構造物理化学 II (20130123) M: 以下は宮本のコメント
11s3002: 
相関エネルギーの差が どの程度までなら容認できるものとなりますか? M: 11s3011 参照

11s3003: 
電子がスピンしているかどうかは電子自身の前後の区別がつかないから分からないとあったのですが, 2 つの電子が同じ軌道にあるとき, その 2 つの電子は区別がつくのですか? M: ミクロな世界では, 同種粒子は区別できない. p.310 前後を参照.

11s3004: 
ミュンヘン大学で「絶対零度以下の物質」をつくり出すことに成功した, という記事を見かけたのですが, その記事に記載されていた「負の絶対温度」というものがいまいちピンときません. どういうことでしょうか. M: ボルツマン分布を考えれば, そのように ``みなせる'' ということでは?

11s3006: 
この前インターネットのニュースで「我々の見ている重力場は 3 次元のビットであるが, 実際は 4 次元であり, 重力場の多くは第 5 次元であろうところにより多く行っている. 我々が受ける予定であるはずの重力エネルギーがどこに行ったかを説明すれば, 余剰次元は逆説的に存在する.」という記事を読みましたが, そんなことは可能でしょうか?? (私は無理だと思うのですが….) M: その記事で言っていることが意味不明.

11s3007: 
つじつまの合う方法を行って $ \phi$ の値がループしてしまうということはないのか. M: 意味不明. ``値がループ'' するとは?

11s3008: 
スピン量子数は, 電子の自転というわけではないということですが, では, スピン量子数は, いったいどういう概念なのでしょうか. M: スピンはスピン. それ以上でも以下でもない. 古典物理学には対応する概念はない.

11s3009: 
スレーターオービタルはなぜ水素型オービタルのように $ \displaystyle Z/n$ に等しい必要はないのですか? M: 意味不明. ``オービタルが $ \displaystyle Z/n$ に等しい'' とは?

11s3010: 
スパコンに非常に複雑な計算をさせるとき, スパコンが計算ミスをするということはあるのでしょうか? (プログラムが間違っていなければそのようなことは起こらないのではと予想しますが….) また, 今更になりますが初回の小テスト 01 の問題 1 の具体例に, 答案では電子レンジをあげたのですが これは間違いだったのでしょうか? M: 昔 intel の Pentium が計算間違いしたことがありましたね. ハードウェアの設計ミスな訳だが.

11s3011: 
今回の授業での HF 法での計算が厳密解と 1.4 % の誤差だけで近似が正しかったという結果でしたが, 誤差の許容範囲が まだよく分かりません. 一般的に見て, 誤差が小さいから近似は正しいととらえてよいのでしょうか. M: ``近似'' とは何か? 近似の良否の基準は?? 良い悪いは, 定量的な評価か? あなたは何をやりたいのか?

11s3012: 
最近メタンハイドレートが注目されていますが 新エネルギーとして用いるために, 人工的に合成は可能ですか? M: 合成は可能だろう. ただし熱力学の法則により, 投入したエネルギー以上のエネルギーを得ることはできないので, 新エネルギーとして意味があるか?

11s3013: 
占いを信じているわけではないが, 手相占いで「あなたは感情的になりやすく理系の人間ではない」と言われた. やはり理系タイプの人々は冷静で感情的になることは少ない性格の人が多いですか? M: 典型的なバーナム効果. ちなみに ``理系タイプ'' とは, 何か?

11s3014: 
回転の認識についての話の際に, 電子は分割できず, 形がどちらから見ても同じとおっしゃっていましたが, 理論的にも分割できないく[ママ], 逆に形については実物も全く同じ形なのでしょうか. M: 形も何も, もしも有限の大きさがあれば任意の部分を考えることができてしまう. しかし電子は素粒子だし, 電荷の最小単位は $ e/3$ だ.

11s3015: 
放射性同位体の安全性についてです. 仮定として半減期 300 万年の A と半減期 30 日の B という放射性同位体があるとして, 体の中に同じ量 (mol) とりこんだ場合どちらが安定なのでしょうか? ただし, 元素としての毒性は無視でき, 両者 (A, B) とも 1 回の同じタイプの崩壊で安定同位体となるとします. また, 放射性同位体についてですが, ヨウ素 131 はキセノン 131 に崩壊する際に $ \beta$ 線が出ると聞きましたが, 水道水をくんでおくと近くの食品が $ \beta$ 線で汚染されてしまうことがあるのでしょうか? M: ``安定性'' とは何か? 放射能 (Bq) を求めてみれば? // ``$ \beta$ 線で汚染'' とは?

11s3016: 
2 つの電子は互いに相互作用しているのに (ポテンシャル等で), なぜ相関がないと言えるのか? M: ``相関'' の意味が, 日常語とは少し違う. 相手の電子に依存したポテンシャルエネルギーなどがあっても, それをここでは相関と言わない.

