構造物理化学I (20130617) M: 以下は宮本のコメント
12s3001: 
波動関数の行儀のよい関数の条件としてふさわしくない発散する関数でも規格化できる場合はあるといっていたが, 例えばどのような場合においてか. M: 非常に特殊な場合ですが… 量子力学の数学的基礎を調べてみてください.

12s3002: 
観測量は量子力学演算子の固有値でなければならないと仮説 3 で提示されており, この一例としてエネルギーの測定を考えているが その他の例として挙げられるものは何か? M: 物理量にはどんなものがあるか?

12s3003: 
なぜ, 不確定性原理によると, 任意の希望する精度で粒子の位置と運動量を同時に指定できないのだろうか. M: 不確定性原理とは, どんな原理か?

12s3004+: 
位置や運動量などの演算操作に様々なものがあるが, これらはどのように導かれ, 定められたのか? M: 始めに提唱した人が, どのようにして導いたのかは知らない. しかし, 波動方程式から, (定常状態の) エネルギー → 運動量 と順にたどれる.

12s3005: 
$ \Psi(x)$, $ \Psi'(x)$ が位置 $ x$ で発散する有限でない関数であっても許される特別な場合とは どのような状態を表しているのか. M: 別に, 普通の (量子力学的) 状態でしょ.

12s3006: 
二重以外にも縮退した系に関しても固有値問題は同じように考えてよいのか. M: ``同じよう'' とは, 何と何とが同じという話か? // 自分で計算してみればいいのでは(?)

12s3007*: 
$ \psi$ $ \displaystyle \hat{A}$ の固有関数でなくても固有値が存在するということですか. M: 固有値は, 何に付随しているか? 宿題について, よく考えてはいかがか.

12s3008: 
$ \Psi$ $ \displaystyle \hat{A}$ の固有関数でないとき, $ \displaystyle \BRAKET1{a} = \int \Psi^* \hat{A} \Psi \,$   d$ x$ は常に成り立つのですか. M: 宿題をよく考えてみればいいのでは(?) (何らかの制限はあるか?)

12s3009: 
$ \Psi$ $ \displaystyle \hat{A}$ の固有関数であるときの物理量が一定の値をとり平均値が $ a_i$ になるのは なぜか. M: 講義中の説明の, 計算のどこがわからなかったのか? 高度な数学など, 全然駆使していなかったのだが...

12s3010: 
p.127 の (4.2) の積分が, ある定数 $ A \neq 1$ に等しくなったとしても, $ \psi(x)$ $ \displaystyle A^\frac{1}{2}$ で割れば規格化できるとは どういうことか. M: ``波動関数を規格化する'' とは, どうすることか?

12s3011: 
二重縮重した系の固有値問題において $ \displaystyle \hat{A}\phi_1 = a \phi_1, \hat{A}\phi_2 = a \phi_2$ ただし $ \displaystyle \phi_1 \neq \phi_2$ とあり, このとき $ \displaystyle \phi_1$ $ \displaystyle \phi_2$ が直交しているとよいとあったが, どんなメリットがあるのか. M: 単位ベクトルが互いに直交していることのメリットは?

12s3012: 
古典力学においてどの観測量に対しても, 量子力学においては対応する線形演算子が存在するが, シュレディンガー方程式でも存在可能か. M: 意味不明.

12s3013+: 
演算子 $ \hat{A}$ の固有値 $ a$ は実際に観測される物理量だと言うが, 例えば電子は観測できないのではないのか? M: 電子についてのどんな物理量を観測するのか? 厳密に考えよ.

12s3014: 
規格化定数は何を指すのか? M: 復習が必要なようだ. 12s3010 参照.

12s3015: 
収束していても行儀のよい関数といえない場合があるのか. M: 病的な関数とまではいかないが, 色々あるのでしょう.

12s3016: 
p.127, 式 (4.2) の式を満たしていない場合の波動関数には, どのような関数があるのか. またそのような関数の場合 粒子はどのような状態なのか. M: 別に, いくらでも考えられるでしょ. よくよく復習する必要がありそうだ.

12s3017: 
記号 R と T がそれぞれ反射係数と透過係数を表しているとして, これらの記号の物理的な解釈は 何か. M: p.153 参照

12s3018: 
観測できない量とは どのようなものがあるのか. M: 幽霊の質量でも何でも好きにすれば(?)

