物質理工学演習 BII (2006-12-13)
M: 以下は宮本のコメント
- 05s2001:
- 来年度この授業の読み替えはされるのですか ?
もしあるとすれば, 内容は同じですか ?
M: 来年度は, 物質理工学科の二年生は存在しないので, この授業科目は開講されず,
今学期が最後の開講ということになります。
しかし物質創成化学科の演習科目(無機化学・分析化学・物理化学・有機化学)を
履修すれば物質理工学演習BIまたはBIIに読み替えて単位修得が可能だったと思い
ますが, 詳細は別途確認してください。
新学科では, 講義科目と対応した演習科目が開講され, 基礎学力の修得が目標と
されています。また開講年次などもいろいろと変わっていますから,
内容も現在とは変わると思われます。
- 05s2009:
- タイムマシンを作るのに, どのあたりがクラークの第一法則の問題が
生じるのでしょうか ?
M: クラークの第一法則が何だか知っていますか ? 未来を予測する時の法則ですから,
タイムマシンを作ること自体にはあまり関係しません。
将来タイムマシンが実現可能かどうかを予測するときに関係してくる法則です
:-P
- 05s2015:
- シュレディンガー方程式で, ポテンシャルエネルギー V と E は
どういうものなのですか。またどういう関係なのですか。
M: シュレディンガー方程式
[ -\hbar2/(2 m) ∂2/∂x2 + V(x) ] ψ(x) = E ψ(x)
などの各記号の意味・定義を確認しましょう。
ポテンシャルエネルギーは, 粒子の置かれた状況により変わってきます。
しかし電子の運動をあつかう場合には, ほとんどが電磁場のポテンシャルです。
そしてエネルギーは, 粒子の持つ運動エネルギーとポテンシャルエネルギーとを
合わせたものです。
このへんは古典力学と同じで, 特別なモノではありませんね。
- 05s2017:
- 特になし
M:
- 05s2023:
- 前回提出した続書感想文[原文ママ]なんですが, 自分の出来は
どうだったのか教えて下さい。また, 全体として足りない所, とか, もっと書いて
ほしい所など, ていせいしてほしい所があったら教えて下さい。
M: 提出されたものをそのまま評価しますので, 訂正しての再提出は不要です
(やりたきゃやってもいいけど)。
判断基準は, ``論理的か, わかりやすいか, そして内容'' と,
``どう答えるかではなく何を問うかで評価される; すなわち着眼点の良さ'' です。
これらのことは, この授業でいつも言っていることですね。
- 05s2025:
- 今日の2番目の質問されたところで, 吸収スペクトルがどうして電子が
HOMOからLUMOに遷移されるところのエネルギーが問題になるのかわかりません。
どうしてですか ?
M: 簡単な考え方としては: ``(1)軌道とそのエネルギー準位を求める, (2)軌道に
電子をつめた状態 state をつくる(電子配置を考える),
(3)基底状態 ground state と励起状態 excited state のエネルギー差が
遷移エネルギーである。''
(2)で電子の全エネルギーが最低になるように軌道に電子をつめた状態が基底状態
(S0)で, それ以外のすべての電子配置は, いずれも全エネルギーが基底状態よりも
高い励起状態(Sn)です。
励起状態のうちで最も全エネルギーが低いものが最低励起状態(S1)で,
簡単なπ電子系有機化合物ではとの電子配置の差は, HOMOからLUMOへの
一電子励起に(ほぼ)対応しています。
そしてまたS0→S1遷移は, 紫外可視吸収スペクトルの長波長端(低エネルギー端)
に対応しています。
このため物質に色がついて見える原因になり, われわれにとって興味深いところです。
- 05s2028:
- 今回の問題でクロロフィルの実際の分子の大きさと比べる問題があったの
ですが, 実際の大きさが調べてもわかりませんでした。クロロフィル分子の実際の
大きさはどのくらいですか。
M: もちろん調べれば, どこかの本に載っているかもしれませんが, 全ての分子の
大きさの一覧表などありえませんから, いつも使える手ではありませんね。
そういう時にも対応できる手法としては, 適当な仮定を元に分子模型を組み立てたり
電子の通り道の長さを見積もったりと, 色々な方法が考えられますから,
ぜひ工夫してください。
- 05s2038:
- 前, 古いざっしで, アメリカの宇宙飛行士が月面着陸をしたのはウソで,
アメリカの国家的に地球のどこかであたかも月面であるかのようにぎぞうしてさつえい
したとありました。その本文をよむと, 自分もたしかにウソなのかもしれないと
思われてきたのですが, 先生はこの話をしっていますか ? しってたら先生の見解を
おしえて下さい。
M: なぜ「なかった論」に信憑性を感じたのでしょうか ?