11s3017: 
現在原子は約 120 個発見されていますが, 宇宙にまだ身発見の原子があると考えると原子の数に限りはありますか? M: その仮定に基づくと, 自明では? :-)

11s3018: 
式 (8.57) で選択律は $ \Delta L = 0, \pm 1$ と書かれているが, p.330 の 2 行目 $ ^2S \rightarrow ^2S$ 遷移は $ \Delta L = 0$ なので禁制となるのはなぜか. M: ここ, 原書と訳本でも記述が違う. 他の本でも書き方はまちまちで, よくわからない.

11s3020: 
なぜ惑星や電子などは, ある軸をもって回転し続けているのですか. 星の核や原子核の引力が関係するのですか? M: 全然違う. まず電子は (古典的な意味では) 回転していない. 惑星については, 古典物理における剛体の運動で説明できる.

11s3021: 
ニュースでほんのわずかですが絶対零度より低い温度の物質を生成したというものがありました. これはありえるのですか. M: 11s3004 参照

11s3022: 
物質が光速で動くとブラックホールになると聞いたのですが, どのような原理でこのような現象がおきるのでしょうか? M: そう主張している人に聞けばいいのでは? // 特殊相対論を勉強してみる?

11s3023: 
予習になってしまいますが, p.309 に, 「$ \hat{S}$$ \hat{S}_z$ はエルミートでなければならず,」 とありますが, なぜエルミートでなければならないのでしょうか. S が S= $ \displaystyle \frac{1}{2}$ という実数値しかとれないことと, エルミート演算子の固有値が実数であることと関係があるのでしょうか. M: 大有り!! だと思う. 物理量に対応する演算子は, エルミート演算子でなければならない, と (仮説 2' 参照).

11s3024: 
「スピンに対応する古典物理的な物理量はない」とありましたが, 「古典」というのは, どこからが「古典」というのでしょうか. 私は, このスピンの話については, 今までの考え方では説明できないこと (A) とすると, 下図のようになるかなと思いました. [図は省略] M: その書き方では同じ問題が生じる. 即ち ``今までの考え方'' とは何か? // 量子論の文脈の中で ``古典物理学'' と言えば, 非量子論のこと. エネルギーなどの物理量は連続量であり, 波と粒子は別物であり, 位置と運動量は同時に正確に測定できる, 等々を基盤に持つ物理学.

11s3025: 
字を消せるボールペンがありますが, その原理は鉛筆と消しゴムのようなものなのでしょうか. M: 個別の製品によって違うだろう. メーカーに聞けばいいのでは?

11s3026: 
磁石は成分が何であるために, 磁場が発生するんですか. M: 然素のように磁素があって... :-p

11s3027: 
電子には裏表がないとのことですが, なぜ裏表がないとわかったのでしょうか. そもそもなぜ電子が球状だとわかったのでしょうか. M: 電子が球状だとは知らなかった (棒読み)

11s3028: 
スピン量子数という概念を導入する以前は, Schrödinger 方程式でせつめいできないことは どう取り扱われていたのでしょうか? M: 困った.

11s3029: 
スピンに対する古典物理学的な物理量はないそうですが, 近代の方ならあるんですか? M: ``近代の方'' とは何か?

11s3030: 
もう 3 度目になるかと思いますが, p.184 の調和振動子の図についてです. $ \psi_0$$ \psi_3$ および $ \vert\psi_0\vert^2$ $ \vert\psi_3\vert^2$ と正体不明の放物線をコンピューターでプロットしました. // → $ \psi_0$$ \psi_3$, および放物線のグラフについては, 振幅に差が出る程度でおよそ教科書の通り. // → $ \vert\psi_0\vert^2$ $ \vert\psi_3\vert^2$, および放物線のグラフは, 右のようになり, 確率密度の x 方向の幅が直線に沿うような形になり, 放物線に沿っている教科書とは違う印象となりました. これが教科書の ``不十分'' な部分なのでしょうか? [右の図は省略] M: いいえ. なぜ他の参考書の図も参照しないのか?

11s3031: 
He 原子に対する HF 法で $ E$ を求めたとき, 相関エネルギー CE の値が化学結合と同程度という誤差としては無視できない値になってしまいましたが, この値を $ E_$exact により近づけるためには, どうすれば良いのですか? HF 法で計算する時の項をもっと増やせば精度が上がるのですか? M: 用いている近似の性質上, HF 法には限界がある. 電子相関を見積もる方法は色々と考えられている. 例えば p.317, § 11.4 参照. 詳細は高度な参考書を参照.

11s3033: 
パウリの排他原理が働くのは, 電子のようなフェルミ粒子だけで, ボース粒子である光子には働かないのはなぜでしょうか? M: ``原理'' に, 理由があるのか?

11s3034: 
「波動関数は電子の交換に対して反対称」の意味がよくわからないのですが, 具体的にどういうことなんでしょうか. M: (8.36) 式を参照.

11s3035: 
成層圏などで, 物体が落下すると, 摩擦で燃えたりしますが, 地上付近の空気で同じようなことが起きても燃えたりするのですか? M: なぜ ``摩擦で燃え'' るのか?

11s3036: 
自己無撞差[ママ]も概念は HF 法以外にも用いることはあるのでしょうか. // またビリヤードとつじつまがある場[ママ]には何か関係があるということでしょうか. M: そりゃあるでしょうね. // 私は知りません. 調べて分かったら教えてくださいね.

