理学部化学科2年生以上対象 : コンピュータ演習 :
コンピュータはコミュニケーションの道具だ(ワープロと電子メール)


以下は配布予定のオリジナルプリントの原稿です。 この他に、昨年度の共通教育の情報処理(演習)のテキスト、 ``はじめてのコンピュータリテラシー''を用います。

はじめに

コンピュータは(昔は)電子計算機と呼ばれていましたが、 今ではむしろ情報処理装置としての面が大きく、注目を集めています。 さらに、最近はインターネットが流行っていますが、 これは世界中のコンピュータがネットワークでつながり、 情報をやりとりしています。

ここでは、以下の事項について実習します。

ワードプロセッサ
個人で利用する情報処理装置
電子メール
他人と情報を交換する(もっとも基本的で応用範囲もひろい)仕組み
また、その前段階として Windows3.1 の基本操作と、 ファイルなどの概念について学習します。

Windows3.1 の基本操作

テキストの ``第4章 パソコンの基本操作''(p.29) を参照。

ワードプロセッサ

テキストの ``第5章 文書ファイルの作成・編集・印刷''(p.42) を参照。

ワープロってなあに

ワードプロセッサとは、文書を作成するための道具です。 「コンピュータが発達すれば情報は電子的に交換され、 紙に印刷された書類は消えて無くなる」 との予測をあっさりと裏切り、この世はさまざまな文書・書類でいっぱいです。 ワードプロセッサはこれらの文書を、効率よく・見栄えよく・内容もしっかり 作るための道具です。
昔はワープロは「清書マシン」として、書類の見栄えをよくするためにのみ 使われていました。和文タイプの代わりのようなものでした。 それでもプリンターからの出力の活字が汚く、 使いものにならない場合も多かったのでした。
現在ではコンピュータやプリンターの性能の向上とソフトウェアの進歩により、 ワープロはコンピュータを情報処理装置として利用する上で 最も基本的な道具(ソフトウェア)になりました。 人間は言語により思考し、言語により意志を伝達するのである事を考えると、 ワープロは人間の思考を補助する道具と言えるかもしれません。

MS~Word の使い方

ここでは多数あるワープロのうち MS~Word をとりあげ、 その使い方を実習します。 残念ながら具体的な操作法は、個々のワープロにより違いがあります。 (商品なので他社の真似をしてはいけない) しかし将来他のワープロを利用する事になったとしても、 基本操作の考え方は類似しているので、 (例. 太字にして強調したい --> 文字のフォントをゴシックにする) それぞれのマニュアル(取り扱い説明書)をみれば、 欲しい機能の実現方法がわかるでしょう。

MS~Word は非常に機能の豊富なソフトウェアですが、 ここでは最も単純な使い方にしぼって説明します。

ワープロを利用してきれいな文書を作るための注意

練習

以下の文章を入力してみましょう。(注.装飾付き)
  • computer すなわち計算する機械という名前を だれが最初につけたのかはっきりしないが、 これを計算機と訳したこと、 あるいは electronic computer を電子計算機と訳したのは、 たいへんな誤りであったといえよう。 中国では、コンピュータを電脳と訳している。 この方がずっと実際に近い。
  • program というのは pro-gram のことであり、 ``前に''--``書いたもの''という意味である。 ギリシャ語の $\pi\rho\o\gamma\rho\alpha\mu\mu\alpha$ (前もって書いたものの意) からきている。 コンピュータのプログラムもまさしく、 操作の内容をあらかじめ書いておいたものである。
  • C60フラーレン (fullerene) と呼ばれるサッカーボール構造の分子であり、 ダイアモンドと黒鉛につぐ炭素の第3の形態である。 1985年にこれらを発見した R. F. Curl 教授、H. W. Kroto 教授、 R. E. Smalley 教授らは、 1996年のノーベル化学賞を受賞した。 他に C70、C76、C78 や C84 などの 多くの安定構造がある事がわかっている。 また、日本人の飯島澄男は1991年にカーボンナノチューブを発見した。
  • 光電効果を説明するために Einstein は、 振動数 $\nu$ の光が $h\nu$ のエネルギーを持つ粒子として作用するという 光量子仮説を提案し、 その功績によりノーベル物理学賞を受賞した。 しかし後には、Bohr、Heisenberg、Schr\"odinger らにより築かれた 量子力学を受け入れなかった。

    課題 1

    省略

    電子メール

    テキストの ``第9章 インターネット: 9.1 はじめての電子メール''(p.73) を参照。

    でんしめいるってなあに

    弘前大学の学内ネットワークはインターネットに接続されていますから、 総合情報処理センターの教育システムのコンピュータから 世界中のコンピュータにアクセスできます。 この様なコンピュータネットワークが、 じつは人と人とのコミュニケーションのための道具である事を 最も身近に感じさせてくれるものが電子メールでしょう。 もちろん学内の友人やグループとの連絡にも使えます。

    電子メールは従来の郵政省メールをコンピュータネットワーク上で 実現したものに似ていますが、 また即時性や個人宛であることから電話にもたとえられます。 しかし郵便物を集配する中央郵便局や電話による通信を交換する電話局のような 全体を統括管理する主体はありません。 コンピュータネットワーク社会になって登場した新しいメディアを活用しましょう。

    コンピュータネットワークは新しい技術で発展途上にあるので、 技術の不備やそれを利用する人間のマナーの未成熟のために 不便さを感じたり不愉快な思いをすることもあるかもしれません。 そういった場合には、コミュニケーションの相手の人または人々のことを思いやり、 住みよいネットワーク社会を築くように心がけましょう。

    電子メールアドレス

    あなたのネットワーク社会での住所(と名前)は、
    学籍番号@stu.hirosaki-u.ac.jp
    です。これは弘前大学に入学してから卒業するまで有効です。

    AL-Mail で電子メール

    電子メールで世界中のコンピュータ社会に住む人と コミュニケーションできるといっても、 先にも述べたように全体を統括管理する主体はありません。 この電子メールシステムは、お互いに情報を交換する個々のコンピュータ上の プログラムからできています。 これを利用するためのプログラムは多数あり、 電子メールの利用者にとっての使い勝手などがそれぞれ異なります。 ここではセンターのパソコンに組み込んである AL-Mail というプログラムを用います。

    個人宛の電子メールの文面は、ファイルとして保存されます。 またあなたの電子メールアドレスなども AL-Mail に教えなければなりませんが、 これらの情報は利用者の個人的な情報であり、 多くの利用者で共有するパソコンの中に残しておけません。 そこでこれらの個人的な情報を保存するためにフロッピーディスクを用います。

    演習室で電子メールを使い始めるにあたり、 最初の一回目だけは、種々の設定をしておく必要があります。

    さてそれでは、さっそく電子メールの使い方を練習してみましょう。

    目の前にあるのはコンピュータですが、 電子メールを利用する時は相手の人を思いやりましょう。 また、技術的にも注意しなければいけない事がいくつかあります。

    課題 2

    省略