化学の基礎II(G) (20131203) M: 以下は宮本のコメント
13s3001: 
電子や陽子を実際に見ることはできますか? M: ``実際に見る'' とは, どういうことか?

13s3002: 
$ T < 273$ のとき水が氷になる反応で $ \Delta G > 0$ なのに自発的なのは なぜですか? M: どの反応についての $ \Delta G$ のことか?

13s3003*: 
水を過冷却したとき, $ T < 273$    K であるのに氷にならないのは どうしてか. また, 過冷却した水に衝撃を与えた際, 衝撃を受けたところから速やかに氷っていく映像を見たことがある. これは水分子に運動エネルギーを与えると考えるが, このエネルギーを系に出入りする熱とみなしてもよいのか. (&there4#therefore;水が氷るためには $ \Delta H$ が優勢) M: 過冷却状態は, 安定な平衡状態ではない. 過渡的な, 準安定状態. ポテンシャルの窪地から抜けだすための小さなきっかけがあれば, より安定な状態へと変化していく.

13s3004: 
前回の質問の続きです. 宇宙の熱的死について辞書で調べたところ, エントロピーの極大状態としか説明がなされていなかったのですが, エントロピーに極大状態なんて存在するのでしょうか. M: これ以上は増大することのできない状態は, 極大状態と言えるのでは(?)

13s3005: 
なぜギブスの自由エネルギーやクラウジウスの不等式は系のもつ情報だけで変化の方向を知ることができるのですか? M: 教科書や参考書に書いてある説明をよく読んでもわからないのでしょうか?? // いつでも出来る訳ではありません.

13s3006: 
エントロピーが減少する反応を促す方法として触媒は使えますか. M: 触媒は, 反応の経路に作用する (活性化エネルギーの低い経路を生み出す) のであって, 終状態を変えるものではない.

13s3007: 
$ \rm N_2O_4 \rightarrow NO_2$ の反応において, 一部反応するのはこれらの混合エントロピーが生じるためとあったが, この反応の $ \Delta G$ が正では反応が進行せず混合物が生じないと思うのですが, どういうことなのでしょうか. M: 物質が変化する過程と, 生じた物質が混合する過程の二段階で考える. 前者について $ \Delta G$ が正であっても, 後者による $ \Delta S$ の寄与が付け加われば, 全体では $ \Delta G = \Delta H - T \Delta S$ が負になることができる.

13s3008: 
化学平衡が起こるのは $ \Delta G = 0$ のときではないのですか. $ \Delta G > 0$ の場合も起こるのですか. M: 平衡状態は, 反応が原系へも生成系へも動かないことなので, $ \Delta G = 0$ ということ. もしも $ \Delta G > 0$ であれば, 反応は原系の方向へ進み, すなわち平衡状態ではない.

13s3009: 
$ \rm N_2O_4 \rightarrow NO_2$ の反応で一部の $ \rm N_2O_4$$ \rm NO_2$ に変化する理由がわかりません. 混合のエントロピーが生じるとは どういうことですか? M: 13s3007 参照

13s3010: 
ルシャトリエの法則について教科書では言葉で説明していますがルシャトリエの法則を表す式ってあるんですか? M: 教科書の日本語の言葉は, (3.39) 式のことでしょ. 教科書にある通り ``ルシャトリエの法則の一例''. // 一般式を聞いたことは無いが, 新しい条件の元で $ \Delta G$ を求めてみればわかるのでは(?)

13s3011: 
$ \rm A \rightarrow B$ の反応で, B が生成するとき, B の方が安定であり, またエントロピーも大きい. つまり, より乱雑であれば より安定であるという捉え方でいいのか少し矛盾を感じるのですが. M: ``安定である'' ことと ``エントロピーが大きい'' ことは, 同値ではない. $ \Delta G = \Delta H - T \Delta S$

13s3012: 
教科書 75p で標準融解エンタルピーを $ \Delta H^{\circ}$, モル標準融解エントロピーを $ \Delta S^{\circ}$ としていますが, この右上の丸は何か意味があるのでしょうか. M: この教科書の p.43 には記述がないが, 講義では ``標準状態'' を表す印として説明した. その他の参考書も参照. Plimsoll を用いて $ \Delta H^{\plimsoll}$ でも可.