11s3037: 
HF 方程式に電子のスピンとパウリの排他原理を導入すれば He や Li よりも原子番号が大きな原子などの $ \phi$$ E$ についてのよい近似値は得られますか? M: p.316 参照.

11s3038: 
湖の水が底からでなく表面から凍ることに疑問を持ち, 調べたところ, 水の密度が 4 $ ^{\circ}$C の時に最大になることを知りました. なぜ 4 $ ^{\circ}$C の時水の密度が最大になるのですか. M: 氷の結晶構造を知らないの?

11s3039: 
教科書より, 温度ゼロの電子ガスにおいて, ハートリーフォック近似では常磁性状態よりもスピンが偏極した常態[ママ]の方が低密度側でエネルギーが低くなるのはどうしてか. M: どの教科書の話か? // フントの規則を連想した.

11s3040: 
スピン演算子とその固有値関数を $ \hat{L}^2$, $ \hat{L}_z$ に対する固有値方程式と同じように定義することで何かメリットのようなものはあるんですか. M: 原因は異なるが, 角運動量であることは共通している. むしろ違う風に定義する方が不自然では?

11s3041: 
電子は何の力を利用してスピンしているのですか? M: 言葉 (日常語) にこだわりすぎ. 電子は (古典的な意味での) 自転運動をしていない.

11s3042: 
He 原子に対する HF 法での計算で $ E = -2.8617 E_$h となり良い近似となったものの, 相関エネルギーを求めた結果, ``$ -110$ kJ mol$ ^{-1}$'' という容認できないものとなりました. 具体的に, 相関エネルギーがどのくらいであれば容認できるのでしょうか. M: 11s3011 参照.

11s3043: 
教 p.305 式 (8.16) は規格化されていないとありますが なぜですか? されていないのではなくて できないのでしょうか? M: 現実に存在しているものに対して, なぜ存在するのかを問うとは? // 波動関数の持つべき条件は?

11s3044: 
スピン角運動量がコマに自転に例えられるが, そうではないとのことですが, ではどういうのだと考えればよろしいのですか. M: 11s3008 参照.

11s3047: 
Stern-Gerlach の実験において $ \mu_z = \mu \cos \theta$ と仮定して連続的な方向に進むのではなく, 中心から等しく離れた 2 点だけに進むのは なぜですか? M: 磁気モーメントの元であるスピン角運動量の方向が量子化されているから.

10s3021: 
フッ素は, 同じハロゲン原子の塩素, 臭素, ヨウ素と性質が結構違うと聞いたことがあるけど, どのように違うのだろうか? M: どの性質の話か?

10s3028: 
雪の結晶の様に肉眼でその構造がわかる様な大きさの分子を生成することは出来ますか. M: ダイヤモンドや水晶は, 大きな分子?!

10s3035: 
p.308 にシュレディンガー方程式で説明できない現象がいくつかあったとありますが, 教科書にかかれている例の他にはどのような現象を説明できなかったのですか. M: 講義で Stern-Gerlach の実験を紹介した.

10s3039: 
ハートリーフォック方程式は目的とする原子によって式が変わるのですか. M: 有効ポテンシャルに解の波動関数を含むので, その意味では系ごとに異なる. しかしそもそも運動方程式や Schrödinger 方程式も, 対象とする系によって異なるといえるのでは?

10s3044: 
音波は波形がきれいだと人の耳に不快だが 波形がきたない方がきれいに聞こえるのはなぜか? M: それは事実なのか? 楽器の調律用の音叉の音は不快か? 日常生活で聞こえる音は全てきれいか?

10s3047: 
スピンに対する古典物理学的な物理量がないということは, 古典物理学ではスピンは認識されていなかったのですか? M: 存在しないものは, 認識しようがない.

10s3049: 
水と油を分離する柔軟多孔性物質が開発されたが, 分離する性質を持つのは主にどのような原因があると考えられますか? M: 疎水性・親水性などの性質が関与するのか, または細孔のサイズが (大きな) 油の分子よりも小さいのか. // 自分で考えないのは, なぜ?

09s3001: 
p.316 の表 8.3 で, クープマンスの近似で得られた値とハートリー-フォック計算で得られた値が近いのは なぜでしょうか. M: 共に, 良い近似だったからでは?

09s3018: 
原子や素粒子が存在しない空間を作ることはできますか? M: (ディラックによれば) ``真空'' とは何か?

09s3025: 
相関エネルギーがどれだけ小さければ 化学的に許容されるのでしょうか. M: 化学では何をやりたいのか? どの程度のエネルギーをあつかう/議論の対象とするか?

09s3041: 
磁力は空気中と真空中で強弱の違いはあるのか. M: 光速度は, 真空中と空気中 (媒質中) で違いはあるか?

08s3039: 
つじつまがあう場の方程式について, $ \phi({\bm r}_2)$ の形を仮定するときのルール (基準?) のようなものはあるのでしょうか? M: 少なくとも行儀よい関数. もちろん正解に近い方が, 計算の手間は少なくなるだろう.



Ryo MIYAMOTO, 2013-01-31