構造物理化学I (20130610) M: 以下は宮本のコメント

M: 質問を募ったのにもかかわらず, どーして講義時間中に質問しないのか, 疑問だ. 質問の内容が評価の対象だということを, 忘れているような質問も多数あるなぁ.

12s3001: 
分散 $ \displaystyle \sigma^2$ または標準偏差 $ \sigma$ は確率と解釈することは可能か. M: 質問の意味不明. $ \displaystyle \sigma^2 =$   確率 または $ \sigma =$   確率 と解釈するとは?

12s3002: 
自由粒子の場合は運動量の不確かさがなくなり, 運動量は明確な値を持ち, 位置の不確かさは無限大で反比例の関係になると書いてあるが, もしもある粒子が平均的な運動をしない粒子だったらどうなるのか. M: 別に. そもそも平均的な運動をする粒子って, どのくらい存在するのか? // 統計的な平均が分かっても, 個別の粒子の運動については予言できない.

12s3003: 
一般的に演算子は $ \displaystyle \psi_n^*(x)$ $ \displaystyle \psi_n(x)$ との間にサンドイッチされるのはなぜか. M: お約束だからしょうがない. あえて言えば, 固有値方程式の両辺に左から…… という説明を講義ではしたのだが.

12s3004: 
$ \displaystyle \sigma_x \sigma_{p_x} > \frac{\hbar}{2}$ であるが, 不確定性でないものをかけたときは標準偏差で表すことはできるのか? M: 意味不明. ``不確定性でないもの'' とは何か?

12s3005: 
3 章でシュレディンガー方程式は粒子の存在確率を表す式だと分かったが, これはどのようなことに応用できるのか? M: 今日の講義で, 物理量の期待値が重み付き平均値として求めることができることを示したのだが...

12s3006: 
古典力学においての平均の位置は $ \displaystyle \frac{a}{2}$ であるが, それ以外の条件をつけてしまうと変わってしまうのか. M: 講義で, 底が傾いていたり, お椀の様になっている例を示したのだが...

12s3007: 
相対性理論で速度に応じて質量が変わるとあったが なぜこのように仮定できるのか. M: だれも仮定などしていないと思うが.

12s3008: 
位置と運動量の両方の不確かさをできるだけ小さくした場合の a は計算で出せますか. M: 意味不明. 不確かさは $ a$ に依存するのか? 自分で計算してみればいいのでは(?)

12s3009: 
運動量の平均値をもとめる際, 物体の運動している向きを考慮したが, 向きを考慮せずにもとめることはできるのか. M: 別に. 自分で求めてみればいいのでは?

12s3010: 
分散や標準偏差とはどのようなものを表しているのですか? M: 統計の本や教科書の B 章を読めばいいのでは(?)

12s3011: 
自由粒子は決まった運動量を持ち, その位置は不確定であるが, 領域の長さ $ a$ を零にすると, その位置の不確かさがなくなるのはなぜですか? M: 本気・正気か? $ a=0$ の時に, 粒子が存在可能な位置の選択肢は どうなる??

12s3012: 
三次元の箱の中の粒子の問題も一次元の発展で解けるが四次元もシュレーディンガー方程式や運動量で解くことができるのか. それとも四次元になれば考え方が既に違ってくるのか. M: 四次元の運動量が何かという話は棚にあげて, 四次元に拡張した方程式を立てて同様に解くことに, どんな論理的な困難さがあるのか?

12s3013*: 
電子の 1s, 2s, 2p 軌道などは確率分布で表されますが, 軌道に対称性があるのは, 物理的にどのような意味があるのですか? M: 例えば化学結合を考える時に, 軌道の重なりがあるかどうかに効いてくる. 基本的には同じ対称性のものの間だけに重なりがあり, 対称性が異なると重なりはない (相互作用しない, 結合を形成しない, 混成しない, etc.).