12s3019: 
量子力学の仮説 (公理) は これから習う他に どれくらいあるのか? M: 自分で参考書などを調べてみればいいのでは(?)

12s3020: 
「古典力学におけるどの観測量に対しても, 量子力学においては対応する線形演算子が存在する.」という仮定は, 何を根拠にたてられたのか. M: 公理に根拠はない. // 敢えて言えば, 対応原理とか, 物理学の理論の歴史的発展の経緯とか.

12s3021: 
二重縮重した系の固有値問題で, $ \phi_1$$ \phi_2$ が直行[原文ママ]していた方がいいのは なぜか? $ c_1$, $ c_2$ の組合せで $ \psi$ は無限と決まっているのに, いい悪いがあるのか? M: 12s3011 参照

12s3022: 
$ \psi^*(x) \psi(x)$   d$ x$ が粒子の存在確率となるが波動関数は何の確率を表しているのか. M: 正気か? 何かの確率の平方根は, 別の何かの確率か?

12s3023: 
縮重と言われると p 軌道などの電子の軌道が想い浮かべられるのですが, この軌道の電子の存在確率も固有値問題の解のように表されるのですか. M: 軌道 (波動関数) と 電子の存在確率 は, 等価あるいは同等なものか? // 教科書 6 章を読めばいいのでは(?)

12s3024: 
$ \psi$$ \hat{A}$ の固有関数であるとき, 平均 $ \BRAKET1{a}$ が単に $ a_i$ なのは なぜですか? M: 12s3009 参照

12s3025: 
教科書の公理には 例外などはないのですか. M: 数学の公理に, 例外はあるものなのか?

12s3026+: 
$ \Psi$$ \hat{A}$ の固有関数ではない時の物理量の観測で, 固有値が ``ランダム'' で出現するということは 何に起因するのか? M: 宿題の範囲内. ここで答えを聞いて, どうする. よくよく考えよう.

12s3027: 
先生は「postulate」は「仮説」と和訳は不適切と言っていたが, 教科書ではなぜ「公理」ではなく, 「仮説」と書かれているのですか. M: 書いた人に聞けばいいのでは(?) // そもそも英語と日本語とは一対一対応ではない. 仮説 (と公理) の用語にことさらに拘る人は, 内容の理解が不充分だと思われる. 「仮説」を誤解しないように説明しただけ. そもそも「公理」にだって根拠はないとも言える. ユークリッド幾何学と非ユークリッド幾何学が並列して存在している現状を見よ.

12s3028: 
二重縮重した系の固有値問題について 同じ固有値を持つ $ \phi$$ \phi_1$, $ \phi_2$, $ \phi_3$, $ \phi_4$ ... と三重, 四重 ... となっても $ \Psi$ のとり得る組合せの数は無限であるのか. M: 12s3006 参照

12s3030: 
線形演算子は なぜ量子力学演算子なのか. M: 全ての線形演算子を, 量子力学で用いているわけではない.

12s3031: 
一定の物理学的要請を満足するためになぜ粒子を空間のどこかに見いだす全確率は 1 にならなければならないのか. M: 本気か? 確率とは何か?? どんな状況での確率を考えているのか???

12s3032: 
$ \Psi$ が規格化されていないときというのは, どんなときですか. 確率を全空間で積分して, 1 にならない場合があるのですか. M: 12s3016 参照. // 12s3031 参照

12s3033: 
行儀よくない $ \psi(x)$ って 三角関数で表されていることですか? M: 三角関数が行儀よいかどうか, 定義にしたがって考えてみればいいのでは?

12s3034: 
仮説 [2] の二重縮重の固有値問題では, 二重以外の場合にも一般的に表せるのか. M: 12s3006 参照

12s3035: 
観測量に対応した演算子を求める方法は どういったものがあるのでしょうか. M: 講義中にも説明したつもりだったのだが... (古典的) 物理量を位置や運動量で表現し, 対応する演算子に置き換える. 他にもっと便利な方法があれば, 教えてほしいくらいだ.

12s3036: 
実際に観測された物理量である個有値[原文ママ]の平均値を求めることの意味は? M: 系が演算子の固有状態ではないのであれば, その系に対する測定値は固有値とは限らないはずでは(?)

