構造物理化学 II (20121219) M: 以下は宮本のコメント
11s3002: 
例題 7.6 やヘリウム原子に摂動論を適用するとき, 2 次以降の補正を考えたい場合, どうすればいいですか? M: 別に. 普通に計算すればいいのでは?

11s3003: 
He 原子の E を求めたとき, $ \displaystyle r_1$, $ \displaystyle r_2$ は一定であると思うのですが, $ \displaystyle r_{12}$ は変数になると思います. これはどのような条件で, どう求めるのですか? M: 思うのは勝手だが, 例えば水素原子の時に動径 $ \displaystyle r$ は一定 (定数) だったか?

11s3004: 
より高次の摂動論で計算していくと実験値との誤差が小さくなっていきますが, 実験値と完全に一致することはありますか. M: 摂動論には, 変分原理 $ \displaystyle E_\phi > E_0$ の様な制限はない. シュレーディンガー方程式に相対論的効果は (明示的には) 考慮されていない. 11s3043 も重要

11s3005: 
ヘリウム原子に摂動論を適用するとき, 2 次以降の補正を考えたい場合 どうすればいいですか. M: 11s3002 参照

11s3006: 
厳密解の求め方がよくわからないのですが, どのようにして求めればいいのでしょうか?? M: どの系の厳密解のことか?

11s3007: 
Z を高次まで計算すれば $ -2.9037$ になると書いてあるが, これは何次の計算なのか. M: 誤解の予感はさておき, 表 8.2 に書いてないのか?

11s3008: 
ヒッグス粒子の本を読んだ時に, 素粒子の 1 つにグラビトンというものがあり, 重力に関係してくる, ということであったのだが, 物理化学の中では無視するということが書いてありました. どうして無視するのでしょうか. M: 電子間の重力と電磁気力を求めてみればいいのでは?

11s3009: 
摂動論は問題を解く上でどのような場合に適用すると便利ですか? M: 道具の使い方は, 各自で工夫すればいいのでは?

11s3010: 
例題 7.6 について質問です. 底が傾いた一次元の箱というのは板書の図を見る限りでは底のみが傾いていて箱自体は傾いていないようですが, 箱自体を傾けた場合と粒子のエネルギーは変わるのでしょうか? 変わるのであれば前者と後者どちらの計算が複雑になりますか? M: 一次元の箱自体を傾けるとは, どういうことか?

11s3011: 
前回質問した人と内容がかぶってしまいますが, マグネシウムの合金を海水に入れることで, 発電をすることができ, 合金 1 g は単 3 電池 1 本に値する電気を発生させることができるというのを知りました. ですが発電をするために必要な海水を補充しないと発電を持続できないという課題があるようです. 改善するために研究されていると思うのですが, この課題は難しいのではないかと思ってしまいました. 何か方法はあるでしょうか. // 青色よりも波長の短い紫色の光を使い, HD などに利用することは可能でしょうか. M: 研究している人に聞けばいいのでは? // コンピュータの外部記憶装置も, 可動部のある機械から半導体へと移行しつつあるようだ. ちなみに紫は赤と青の混合色. :-)

11s3012: 
例題 7.6 にも出てきているのですが 摂動が動かない場合として平らな底の箱の中の粒子をとることができる. したがって $ \displaystyle \hat{\cal{H}}^{(1)} = \frac{V_0}{a}x$ であるとありましたが, なぜこのように導かれるのかわかりません. M: ``このよう'' は何を指すのか? // $ \displaystyle V(x)$ は出題者から与えられているので, 疑問の余地はない. 系の全ハミルトニアンはどうなるか? 非摂動系をどう考えるか?

11s3013: 
授業の始めに, 9 章まで授業が進められない, とおっしゃいました. ということは, 9 章は各自で勉強し, テストに臨めということでしょうか. M: それいいな. 言いたい. :-)

11s3014: 
次にノーベル賞を取りそうな研究物〓[判読不能]にはどのようなものがありますか. M: ヒッグス粒子関連は堅い(?)

