化学の基礎 II(A)6 (20071218)
(M:以下に宮本によるコメントを随時追記, なお解答ではない.)
(とりあえず全員の質問を載せました, まだ工事中です (20071218); コメントつけました (20071223))
h3
- 07h3084
- pV=nRT この式を 0 K の状態で使うと, 気体の体積が無くなってしまうのではないですか ?
M:全くその通りですね. で, それがどうかしましたか ? もしもそれに違和感があるのなら, なにか重要なことを忘れているのでしょう.
m21
- 06m2169
- 液-気平衡の状態では蒸発熱が放出されているが, 三重点では液体, 気体, 固体の状態が保たれている. それでは液体が固体に, 気体が固体になっている状態でもあるのか.
M:なんだかちっとも論理的じゃないですね. まず第一文の前段で, もしも蒸発熱が放出されているのならば, どんどんエネルギーを失ってるってことであり, ちっとも平衡じゃない. 一方後段で, 三重点はある種の平衡状態だから, 気・液・固の状態が保たれているといっても良い. これが「が」でつながれも, 結局その文で何が言いたいのか不明. そして三重点は (動的な) 平衡なので, ミクロに見れば, 各相間での分子の移動はあるのは自明. なので「それでは」と第二文に接続して, 「あるのか」と問うても, だから自明だってば.
- 07m2138
- 化学を学ぶには, 今回出たような式を覚える必要がありますか ?
M:えっと, 気体分子運動論のことですね. 式が出てきたら, なんでもかんでも「公式」と思い込み, それを「覚えれば良い」という発想の勉強法は, さっさとやめましょう. 式は expression であり, 覚えるものではなく, 意味を理解するものです. 意味を理解できれば, 自分で導出できます.
- 07m2148
- ファン・デル・ワールス力は分子間力ですが, その力を何か目で見ることはできないのですか ? (極端な分子間力があらわれて自然現象に何か変化が見えるとか...) ←例
M:力そのものを見ることができないのは, 御存じのようで...... ところが, 何らかの「変化」を御所望ということは, 分子間力の有無で異なる現象がおこると期待しているのでしょうか ? 分子間力って, そんなに都合よく on/off できるものなの ? ということで, 発想が間違ってます. そもそも分子間力を想定しないと理解できない現象が現実にあったから, 考え出されたのでしょう.
m22
- 07m2214
- 氷水に塩を入れると冷たさが増すのはどういう現象が起きているからなのですか ?
M:寒剤の原理とか共融点とか凝固点効果とか融解熱とか溶解熱とかの言葉を言ってみるテスト.
- 07m2225
- 雪の粒の性質がさらさらだったりしめったりしている違いがあるのはなぜか.
M:中谷宇吉郎の著作を読んでみてはいかがでしょうか. 中谷ダイヤグラムというのも有名です.
m24
- 07m2401
- 理想気体では, 互いに影響を及ぼさないという条件があって, 現実, 気体では, 粒子間に静電気力, 万有引力などが働くとなっていて, どの力もそれぞれが離れているときの力だと思うのですが 衝突による影響はないのですか ?
M:気体分子が完全弾性衝突をして, 運動エネルギーと運動量が共に保存されると考えれば, 衝突の効果は無視できるでしょう.
- 07m2419
- 気-液平衡の話の所で, 分子の速度で, 気-液が変化すると話していたが, 状態は, 分子の速度の違いだけで生じるものなのか ?
M:普段の蒸発と液化は, 液体に引きつけられる力と, その分子が持っている運動エネルギーとの兼ね合いだと, 講義で説明したつもりなのですけど. 相転移は集団としての性質ですが.
s1
- 07s1023
- 単位によって, 気体定数が違うが, このことに利点はあるのか.
M:単位という標記の基数が変わっても, 気体定数という実体に変わりはありません. 12/21 の講義で説明しました.
s2
- 06s2003
- 実在気体の状態方程式は どのようにして発見されたのですか ? (求められたのですか ?)
M:ファン・デル・ワールスに関する本を読んでみてはいかがでしょうか.
- 07s2001
- 状態方程式で x, y, z 方向の速度が等価でない場合は 状態方程式はどのように変化するのですか.
M:分子の運動方向について等方的な場合の式の導出は示したので, xyz が非等価な場合への発展は, 自分でやってみてはいかがでしょうか. もっとも, 等方的じゃないという状況が想定し難いのですが, なぜそうなるのでしょうか ?
