質問と答(後半)

口頭,メール,出席表での質問のうちの, いくつかに対する答です。 また,意見で回答が必要と思ったものも 含みます。 実際のやりとりそのままとは限りません。 架空の質問もあるかもしれません。 答えにくいものは多少回答が遅くなることもありますので, 少し待ってみてください。


6月12日の授業から

[質問]
熱圏になるとなぜ気温が上昇するのでしょうか。
[答]
熱圏では波長が0.1μm以下の比較的波長の短い紫外線が吸収されています。 波長が0.1μm以下の紫外線のエネルギーはごく弱いのですが,熱圏では大気の量が 少ないので,わずかなエネルギーでも温度が上昇します。
[質問]
期末テストも中間試験のような出題形式と難易度なんですか。
[答]
基本的には同様です。
[質問]
ミリバール[mbar]とヘクトパスカル[hPa]はどう違うのでしょうか。
[答]
ミリバール[mbar]は,バール[bar]の1000分の1で,ヘクトパスカル[hPa]は, パスカル[Pa]の100分の1です。バールとパスカルはそれぞれCGS単位系と国際単位系における 圧力の基本単位です。ミリバールとヘクトパスカルを単位とすることで,両者で 表示した気圧の数値が等しくなります。
[意見]
トリチェリの実験でわざわざ真空部分を作ってその上の部分の重さを無視しているがそれはなぜでしょうか。 試験管の上の部分の空気は何故関係なくなるのでしょう。
[答]
試験管の上部が真空であるということは,その部分にある水銀には, 試験管のガラスにさえぎられて,空気の重さが加わっていないということです。 「気圧2」のスライド を参考にして下さい。
[質問]
顕生代に二畳紀と三畳紀がありますが,一畳紀というものはないのですか。
[答]
「一畳紀」は,もともとありませんでした。二畳紀,三畳紀の名称は, ドイツに分布するこれらの時代の地層が,それぞれ2層および3層に区分されることに由来します。
[質問]
かなり勉強したのにだめでした。記述式試験のコツを教えてください。
[答]
テキストのまとまりごとに,そこに書かれている内容を問うような記述式の問題を自分で考えて, 自分で解答を書いてみましょう。本を読むときに,そのようにして自分が内容を理解しているかを 常に自問自答しながら読むようにすれば,内容が本当に理解できているか確認できるはずです。
[質問]
月面でのトリチェリの実験で,月面では気圧は減少,Hgに働く重力は減, なので重力を加味すればそんなに水銀も下がらないと考えたのですが,どうでしょうか。
[答]
月面では気圧は0なので,試験管の中と外で水銀の表面に働く圧力はいずれも0になります。 よって重力がいくら小さくても,試験管の中と外の水銀の高さは等しくなります。

6月19日の授業から

[質問]
紫外線が肌に悪いのは,波長の短さと何か関係があるのですか。
[答]
波長の短い電磁波は,高いエネルギーを持っており,原子や分子の結合を切断して 化学変化を起こすことができます。そのために人体にもさまざまな影響を与えます。
[質問]
太陽定数は地球の傾きを考慮する必要はないのですか。
[答]
太陽定数は「地球と太陽の距離がその平均距離にあるとき,大気圏の最上部で 太陽放射に垂直な面が受ける日射量」ですので,「地球の傾き」は無関係です。
[質問]
大気が安定しているとき,条件つきで不安定のとき,空気塊の動きは理解できますが, 大気全体を見るとどのようになっているのですか。
[答]
大気は場所・時間ごとに気温減率が異なっているので,それぞれで状態は異なります。 平均的な気温減率(0.65℃/100m)は,条件付不安定の状態に相当します。
[質問]
コリオリの力はなぜ右向きに働くのでしょう。
[答]
授業時間にやってもらった「コリオリの力の実験」の結果を見て考えて見ましょう。 回転の向きが逆になれば,左向きに働くことになります。
[質問]
「傾度風」と「地上の風」の説明をもう一度お願いします。
[答]
すみませんが,もう少し具体的に質問をお願いします。

6月26日の授業から

[質問]
なぜ,「エルニーニョ(神の子)」とよばれるのですか。
[答]
気象庁のページに説明があります(もっとも,読んでも今ひとつよく分かりませんが)。
[質問]
深海魚は混合層,水温躍層,深層,それぞれで生息できますか。
[答]
「深海」は,水深200m以深を指すので,「深海魚」は水温躍層から深層に生息するものを指すようです。 参考リンク

7月3日の授業から

[質問]
ケプラーの法則と同様な法則は,太陽系以外の互いに回転している天体でも成り立つのでしょうか。
[答]
はい,7月10日のスライドを参照して下さい。
[質問]
テキストp.171 図6の赤い線の見方がよくわかりません。
[答]
赤い線はそれぞれの場所での,高度による気温の変化を定性的に表したものです。 郊外では200〜400mまで気温が上昇する(逆転層)のに対し,都市部ではその下にさらに高温の部分が 形成されていることを示しています。
[質問]
サハラ砂漠などの大規模な砂漠は,自然にできたものでしょうか。 放牧や伐採などで人為的にできたものでしょうか。
[答]
全地球的に見れば,大規模な砂漠はほぼ亜熱帯高圧帯の位置に対応しており, 基本的には自然の要因により形成されていると考えられます。細かく見れば, 人為的な影響も無視できないでしょう。
[質問]
PH1の酸性雨が降る可能性はありますか。また降った場合地球はどうなりますか。
[答]
具体的なデータは調べられませんでしたが,温泉水ではPH1台のものはありますので, 局所的には可能性はあるでしょう。地球全体に影響を与えるような大規模なものはほぼありえないと思います。
[質問]
黒潮の分岐した対馬海流のようなものは,親潮にはありますか。
[答]
親潮の場合ははっきりとしたものはないようです。168ページの図3に 描かれているリマン海流は低温の海流ですが,親潮の分岐とは考えられていないようです。

7月10日の授業から

[質問]
(なし)
[答]

7月17日の授業から

[質問]
1光年と1光日の違いは何ですか。
[答]
「1光年」は,光が1年間に進む距離,「1光日」は光が1日に進む距離です。 ですから1光年は1光日の約365倍の距離になります。 いずれも時間ではなく距離の単位であることに注意して下さい。
[質問]
テキスト228ページ9〜10行目には「銀河系中心の半径3光日以内には太陽質量の260万倍・・・」 とありますが,スライドでは「半径3光年以内に太陽質量の400万倍」となっています。
[答]
昨年まで使用していた旧版のテキストの記述がそのまま残っていました。 近年研究が進んでより精密な姿が描けるようになったようです。

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Minoru SASAKI minoru@cc.hirosaki-u.ac.jp