質問と答
口頭,メール,出席表での質問のうちの,
いくつかに対する答です。
また,意見で回答が必要と思ったものも
含みます。
実際のやりとりそのままとは限りません。
架空の質問もあるかもしれません。
答えにくいものは多少回答が遅くなることもありますので,
少し待ってみてください。
[07/06/12]
初回アンケートから
- [質問]
- 地表から植物が全てなくなったとしたら,土壌は雨などで流されて,平らになってしまうんですか?
- [答]
- 植物が生えていなくても土壌がある場所は多いので,植物がなくなったからといって
全く無くなってしまうわけではないでしょう(減少はするでしょうが)。
また,平らになるかどうかはまた別の話で,地表の起伏は地殻変動の量と侵食の量とのバランスで決まっています。
これについては第1部第3章で説明します(しました)。
- [質問]
- (3)のキーワードにあった「プレートテクトニクス」ってなんですか?
- [答]
- 第1部第3章であつかいます(ました)。
- [質問]
- 授業途中での入退室は出席にカウントされますか?
- [答]
- 現在の出席のとり方は,授業終了時に出席票を回収して,
記名のある出席票が提出されている者を出席としています。
直接の回答ではありませんが,どうすれば出席と扱われるのかはわかると思います。
今のところ,この方式を続ける予定ですが,明らかな不都合が生じた場合には変更するかもしれません。
- [質問]
- 地球から星や惑星までの距離を何光年などと表しますが,それはどのようにしてはかった上での距離なのでしょうか。
- [答]
- テキストの後半,第4部第2章であつかいます。
- [質問(?)]
- (ガイダンス時のことで)授業は17:30までではないですか?
-
- [答]
- ははは,そうですね。お察しのとおり時間を勘違いしていました。
- [質問]
-
- [答]
-
全体について
- [質問]
- おすすめの参考書はありますか。
- [答]
- とりあえず,以下の本はお勧めできます。
- 杵島正洋・松本直記・左巻健男[編著],「新しい地学の教科書」,講談社ブルーバックス
- 深尾良夫,「地震・プレート・陸と海」,岩波ジュニア新書
- 鎌田浩毅,「地球は火山がつくった」,岩波ジュニア新書
- 横山一己[監修]・宮下敦[著],「ゼミナール地球科学入門」,日本評論社
授業ウェブページについて
- [質問]
- ウェブページは自宅からアクセスできますか。公開する期間は限られていますか。
- [答]
- 場所による制限はかけていませんので,どこからでもアクセスできます。
期間は特別の事情が発生しない限り,半永久的です(過去に私の行なった授業については,
IDとパスワードを知っている過去の受講者は,現在でもアクセスできるようになっています)。
- [質問]
- 家にインターネット環境が整っていないのですが,授業において不利にならないでしょうか。
- [答]
- 難しい質問です。まず,家からインターネットで授業のウェブページにアクセスできれば,
便利であることは間違いありません。ここ数年で,インターネットを利用することの利便性は大きく向上し,
一方掛かる費用はかなり低下しました。現在の状況ならば,この授業のために限らずとも,インターネット接続環境を
用意することをまず薦めます。ただ,それが様々な理由で不可能な場合であっても,少なくとも大学の施設を
使用してアクセスする手段は保障されていますので,決定的な不利,あるいは不公平にはなっていないと
判断しています。
- [質問]
- 前もらったパスワードが違うみたい。
- [答]
- 5月17日の出席表につけたパスワードは1文字間違っていました。
アクセスできない人は佐々木まで連絡してください。
授業について
- [意見]
- スライドの下の方の文字が見えない場合があります。
- [答]
