質問と答(後半)
口頭,メール,出席表での質問のうちの,
いくつかに対する答です。
また,意見で回答が必要と思ったものも
含みます。
実際のやりとりそのままとは限りません。
架空の質問もあるかもしれません。
7月14日の授業から
- [質問]
- フェーン現象の「フェーン」て何ですか。
- [答]
- “フェーン”は“Fohn”というドイツ語で,もともとはアルプス地方でアルプス山脈を超えて吹き降ろす高温で乾燥した風に対して使われていたものが,一般名になったものです。
- [質問]
- 何故,大気の水分は宇宙に逃げないのですか。また,もし,逃げているのならば,その逆もありえるのですか。
- [答]
- 水蒸気の分子のとしてわずかずつですが逃げているはずです。また、隕石などの落下で、わずかですが外部から供給されてもいるはずです。
- [質問]
- フェーン現象は太平洋側にはあまり起こらないんですか。
- [答]
- フェーン現象によって顕著に温度が上昇するのは、湿度の高い比較的高温の空気が
風によって高い山を超えた場合で、そのような状況は季節風の関係で太平洋側よりは日本海側で起こりやすいでしょう。
- [質問]
- 赤外線や紫外線には実際に色がついているわけではないんですか。
- [答]
- 目に見えませんので色はありません。
- [質問]
- 発達する積雲の雲頂が圏界面に近づくとそれ以上上方に発達できなくなるのはなぜですか。
- [質問]
- 対流圏よりも上には雲はできないのですか。
- [答]
- 成層圏は上のほうが気温が高い安定した構造をしているため、上昇気流が発生しにくく、
特殊なもの(「真珠母雲」など)をのぞき雲もできません。
- [質問]
- ボックスモデルで雪は降水に含まれないんですか。
- [答]
- 教科書133ページの図4では、「大気」→「氷」だけが「雪」になっていますが、
「大気」→「土」、「大気」→「海洋」の「降水」にも雪として降った分が含まれているはずです。
7月21日の授業から
- [質問]
- 冬は大陸に高気圧が発達し、夏は海洋に高気圧が発達するのはなぜですか。
- [答]
- 大陸と海洋の相対的な温度差によります。
- [質問]
- 台風・ハリケーン・サイクロンは規模が違うということ以外に、違いはあるんですか。
- [答]
- 定義の違いにより規模の違いが生じますが、本質的には同じものと考えて良いようです。
<参考>世界の台風(タイフーン)・ハリケーン・サイクロンの比較
- [質問]
- コリオリの力はなんで発見されたんですか。
- [答]
- 具体的な現象としてどのように発見されたのかは分かりませんが、
名前の由来であるコリオリ(Coriolis)は、運動方程式の解析からそのような見かけの力の存在を
明らかにした、のだそうです。
7月23日の授業から
- [質問]
- エルニーニョ現象やラニーニャ現象が起こる周期が数年に1度であるのはなぜですか。
- [質問]
- エルニーニョやラニーニャという名前はどこからつけられたのですか。
- [答]
- 気象庁の解説を見て下さい。
- [質問]
- オゾン層破壊の対策としてどのようなことが行われていますか。
- [答]
- フロンの排出量規制、代替物質の開発などが行われています。
- [質問]
- 海水中のフッ素は何由来ですか。
- [質問]
- 海水中のSO42-はどこからくるのでしょうか。
- [答]
- 海水中の成分は、いずれも元をたどれば岩石の風化や火山ガスなどに由来します。
- [質問]
- なぜ梅雨の時期にジェット気流が北上するのですか。
- [答]
- 直感的に分かるような説明は見つけられませんでした。
- [質問]
- 海水の上下交換にかかる約1000年とは、どのようにして計算したのですか。
- [答]
- 深層水中の放射性炭素(14C)や他の放射性同位体の濃度に基づき、いくつかの仮定の下に
計算されています。
- [質問]
- 酸性雨は体に浴びると何か悪影響はありますか。
- [答]
- 「酸性」であることによる、人体に対する直接の影響はほとんどないと考えられます。
- [質問]
- 南半球でも「西岸強化」になりますか。
- [答]
- はい。北半球の場合と同様な図を描くとそうなるはずです
(コリオリ力が進行方向左向きに働くので)。
8月25日の授業から
- [質問]
- 超巨星と巨星の違いはなんですか。。
- [答]
- 調べてみましたが、明確な定義は見つかりませんでした。
- [質問]
- 地球から見た太陽の自転周期が緯度によって異なるとあり、教科書には太陽が固体でなく気体であるからとありますが、よくわかりません。
- [答]
- たとえば地球を外からみて自転周期を決めようとするとき、地表の大陸などを目印として測定すれば、
どこの場所で測っても同じになりますが、雲を目印にすると雲の移動により時と場所により一定にならなくなります。
それと同じ様に考えれば理解できると思います。
- [質問]
- オーロラがものすごく見たいです。いつ、どこでみることができるか教えて下さい。
- [答]
- 南極と北極の周りを取り巻く「オーロラベルト」と呼ばれる領域(緯度65〜80度程度)で
主に発生します。カナダやアラスカへの観光ツアーが多数行われていますので、それに参加するのが
簡単でしょう。
9月1日の授業から
- [質問]
- なんで銀河が集中するところと全くないところができるんですか。
- [答]
- 「ビッグバン直後に生成した密度ゆらぎが自己重力で成長して形成された」構造と
考えられているそうです。
- [質問]
- どうやって星や惑星の質量を測っているのですか。
- [答]
- 基本的には、連星の場合(教科書213ページ)と同様に、重力による運動を観測して測定します。
- [質問]
- 「腕」って何ですか。
- [答]
- 銀河の場合、渦巻きを構成する細長く伸びた部分です。
- [質問]
- インターネットで星雲等の画像をあつめていると、おそらく同じものを撮った画像の色が大きく異なるものがみつかります。あれはなんですか。
- [答]
- 観測のために天体を撮影する場合、フィルターを通して特定の波長領域の光(赤外線や紫外線を含む)のみからなる画像を得ることが多いのですが、それらを合成してカラー画像にする場合、どのように色を割り当てるかによって
見かけが全く変わってしまいます。特に赤外線や紫外線を含む場合は、「本当の色」がそもそも存在しないわけで、
作成者の判断で様々な色のものができることになります(「擬似カラー」などと呼ばれます)。
- [質問]
- 水素の分布によって、銀河系が渦巻銀河であると考えられるのはどうしてですか。
- [答]
- 教科書227ページの図6をそのつもりで見ると渦巻きに見える、ということです。
- [質問]
- 自分たちが肉眼で1つの星にみえるものも銀河のことが多いのですか。それとも天の川銀河の恒星が明るく多く見えていますか。
- [答]
- 肉眼で見える恒星はほすべて天の川銀河(銀河系)内のものです。大型の天体望遠鏡で
非常に暗い天体を調べると、ある程度より暗い天体はほとんどが遠方の銀河になります。
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Minoru SASAKI
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