化学の基礎II(G) (20131126) M: 以下は宮本のコメント
13s3001: 
系のエントロピー変化が可逆過程で出入りする熱を用いて定義されるのはなぜですか? M: 出入りする熱は状態量ではないが, エントロピーは状態量. 経路を限定すれば, 出入りする熱は状態量とみなせる.

13s3002: 
真空膨張の実験で, 仕切り壁をどのように取るのですか. M: 思考実験または理想的状態の設定に, 具体的手段は関係ない.

13s3003: 
エントロピー増大の法則に従うならば, 化学反応はエントロピーが増大する方向に反応が進行することになる. 可逆反応では反応が進行すると, いずれ平衡状態になるが, このとき反応系と生成系の間のエントロピーのやり取りはどのようになっているのか. エントロピーが増大する方向が系の間で切り替わっているのか. M: エントロピーのやりとりとか, 方向が系の間で切り替わるとか, どういう意味か.

13s3004: 
エントロピーとは状態関数のことですが, 宇宙のエントロピーが増大するとはよくわからないです. エントロピーが増大したら, 何がおこるのですか. M: 別に. 宇宙の熱的死とか // 13s3013 も参照

13s3005: 
人間の手で圧力を変えて体積を変化させた場合も自発的変化というのですか? M: どこの過程の話か? 外圧が減少して気体の体積が増加する場合, 外圧が減少する理由は問題にされない.

13s3006: 
密閉容器に仕切りを入れて, 片方に気体分子を入れ, もう片方を真空にした場合, 仕切りをとるとなぜ気体分子は拡散するのでしょうか. 経験的にそうだからですか. 科学的に証明できませんか. M: 講義では, エントロピーの概念を導入して説明したのだが...

13s3007: 
系のエントロピー変化は可逆過程での熱の出入りで考えるが, 不可逆過程では考えないのでしょうか. M: 13s3001 参照

13s3008: 
エントロピー増大の法則は自発変化が起こるという仮定であるが, それが全く起こらないとどうなるのか. M: エントロピーは増加しない.

13s3009: 
宇宙全体でエントロピーが増大していることは宇宙が膨張していることと関係しますか? M: 気体が真空膨張する場合にエントロピーは増加するが, これは宇宙全体の膨張とは無関係.

13s3010: 
エントロピーは「乱雑さ」を表していると言われることがありますが, エントロピーが減少するときには, 乱雑ではなくなるのですか? 乱雑さが少なくなる過程は何かありますか? M: 比喩的な意味で乱雑さが減少すれば, 秩序が生じたということになる. ボルツマンの原理は乱雑さを定量的に表現している. // 局所的にエントロピーが減少する場合もあることは, 講義でも説明したが, 伝わっていなくて残念. 教科書 p.68 によれば, 外界のエントロピーは減少している.

13s3011: 
系が二つの部分に分けられるとき, 系全体の状態数がそれぞれの状態数をかけた値になるのはなぜですか? M: コイン二枚の系で, それぞれのコインは表と裏の二つの状態をとるとき, 全系の状態の数は?

13s3013: 
宇宙のエントロピーが増え続けていくと宇宙に何か変化はありますか. M: 13s3004 参照

13s3014: 
ボルツマンの原理によるエントロピーの定義で ``乱雑さ'' という説明がありましたが, ``乱雑さ'' とはどういうことですか. M: 13s3010 参照

13s3015: 
(1) 標準融解エンタルピーはどのようにして調べるのでしょうか. // (2) 宇宙のエンタルピーは断熱過程でも求められるのか? M: 熱量計 (カロリーメーター) について, 調べてみてはいかがか(?) // エントロピーは状態量だから, どんな過程でも関係ない.

13s3016: 
教科書の p.70 の下の部分で ``一般に, 平衡条件下での変化はエントロピー変化をともなわない'' とありますが, エントロピー変化をともなうものはどういったものがありますか. M: 対偶をとれば, ``エントロピー変化をともなうのならば, 平衡条件下での変化ではない (非平衡条件下での変化である)'' となりますが, 難しいですか?

