu > \phi$ などとなれば, 電子が飛び出すことができる.

13s3017: 
以前の質問は自分が過程で ``$ -$'' をつけ忘れたことによる勘違いでした. すいません. // 光子は粒子であるのに質量が 0 とされているのはなぜですか. M: 13s3003 参照

13s3018: 
・コンプトン効果では X 線以外の光を電子に当てても X 線の時と同じようにエネルギーは減少するのか. // ・粒子の二重性はなぜ納得しがたいものなのか. M: 原理的にはそういうことになる. // 本気ですか? 波のもつ代表的な性質は, 粒子のそれと, 真っ向から対立して両立不可能なのですけど(?) 例えば波の回折という現象. 波は回折して障害物の陰に回り込む. しかし粒子は, (外力を受けなければ) 等速直線運動をする. すなわち障害物の陰に回り込むことはアリエナイ. どのように理解すれば, この相反する性質を両方ともに持つことができるのでしょうか??

13s3019: 
光と電子の他に, 粒子と波の性質両方を持っているものはないのですか. 量子力学で素粒子も扱われていることから, 素粒子も 2 つの性質を持っているのでしょうか. M: 個別の粒子の性質の説明と, 一般の粒子の性質の例示による説明とを, 区別できないのでしょうか?

13s3020: 
教科書に「光子の質量は 0」と書いてありますが, 実体のある粒子の質量が なぜ 0 になるのですか? M: 光子 (粒子としての光) の ``実体'' とは何ですか? 13s3003 参照

13s3021: 
ミクロの世界では古典物理学は適用できないとありますが, 具体的にミクロとマクロの大きさの境目はありますか. M: 明確な境界線を引けると思いますか? 境界線の直前と直後のモノに, 古典物理学の適用が可能・不可能という断絶があると思いますか?

13s3022: 
粒子である光子の質量が 0 なのは どうしてでしょうか. M: 13s3003 参照

13s3023: 
量子力学の量子とは どのようなものを指すのでしょうか. M: 量子力学の対象とならないものは, 量子とは言わない.

13s3024: 
ナトリウムなどの炎色反応は, 光の粒子性と関係があるのでしょうか. M: 間接的には重大な関係がある. // 原子ごとに炎色反応に現れる炎の色が決まっている. このことは, 原子中の電子が離散的な固有のエネルギー状態をとるという意味で, 量子力学と関係がある. 量子力学は, 光やミクロな粒子のもつ波と粒子の二重性に立脚している.

13s3025: 
$ \displaystyle \lambda = \frac{h}{m v}$ ならば $ v \rightarrow 0$ $ \lambda \rightarrow 0$ となるはずである. そうなるとマクロな物体でもゆっくり動けば量子的降るまいが起こりそうだが, そうならないのは何故か. M: 例えばどのくらいゆっくり動けば良いか? するとどんな量子的振る舞いが期待されるか??

13s3026: 
光以外の全ての物質も運動していれば同じように粒子と波動で考えるということですか. M: 13s3019 参照 // というよりも, 自分で判断できずに他人の同意を求めるのは, なぜか? と聞いた方が良い(?)

13s3027: 
古典物理学がミクロでは通用しないとのことでしたが, 古典物理学の「古典」とは いつくらいまでの話なんですか. M: 時間的な話ではない. 野球のボールや人工衛星の運動は, 現在も未来も, 古典物理学で記述できる. 古典物理学 (主にニュートン力学) と量子力学との間には, 越えられない断絶 (発想の転換, パラダイムシフト) がある. もちろん古典物理学と相対論との間にもネ.

13s3028: 
昔は, 光は, 波だ, 粒子だと論争していたということですが, 同時に 2 つの性質を持つことは そんなにおかしなことなのでしょうか. M: 13s3018 の後半参照

13s3029+: 
光にはさまざまな色があるが, その光の色によって粒子の種類は違うんですか. また, 粒子の種類をどうやって判別するんですか. M: 名札や目印をつけますか? // 目印をつけられないミクロな粒子は, 質量, 電荷, スピン の三要素でしか区別できない. (質量の代わりにエネルギーで区別することもある) 13s3011 も参照

13s3030+: 
光が波と粒子の 2 つの性質を持つのなら, 光電効果などで粒子としての性質を示す結果の他に波としての性質を示す結果が出ても良いのではないでしょうか. なぜ特定の事象で特定の結果しか観測されないのでしょうか. M: 特定の事象において, 常に同じ特定の結果が再現されることは, まさしく自然の摂理でしょ. // 13s3009 参照

13s3031+: 
光電効果やコンプトン効果から, 古典力学では考えられないことが分かったということは, 「波のエネルギー $ \propto$ (振幅)$ ^2$」というのは 間違っているということですか. M: マクロな世界では, 依然として正しい.

13s3032: 
光電効果によって飛び出した電子がもつ運動エネルギーを利用することはできますか. M: 光電効果自体は, 光電子増倍管として利用されている.

13s3033: 
ヤングの干渉実験とは何か? M: 読書感想文のネタ(?) 物理学の基礎の復習が必要か(?)

13s3034: 
光のエネルギーが波長に反比例するというのは光電効果の実験結果で分かったことで, 他の観点からの説明はできないのですか. M: 講義では, コンプトン効果や黒体輻射を紹介した.

13s3035: 
光電効果は, 光を金属以外の物質にあてても起こるのですか? M: 原理的には起こると思われるが, ただし仕事関数はもっとずっと大きいだろう.