11s3015: 
核エネルギーとは原子核変換によって得られるエネルギーのことで, この原子核変換には原子核崩壊と原子核反応があり原子核反応には核融合反応および核分裂反応があります. これらの反応には, 原子核を構成する陽子と中性子が関わっていてそれと陽子と中性子の間を結びつけているエネルギーが影響しています. この結合エネルギーは構成する陽子と中性子の数が多くなれば当然大きくなりますが, 陽子と中性子 1 個あたりのエネルギーは原子の質量によって異なっています. 例えば, $ ^4$He であればエネルギーは 7.07 MeV で, $ ^{56}$Fe であれば 8.79 MeV で, $ ^{235}$U では 7.59 MeV であります. ここで, 疑問に思ったのが, なぜ, 原子量が大きければ大きいほどエネルギーが大きくならず, 中程度の原子量の方の原子核が安定になるのですか? 何か反応が関係しているのですか? M: 原子核物理学を勉強すればいいのでは? // 原子番号が大きくなると, 中性子が過剰になるし, またマジックナンバーもあるし. 興味は尽きない?!

11s3016: 
何が原因でエネルギーの 1 次補正項を求めなければならないようなズレが発生しているのか. M: 何のための近似計算? 摂動法の原理は?

11s3017: 
ドラえもんに出てくるどこでもドアの原理は人間の体を原子レベルまで分解し, 目的の場所で結合させるというものですが, 実際にそんなことは可能ですか. M: どこでもドアの原理がそうだとは知らなかった (棒読み). ラプラスの悪魔は存在するか?

11s3018: 
p.179 の図 5.7 をいやらしいと感じたのはなぜか. M: 誰が感じたのか? 初回の講義の時の小テスト参照.

11s3019: 
底が傾いた一次元の箱とはどんな状態ですか? M: 箱は ``状態'' ではない :-p

11s3020: 
真空は, 陽子や電子などの「物質」とその「反物質」が同数出現し, 反応して消えることをくり返している空間と聞きました. これらはもともと同数存在し, 反応していたはずなのに現在「物質」の方が多く存在するのはなぜですか. M: 自発的対称性の破れ (ぼそっ)

11s3021: 
例題ではなぜ $ \displaystyle V(x) = \frac{V_0}{a}x$ を傾きとして用いたのか. M: 出題者に聞けばいいのでは?

11s3022: 
希ガスをどうにかして不安定にすることはできますか? また不安定にした場合 どのような性質をもつでしょうか? M: ``不安定'' とは, どういう状態か?

11s3023: 
摂動論はシュレディンガー方程式以外に, 現在の 7 章までに習った内容で, 他にも用いることはできるのでしょうか. M: マッカーリ・サイモンの教科書上巻で, シュレーディンガー方程式以外に解くべき方程式はあるだろうか?

11s3024: 
p.280 の (7.46) 式の文章で, 摂動論の基本的な仮定は, 逐次補正項は急速に小さくなって先へ進むにつれて重要でなくなるというところがありました. なぜ重要でなくなるのでしょうか. M: 大きな補正項と小さい補正項は, どちらが重要か?

11s3025: 
レポートの問題で 2 乗を 3 乗に訂正した意図とはなんでしょうか. 教科書のどこをみれば分かりますか. M: 20121212 の 11s3010 参照. 講義では説明したと思うが, 教科書の変分法の原理的な説明を読んでよく考えてはいかがか.

11s3026: 
p.276 において, $ \displaystyle E_$min$ - E_$exact$ = 2 \times 10^{-6} \frac{h^2}{m}$ のとき非常によい一致である. p.271 において $ \displaystyle E_$min$ - (-2.9037) = 5.6 \times 10^{-2}$ のときかなりよいものであるとある. 何を基準に「よい」と言っているのですか. M: 手放しで ``よい'' とは言っていない. 日常生活では, ppm オーダーの誤差や 5.6 % の誤差を, どう評価するか?

11s3027: 
1 次の摂動, 2 次, ... 13 次 ... と続けていたら, いつかぴったり値が合うことはありますか. M: 11s3004 参照.

11s3029: 
摂動論と近似法のどちらが精度がいいのかというのは無意味は考えというのは分かりました. ですが, 用いる関数によって, どちらかの方法を用いると計算が少し楽になったりするんでしょうか. 高次になってたくさん項が増えたりすると, どちらも大変だとは思いますが.... M: 系 (現象) を説明し, 理解するのに都合の良い方法を用いればいいだけでしょ.

