物質理工学演習 BII (2007-01-10) M: 以下は宮本のコメント
05s2001: 
物理化学で多電子原子を解くのに, 電子間相互作用により生じるクーロン ポテンシャルを無視して計算しているが, なぜ, 無視できるのですか ? M: 本当に無視して計算しているのでしょうか ? そもそも今日やった電子項自体, 電子間相互作用があるから複数の項が生じるわけで, 無視などしていませんが ... また原子軌道を考えるときの有効核電荷なども, 実質的に電子間相互作用を取り入れた ものと言えるでしょう。そして今日配布したプリントの (27) 式ではそれが入って いないように見えるかもしれませんが, それは一電子の問題だからです。 分子の電子状態を考えるときの現在の取り扱いでは, 電子間相互作用をどうやって 正確に見積もるかが, 焦点のひとつです。

05s2009: 
原子番号の大きな原子では内殻, 例えば K 殻の電子は光速に近い運動を していることに起因する効果を作り出しますが (相対論効果), なぜそのようなことが 生じるのでしょうか ? M: 何を聞きたいのかわかりません。相対論効果の生じる理由であれば, 宇宙は相対論 的にできているからだとしか言いようがない。電子が光速に近い運動をしている理由 であれば, これもまた軌道速度を求めてみればそうなっているとしか言いようがない。 あ, もしかして相対論効果の内容を聞いているのか ? それなら相対論を勉強して くださいといいたいですが, 光速に近い速度で運動している物体の質量が増加すると いうことぐらいはご存知ですよね ? もしも電子の質量が増加したら...... 個別の豆知識を暗記するのではなくて, あっちの知識とこっちの知識を結び付ける ようにして, 自分で考えましょう。

05s2015: 
アインシュタインは, 宇宙は有限で境界のない世界だと定義して いますが, ほかにもいろいろな説があります。先生はどの説が有力だと思いますか。 M: 有力なのはやっぱりインフレーション宇宙ではないでしょうか。 それとも最近は違うの ?

05s2017: 
特になし M: 

05s2023: 
プリントの問題を解くときに, いろいろな参考書をさがして解いているの ですが, 問題を解く時に参考になる参考図書みたいなものを教えてくれませんか ? M: 何度も聞かれているような気もしますが, 気のせいでしょうか。 初めの時間にも紹介しましたし, シラバスにも授業サポート web ページにも掲載して いますので, ぜひ御覧下さい。 というか, この人がやっていることは``問題を解く''のではなくて``問題の答えが 掲載されている本を探す''なのではないかと予想されます。 もしそうならば, それは大学での勉強方法として間違っていると思われます。

05s2025: 
論理は``考えない''ためにあるものだと思うのですが, 論理的に考える ようにすれば, 究極は, コンピュータと同じことをやっていることになるの でしょうか ? 言葉 (言語) が異なる点で, ``同じ'' とはなりませんが...。 M: ``論理は`考えない'ためにある''というところには, 同意できません。 百万歩譲ったとしても, それでは``論理的に考える''という言葉が無意味になります。 また末尾の``言葉が異なると同じにならない''も, 同意しかねます。 それでは日本語と英語というように言葉が違うと, 同じ様に考えることができない ことになってしまうのでしょうか。 また中程の``コンピュータと同じ''も意味が分かりません。 コンピュータはハードウェアだけでは何もできません。 プログラムやデータというソフトウェアがあって, 初めて有意な動作をします。 そしてその動作手順はあらかじめプログラムに記載されていて, それ以上の動作は しません。 しかしプログラムを変更すれば, 様々なことをやってくれます。 それがコンピュータにとっての``論理''ですが, チェスをするコンピュータは 考えていないのでしょうか ?

