構造物理化学I (20130624) M: 以下は宮本のコメント
12s3001: 
クロネッカーのデルタについて, $ i \neq j$ の条件で $ i$ をある値にして $ j$ にあらゆる値を代入したときに直交系となるが そのうち $ i$$ j$ に代入した別の値にして同じように $ j$ にあらゆる値を代入したとき 直交ではなく平行になるということはないのか? M: 意味不明. どういう状況を想定しているのか?

12s3002: 
式 (4.45) で運動量と位置を任意の精度で同時に測定することは不可能になるとあるが, 同時に測定する方法はあるのか. // 仮説 6 でフェルミ粒子に対するパウリの排他原理を考えていたが ボーズ粒子はなぜその限りではないのか. M: 現実に手法が存在することとは無関係に, 不確定性原理は二つの物理量の測定精度に関して制限を与えている. // 論理が逆. そのように性質が異なるので, 別な名前をつけて区別している.

12s3003: 
時間に依存しないシュレーディンガー方程式を求めることによって, どのようなことがわかるのだろうか. M: 勉強してみれば分かるのでは :-p

12s3004: 
異なる固有値に属する固有関数は互いに直交しているという定理が成り立たない場合, どのような不都合が生じてしまうのか? M: 量子力学を基本的なレベルで否定してしまうので, 現代科学で成し遂げられた成果の根拠が, 全て崩れ去ってしまう可能性がある. 科学とは, そういうもの.

12s3005: 
量子力学的演算子はエルミートでなければいけないと 仮定 2 の付け足しで出てきたが エルミートでなけるば[原文ママ]なりたたないのか. M: 質問の論理が分からない.

12s3006: 
粒子の存在確率が時間に依存しないというのは どういうことなのか. M: 何が分からなくて, この質問が出てくるのか, 想像できない. 逆に ``(粒子の存在確率が) 時間に依存する'' の意味は分かるのか? 言葉の意味が分からないなら, 辞書を見ればいいのでは(?)

12s3007+: 
そもそも内積の直交と波動関数の直交を同じものと考えてよいのですか. M: ベクトル空間と関数空間を対応させて考えればよい. 量子力学の二つの表現形式である波動方程式と行列力学が, 根本的に等価だというのは, そういうこと.

12s3008: 
ボーズ粒子が 仮説 6 の限りでないのは なぜですか. M: 12s3002 の後半参照

12s3009: 
時間に依存する Schrödinger 方程式を変数分離したものの式で固有関数系を作り, 式に n が加わったが, 固有関数系を作る操作の意味とは何か. M: 別に操作は何もしない. ある演算子に複数の固有値と固有関数があれば, 固有関数の集合を考えることが出来るというだけ. 逆に言えば, 複数の固有値を持つような演算子を考えていますよ, と.

12s3010+: 
なぜ $ \displaystyle \hat{A}$ $ \displaystyle \hat{B}$ が非可換であると 不確定性関系[原文ママ]にあるのか? M: 教科書をよく読んで考えればいいのでは(?)

12s3011: 
ハミルトニアンを量子化し, 書き換えたシュレーディンガー方程式において, 式の中の $ \displaystyle \psi($$ ,x)$ [〓は判読不能] を時間だけの関数 $ T(t)$ と空間だけの関数 $ \phi(x)$ との積で表すと, どうなりますか. M: なぜこれを他人に聞かなければいけないのかが, 分からない.

12s3012: 
定理のところで異なる固有値に属する固有関数は互いに直交しているとあったが 異なる固有値に属する固有関数が互いに平行であることは可能か. また, 可能ならば数式に翻訳したらどのような式になるのか. M: 定理が成り立つと証明されたって事が, 何を意味するのか, 分かっていない(?) // あなたのいう ``平行'' とは, 何か?

12s3013: 
互いに直交である波動関数を観測することはできるのか? M: そもそも波動関数自体は, 可観測量ではない.

12s3014: 
粒子の存在確率 $ \displaystyle \Psi^* \Psi$   d$ x$ $ \displaystyle \Psi^* = \psi^*(x) e^{+i E_n \cdot t / \hbar}$ となりますが, どうして $ i E_n \cdot t / \hbar$ が正の符号になるのですか? M: 複素共役をとるとは, どういうことか?

12s3015: 
交換子 $ [ \hat{A}, \hat{B}]$$ [ ]$ は閉区間を意味しているのですか? M: 教科書や参考書をよく読めばいいのでは(?)

12s3016: 
エルミート演算子の固有値は どのような場合でも実数になるのか. もし仮に実数にならない時には波動関数はどのようなことを表しているのか. M: 12s3012 の前半の回答参照. 講義では省略した証明を, 自分でやってみればいいのでは(?)