11s3030: 
今更ですが, 何故原子核は陽子がつまっているのに安定なのか? と疑問です. どうにも ``強い力'' というのが関わってくるそうですが, これは前回の質問の回答にあった「原子核物理学」を学べばわかるのでしょうか? 原子番号の大きいウランでα崩壊を起こしてエネルギーを取り出すというのも, 原子核の安定さが原子番号の増大で少なくなっているからなのかな, じゃあ無限大に大きい原子核は難しいのかな, と思ったのですが.... M: 勉強してみれば, わかるかどうか分かるのでは :-p 11s3015 参照

11s3033: 
水銀が常温で液体であることと特殊相対性理論は関係するでしょうか? 関係するとしたら, どのようなことが理解するポイントになるでしょうか? // 論理的な説明の仕方を身につけるには, どのような勉強をすればいいですか? M: 重原子になれば, 電子のエネルギー準位に対して相対論的効果が効いてくるのは事実. それだけなら他の重い元素も類似の性質を持っていてもよさそうだが... // あったら教えてほしい.

11s3034: 
$ \displaystyle \psi_n^{(1)} = \sum_{i=1}^{N}{}' \frac{\int \psi_i^{(0)} \hat{\cal{H}}^{(1)} \psi_n^{(0)} \text{d}\tau}{E_n^{(0)} - E_i^{(0)}} \psi_i^{(0)}$ $ \displaystyle E^{(2)}$ の式で $ \displaystyle \sum'$ が用いられているのは $ \displaystyle E_n^{(0)} - E_N^{(0)} = 0$ となるからと考えていいのでしょうか? M: 講義で説明したのが伝わらなくて残念. てゆーか, 自分で考えて判断できないのは何故か?

11s3035: 
負の質量をもった物質が存在するとしたら, その物質は正の質量をもつ物質に比べて何が変わりますか? M: 運動の法則に普通に従うなら, なかなか面白いことになるかも :-)

11s3036: 
He 原子のエネルギーの一次補正 $ \displaystyle E^{(1)} = \frac{5}{8} Z E_h$ これから, $ \displaystyle E = E^{(0)} + E^{(1)} = \left( - Z^2 + \frac{5}{8} Z \right) E_h$ と出ましたが, ハートリー項 でくくるとは, $ \displaystyle E_h$ をつけることなのでしょうか. M: ハートリー項とは? 共通因子をくくり出すのは, 普通の計算でしょ?

11s3037: 
人工雪はどのように作られるのでしょうか? 結晶核に何を使っているのでしょうか? ひょうやあられとはできる過程でどう違うのでしょうか? M: 20121205 の 11s3017 参照

11s3038: 
前に引き続き, 才差運動についてです. 調べたところ地球も歳差運動をしているようです. なので長い時間をかけてですが四季が逆転するそうです. ジャイロ効果という言葉を目にしました. これは自転が高速なほど姿勢を乱さない. という現象を指すそうです. しかし 1 日かけて 1 回転する地球は, 自転が速いとは思えません. もっと才差運動が乱れて, 短い時間で四季が逆転すると思います. なぜ地球は姿勢を乱さずに自転できるのですか. M: なぜ自転が高速なほど姿勢を乱さないのか?

11s3039: 
3 次の補正項を〓くのはどんなどきですか? [文後半が判読困難] M: 質問は何か?

11s3040: 
どの項を摂動項とすれば良い結果になるというのは, 計算してみないとわからないものですか. M: 摂動論の背後にある考え, 基本的仮定は何か?

11s3041: 
振動論[ママ]は何次くらいまでの誤差で使うことが多いですか? M: あなたは, どの位の誤差まで許容するか? 11s3029 参照

11s3042: 
[2 電子原子の模式図は省略] 左の図において, He 原子について $ \hat{\cal{H}}$ を考えた時 に $ \displaystyle \hat{\cal{H}} = -\frac{\hbar^2}{2 m_\text{e}}{\bm \nabla}_1^2 -\...
...pi \varepsilon_0}\frac{1}{r_2} +\frac{e^2}{4 \pi \varepsilon_0}\frac{1}{r_{12}}$ と いう式になりましたが, Z=3,4,... と増えても $ r_3$,$ r_4$,$ r_{13}$... などを考慮して同様に考えれば良いのでしょうか. M: やってみれば分かるのでは? 自分で判断できないのは, 何故か?

11s3043: 
摂動論において高次の計算によって, 逆に誤差が大きくなってしまうことはありえますか? M: 逐次補正が先に進むにつれて急速に小さくなることは, 摂動論の基本的な仮定であるが, 常に真である保証は... 級数の収束か(?)

11s3044: 
1 次の摂動論に限れば式 (7.20) の方が良いと思うのですが, どうなのでしょうか. M: 良し悪しの判断規準は何か?

11s3045: 
レーザー光を目にあてると失明するとはよく言われることですが, 不可視レーザー光でもそれはあり得ることですか? M: なぜ失明するのか?