「人類の月面着陸はあったんだ論」という本も出ていますし,
NASA や NASDA の科学者たちも無かった論に反駁していたとおもいます。
あぁ, 人には論理性など無く, 信じたいモノを信じるのか。
東京オリンピックも大阪万国博覧会も, バイキングの火星着陸・生命の痕跡
探し実験やヴォイジャーの惑星探査やジオットのハレー彗星に大接近して塵の中に
突入して核を撮影も, みんなみんな
``キョーカショで読んだだけの過去の歴史(嘘か真かわからない?)''なのかねぇ。
- 05s2039:
- 学問というのは様々な分野のつながりですが, 専門性は大事だと思うか ?
専門的になるという事は視野がせまくなると思うが, 専門性も大かた大事だと思う。
この葛藤をどう解決するか ?
M: ``専門的になると視野が狭くなる''って, 本当ですか ?
専門を深めることと視野を広く持つこととは, 排他的で両立しないこと
なのでしょうか ?
たとえば, 専門を持つことは, 色々な物事を評価する軸があるという意味に
なりませんか ?
専門的であるなしにかかわらず, 視野の狭い``人''はいると思いますが......
- 05s2047:
- 特に無いです。
M:
- 05s2054:
- 特にありません
M:
- 05s2060:
- 量子論は近年見出された考え方, 現象の中で大発見(大発明 ?)と思える
ものですが, 今後もこれほど広範囲にわたる偉大な理論の発生は起こりうる
のでしょうか ? (「可能性」ということではなく, 今現在の最先端研究分野から見て,
そういったものがありそうかどうかということについて)
M: やっぱり四つの力を統合する``万物の理論''でしょうか。あ, その前に三つを
統合する``大統一理論''があるか。
- 05s2061:
- 確率がよくわからなかったのですが。
M: なぜ授業時間中に質問しなかったのでしょうか ?
古典力学的には波 A sin(k x - ω t)
の強度は振幅の自乗 |A|2 に
関係した量です (だから光電効果を古典的には理解できなかったのです)。
その一方で, 波の自乗は量子論的には粒子の存在確率に対応していますね。
- 05s2063:
- 問題などをとくうえで, ある程度の「ひらめき」も必要なのでしょうか ?
最近, 演習をといていてそう思うことがあります。
M: 良いところに気付きましたね !
エジソンも``1% のひらめき''を重視していますしね。
もっとも, ゼロからのひらめきというのはありえなくて, なんらかの知識の蓄積が
あってはじめてひらめくことができるのだと思います。
まずは, がんばって``ひらめきの元''を身につけてください。
- 05s2069:
- 特にありません。
M:
- 05s2072:
- 先生はこの授業の他にどんな授業を受けもっているのですか ?
M: 今のところ物質理工学実験Bとか数値解析法とかです。
来年度からは物質理工学科のカリキュラムが縮小され, 物質創成化学科の
カリキュラムが増えていきますが, どうなるのかは実は未だわかりません。
21世紀教育科目の担当も今年度は無かったけど, 来年度から何か担当する
かもしれません(←他人事みたい)。
- 05s2077:
- 先生は``シュレディンガー方程式は美しい数式だ''と言っていますが,
シュレディンガー方程式以外で先生が美しいと思う数式・定理はありますか ?
(みんなに``この式・定理だ''とすすめたいものなど...)
M: それ以外は, ちょっとすぐには思いつきません。
- 05s2079:
- 特になし
M:
- 04s2011:
- 居酒屋で酔っぱらいに「今のお前の存在はどこから来た?」と急に
質問されました。答えられなかったんですが, 先生なら, どう対処してましたか ?
どんな返答をしてましたか ?
M: ここは人生相談の場じゃないんだけど, まあ質問の種類・分野に制限を設け
なかったので, こういう質問が出るのもしかたないか。
どういう評価を受けるか覚悟の上で質問しているのだろうし。
ということで, とりあえず``相手による''と答えておこう。
見知らぬ酔っぱらいなら, 他の客にからんで迷惑かけるのは店の側で対処すべきだし,
酔っぱらった知人(同行者)なら, その人とあなたとの関係に依存した対応になる
でしょう。もちろんどちらも一般論で答えてもいいけど。
ま, 即興で面白い答えが浮かべばそれも一興だけど, ちとむずかしいかな。
- 03s2050:
- 先生が勉強する時に気をつけていることまたは心がけていることは
何ですか。
M: この質問に既視感があるのはナゼだろう ? ああ, 勉強法の話を以前にしたん
だったね。
いくつかあったと思うけど, 例えば 2006-11-15 の 05s2014 を見てください。
Ryo MIYAMOTO, 2006-12-14