質問と答(後半)
口頭,メール,出席表での質問のうちの,
いくつかに対する答です。
また,意見で回答が必要と思ったものも
含みます。
類似した質問に対しては、過去の質問と回答を掲載している場合があります。
実際のやりとりそのままとは限りません。
架空の質問もあるかもしれません。
6月12日の授業から
- [質問]
- 過去の中間試験の平均点はどのくらいですか。
- [答]
- 2013年度68.3点,2012年度60.5点,2011年度65.5点です。
- [質問]
- 熱圏では温度が高いが「熱くない」,というのはどういう意味ですか。
- [答]
- 「温度」は,基本的に,個々の気体分子のもつ運動エネルギー(の平均値)により定義されます。
しかし我々が体で感じる「熱さ」は,気体分子の運動エネルギーを直接感じているわけではなく,
気体分子の衝突によって与えられるエネルギーを熱さとして感じていると考えられます。
個々の気体分子の運動エネルギーは多くても,大気が希薄であれば衝突する分子数は少なくなり,
結果として与えられるエネルギーの総量は少なく,「熱くない」ことになります。
- [質問]
- 対流圏よりも上には雲はできないのですか。
- [答]
- 成層圏は上のほうが気温が高い安定した構造をしているため、上昇気流が発生しにくく、
特殊なもの(「真珠母雲」など)をのぞき雲もできません。
6月19日の授業から
- [質問]
- 「ハドレー循環」のハドレーとは何ですか。
- [答]
- 教科書130ページに出ていますが,18世紀に地球の南北方向の大循環を提唱した
George Hadley の名に由来します。
- [質問]
- 風系と海流が対応しているというのがよく分からないのですが,
風によって海の表面が動いたらその下の海水も動くということですか。
- [答]
- そのように考えていいです。
- [質問]
- エル・ニーニョの逆であるラ・ニーニャは海面が下降するのですか。
- [答]
- 貿易風が強まって深海からの冷たい海水の影響を受ける領域が拡大します。
- [質問]
- 地球が自転していることで遠心力によって重力との合力は低緯度ほど小さくなりますが,
高緯度に高圧帯が分布し低緯度(赤道)付近に低圧帯が分布していることは,そのことと関係がありますか。
- [答]
- この場合重力の違いの影響は無視できると思います。
6月26日の授業から
- [質問]
- フェーン現象の「フェーン」とは何ですか。
- [答]
- “フェーン”は“Fohn”というドイツ語で,もともとはアルプス地方でアルプス山脈を超えて吹き降ろす高温で乾燥した風に対して使われていたものが,一般名になったものです。
- [質問]
- 台風の「目」は,どうしてできるのでしょうか。
- [答]
- 低気圧である台風の中心には周囲から風が吹き込みますが,
転向力を受けるため,中心の周りを(北半球では)反時計回りに回転する流れになります。
この時,角運動量保存則のため回転半径が小さくなるほど高速の流れとなり,
遠心力が強く働くため半径がある程度より小さくなれません。そのため
吹き込んだ風はそこで上昇して行き,その内側では下降気流が発生することになります。
この部分が台風の「目」になります。
- [質問]
- 水星は昼と夜で表面温度が著しく違い,夜の部分では地球よりも低温になるそうですが,
太陽からの距離が地球よりも近いのにそのようになるのはなぜですか。
- [答]
- 水星は自転周期が公転周期の2/3になっているため「1日」の長さが(地球の)約176日にも
なってしまうこと,また大気がほとんど無く,温室効果や対流などの熱移動が発生しないことが
原因と考えられます。
7月3日の授業から
- [質問]
- 分光器の観察で,蛍光灯と白熱灯の違いが良くわかりませんでした。
- [答]
- 次の回のスライドを参照して下さい。
- [質問]
- なぜコロナは太陽の最外部とも言える位置なのに,約200万Kという非常に高温なのですか。
- [答]
- 以下のページのような研究があります。
参考リンク
- [質問]
- 太陽はいつか消滅しますか。
- [答]
- 次回の授業で説明します(しました)。
- [質問]
- 木星型惑星のまわりにあるリングはどのようにしてできたのですか。
どうして木星型惑星だけに存在するのですか。
- [答]
- いくつかの説明があるようですが,はっきりとはわかっていないようです。
- [質問]
- 遠く離れた惑星の主成分や密度などはどうやって調べるのですか。