- 07s2002
- ファン・デル・ワールス定数: a, b はどのようにして求められたのですか ?
M:06s2003 参照.
- 07s2006
- 期末レポートについてです. 期末試験の問題を作るということですが, 自作の独自の問題が前提だと思われます. しかし, それの似た問題や同じような問題が存在する可能性があるかもしれません. それの承知の上での期末レポートですよね ?
M:サポート web ページに記載した通りです.
- 07s2007
- 外宇宙はなにでできていると思いますか.
M:内宇宙というものもあるのでしょうか ? 内と外の境界はどこですか ?
- 07s2010
- お酒に弱い人と強い人は何が違うのですか ?
M:持っているアルコール分解酵素の量など, 体質的な問題もあるそうなので, 無理強いはやめましょう.
- 07s2011
- 気体の状態では分子は自由に動いているから体積が大きい. 冷やして液体・固体にしたら小さくなりますよね. 冷やしても体積が大きくなるものってありますか. また, あるならそれはなぜですか.
M:水が約 4 ℃ で最大の密度を持つことはよく知られていますよね. ということは, 0 ℃ の液体から 4 ℃ までは, 加熱すると体積が減少するということでは ? 原因は..., まあ固体の方が液体よりも密度が小さいという稀有な物質ですからね, 水は. ということは, そういう種類の物質は, こういうことになるということか, フムフム.
- 07s2012
- 水素原子の質量が 2 倍になっただけの重水が生物にとって有害であることは何によるのか. 軽水に比べて分子間力が強いことも影響しているか.
M:「分子間力が強い」と考えた理由は, 何ですか ? どの程度強くなると ? それはさておき, 質量が二倍になると, 水素原子の運く速度は遅くなりますよね.
- 07s2014
- 融点は氷がとけているとき, 沸点は水が沸騰しているときで温度がだいたいわかるが, 三重点はどのようにしてはかるのか.
M:講義の時に閉鎖系にして氷と水と水蒸気が共存するように, って言ったのにぃ......
- 07s2015
- 先生はハイブリッドカーを普及させることが環境問題対策になると思いますか ?
M:ハイブリッドカーも作るのにエネルギーを使うからねぇ. ハイブリッドだからと安心して広まったら, 結局たくさんのエネルギーを消費するしねぇ.
- 07s2016
- 化学平衡がずれることがありますが, どうしてずれるのですか ?
M:えっと, (ルシャトリエの) 平衡移動の法則とか, 高校で習わなかったのですか ? それで不満なら, テキストの第七章など読んでみたらいかがでしょうか.
- 07s2017
- 炭酸は弱い酸ですが, アルミ缶の炭酸飲料では, アルミがとけ出さないのですか ? 人体に与える影響があるのではないですか ?
M:不動態って知りませんか ? あるいは, 溶ける可能性のあるものを使って製品を作るときに, メーカーが何らかの対策を施すのではないかと, 予想できませんか ?
- 07s2018
- 原子は核の周りを電子が回っている. このとき, クーロン力と遠心力がつり合ってなければならない. また, 電子は確率的に核の近くにも遠くにも存在している. そうすれば, 電子と核の距離が近いときは電子は超高速で遠いときには超低速で〓道運動しているのか. [〓は車偏に丸, 引用ママ]
M:古典力学的には, そうですね. しかし電子は量子力学的な存在なので, 古典的な意味の軌道 (orbit) の運動をせずに, 軌道的なもの (orbital) の運動をしていますよネ. さらにまた, 不確定性原理も効いてくるし......
- 07s2019
- TV に利用されている液晶の沸点, 融点は だいたいどのぐらいですか ?
M:知りません. それにそもそも, メーカーや個別の製品によって, それぞれ違うものを使ってるんじゃないんですか ?
- 07s2020
- クローン生物は, 元の生物と何か違いがあるのですか ?
M:逆に, 何が同じなのでしょうか ? それ以外は違う可能性がありますよね.
- 07s2022
- なぜ, 「理想気体」と「実在気体」では 状態方程式が違うのですか ?
M:理想気体と実在気体では, 何がどう違いますか ? その違いをどのように方程式に反映させているのでしょうか ? あれ ? これって講義で話したような気がするんですけど.