- なるべく下端ぎりぎりまでは(文字は)書かないようにしますが,
物理的に難しい点もあります。必要に応じてwebで補って下さい。
- [答2]
- 前の電灯を消して,少し見やすくしました。いかがでしょうか。
- [意見]
- 後ろのほうの席だとスライドが見えません。
- [答]
- すみませんが,人数が多いため,どうしても後ろの席になる人が
出てしまいます。こちらでの対応は物理的に限界があります。
見にくいと思う人はでききるだけ前の席に座る,必要ならば
双眼鏡等を利用するなど,工夫してみて下さい。
- [質問/意見]
- どこを覚えればいいのかわかりません。
- [意見]
- どこが大切なのか,重要なところが分かりません。
ノートをとるべきところや,重要なところを言ってください。
- [答]
- それを考えること自体が勉強の重要な一部分です。
ここを覚えなさいと言われた事を機械的に覚えるだけでは,
大学での勉強とは言えない,と,私は考えています。
- [意見]
- 授業の進む速度が速すぎます。
- [答]
- ガイダンス時にも説明しましたが,教科書の内容を原則として
すべて扱いますので,ある程度速くなるのはやむをえないところです。
がんばってついて来て下さい。
- [意見]
- スライドをプリントにして配ってほしい。
- [意見]
- スライドを授業の前に公開してほしい。
- [答]
- それらと,メリット・デメリットを比較検討した上で,
現在の方式(授業後にwebに公開)を選択しています。今のところ
変更はちょっと難しいですが,もう少し考えて見ます。
- [意見]
- 質問による加点評価はあまり感心しません。不純な動機による中身のない質問が増えるからです。
仮に実行するのであれば,学生に公表せずに,小範囲で行なうべきではないでしょうか。
-
- [答]
- まず評価の範囲ですが,平常評価の一部ですので,
全体に対してはあまり大きな範囲を占めるものではありません。
また,単純に質問や意見の回数で評価するわけではなく,あくまで内容によって評価します。
たとえば,毎回「おもしろかったです」や「頑張ります」とだけ書いてもらっても,
あまり高く評価したいとは思いません(マイナスの評価にはしません)。
ただ,たとえ評価への加点を目的とした質問や意見であっても,
授業を聞いて関連する質問や意見を考えて書いてくれたのであれば,
積極的な授業への参加とみなせるので,一概に不純な動機とは思いません。
なお,「何を」評価の対象にするかという点については,つねに公開されるべきであると思います
(「どのように」評価するかは場合によっては公開しないほうがいいでしょう)。
[この意見を書かれた方は結局履修されなかったようですが,このような意見そのものは高く評価したいと思います。]
- [意見]
- 先生は工夫して授業を行っていると言っているが,
私にはそうは見えません。
そもそも高校の教科書をなぜ半期で行なうのかも分からない。
結局後には何も残らない。
それよりは特定の分野を掘り下げて教えたほうがよい。
教科書の発注ミスにしてもそうだが,ここ2,3回の授業で
不快に思うことが本当に多かった。
- [答]
- 不愉快な思いをさせたことは申し訳なく思います。
具体的に問題点を指摘してもらえれば検討します。
ただ,全ての要求,要望がかなえられるわけでは無いことも理解して下さい。
高校の地学を半期の授業で行なうことは,この授業の趣旨として企図されていることであり,
変更はできません。シラバスやガイダンスでも説明していますので,納得した上で受講されたものと扱われます。
なお,工夫して授業を行っているというのは,過去の授業での経験から順次改良して行っているという意味であって,
他の教員の授業と比較して言っているわけではありません。
工夫が足りないという批判は甘受します。
- [質問]
- 教科書の部末問題の答合わせをしたいのですが,どうすればいいでしょうか?