13s3017: 
エントロピー変化は不可逆過程で出入りする熱を用いて定義を考えることはできないのですか. M: 13s3001 参照

13s3018: 
$ \displaystyle \Delta S = \frac{q_r}{T}$ とかに出てくる $ \displaystyle q_r$ の「r」は何ですか? // ・自発変化でないことが起こると宇宙のエントロピーは減少するのか? M:  $ \displaystyle q_r$ は等温可逆変化において出入りする熱. すなわち ``reversible''. // 自発変化でないこととは, どんなコトでしょうか?

13s3019+: 
外界のエントロピー変化が実際に出入りした熱で計算されるのはなぜなのかよくわかりません. 仮想的な可逆変化を考えているのに, 実際の熱を使用していいのですか? M: 系に対しての外界の意味は, 十分に大きな熱容量を持つ熱浴としての存在である. ``熱浴'' は, 系に対して熱を出し入れしても, それ自体の温度やその他の状態量は変化しないものと考えられている. 各種の状態量が変化しないまま熱が移動するので, これは準静的変化, すなわち可逆変化である. 他の説明としては, 定容の外界または定圧の外界を仮定するものである. こうしておくと外界が出し入れする熱は, 前者であれば $ \Delta U$, 後者であれば $ \Delta H$ という状態量になる. 状態量であれば経路に依存しないので, 系の変化する経路に依存せず, 移動した熱量そのものを用いて外界のエントロピー変化を計算できることになる. // 13s3001 も参照

13s3020: 
車のエンジンにセラミックを使うことは難しいとのことでしたが, ジェットエンジンでは表面にセラミックが使われているようです. 車にもジェットエンジンの技術は応用できないのでしょうか? M: どこで使われているのでしょうか? 車に応用することは可能でしょうが, 意味があるのか. また市販車に搭載するにはコストなども考慮しなければならないでしょうね.

13s3021: 
今だ[原文ママ]エントロピーというものがよく解らないのですが, 宇宙のエントロピーが増え続けて実際になにか現実世界に影響をあたえたりするものなのですか? M: 13s3013 参照

13s3022: 
p.62, 式 (3.8) において, 式中の $ S$ を消去すると, $ \displaystyle W_1 \times W_2 = W_1 + W_2$ が残り, (系全体の) $ \displaystyle W = W_1 + W_2$ が成り立ってしまい, $ S$$ W$ が比例関係になってしまいますが, 式 (3.8) の右辺の $ S$ は左から $ \displaystyle S_1$, $ \displaystyle S_2$ ではなくてもいいのですか. M: 大誤解. (3.8) 式の上の行に書いてある ``エントロピーは状態数の関数'' であることを式で書いたのが $ S(W)$ である. $ y$$ x$ の関数であることを $ y(x)$ と書くでしょ.

13s3023: 
真空膨張でのエントロピー変化を考えましたが, 真空の部分を別の気体で考えたときは, エントロピー変化を可逆過程で求めるのでしょうか. M: どんな場合であろうと, 可逆反応で出入りする熱を用いるのが, エントロピーの定義です.

13s3024: 
エントロピーとエンタルピーの違いがよく分からない. というか, 概念がはっきりしません. エンタルピーは熱そのもの, エントロピーは熱の出入りの関数とみてよいのですか. M: 納得するまで, 何度も何度も何度も教科書や各種の参考書を読んで考えてはいかがでしょうか.

13s3025: 
気体が容器の中にあり, その気体が全て片側に偏ることは分子がいくつ以上のオーダーになればあり得ないと言えるのか? M: ここでいう ``あり得る'' の基準は何ですか?

13s3026: 
エントロピーは全体ではずっと増加しかせず 使えるエネルギーは減り続けるんですか. M: 意味不明. 誤解の予感. エントロピーはエネルギーではない.