11s3046: 
例題 7.6 は, 書かれている方法の他に解き方はありますか. M: 問題文中で計算方法が指定されているのに他の方法で解いたら, その答案は題意を満たしていないので不可 :-p

11s3047: 
宿題で $ c_1$, $ c_2$ を求めるにあたって, $ c_1$$ \pm$ でたのですが[ママ], $ c_1$ を決めるにあたって, 基底状態の厳密な波動関数と一致する値を $ c_1$ とすればいいのですか? M: ``関数と一致する値を $ c_1$ とする'' が意味不明

10s3007: 
陰イオンの化学種が土壌に吸着されにくいのはなぜですか. M: 土の主成分は何か? 土壌の専門家, 環境化学の専門家に聞けばいいのでは?

10s3021: 
レアアースの中にはレアではない金属の磁力より強い磁力をもつものがあるのは何故なのでしょうか? M: 磁力の元は何か? // (より正確な所を知りたければ) 固体物理を勉強すればいいのでは?

10s3026: 
近似計算を行うソフトはあるのか? M: あなたは物理化学実験で HMO をやったはずでは?

10s3028: 
ポテンシャルエネルギーや, ギブスエネルギー等のエネルギーを全微分あるいは偏微分したとき, その微分式のもつ本質的な意味はなんですか. M: 全微分は自明. 偏微分については, 微分する変数を明示しなければ, 一般的なことしか言えないのでは? それで良いなら, 数学的意味を考えればいいだけでは??

10s3042: 
ハミルトニアンがどのような形をとっていても非摂動部分を持っていれば全て $ \displaystyle \hat{\cal{H}}^{(0)}$ $ \displaystyle \hat{\cal{H}}^{(1)}$ の和として表すことができるのでしょうか. その他に摂動論の適用範囲を限定する条件などは無いのでしょうか. M: なぜ (7.42) 式を見て判断できないのか?

10s3044: 
水中でも花火が燃るのはなぜか? M: 何点狙いの質問か? // 燃えるように作られているから :-p

10s3047: 
`` $ \displaystyle \frac{m_\text{e} e^4}{16 \pi^2 \varepsilon_0^2 \hbar^2}$ を単位とする'' という言葉の意味がわかりませんでした. おしえてください. M: そうですか, でも提出物が要件を満足していません. // では ``12 個を単位とする'' や `` $ 1.602177 \times 10^{-19}$ J (= 1 eV) を単位とする'' の意味は?

10s3049: 
カナダで量子ステルスという特殊な物質を使った光学迷彩の素材が開発されましたが, この量子ステルスという技術は どのような仕組みで透明に見えるのか? M: 開発した人に聞けばいいのでは?

09s3001: 
つじつまの合う場の方法のような循環式から得られる値が収束することは数学的に証明できますか. M: 私は知りません. 調べてわかったら, 教えてください. // 任意の初期値から収束する保証はないが, 収束した状態を定義することはできる. 定義可能なことと実在することは, 論理的には異なる.

09s3018: 
活性酸素は, 酸素が化学的に活性になった化学種ですが, 他の原子にはないのでしょうか? M: 質問文中に出てくる ``酸素'' は, 原子の事? // ``化学的に活性になる'' とは?

09s3025: 
He 原子においてなぜ電子反発を含むと厳密にとけないのでしょうか. M: なぜ三体問題は, (一般には) 厳密に解けないのか?

09s3032: 
多数の電子を持つ原子のシュレーディンガー方程式は厳密には解けないと教科書に記載されていますが, これは, 電子同士の反応や, 原子核からの引力等, 取り扱う相互作用の数が多く構造が複雑であるから, 厳密に解けないという解釈が正しいのでしょうか? M: 09s3025 参照

09s3041: 
宇宙は拡大していると言われているが, どういうことか. M: 宇宙論を勉強すればいいのでは?

08s3039: 
計算結果と実験値の誤差はだいたい何 % くらいになれば, よい結果だといえるのですか? M: 11s3041 参照

記名なし: 
今日の授業で「たいていは 2 次の補正項で片付く」とありましたが, 3 次, 4 次の補正項を扱う場合とは どんなときですか? M: 相関エネルギーについて (p.307, p.317 参照) § 8.7 末尾の記述 ``摂動論によって相関エネルギーを計算する方法'' 参照. 電子相関エネルギーの計算方法として Møller-Plesset の多体摂動論による方法があり, 二次の摂動 (MP2) や四次の摂動 (MP4) などがよく使われている.



Ryo MIYAMOTO, 2013-01-15