12s3014: 
$ \BRAKET1{x}$ は粒子の平均位置であるのは分かるのですが, $ \BRAKET1{x^2}$ は何を指しているのですか? M: そのまんま, 位置の二乗の平均値だが, これのどこが理解困難なのか?

12s3015: 
なぜ不確かなものを原理として用いることができたのか. 正確に求める必要はなかったのか. M: 質問の意味不明. ``不確かなものを原理として用いる'' とは, 何を何に用いたという話のことか?

12s3016?: 
運動量の不確かさと位置の不確かさ, 不確かなものを 2 つかけると, 一定の定数になるのはなぜか. M: 何時 誰が 何処で そんな話をしたのか? ``不確かなもの'' とは何か??

12s3017: 
一次元の箱の中に粒子が存在しないときとあるが, 粒子が存在しないということは, 他に何も無い (真空) ということか. M: 20130603 の 12s3027 参照 // しかし, どこにそんな話が?

12s3018+: 
位置の平均値と運動量の平均値から粒子の運動の様子がわかったが, エネルギーの平均値からも粒子の運動の様子がわかるのか. それとも, 何か他のことがわかるのか. M: 何を期待しているのか, よくわからない. $ V=0$ の箱の中で運動している粒子のエネルギーは全て運動エネルギーに帰されるが, これが分かると運動の様子は分かる or 分からない?

12s3019: 
確率分布を用いると物質量の平均値を求められるが, 平均の位置を求めることでどういうことにつながるのか. M: ``物質量の平均値'' とは何か? // 一般の物理量の求めかたの具体例として位置を求めて見せたという論理構造が分かっていないのは残念だ.

12s3020: 
「不確定さ」と「分散」の具体的な関係性は何ですか. 不確定性原理を考えるときに分散を用いるのはなぜですか. M: 「不確定さ」の定義は何か? 計量可能な定義は何か?

12s3021: 
自由粒子は決まった運動量をもつのに, 長さの領域を制限して粒子を局在させるとなぜ決まった運動量をもたなくなるのか. M: 例えば, 運動量をどうやって計測するか?

12s3022: 
位置の重みとは何か. M: 期待値, または 重み付き平均 について復習が必要のようだ. 宝くじの獲得賞金の期待値の計算が, よく説明に用いられると思うのだが.

12s3023+: 
エネルギーは量子数 n によって決まっているのに, なぜ, エネルギーの平均値 $ \BRAKET1{E}$ を求めるのですか. M: もしも状態を表す波動関数が, ハミルトニアンの固有関数であれば, 平均値はすなわち固有値である. しかし, 波動関数が固有関数でない場合, 即ちハミルトニアンの固有状態ではない状態のエネルギーを求めたい場合には...... (3.36) あるいは (4.11) のようにして求めなければならない.

12s3024: 
運動量の平均が 0 ではないときは どのような時ですか? M: 講義で説明したことから, あるいは教科書 p.95 の説明から, 逆を (裏を) 想像できないのだろうか?

12s3025: 
読書感想文で読んだ本に出てきたんですけど, モノポールは 見つかると思いますか. M: 個人の感想を聞くことに, どんな意味があるのだろうか. // A.C.クラークの第一法則かな :-p

12s3026: 
不確定さをあらわすのに分散があげられたが, 分散以外にあらわすものには どのようなものがあるのか? M: ハイゼンベルクのγ線顕微鏡の思考実験を調べてみればいいのでは(?)

12s3027: 
運動量と物理量の違いはなんですか. M: 本気ですか? // 字が違う. 後者は前者を含む.

12s3028: 
位置が不確定であるのに, 長さを $ a$ と置いてその領域を制限してもいいのか. M: 意味不明. 何をどう勘違いしているのか, 想像できない. // 問題の設定が何なのか, その帰結が何なのか, 整理して考えることが出来ていない??

12s3030: 
運動量演算子とハミルトン演算子にそれぞれ ``$ -$'' がついているが これは何をもたらすのか. M: 無しの場合と比較して考えてみればいいのでは?