13s3036: 
全ての物体は, ミクロ・マクロにかんけいなく, 粒子性と波動性を, もっているということですか. M: 13s3026 参照

13s3037: 
色は光を吸収して残った光の反射が色ですよね. そのときの色によってもっている光のエネルギーは変わるのですか. M: 今日の範囲で出てきた数式を用いて考えればわかるのでは(?)

13s3038: 
光や電子は, 粒子でもあり, 波でもあるということですが, つまり, 何なのですか. M: 物理学者たちは, 週の月水金は波で, 火木土は粒子であると考えた :-p

13s3039: 
なぜレーザーのような強度の強い光なら $ h \nu < \phi$ でも電子がとび出すのですか. M: 13s3016 参照

13s3041: 
教科書 p.89 に「レーザーなどの大強度の光」とあったんですが, ここでの強度とは何ですか? M: 光の振動する電場 (磁場) の振幅

13s3042: 
ニュートリノが光より速いといわれていた時期があったと思うのですが, ニュートリノは光よりも遅いことが判明しています. なぜ, このような間違いがあったのでしょうか. 粒子の速度はどのように測定しているのでしょうか. M: なぜ原典にあたらないのですか? ちゃんと説明されています. 当時のプレスリリースにもちゃんと書いてある.

13s3043: 
金属から放出される光の波長が温度により変わるのに, 波長の式は $ \displaystyle c = \frac{\lambda}{T} = \lambda \nu$ で, 温度を表すものがありません. 具体的にはどのような式で表されるのでしょうか. M: 参考書を自分でどれだけ調べましたか? // ちなみに, 質問文中の式が謎なのだが…

13s3044: 
すべての物質に $ \displaystyle p = \frac{h}{\lambda}$ の関係式が成り立つとあるが, マクロな視点であえて考えてみるとして, 私たち人間にも波長があることにはあると思うが, 「波としての性質をもつ人」って どんな風でしょうか? M: その波長は, どのくらいの長さでしょうか?

13s3045: 
黒体輻射と黒体放射は 同じことですか. M: 複数の参考書を読み比べたり, 辞書を見たりすればいいのでは(?)

13s3046: 
質量はエネルギーに変換できると聞いたのですが $ p = m v$ の質量をエネルギーに変換した場合, 光がもつ運動量の大きさの式のように $ \displaystyle p = \frac{E}{v}$ となりますか? M: 相対論を勉強してみる(?)

12s3024: 
夜光塗料は なぜ光をあてた後, 暗くしても光るのですか? M: マッカーリ&サイモンの §15.1 や アトキンスなど参照 // 長寿命の燐光を利用. かつては放射性物質も利用されていた.

12s3026+: 
原子核のまわりを電子が運動していますが, なぜ運動しつづけていられるのでしょうか? 運動エネルギーを失って止まることはないのでしょうか? M: これもまた古典力学的には全く理解できない現象ですネ. ボーアの振動数条件とか, 教科書 §5.1.4 なども参照

12s3047: 
遠赤外線ヒーターなど赤外線が熱に変えられる性質は日常でも見られますが, なぜ, 波長が長く, エネルギーの低い光ほど, 空気中の二酸化炭素などの温室効果ガスによって熱に変換されるのですか? M: 熱力学では ``熱'' とは, いったい何でしょうか? 物質 (気体) の内部エネルギーとの関係は? // 気体分子が多原子分子の場合, 熱エネルギーは分子の並進運動だけではなく, 回転運動や, 分子内振動運動 (原子間の結合距離や結合角の変化する運動) としても蓄えられます. 分子内振動のエネルギーは, 赤外線領域の光のエネルギーに相当します. 詳細は マッカーリ&サイモンや アトキンスなど高度な参考書を参照.

11s3001: 
エントロピーの説明で, 「熱エネルギーと温度が分子の乱雑な運動の指標になっている」とありましたが, その考え方の基となっているのは なんでしょうか? M: (気体の) 内部エネルギーとは何か? 内部エネルギーと温度との関係は??

11s3014: 
最後のボールの例題では 事実としては量子的なふるまいはないとありましたが 一応, 厳密にはきわめて小さい波長は出ているのでしょうか. M: 誤解の予感. // 波長はボールから発射されるモノではない. ボールは常識的には粒子的に振る舞うと考えられる (質点とみなしてニュートンの運動方程式で記述できる) ので, もしも波としての振る舞いが見られれば, これがボールの量子的な振る舞いと言える. ボールは, 回折や干渉を示すだろうか?

11s3031: 
光電効果がおこらない物質は存在しますか. M: 物質から電子を引き離すのに, 無限大のエネルギーを必要とするということでしょうか? あるいは $ E_$max$ = h \nu - \phi$ というエネルギー保存則を破る物質のことか?! :-p

11s3032: 
電子は粒子や波の性質を持ちますが, 原子は粒子と波の性質を持つのですか. M: 13s3026 参照

10s3017: 
黒体放射の黒体とは, 具体的にどのようなものか. M: 具体的なものではない. すべての波長の光を等しく吸収するという仮想的な物体のこと. だが現実には, 大抵のモノは黒体に近似できる. 近似の程度は異なるが.

10s3028: 
原子や分子に光が反射した結果, その原子や分子が構成しているものが目に見えるわけですが, 光を反射せずに完全に吸収してしまう原子や物質はありますか. M: エネルギー保存則との関係は?



Ryo MIYAMOTO, 2013-12-19