- [要望]
- Webページに,教科書についている練習問題の解答,解説が全部載っているといいと思うのですが,どうでしょうか。
- [答]
- 電子メールで答案を送ってもらえれば,折り返し結果を返信します。
- [質問]
- 出席表は返却されますか。
- [答]
- 最終的に成績をつけるまでは,チェックする必要があるので返却できません。
その後でしたら,希望があれば(取りに来てもらえれば)返却します。
- [質問]
- 立つのは疲れた。
- [答]
- 大抵前のほうに空いている椅子があります。
- [質問]
- (中央の列に)標本がまわって来ませんでした(5月10日,17日)。
- [答]
- 6月7日の授業で,再度回覧します。
- [要望]
- P.79の部末問題のアイソスタシーの問題についてわからなかったから,直接質問しにいったら,もっと詳しい解説をwebにのせるといいましたが,結局,最後までのせてくれませんでした。
- [答]
- これについては大変申し訳ありませんでした。今後は必ずその場でできる限りの回答をすることにします。
試験について
- [要望]人数の関係上,難しいかもしれませんが,テストの席は,1つずつあけてすわれるようにした方がよいと思います。
-
- [答]
- そのようにできればよいのですが,中間試験では空き教室の関係で不可能でした。
- [質問]
- 中間試験にて,問1は[A]か[B]の選択問題だったのですが,気づかずに[A]と[B]を答えた場合,過剰解答となり正解・不正解関係なく0点でしょうか?
- [答]
- [A]と[B]の両方を解答した場合は,[A]のみを採点してその点数を得点としました。
- [要望]
- 中間試験に,過去問と同じ問題を少しは出してほしい。
- [答]
- 「全く同一の問題」は出題しないということは,あらかじめ伝えてありましたし,今後もそのようにするつもりです。一方,類似した問題は今回の出題でもありました。
- [要望]
- 過去問は思っていたよりあてになりませんでした。期末テストでは,できれば,去年よりも前のものも載せてほしいです。自分は苦戦しました。
- [答]
- 昨年度の問題は,出題形式を理解してもらうために掲載しています。1昨年はテキストが違っていて,出題形式も徐々に変化しているため,掲載しません。
- [質問]
- 何点とれば単位をもらえますか?
- [答]
- 平常評価,中間試験,期末試験の成績を総合して評価しますので,一概には言えません。公表した平均点,標準偏差,昨年度の実績等を参考にして下さい。
- [質問]
- テストの答案用紙を回収しに行かない場合は,答案用紙は処分されるのでしょうか?
- [答]
- ある程度の期間は補完しておきますが,最終的には処分します。
4月19日の授業から
[質問]地球の大きさを推定したエラトステネスの方法がわかりません。
[答]授業で説明した問題に対し,理解できなかったという場合,
「わかりません」だけでは,どこがわからなかったのか,どのように
説明したらいいのか,こちらもわかりません。
具体的にどこがわからないのか明確に表現できるのであれば,
それに対してはお答えできます。
そうでなければ(どこがわからないのかもよくわからないという場合)個別の対応が必要ですので,
できればわからない点をできるだけ自分で明確にした上で,
直接質問に来るか,メールを送って頂くようお願いします。
[答2]追加で解説すると,この方法の要点は,
- 太陽は地球の半径に比べて十分に遠くにあるので,平行な光として到達すること。
- 地球が丸いため,場所ごとに水平,あるいは垂直方向が異なっていること。
- その違いが,地球の中心とそれらを結んだ線のつくる中心角に等しいこと。