05s2028: 
今日の 2 の問題で先生の解説によるとミクロ状態を考えて電子の入り方を すべて書いたのですが, d 軌道などになると軌道が増えて入り方も膨大になって 大変だと思います。やはり, その場合でもすべて書いて調べた方が良いですか ? M: たかだか有限個ですし, 数枚の紙幅で足りる問題ですから, 慣れないうちは 全て書き下して調べた方が良いでしょう。 ところで, あなたは複雑な問題, 面倒くさい問題 (難しい問題とは違う) を 避ける派ですか ?

05s2039: 
前回の 05s2079 の質問についてですが, 「ひらめき」とはニューロン 同士の神経回路の生成が一瞬で生成した時に起こるものであり, 何もない状態から 「ひらめき」が起こる事は, 皆無に等しいです。 ちなみに回路の生成は 30 代から爆発的に生成されるため, 20 代のうちは「ひらめき」 に必要なニューロンの育成が大事だと思われるが, どーでしょうか ? ここじゃあ説明たらずですが。 M: 本当に説明足らずですね, ``どーでしょうか''以前の言質には疑問ありまくり ですから。 そもそもここで述べている``神経回路''や``ニューロン''ってナニ ? とかね。 物理的実体のことなら``一瞬で生成''とはどういうことか ? とか, ``30 代(以降)に神経回路が生成される''とか``ニューロンを 20 代に育成する''とか, ......。 ということで``どーでしょうか ?''と聞かれても, ``さあ ?''と返すしかない。

05s2047: 
``演算子''の定義に実体感を持たせてみて下さい。 M: 以前にも説明したような気がしますが, (operator) × (function) = (another function) ですね。 ある関数に作用して別の関数を与えるような``操作''が, 演算子です。 定数をかける, 自乗する, で微分する, などは以前に出てきた演算子ですね。 そして今回の``粒子 1 と粒子 2 を交換する''とか, 後に出てくる``ある軸で 回転させる''や``ある面で鏡映する''という操作も演算子と言えます。

05s2054: 
特にありません M: 

05s2060: 
自然科学以外で今, おもしろそうだと思われているものは何か ありますか。 M: 一般に思われていることを問うているのでしょうか ? そりゃ, 人それぞれでしょう。

05s2063: 
苦手な教科や分野を得意にするためには, 実際に問題をとく方法が 1 番 よいのでしょうか ? M: これも人それぞれでしょう。いやいや問題を解いていても, 得意になるとは思え ません。``好きこそモノの上手なれ''と言いますので, 興味ある事項を手がかりにして 好きになることも, ひとつの方法でしょう。

05s2069: 
誰かが発表した事実を, 実は別の誰かがずっと前に発見していた, ということが歴史上たびたびあるようですが, それはどうやって見つかるので しょうか。 M: 論文として成果を残しておけば, だれかが見出してくれるでしょう。 過去の成果の調査も研究のうちですから。 またそれぞれの提唱者の周辺では知られていたでしょうから, 研究者間の交流により 広く知れ渡るということもあるかもしれませんね。

05s2072: 
期末レポートはいつ出されるのですか。 M: これも以前に聞かれたような気もしますし, 初めの時間に説明したと思いますが, 最終回に配布するプリントの問題が期末レポートの問題だと言ったと思うのですが ... そもそも期末と言うからには学期 (2006 年度後期) 末だろうと, 試験に代わるもの なのでそれなりの時期になるだろうと, そういう各自の判断では駄目なのでしょうか ?

05s2077: 
炭素の最も安定な状態はグラファイトで準安定な状態はダイヤモンドと 聞いたことがあります。ガラスも準安定な状態をとるものだと聞いたことがあります。 他に準安定な状態をとる物質はどんなものがあります ? M: 前半について, 安定性はどうやって評価しますか ? 原子間の結合の強さから 言えば, 炭素原子が互いに 結合しているダイヤモンドの方が安定な 気がしますが...だからダイヤモンドが最も堅いと。 準安定状態は, 何かのきっかけでより安定な状態になることがあります。 もっとも身近なものは, 物質の過冷却状態ではないでしょうか。

05s2079: 
特にありません M: 



Ryo MIYAMOTO, 2007-01-11