12s3037: 
仮説と公理では意味が違うが, 訳者は内容をふまえて和訳をすることをしなかったのか. M: 12s3027 参照

12s3038: 
量子力学においては, 古典力学におけるどの観測量に対しても対応する線形演算子が存在しますが, 古典力学においてはどの観測量に対しても線形演算子が存在するわけではないのですか. M: 意味不明. 古典力学でも観測量を演算子で表現するのか??

12s3039: 
全ての量子力学演算子は, 三重, 四重などに縮退したものに関しても線形演算子といえるのか. M: 縮重 (や縮重度) と線形演算子との関係は??

12s3040: 
粒子の存在確率は, どんな分野で使われていますか. M: 別に, 好きに使えばいいのでは(?) // 化学で, 分子内の電子密度の多寡により, 求電子試薬との反応性を議論しないのか?

12s3042: 
これから先, 新たな公理がつくりだされるということは あるのでしょうか. M: ある程度完成されて首尾一貫している理論体系とは, どのように構築されているものだと思っているのか?

12s3043: 
金属結合では, 自由電子となって結合するが, 存在確立[原文ママ]はどうなるのか. M: 別に. 金属の種類や相によって決まる話では?

12s3044+: 
ある関数 $ f(x)$ は連続関数であったとしても, すべての $ x$ で微分可能であるとは言えないはずだが, 波動関数 $ \psi$ が行義[原文ママ]のよい関数であるための条件として $ \psi$$ \psi'$ が連続であるという条件だけでよいのか. $ \psi$ が 2 階微分可能という条件は必要ないのか. M: 講義中に話した通り, 行儀の良くない波動関数が Schrdinger 方程式の解になっているような場合もある. この時 $ \psi$ は連続だが, $ \psi'$ は不連続になっている. 波動関数の 2 階微分可能性を要請してもよいが, すこし厳しすぎる条件のようだ. また実際問題としての使いやすさ, という面もあるのではないか.

12s3045: 
物理量を測定したとき, 確率は決まっているのになぜランダムな順序で出現するのですか. M: 12s3026 参照

12s3046: 
シュレーディンガー方程式以外に, 固有値方程式を使う場合はありますか. M: そりゃ, あるでしょうね.

12s3047*: 
同位体には, 放射性同位体という中性子数が多く, 放射線を発する同位体がありますが, なぜ, 正電荷でも負電荷でもない中性子数が多いだけで不安定になり放射線を発するのですか? M: 原子核物理学を勉強すればいいのでは(?)

11s3007: 
固有値のどれかが, それぞれ決まった確率で, ランダムな順序で出現する とあるが, 確率はどのように決まるのか. M: 12s3026 参照

11s3019: 
時間に依存するシュレーディンガー方程式を導けないのは なぜか? M: 「公理」とは, 何か?

11s3022: 
自分の手に懐中電灯を灯らして[原文ママ]あてている時, 自分は, 電子にふれている, と考えても良いのでしょうか? M: なぜ, そう考えるのか?

11s3027: 
$ \hat{A} \psi = a \psi$ ただし $ \psi = c_1 \phi_1 + c_2 \phi_2$ のとき, $ \phi_1 \neq \phi_2$ ですが, $ c_1 \neq c_2$ ではないのですか. M: どうして? // $ c_1 = c_2$ の場合があると, どこが困るのか?

11s3031: 
$ \displaystyle \int_$全空間$ \psi^*(x) \psi(x)$   d$ x$ の積分が, 定数 $ A \neq 1$ となったとしても $ \psi(x)$ $ \displaystyle A^\frac{1}{2}$ で割れば規格化出来るのは なぜですか. M: 12s3010 参照

11s3041: 
$ \phi_1 \neq \phi_2$ であれば平面上のすべての点を表すことができるというのは $ \phi_2 = -\phi_1$ だとしても成り立つのですか? M: 自分で考えればいいのでは(?) 基底関数の選びかたとして, $ \phi_2 = k \phi_1$ (ただし $ k$ はゼロでない定数) は意味があるか?

11s3046: 
シュレーディンガー方程式の分離定数とは何を意味するか. また, どのような値になるか. M: 一般的な規則はなく, 個別の方程式に依るだろう.

09s3043: 
量子力学で固有状態が定まらないと正確に粒子の数など計算することは困難ですか? M: 何を聞きたいのか, わからない. 固有状態が不明でも, 物理量の平均値は正確に計算できる.



Ryo MIYAMOTO, 2013-06-28