- 中心角と,地球の表面に沿った2点間の距離がわかれば,地球の周長が
計算できること。
です。中心角が30度や90度の場合の絵を描いてみるとわかりやすいかもしれません。
[答3]教科書の図が,小さくてわかりにくいのかも,ということで,中心角を
やや大きくした図を描いてみました。
角度の関係もθ''の方で考えたほうがわかりやすいかもしれません。
- [質問]
- アポロは本当に月にいったのでしょうか。
- [答]
- これについては,参考リンク
をご覧下さい。なお,私は岩石関係が専門ですが,その立場から言えば,“月の石”の存在だけで,
アポロが月に行った事は確信できます。地球上に“月の石”と同じ性質(特に年代)を示すものは存在しませんし,
人工的に作ることも不可能です。
- [質問]
- 太陽以外の恒星にも,地球のような生命が生まれている星があると
考えられるのでしょうか
- [答]
- 近年,多数の恒星のまわりに惑星(太陽系外惑星)が発見されてきています。
その割合を考えると,惑星そのものは宇宙にごくありふれた存在だと考えられます。
したがって,多くの研究者は地球以外の生命が存在するに違いないと考えていると思います。
- [質問]
- 恐竜がいた時代は重力が今よりも小さかったという話を聞いたことがあります。
先生はどう思いますか(2乗3乗の法則で重力が大きいと恐竜は重力の影響が大きくあまり動けないとか・・・)。
- [答]
- はい,そのような説は聞いた事がありますが,私は今のところ信じられません。
積極的に肯定する証拠が乏しいのと,否定的な証拠もある(堆積構造など)と言われるからです。
もちろん今後新たな証拠が見つかればどうなるかはわかりませんが。
- [質問]
- 地球型惑星と木星型惑星の惑星の密度が示されていましたが,
惑星の重さはどのようにしてはかるのでしょうか。
- [答]
- 衛星を持つ惑星の場合は,衛星の軌道の大きさと惑星の周りを回る
周期を測定することで,惑星の質量(「重さ」)を推定できます。
これについては第4部第1章で少し触れます。
衛星を持たない金星,水星の場合は,
他の惑星の運動に与える重力の影響や,探査機の軌道から推定されています。
参考リンク
- [質問]
- 以前は惑星は9個あったのが,冥王星を除く8個になったのはなぜですか。
- [答]
- 冥王星よりも遠方に,冥王星より大型の天体が複数存在することが
明らかになり,あいまいだった惑星の定義をきちんと定める必要が生じたためです。
結果的に冥王星は惑星から除外されることになりました。
詳しくは,
参考リンク
を見てください。
- [質問]
- 地磁気の話が出ましたが,映画「The Core」についてどう思いますか。
- [答]
- すみませんが,その映画は見ていません。Webで調べた範囲では,
面白そうではあるが…というところです。
- [質問]
- なぜ強い重力によって空間が歪むのですか(ブラックホールなど)。
-
- [答]
- ちょっと簡単には説明できませんし,詳しく説明することは私の能力を超えています
(私は地学でも地質学分野の専門です)。すみませんが専門の講義
(理工学部地球環境学科の「相対性理論」など)を受講して下さい。
- [質問]
- 木星型惑星ではヒトは立てるの?
- [答]
- 木星型惑星の「表面」はガスなので,普通の意味では立てないと思いますが,
それ以上はよくわかりません。
- [質問]
- エウロパの液体(海)は水ではないのですか?
- [答]
- 地形から表面は氷で覆われていると考えられており,
その下は水であろうと推定されています。
- [質問]
- 地球が冷めきるのはいつ頃でしょうか。また,人が住めなくなるとしたらどれくらい後でしょう?