12s3031: 
なぜ二次元の箱の粒子の問題は記載されていないのか. 存在確率を求めることができないからなのか. // 運動量の分散が不確定性原理の 1 つであるということは, 電子の移動は千差万別であるということか. M: 有限のページの中で, 全ての可能な問題を取り上げなければいけないのか? あるいは章末問題 3.27 参照 // 言語は明瞭だが, 意味不明.

12s3032+: 
物理量の平均値を求める際, なぜ演算子を用いるのですか. そうするものとしか言えないのですか. M: 第四章の 仮説2, 仮説3 参照 (ただし仮説という和訳は不適切. 元の英語は postulate).

12s3033: 
$ \displaystyle \sigma_p = \frac{n \pi \hbar}{a}$ $ a \rightarrow \infty$ であるならば $ \sigma_p = 0$ になると思うんですが これは運動量が分散しないということになりますか. M: ``分散しない'' という言い方は, 寡聞にして初めて聞いた. どういう意味か?

12s3034: 
粒子を局在化させることで位置を確定させたときの運動量はどうなるのか. M: 教科書 p.97 に書いてあることの, 何が理解できないのか?

12s3035: 
量子を物質波と捉えた場合, 2 ヶ所で同じ量子が観測されることはあるのでしょうか. M: ``ここに存在している'' という局在性が観測される量子は, 粒子か波か?

12s3036: 
標準偏差 $ \sigma$ を 2 乗した分散 $ \displaystyle \sigma^2$ には どのような意味があるのでしょうか? M: そのまんま, 標準偏差の二乗という意味では :-p

12s3037: 
$ \displaystyle \sigma_x\cdot\sigma_p > \frac{\hbar}{2}$ は導出することができましたが, $ \displaystyle \Delta x\cdot\Delta p > \frac{\hbar}{2}$ は導出できるのですか. M: 12s3026 参照

12s3038: 
$ \psi(x)$ を 2 乗すると確率が出てきますが, $ \psi(x)$ を 3 乗, 4 乗しても意味のある値はでてこないのですか? M: さぁ. 自分で考えればいいのでは(?) 例えば確率の二乗にどんな意味があるか?

12s3039: 
なぜ不確定なものをベースとして考えなければならないのか 確定的なものをベースとして考えることができないのか. M: はて, ベースとして考える不確定なものとは, 何のことか? また確定的なものとは, 例えば何か?

12s3040: 
不確定性原理の式で $ \displaystyle \Delta x\cdot\Delta p_x \leq \frac{\hbar}{2}$ と書いてあるものもあるが, $ \displaystyle \sigma_x\cdot\sigma_{\sigma_x} \leq \frac{\hbar}{2}$ とは違うのか. この場合は, $ \Delta x = \sigma_x$, $ \Delta p_x = \sigma_{p_x}$ と考えていいのか. M: 書いた人に聞けばいいのでは? // 12s3026 参照

12s3041: 
運動量の平均値が 0 となっても運動していないわけではないのは 最初から運動していると仮定しているからですか? [平均値が→ 0 = 運動していない] が成り立たない理由がよく分かりません. M: どのくらい真剣に考えたのだろうか. エネルギー (ポテンシャルはゼロなので全て運動エネルギー) はゼロでないのだから, 運動しているのは当然でしょ. という話も講義でしたのだが, 伝わってなくて残念. どこが理解困難なのだろうか? // しかし, どうして講義時間中に質問しなかったのだろうか?

12s3042: 
今回だした $ \BRAKET1{x}$ $ \BRAKET1{p}$ を使って, 標準偏差以外になにか求めることはできますか. M: 自由に組み合わせればいいのでは(?)

12s3043: 
光の波動性と粒子の二重性では対象性[原文ママ]を示している. ならば不確定性原理も対象を示すのではないだろうか. M: 意味不明. 対象性とは何か? 不確定性原理が示す対象とは何か??