13s3013: 
宇宙の熱的死とは 何ですか. M: 13s3004 参照

13s3014: 
ギブスの自由エネルギーの ``自由'' とは どういうことですか. M: 系から意味のある仕事として取り出すことのできるエネルギー (自由に使える (?))

13s3015: 
正反応, 逆反応がつり合うということは, 正反応, 逆反応の何がつり合うかとかがあるのか. M: もちろん ``反応速度がつり合う''. このため, 反応が進行していないように見える.

13s3016: 
日常的経験に一致する例として水の相変化を説明してもらいましたが, 日常的経験に一致しないものはありますか? M: 日常的な感覚に反することはあっても, 経験的事実に反することはない. 現実世界をうまく記述できない物理理論に意味はない.

13s3017: 
$ \displaystyle K_$P$ = \e^{-\frac{\Delta G^{\circ}}{RT}}$ でギブズエネルギーが低ければ低いほど圧平衡定数が大きくなり, 生成物が多くできるという話でしたが, どうして生成物が多くできるのかよくわかりませんでした. 解説をお願いできないでしょうか. M: 平衡定数とは何で, 平衡定数が大きいということはどういうことか, 復習が必要なのでしょうか.

13s3018: 
$ \rm N_2O_4$$ \rm NO_2$ との混合エントロピーが生じるのはなんですか. // ギブスエネルギーの変化量 ($ \Delta G$) とクラウジウスの不等式はなぜ同じなんですか? M: 13s3007 参照 // どちらも熱力学の第二法則を背景としているから, かな.

13s3019: 
ギブズの自由エネルギーを用いた方が, わかりやすいと思ったのですが, なぜ教科書では使用されていないのですか? M: 著者に聞けばいいのでは(?) // 物理化学の入門書なので, なるべく新出の概念を少なくしたかったのではないでしょうか.

13s3020: 
宇宙が弧立系[原文ママ]ということは, 宇宙の「壁」は何でできているのですか? M: 壁の外には, 何があるというのでしょうか?

13s3021: 
ファントホッフの式と呼ばれるものは 2 つあるようですが, なぜ 2 つを違う名前にしなかったのでしょうか? まぎらわしいと思うのですが. M: 名づけた人に聞けばいいのでは(?)

13s3022: 
ギブズの自由エネルギーで, 「自由」とつけたからにはそれなりの理由があったと思うのですが, どうゆう要因でしょうか. M: 13s3014 参照

13s3023: 
相変化において, 水は固体から液体へ自発して変化するのにエントロピーの増大が関係していましたが, ドライアイスなどの固体から液体にならずに, 昇華してしまう物質は標準融解エンタルピー, エントロピーの値はどのようになって, 固体→液体 の自発変化がおこらないのでしょうか. M: 昇華は融解と蒸発が同時に起こったと考えられます. その温度と圧力で, 固体や液体でいるよりも, 気体の状態が最もギブズエネルギーが小さいということでしょう.

13s3024: 
ギブズの自由エネルギーの式 $ G = H - TS$ を用いて化学平衡のエントロピー変化を説明していましたが, この式を用いて, ルシャトリエの法則を説明できたりするのでしょうか. (高圧下では全粒子数の少ない方に平衡が向かうなどです.) M: ``○○に使える'' と, 個別の事例を挙げて暗記することは, おすすめしません. // 13s3010 参照

13s3025: 
宇宙の熱的死はエネルギーの移動がこの世から完全に無くなるということなのか. M: 13s3004 参照

13s3026: 
沸点になっていなくても水が蒸発するのはエントロピーの増大といえますか. M: 全ての自発的変化は,

13s3027: 
$ \rm H_2 \rightarrow 2 H$ の変化を考える時, 0 K で考えたのに理由はありますか? M: あると思いましたか? 温度が異なると, 何が変わるのでしょうか?

13s3028: 
自然の流れは, エントロピーが増大する方向に変化するということはわかったのですが, 単純に自然現象を表す物理的な意味しかないのでしょうか. M: 物理現象を定量的に表現できることのスゴさを実感してください.