12s3017: 
波動関数が互いに直交するとあるが 波動関数を図にすると曲線であるはずなのになぜ直交するのか. M: この ``直交'' は, 幾何学的に 90 度の角度で交差するという意味ではない. 12s3007 参照

12s3018*+: 
粒子の存在確率が時間に依存しないのは, 時間とエネルギーが不確定性関係にあることが関係しているのか. M: 時間に依存しない系では, 粒子のエネルギーが不確定さゼロで (確定値として) 求まることに注意 ;-)

12s3019: 
量子力学的演算子がエルミート演算子とならない場合はあるのか? M: 12s3016 参照

12s3020+: 
式 (4.24) を満足する一組の波動関数は直交系である, とあるが ``直交'' するかしないかによって, どんな違いが生じるのか. M: ``固有関数系ならば直交系である'' の対偶は?

12s3021: 
仮説 3 より, 観測にかかる唯一の値が固有値 $ a_n$ と決まるのならば, 平均値というものは, 必要ないのではないか? 平均値に何のメリットがあるのか? M: 宿題をちゃんと考えたのか? // 観測対象の系は, 演算子の固有状態とは限らない.

12s3022: 
時間に依存しない波動関数は有益に使われる場合もあるが, 空間に依存しないものは有益にとりあつかうことはできるのか. M: できる・できないの問題ではなく, どう役立てるかを考えればいいのでは(?)

12s3023: 
ポテンシャルが振動しているのであれば, エネルギーは時間に依存するのですか. // 異なる固有値に属する固有関数は互いに直交しているとありますが, その固有関数の数に限度はあるのでしょうか. M: 教科書 §13.11 を読めばいいのでは(?) // 数を制限する要素はあるか? 固有関数の数は何の数と同じか?

12s3024: 
演算子の可換, 不可換は, 行列式の積ににている気がするのですが関係ありますか. M: ``行列式'' の積と, 似ているとは思えませんが(?)

12s3025: 
規格化はすべての確率を合わせるので 1 になったが直交系では 0 になるので直交すると存在確率が 0 になるということですか. M: それぞれ, 何の話をしているのか?

12s3026: 
エルミート演算子の固有値が実数である固有関数が規格化直交系であることの証明の他には, エルミート演算子があることには他にどのような意味があるのか? M: 意味不明. ``〜の証明'' は, エルミート演算子があることの意味なのか?

12s3027: 
$ \displaystyle (\int g^*(x) \hat{A} f(x))^*$ [原文ママ]は どういう状態なのか. 全体に * がかかっているのは どうなるのか. M: 質問の式は意味不明な式. // もし数式なのであれば, 普通に読み解けばいいのでは(?)

12s3028+: 
不確定性原理は可換なときに成り立たないのはなぜか. M: 演算子が可換ということは, 同時固有関数を持つということ. 教科書 p.216 参照

12s3030: 
状態関数にエルミート演算子を作用させると, 状態関数に何が起こるのか. M: 一般には, 演算子は関数に作用して, 別の関数を与える, としか言いようがない.

12s3031: 
量子力学の仮説における観測量を測定するための実験は独立に行われているものなのか. // 独立である場合と独立でない場合, それぞれの場合の固有値や固有関数に違いはなにか. M: 意味不明. 何からの独立という話か?

12s3032: 
古典力学の観測量に対応するエルミート演算子は どのようにして求めるのですか. M: 20130617 の 12s3035 参照

12s3033: 
電場と地場が直交して振動しているのが光であるとおっしゃっていましたが, なぜ直交していなければならないのですか. M: 現実にそうである. 電磁気学を勉強すれば分かるのでは(?)

12s3034: 
エルミート演算子の固有値が実数であることは どのようにしょうめいできるのか. M: 各自で考えてみるように言ったのだが, どのくらい真剣に考えたのだろうか?

12s3035: 
波動関数のイメージが未だにつかめません. オススメの本 (参考図書等) はありますか? M: 講義のサポート web ページ参照 // ちなみに, どのくらい努力して探したか?

12s3036: 
クロネッカーのデルタは規格化か直交系を見わける以外に何かに使われたりするのですか? M: 意味不明. 見分ける事には使われていないと思うが.

12s3037: 
量子力学的演算子がエルミート演算子であることに例外はあるのですか. M: もしも公理的仮説に例外があったら, その上にいったいどんな理論を構築できるというのだろうか?

12s3038: 
ハイゼンベルクの不確定性原理によれば電子の位置と運動量を同時に決めることができませんが, 絶対温度条件下においても電子の動きが止まり位置が決まる, ということはないのですか? M: ``絶対温度条件下'' とは, どんな条件下か?

12s3039: 
仮説 2' の「古典力学のおのおのの観測量に対し, 量子力学においてはそれに対応する線形なエルミート演算子が存在する」とあるが, エルミート演算子以外には存在し得ないのか. M: 12s3037 参照

12s3040: 
どのくらいの大きさのものまでシュレーディンガー方程式はあつかえるのか. また, どんな大きさのものまでつかえるのか. M: シュレディンガー方程式に, ド・ブローイの物質波の考え方に, 大きさの制限はあるか? 原理的な限界はあるか?