- 07s2025
- 流れ星は星の消滅と聞きますが, では双子座流星群などは, たくさんの星が一気に消滅したということですか ?
M:前段の記述は正しいのでしょうか ? その場合の「星」って何ですか ? 消滅するって, 例えば超新星爆発ですか ? だとすると, 夜空を高速で移動するのは, ナゼ ?
- 07s2026
- 何故, 水の状態図だけ固体と気体のさかい目が異なるのか. その原因と考えられるものは何なのか. // 全ての分子はブラウン運動しているが, 気体の状態方程式はそれを考慮して作られているのか. また, 分子の弾性力はいくらぐらいになるのか. [小さい文字による記述は, 省略]
M:「異なる」って, 何と比べてどう異なっているという見立てなのでしょうか ? // 分子がブラウン運動するって, どういうことでしょうか ? それって目で見て観測される運動なのでしょうか ?
- 07s2030
- 理想・混合・実在気体の方程式は それぞれなんのためにあるんですか.
M:へ ? 「〜の」という, それぞれのモノの為にあるんでしょ ? あたりまえですけど.
- 07s2034
- 状態方程式で算出した値には, どのくらいの正確性がありますか ?
M:計算に間違いが無ければ, 計算に用いた数値の有効桁数程度は正確なのでは ? だって計算するたびに, 算出された値が異なっては, それって計算値が当てにならないって事でしょ ? あるいは, 有効数字までは正確, というとかな.
- 07s2035
- 分子が u と u+du の間の速度を持つ確率の式は, どのようにして導出されているんですか ?
M:普通のボルツマン分布で, エネルギーが mu2/2 なわけですね. 統計力学を勉強してください.
- 07s2036
- 教科書 p97 の (6.9) 式の所のことですが, (6.9) 式を理想気体の状態方程式に代入しています. なぜ, 実在気体の状態方程式に代入しないのですか ? 両方あるのですか ? 要望: 実在気体の状態方程式の証明をしてほしいです.
M:講義では, クラジウス-クラペイロンの式はこうだと紹介しただけです. 実在気体の式を用いたらどうなるかは, 自分でやってみてください. 要望事項についても, 自分で勉強して, 挑戦すれば良いのにネ.
- 07s2038
- 人が初めて作った有機化合物が尿素なのはなぜか ?
M:簡単な構造だし, たまたまじゃないですか. まあ, 有機化合物を初めて人が合成したっていうことの, 科学史的な意義は, 理解しているのですよね ?
- 07s2041
- 理想気体の状態方程式と実在気体の状態方程式が異なるのはなぜですか ?
M:07s2022 参照.
- 07s2042
- 金平糖の角は, なぜ出来るんですか ?
M:寺田寅彦が金平糖の角に興味を持っていたようです. その著作を読んでみてはいかがでしょうか.
s4
- 07s4008
- 教科書の 94 ページ, 下から 2 行目に「万有引力・斥力」とありますが 斥力が発生する事があるのですか ?
M:同符号の電荷の間には斥力が働きますけど ?
- 07s4018
- 理想気体と実在気体の状態方程式は どのように使い分ければよいのですか ?
M:07s2030 参照.
- 07s4020
- 人工的に理想気体をつくり出すことはできますか.
M:理想気体と実在気体では, 何がどう違いますか ? その違いは, 人手や技術で克服できるものでしょうか ?
- 07s4033
- 実在気体の状態方程式があれば 全ての気体について圧力や温度などがわかるのだから 理想気体の状態方程式は必要なのか.
M:07s2030 参照.
s5
- 07s5041
- 蒸発熱 ΔH は, 液→気するのに必要なエネルギーであるから 液体が上昇する分のエネルギーも必要になるのではないでしょうか.
M:「液体が上昇する」って, 何のことを言っていますか ?
s6
- 06s6018
- なぜ, けしょう品のビンはリサイクルできないのでしょうか ? ビン自体がリサイクルに不可なのか, それとも, 内容物がキケンなのでしょうか ?
M:とりあえずビンに限ってみるけど, ビンがリサイクルに向き不向きって, どんな要因があるでしょうかね. 「向き」と「不向き」の違いを考えてみるとか, 具体的なリサイクルの過程を考えて, それを本来のリサイクルの目的と照し合せてみるとかしたらどうでしょうか. ちなみに, もしも内容物が危険ならば, それを肌に塗るってどうよ, と思うのだけどネ.