13s3027: 
$ \displaystyle \Delta S = \frac{q_r}{T}$ において, $ \displaystyle q_r$ が不可逆過程で出入りする熱ではだめな理由は何ですか? M: 13s3001 参照

13s3028: 
統計でいうエントロピーと熱力学でいうエントロピーは同じですか? M: 詳しくは知りません. 勉強したてわかったら, 教えてくださいネ

13s3029: 
エントロピー変化ではほぼ可逆過程で考えられていますが, どうして不可逆過程では考えられないんですか. M: 13s3001 参照

13s3030: 
(3.22) 式で偏微分がでてくるようですが, なぜ普通の微分ではなく偏微分を用いるのですか? M: エンタルピー H は温度 T だけの一変数関数ではなく, 多変数関数だから.

13s3031: 
エンタルピーとエントロピーは違う状態関数なのに, どうして名前が似ているのですか. M: それぞれの名付け親に聞いてみればいいのでは(?) 語源を調べましたか?

13s3032: 
真空膨張において, 教科書には仕切り壁を何らかの方法で取り払うとありますが, 具体的にはどのような方法がありますか? M: 13s3002 参照

13s3033: 
アプリオリ原理の「アプリオリ」は発見者の名前だろうか? M: 辞書を見ましたか? // ``等重率の原理'' ということもあるようです.

13s3034: 
エントロピー増大の法則は, 結局熱力学第二法則と同じことを言っているのですか. だとすれば, エントロピーの有用性はあらゆる反応に適用できるところですか. M: エントロピーは熱力学的に基本的な状態関数のひとつ.

13s3035: 
エントロピー増大の原理が成り立っているということは, 宇宙のエントロピーは宇宙が誕生してからずっと増え続けているのでしょうか. M: 法則の自然な帰結について, 自分で判断できないのは何故でしょうか? 13s3013 も参照

13s3036: 
$ \Delta S = 0$ となるのは平衡状態にあるときだけですか? M: 13s3038 参照

13s3037*: 
エントロピー増大の法則で宇宙全体のエントロピーが増加しているが実際は系の周りのみではないのか. そこまで広げる必要性は何なのか? M: 何度も述べているが, 熱力学は主に平衡状態をあつかう. 外界のうち系の近傍の局所的な変化だけを考えたのでは, 広い外界が平衡状態になっていない. 宇宙全体を扱うのが大げさに感じるのならば, ``孤立系のエントロピーは増大する'' ではどうか(?) なおこの孤立系は, 考察対象の系と, その系に対して十分に大きい外界から成っている.

13s3038: 
エントロピーが減少することはないのか. M: 13s3010 参照

13s3039: 
外界全体から見ると, なぜ無限小変化とみなせるのですか. M: 何が無限小変化なのか, 質問の意味がわかりにくい. 13s3019 も参照

13s3040: 
エントロピーの変化の真空膨張の説明のところで 真空中の圧力が 0 だから気体のする仕事は 0 になるというところがよくわかりませんでした. M: PV 仕事は, 外界の圧力に逆らって, 気体がする仕事です. 教科書や参考書の該当個所を何度も読み直せばいいのでは(?)

13s3041: 
低いところにある月と, 高いところにある月の大きさが, 違うように見えるのはなぜですか? M: 錯覚, または気のせい.

13s3042: 
宇宙のエントロピーは減少することがないので, 宇宙誕生からずっと増加していて, どんどん乱雑になっているということですか. M: 13s3035 参照

13s3043+: 
自発変化が起こると, 宇宙のエントロピーは増大するが, 人間はその増大を何かに利用しているか. M: エントロピー自体を利用しなくても, エントロピーが増加する過程を利用してはいる :-)

13s3044: 
前回の授業で, 現実の過程は自発過程からなるとあったが そうなるとエントロピー増大の法則より全宇宙のエントロピーは常に増加し続けているのでしょうか? M: 13s3035 参照

13s3045: 
定圧熱容量の $ \displaystyle C_$P$ = \left( \frac{\partial H}{\partial T} \right)_$P について よくわかりません. M: 熱容量とは, ある物質の温度を単位温度 (1 K) 上げるのに必要な熱のこと. また, 定圧下で出入りする熱は, エンタルピー変化に等しい. この二つを組み合わせる.