12s3041: 
量子力学的演算子がエルミートであると何が良いことがありますか? (何か判明するのですか?) M: 12s3016 や 12s3034 を参照

12s3042: 
固有値は必ず実数であるということは, 一組の波動関数も必ず直交していることになるのではないのか. M: どういうことか. 証明して見せてください.

12s3043: 
新しい発見で 仮説や公理にあてはまらない場合は どうなるのか. M: 過去にどうなったか, 科学史を勉強してみればいいのでは(?)

12s3044+: 
波動関数が互いに直行[原文ママ]していることは, 物理的にどのような意味があるのか. M: 波動関数が具体的に何を表しているかによる. 一般には相互作用が無いことを示すが, 例えば, 教科書 10 章を参照.

12s3045: 
式 (4.24) を満足する 1 組の波動関数は 必ず直交しているのですか. M: 教科書 p.139 に書いてあることの, 何がわからないのか?

12s3046: 
時間に依存するシュレーディンガー方程式は, 依存しないシュレーディンガー方程式と比べて何を計算するときに有用なのか. M: 時間に依存する場合の例を, 講義でも紹介したのだが, 伝わっていなくて残念. 12s3023 参照.

12s3047+: 
固有値の観測値の平均値はなぜ, 積分で表られる[原文ママ]のですか? 確率を $ \displaystyle p_i$ として $ \displaystyle \sum_{i=1}^{n} p_i a_i$ のような式では表されないのですか? M: まさしくその通りに表されてるでしょ? // 積分と総和に, 連続量と離散量以外のどんな違いがあるというのか?

11s3001+: 
非可換な演算子が不確定性関係を持つのは何故ですか? M: 12s3028 参照

11s3007+: 
$ \displaystyle \int \psi_m^*(x) \psi_n(x)$   d$ x$$ \psi_m$$ \psi_n$ が縮退している場合は直交するのか? M: 重ね合わせの原理があるので, 一般には直交しているとは限らない. しかし同じ理由により, 直交するように作ることは可能である. 普通は互いに直交していた方が便利なので, そのようにしておく. 直交化には, シュミット (Schmidt) の直交化の方法がある.

11s3019: 
$ \displaystyle \int f^*(x) \hat{A} g(x)$   d$ x$$ f(x)$$ g(x)$ は 何の関数ですか? M: どこで出てきた話か? // 見ての通り, $ x$ の関数

11s3022: 
波動関数は, 実在波では, ないと思うんですが, 実在しない物理量が方程式に含まれていても問題は, ないのでしょうか? M: 現実に問題は生じていないが, それのどこが疑問なのか?

11s3027: 
式 (4.19) の $ \displaystyle \Psi(x,t) = \psi(x) e^{-iEt/\hbar}$ において, なぜ指数関数の肩に $ i$ が乗っていると, 振動しているということになるのですか. M: 本気か? 教科書 2 章から, そういうのしかやってないと思うのだが.

11s3031: 
$ \Psi$ が規格化されないとその粒子の存在確率は求められないのですか. M: 別に. (ある事象の頻度)÷(全事象の数) で, ある事象が起こる確率を求められる. (全事象の数は 1 ではない.)

11s3041: 
$ \displaystyle \int \psi_m^*(x) \psi_n(x)$   d$ x = 1$ のとき つまり $ n = m$ のときは $ \psi_m^*(x)$$ \psi_n(x)$ は直交していないということですか? ベクトルで $ \displaystyle \overrightarrow{x}\cdot\overrightarrow{y}=1$ は, 何を表すんですか? M: ``直交'' の定義は? 定義を満足しないものを ``直交している'' と言うか?? 内積が 1 になるのは, どういう時か??? 本当に分からないのなら, 高校レベルからの復習が急務と思われる.

11s3046: 
教科書 138 ページに「ここではこれ以上詳しくこの制限に関して述べない」と書かれているが, 問題4.28 と 4.29 で確かめられるものの他にも制限は存在するか. M: 質問の論理が分からない. 本文で詳しく述べられていない所を, 問題で詳しく述べて補足しているというのが教科書の構成. このことと, 他の制限の有無は独立だと思うのだが...(?)

10s3008: 
$ \delta_{ij}$ が 0 か 1 以外の値だった場合, 規格化直交系ではないということになるが, そのような値は何を表していますか? M: ナンセンス. クロネッカーのデルタは, 定義により, 0 または 1 の値を取る. それ以外の値をとるとするのは必ず偽なので, 偽の前提の元では, どんな命題でも真になる. 従って, 好きなものを表すとして良い.

09s3043: 
ハミルトニアンは正準形式のエネルギー関数でエネルギーを固有値とするエルミート演算子とわかりましたが スピン演算子もエルミート演算子と同様のものですか? M: ここで ``同様'' の意味は? // (通常の) スピン演算子は, エルミート演算子のひとつではある.



Ryo MIYAMOTO, 2013-06-28