12s3044: 
箱の中の粒子の波動関数 $ \psi$ は n=偶数 のとき $ \displaystyle \left\vert \psi(\frac{a}{2})\right\vert^2 = 0$ となるが, すべての n の値で $ \displaystyle \BRAKET1{x} = \frac{a}{2}$ となっているのはなぜか? M: 粒子の存在確率密度が箱の中央に対して鏡映対称なのは, n の偶奇に依存した話か?

12s3045: 
自由粒子における位置の不確かさが無限大であるのはなぜですか. M: 運動量の不確かさは? その結果を受けて (不確定性関係を満たすために) 位置の不確かさをどう考えればいいか? (3.41) 式や (3.33) 式で考えてみればいいのでは(?)

12s3046: 
不確定性が測定という行為が持つ本質的な性質に由来するというとはどういうことか. M: 何が分からないのか? 言葉の意味が分からなければ, 辞書を見ればいいのでは(?)

12s3047: 
p 軌道には $ p_x$, $ p_y$, $ p_z$ の 3 方向, d 軌道には $ d_{z^2}$, $ d_{xy}$, $ d_{x^2-y^2}$, $ d_{zx}$, $ d_{yz}$ の 5 方向がありますが, これらの軌道の方向数も波道方程式[原文ママ]から導れたのですか? M: 教科書第 6 章を読めばいいのでは(?)

11s3001: 
運動量の演算子 $ \displaystyle -i\hbar\frac{\text{d}}{\text{d}\,x}$ は どのように導出できたのでしょうか. M: (ハミルトニアンにヒントが有りそうだが) 私は知りません. 調べて分かったら, 教えてください.

11s3007: 
1 次元の箱ということなので左右にしか動けないというなら, ポテンシャルエネルギーは一定ではないのだろうか? M: どうして そうなるのか? 例えば電場, 磁場, 重力場によるポテンシャルが有っても良いでしょ.

11s3019: 
不確定性原理により, 2 つの不確かさの積の最小値がプランク定数の程度になるとあるが, これは何を表しているのか? M: そのまんまでしょ. プランク定数がゼロでないという意味では, 不確定性関係にある 2 つの物理量を, 同時に正確に知ることはできない.

11s3022: 
物質がある一定の速度で移動するとブラックホールになるらしいですが, どのくらいの速さで移動するとブラックホールになるのでしょうか? M: そのように主張する本人に聞けばいいのでは(?)

11s3027: 
なぜ $ \BRAKET1{p_x} = 0$ のとき, 運動していないということにならずに, 運動しているということになるのですか. M: 12s3041 参照

11s3031: 
球体の中に粒子を入れるとすると, その粒子の存在確立[原文ママ]が一番高い所は, どこになるのですか. 三次元の箱のように中心になるのか. それとも, 箱の底がかたむいている時に坂をのぼっていく方が粒子の速度がおそくなり, 存在確率が高くなるように球の境界面の存在確率が高くなったりするのか. M: 問題設定が不十分. ポテンシャルはどうなっているか? それに基づいて計算すればいいだけでは? ちなみに, 三次元の箱では中心になるのか? (一次元の箱では中心か?)

11s3032: 
$ \displaystyle \hat{H}\psi_n(x) = E_n \psi_n(x)$ とあるが, $ \displaystyle \hat{H}$ は演算子であるが, $ E_n$ は数値である. 矛盾は生じないのか. M: 固有値方程式とは何か?

11s3041+: 
運動していないときも運動していてベクトルが反向き[原文ママ]であるときも運動量の平均値が 0 になるが この 2 つの状態を見分ける方法はないんですか? M: 運動方向 (符号) に無関係な量を考えれば良い.

11s3046: 
左側が低くなっている箱の中の粒子は, 低い位置では速く, 高い位置では遅く動くということですが, それならば水平に置かれた箱においても, 低い位置では速く, 高い位置では遅く動き, 平均位置は箱の中心より上になるということですか? M: 水平に置いてるのに, 低い位置や高い位置があるのか? 一次元なのに箱の上とは, いったいどこのことか??



Ryo MIYAMOTO, 2013-06-28