13s3029: 
$ \rm N_2O_4$$ \rm NO_2$ の混合が起こると混合のエントロピーが生じ必ず正になるとのことでしたが, なぜ必ず正になるんですか. また, 化学平衡の時は必ずエントロピーが正になるんですか. M: 激しく誤解している予感. 教科書や参考書をよく読んで, 頭の中を整理してください. 13s3007 も参照

13s3030: 
次回から学ぶ量子力学で示されたミクロの粒子の振る舞いは観測されたものがありますか? M: 物質は何からできていると, そして原子や分子は何からできているとお考えでしょうか?

13s3031: 
$ \rm N_2O_4$$ \rm NO_2$ の混合が起こると生じる混合エントロピーとはどのようなものですか. M: 13s3007 参照

13s3032: 
系のエントロピー変化を考えるときに, 反応物の物質量とエントロピー変化が比例するのはなぜですか. M: そもそもエントロピーは示量性の物理量, そうなるように定めた物理量だから.

13s3033: 
ギブズエネルギーは熱力学第二法則と似ているように思えるのですが, 実際はどうなのでしょうか? M: 質問が変です. ギブズエネルギーは単なる物理量, 状態量, 熱力学的状態関数です. これに対して法則は, 命題です.

13s3035: 
クラウジウスの不等式とギブズの自由エネルギーの式は, 同じことを示していると思うのですが, 両方とも定義される必要は何ですか. どちらか一方が定義されていなかったら 何か困ることはありますか. M: 科学史を勉強してはいかがか. 現在ある学問は, 最初からそっくりそのままの形で生まれたわけではない.

13s3036: 
ルシャトリエの法則はエントロピーによって説明することができるのですか. M: 13s3024 参照

13s3037: 
相とは単純に気相, 固相, 液相を指すこととし, とあるが他に相はあるのですか. M: 固相の水であっても, 詳しく見れば多くの相があります. また炭素の固体にも, ダイヤモンドと黒鉛という異なる状態 (相) があります. 他にも, 液晶とか超臨界状態とか, 物質により色々あるので調べてみてはいかがでしょうか.

13s3038: 
化学変化の速度にエントロピーの大きさは関係ありますか. M: エントロピーは状態量であって, 始状態から終状態への状態変化の経路には関係ない. ただし, 活性化状態を考えたアレニウスの式というものがある.

13s3039: 
今回の授業で, ギブズの自由エネルギー G を使いましたが, 教科書通りよりこっちの方が今後やりやすいですか? M: 化学反応で非常に重要な平衡定数を, ギブズの自由エネルギーを用いずに, どうやって考えればいいですか?

13s3040: 
$ \rm N_2O_4$$ \rm NO_2$ に解離する反応で室温において進行しないとあるのに, どうして一定の割合の $ \rm N_2O_4$$ \rm NO_2$ に変化したのでしょうか. M: 講義で混合エントロピーが生じるからだと言ったのですが, 伝わっていなくて残念. 13s3007 参照.

13s3041: 
$ \Delta H^{\circ}$ とかの右上の小さい丸って何ですか? M: 13s3012 参照

13s3042: 
放射性物質の崩壊の速度を大きくし, 半減期を短くすることはできないのでしょうか. M: 普通の方法では無理です. 人類は核力 (強い相互作用や弱い相互作用) を操作する技術を持っていないので. // 普通じゃない方法としては, 例えば U-235 に中性子を打ち込んで核分裂を引き起こす, などのようなことをする.

13s3043: 
ファントホッフの式には浸透圧を与える式もありますが, 圧平衡と浸透圧はどこかで関連しているところがあるということですか. M: 教科書の記述は, そう言っていますか? // 二つの式を見比べて, 同じことを述べているものと言えるでしょうか?

13s3045: 
ギブズの自由エネルギーのグラフがよくわかりませんでした. $ \Delta G$ が大きいと生成物が多くできるのですか. M: 13s3017 参照

13s3046: 
エントロピーが増大する変化であっても変化の速度が遅い場合は変化が起きないこともあるのですか. それともそれは見かけ上変化が起きていないように見えるだけですか? M: あなたはどちらだと考えましたか? その理由は?? // で, どうして他人に聞く必要があるのでしょうか?