- 06s6059
- 飽和蒸気圧とありますが 固体→液体のときも それと同じように考えて, ΔH が融解熱と考えればいいのですか ?
M:液→気での気化熱と飽和蒸気圧なら関係あるけど, 固→液での融解熱まではいいとして, それと飽和蒸気圧との関係ですか ?? 何が「いいのですか」なのでしょうか ?
- 07s6016
- 実在気体を理想気体の状態に限りなく近づけることは可能ですか ?
M:07s4020 参照.
- 07s6043
- 宇宙空間では圧力と温度がとても低いと思うのですが, 水を宇宙船から宇宙に出したら, どのくらいで気化するか氷りますか ?
M:「どのくらいで」って, 何の量を聞いているのでしょうか ? で, その値は一意に決まりますか ?
- 07s6052
- 平衡状態では, 液体から気体になる量と, 気体から液体になる量が同じだから人間の目には, 変わってないように見えるということですか ?
M:他人に言われた事項を暗記するのが勉強ではありません. 講義中に説明されたこととか, 本に書いてあることとかを参考にして, 自分で考えて理解してください.
a1
- 06a1009
- 理想気体は どんな活用があるのですか ?
M:メタな意味で *も*, とても役に立ちますよ.
- 07a1001
- 物質の三態は, 電子のうごきが変わることで起こるのですか ?
M:テキスト読みましたか ? 本気の質問ですか ?
- 07a1005
- 温度 T と飽和蒸気圧 P の間の関係式で Vg=RT/P とは何を示しているのですか.
M:テキストの「理想気体の状態方程式」との説明が理解できないということでしょうか ?
- 07a1006
- 水が 0 ℃ 以下になっても氷の状態にならないで液体のままで存在して, 氷の粒などあるきっかけをあたえるといっきに固体化していくのを見たことがあるのですが, そのような状態にはどうもちこむのでしょうか ?
M:テキストの説明では理解できませんでしたか ?
- 07a1011
- 宇宙空間での氷は地上の氷結晶と少し異なるらしいのですが, これは超臨界状態とは違うのですか ?
M:は ? 二つも疑問点があります. 宇宙と地上とでは, 氷が異なるのはなぜなのでしょうか ? 氷と超臨界状態とは, 状態図では同じ領域なのでしょうか ?
a2
- 07a2008
- 気体分子が飛びまわっているということは どのようにして分かったのでしょうか ?
M:液体中で分子が動きまわっていることは, どうやって分かったのでしょうかね ? 同じ原理は使えませんか ?
- 07a2028
- ◎水の三重点が 273.16 K なのに対し, T(K) の定義に用いられていた数が 273.15 とズレがあったが, 問題ないのだろうか ? // ◎理想気体を仮定するのは, 気体というものを理解する上では便利だが, 気体というものの性質が詳しく分かっていない状態 (気体ごとに異なるパラメータがある) で用いるのは 全体を把握しないまま使うように危険ではないか ?
M:絶対温度の定義と, ``T(K)=t(℃)+273.15'' の式とは, どういう関係にありますか ? // 「〜便利だが,」の後の質問の意味がわかりません. 何を用いる話をしているのでしょうか ? もしも理想気体の状態方程式のことならば, そこには気体ごとに異なるパラメータなんて無いし......
a4
- 07a4004
- ホルツマン[ママ]定数は 何を表す数なのか.
M:単位 (J/K) から想像できませんか ?
- 07a4009
- 粒子の衝突は, 永遠に続くんですか.
M:もしも陽子に (有限の) 寿命があれば, 永遠には続かないことになりますよネ.
- 07a4034
- 混合気体が一定になるのは なぜですか ?
M:「混合気体が一定」って, どういう意味ですか ?
- 07a4038
- 濃度がすごくこくて 100 % を超えても溶媒に全てとけてしまうということは ありえますか.
M:「100 % を越える濃度」って, 何ですか ? 何の百分率の話ですか ?
- 07a4039
- 環境問題を学ぶ上でも化学はやはり必要ですか ?
M:あなたの言う「環境問題」って, 何を意味していますか ? その「環境問題」には, 世界を構成している実体としてのモノを含まないのでしょうか ? まあ, そもそも ``知識の要不要'' を考えるあたりが, なんだかなぁって思いますケド.