- [答]
- 化学組成については反射光のスペクトルや探査機の測定によります。
密度は惑星の半径と質量がわかれば計算できます。半径は見かけの大きさと距離から
わかります。質量は衛星を持つ惑星では衛星の軌道と公転周期から求められます。
衛星を持たない金星と水星については,金星は周回する探査機の軌道から決定され,
水星は周回探査機もまだないため,近くを飛んだ探査機の軌道に与える重力の影響から
推定されています。
参考リンク。
7月10日の授業から
- [質問]
- 天体や宇宙について,もっと深く知りたいのですが,何かおすすめの書籍はありますか。
- [答]
- 天文学一般について,
「シリーズ 現代の天文学」(日本評論社,全17巻)を薦めます。
天文学関係の,ここで回答できなかった質問については,各自で上記書籍を参照してみて下さい。
- [質問]
- 出席票の1番目の問題がよくわかりませんでした。
- [答]
- 距離が40パーセクであることから,10パーセクの距離にあるとすると,
明るさは16倍(距離が1/4になるので)になります。
これと,「1等級差で2.51倍」,「2等級差で6.31倍」,「3等級差で15.8倍」と考えていくと,
約3等級差であることがわかります。
- [質問]
- 白色矮星になった恒星は,その後はどうなるのですか。
- [答]
- 非常に長い時間をかけてゆっくりと温度と明るさが
低下していくと考えられています。
- [質問]
- 角度が秒で表されるというのはどういう意味ですか。
- [答]
- 教科書174ページの説明に
「角度の1度(°)が角度の60分(′)に等しく,角度の1分(′)が角度の60秒(″)に等しい」と
あるように,この「秒」は時間の単位ではなく,1度の3600分の1の大きさの角度を表します。
7月17日の授業から
- [質問]
- 「銀河スペクトルの赤方偏移」の「λ」とは何ですか。
- [答]
- 光の波長を表します。
- [質問]
- 銀河の分布が片寄っているのはなぜですか。
- [答]
- 詳しい説明は私には難しいですが,
シリーズ現代の天文学, 4 . 銀河I, 317ページには,
「ビッグバン直後に生成した密度ゆらぎが自己重力で成長して形成されたと考えられている」
とされています。詳しくは上記の書籍を参照して下さい。
- [質問]
- 出席票の問題を試験勉強の際に復習したいのですが,返却してもらえますか。
- [答]
- 成績を決定する際に必要になりますので,すみませんが試験前の返却はできません。
期末試験返却時に,希望者には返却できます。
なお,その際には事前にメールで返却を希望する旨連絡してもらえると,
時間がかからずお渡しできます。
- [質問]
- 日本の水資源が中国企業に買い取られているという噂がありますが本当ですか。
- [答]
- 私には良くわかりませんので,調べてみて下さい。
7月24日の授業から
- [質問]
- 地震についてのハザードマップはありますか。
- [質問]
- 私の地元には噴火の可能性がある火山が近くにありますが,
ハザードマップは作製されているのでしょうか。
- [答]
- 現在,作製・公開されているハザードマップについては,
国土交通省ハザードマップポータルサイト
にまとめられていますので,参考にして下さい。
- [質問]
- 活火山の定義は,「おおよそ過去1万年以内に噴火した火山、及び現在噴気活動が認められる火山」
とのことですが,1万年という数字の根拠は何ですか。
- [答]
- 1万年という数字に厳密な意味があるわけではありません(2004年までは「過去2000年」でした)。
気象庁発表の資料によると,「近年、火山学の発展に伴って、過去1万年間の噴火履歴で活火山を定義するのが適当であるとの認識が国際的にも一般的になりつつある。」からとされています
(平成15年報道発表資料)。
- [質問]
- 第5部は期末試験の範囲に含まれますか。
- [答]
- 第5部も含まれます。
- [質問]
- 期末試験の解答例はいつ掲載されますか。
- [答]
- 中間試験のときのように追試がある可能性があるので
はっきりはわかりませんが,答案返却開始までには掲載する予定です。
- [質問]
- スライドの試験の日時が間違っていました。
- [答]
- すみません,修正しておきました。
[地学の基礎I(B) ホーム]
Minoru SASAKI
minoru@cc.hirosaki-u.ac.jp