12s3017: 
$ \d G = 0$ (平衡過程) で最小ということは, 最大値はどのように表せるのか. M: 何が最小/最大という話か? 何を表すのか??

12s3026: 
化学平衡において, 平衡定数が系の圧力変化によらず一定であると言えるのはなぜでしょうか? M: 何の話でしょうか?

12s3047: 
乱雑の度合いなどと呼ばれるエントロピー S の単位が [J K$ ^{-1}$] になるのはなぜですか? 計算した結果 [J K$ ^{-1}$] になるのはわかるのですが, [J K$ ^{-1}$] という単位と乱雑の度合いとの関係性は何ですか? また, エントロピーには [J K$ ^{-1}$] 以外にも, 単位はないのでしょうか? M: ``乱雑さの度合い'' と便利な言葉で説明されて分かった気になりますが, それは一体何なのでしょうか? 何をどうやって測って得られる物理量なのでしょうか? そう考えると ``乱雑さの度合い'' という文言は, 実にいい加減であいまいで定量性も全くない言葉だと気づかされます. // 乱雑さを状態数ととらえ, ボルツマンの原理で考えてみる. すると単位はボルツマン定数に依るので, 全然説明になっていない. 熱エネルギーと温度が分子の乱雑な運動の指標であることに注目すれば, $ \Delta S = \frac{q_r}{T}$ は, 比較的わかりやすいのでは(?) // 次元が一致すれば, さらには意味が一致すれば, 何でもいいのでは(?)

11s3001: 
熱力学での化学平衡 $ \displaystyle K_$P は何を表しているのでしょうか. (反応の分配でしょうか?) M: ``反応の分配'' とは, 何か? // 教科書をよく読みましたか? それでも分からないのでしょうか??

11s3014: 
エントロピーは増大するもの, モノは散らばるものなのに なぜ, まだ塊 (私の体) などがあるのでしょうか. M: それは平衡状態ですか? 過渡的状態ですか? // 一部の系でエントロピーが減少しても, 外界でそれ以上にエントロピーが増大すれば, 全体としてはその方向に反応が進行すると言う話を, 今日の講義の始めに復習したのに, 伝わっていなくて残念.

11s3022: 
ブラックホールは, 光も抜けだせない. と言いますが. それは, 光は重力の影響をうけると考えてもよいのでしょうか? M: 相対論の入門書でも読めばいいのでは? 相対論が世の中に認められるようになった, 日食時に行われた観測結果とは?

11s3031: 
エントロピーは, 気体を圧縮したり膨張しても増大・減[原文ママ]しますか. M: 自分で計算してみればいいのでは(?)

11s3032: 
$ \Delta G$$ \Delta S$ によって反応の方向は決められますが, どの定度[原文ママ]まで反応するのかを $ \Delta G$$ \Delta S$ が 0 であるということがわからない状態では, 判定できるのか. M: ``どの定度まで反応するか'' とは, どういう意味ですか? 平衡定数は使えないのか??

10s3008: 
エントロピー変化について $ \Delta S > 0$ のときに自発的に進まないが, 実際には一定の割合で進んでいる, とありましたが それはなぜでしょうか? 理想気体ではないからですか? M: 何の話でしょうか? 著しく聞き間違えて誤解している予感. 教科書をよくよく読んではいかがか. // 13s3007 参照

10s3017: 
熱力学第 3 法則で, 0 K でエントロピーは 0 となることが証明されているが, これを実験的に観測することは可能か. M: 勘違いの予感. そんなことは証明されていない. // 0 K の物質は実在するのか?

10s3028: 
球の中を鏡ばりにして, 一度光源から中に光を与えると, その光はずっと輝き続けるのでしょうか. 途中で光子が運動エネルギーを失い, 暗くなるのでしょうか. M: 勘違いの予感 // 光子の運動エネルギーとは? 光子が運動エネルギーを失うと, 光の波長が変化するのか, 光の振幅が変化するのか?? // 鏡は 100 % の反射率ですか?



Ryo MIYAMOTO, 2013-12-19