13s3046: 
真空膨張と等温可逆変化の過程ではエントロピー以外の状態量も変化しないのですか? M: 誤解の予感. または日本語を上手に使えない(?) // 真空膨張でエントロピーは変化する. // 状態量 (の変化) は, 経路に依存しない.

12s3017: 
等温膨張でも内部エネルギー d$ U$ が 0 にならないということは ありますか. M: ``等温'' の意味と ``内部エネルギー'' について, よく復習する必要があるのか(?)

12s3024: 
エントロピー増大の法則において エントロピーが増える分 何が減っているのですか? M: エントロピーの定義式をにらんで考えれば良いのでは(?)

12s3026*: 
分子の運動によって温度は決定されますが, もし仮にある気体の入った容器を断熱条件下で完全な真空状態にし, そこの温度を測定するとどのような値が出るのでしょうか? M: 真空の温度とは何か? 温度の定義は?? 二つのモノの温度が等しいとはどういうことか???

12s3047*: 
エントロピーが系の自発過程方向を決めるとおっしゃっていましたが, もしそうだとしたら, 化学反応における化学平衡, 反応速度など化学反応の方向性を決める要素ともエントロピーは何か関係があるのでしょうか? M: ギブズエネルギーと言ってみるテスト.

11s3001: 
宇宙全体のエントロピーは増大し続けるということですが, $ \displaystyle \Delta S = \frac{q_r}{T}$ の右辺は自発過程で出入りする $ \displaystyle q_r$ の総和が増大し続けるということでよいのでしょうか. M: 自分で判断できず, 他人の承諾が必要なのは, なぜでしょうか?

11s3014: 
エントロピーが何であるのか正直いまだにわかりません. 乱雑さの定度[原文ママ]と言われたり, 熱と関係していたり 結局なんなのでしょうか. エントロピーがふえているから宇宙には物がちらばっているのですか. M: 論理が逆. モノが散らばるから, エントロピーが増大する. // 教科書や参考書を何度も読み返して考えてみればいいのでは(?)

11s3022: 
熱力学第二法則は, 自然界にある物は, 特別な操作をしない限り時間と共にこわれてしまうという経験を法則の形で述べていると考えていいのですか? M: 自分で判断できず, 他人の承諾が必要なのは, なぜでしょうか?

11s3031: 
系のエントロピー変化を求める時, 実際にどのように変化したかは一切関係ないということは, 水から氷に変化する時とその逆でも変化量は同じなのですか? M: ああ勘違い // 状態量の変化量は, 同じ変化 状態A → 状態B において, ``経路に'' 依存しない. 別の変化 状態A → 状態C であれば, 変化量は違うだろう.

11s3032: 
状態A $ \rightleftarrows$ 状態B という可逆過程において $ \Delta S < 0$ では反応は右へ自発的には進まず左のほうへ進むのか. M: 状態A と B が何か, 他の条件がどうか, などに依存する話では?

10s3008: 
先生は暗黒物質はどのようなものだと考えますか? 観測することはいずれは可能になるでしょうか? M: 特に考えは無い. // 可能性はゼロではない.

10s3017+: 
平衡時がエントロピー最大なのか. M: 次節を勉強すればわかるのでは(?)

10s3028: 
今回授業で取り扱ったエントロピーの経路の他にどの様な経路がありますか. M: 意味不明 // ``エントロピーの経路'' とは 何か?

09s3043: 
``断熱可逆過程では 等エントロピー過程であるが 等エントロピー過程は断熱可逆過程に限らない'' ということは完全気体の冷却でもいえることですか? M: 私にはわかりません. ``等エントロピー過程'' には, どんな過程があるのでしょうか? これと ``完全気体の冷却'' との関係は??



Ryo MIYAMOTO, 2013-12-19