- [答]
- かなり確実と考えられているのは,50億年後には巨星となった太陽に飲み込まれてしまうだろうという
ことです(第4部第2章で扱われます)。それが上限で,それ以前,20億年後には海が蒸発して消滅する,あるいは
5億年後には生物圏が消滅するという考えもあります。冷め切って終わるわけではなさそうです。
- [質問]
- 地殻熱は光としても出ているのですか。マグマとしてですか。
- [答]
- 地殻熱流量として測定される熱は,地殻を構成する岩石を熱伝導で伝わってきます。
地球内部の熱はマグマの移動・噴出によっても地表に運ばれますが,これは直接は含まれません。
ただしマグマが地殻内に上昇してくると周囲の岩石を温めるため,その周囲の地殻熱流量は大きくなります。
光(電磁波,主として赤外線)としての熱の移動(輻射)は,少なくとも地殻内ではほとんど無視できると思います。
- [質問]
- 金星の映像で,なぜ可視光と紫外線での見え方が違うのでしょうか。
- [答]
- 物質はそれぞれその組成や状態に応じて,特定の波長の電磁波(電波や光や放射線)を
吸収したり放出したりします。私たちが物体のさまざまな“色”を見ることができるのもそのためです。
私たちの肉眼では可視光の範囲の電磁波だけしか知覚することができませんが,
特殊な写真フィルムやCCD(ビデオやデジタルカメラの受光素子)を用いれば,紫外線や赤外線を
受けてそれらの光の空間分布図,つまり写真が得られます。
さて,金星はその大気の上層が硫酸の雲からできていると考えられています。
この雲は可視光についてはほとんどを反射してしまうため,ほぼ白色で強く輝き,
表面の模様はほとんど見えません。一方紫外線については一部がこの雲で吸収されます。
その吸収の程度が場所ごとに異なるため,紫外線では模様が検出されると考えられます。
4月26日の授業から
- [質問]
- 液状化現象はなぜ起こるのですか。
- [答]
- 例えば参考リンクをご覧下さい。
砂や米粒や砂糖などのような粒子を容器にいっぱいに詰めようとするときには,
まず容器に流し込んだ後,「トントン」と容器をたたいたり落としたりして粒を沈めますよね。
現象の本質はこれと同じです。
- [質問]
- 震度7の地震は今までどこかで起こりましたか?
- [答]
- 最大震度が震度7を記録した地震は,1995年兵庫県南部地震(阪神・淡路大震災)と,
2004年新潟県中越地震です。
参考リンク
- [質問]
- 収束する境界に引き込まれたプレートは,その後どうなるのですか。
- [答]
- 沈み込んだプレートは,上部マントルと下部マントルの境界(約660kmの深さ)
まで達し,そこでいったん溜まります。そしてある程度の量が溜まると,さらにマントルと
核の境界まで落下して行くと考えられています。これは「メガリスの崩壊」と呼ばれ,
その発生の際に地球全体にさまざまな影響を及ぼす可能性が指摘されています。
参考リンク
- [質問]
- 動物が地震が起きるのを察知できるらしい…というのをTVでやっていました。
ほんとうなんですか。
- [質問]
- 地震がくる前に音が聞こえると聞いたことがありますが,P波が空気中を伝わって音として認知されるからですか?
- [答]
- 地震の「宏観現象(宏観異常現象)」と呼ばれるもののひとつです。
とりあえず参考リンクをご覧下さい。
- [質問]
- アイソスタシーの計算で,深さの等しい面を考えてその上の重量が等しいと考えるのは
なぜですか。
- [答]
- 流体の性質として,つりあった状態ではそのようになります。そのようになるように自由に変形できるのが
流体の性質であるともいえます(ちょっと説明不足ですがとりあえずの回答です)。
- [質問]
- 教科書p28-29にある大きな図で,海溝の中はどうなっているのでしょうか。
- [答]
- どうなって,の意味が必ずしも明らかでないのですが,例えば67ページの図23に,
もう少し詳しい断面が描かれています。ここに示されている例では,海洋プレート上の堆積物が
陸側プレートの端にかき集められ,付加体が形成されています。場所によっては
堆積物がそのまま海洋プレートによって地下に運ばれたり,海洋プレートによって陸側が侵食されたり
ということも起きると考えられています。
- [質問]
- なぜ,内核が固体なのに外核は液体なのですか。圧力の影響でしょうか。
- [答]
- 物質の融点は一般に圧力が上がると上昇しますから,内核のほうが圧力が高いから,
という説明は間違いではありません。ただ,深いほうが温度も高いので,正しくは両方の
バランスを考える必要があります。また,液体の外核と固体の内核では化学組成も異なるので,
その影響も考慮しなければなりません。
時間変化の観点から見ると,地球ができた当初は液体の核のみが存在しており,徐々に冷えて
固体ができて,中心部に沈降し,固体の内核が形成されました。現在も内核は徐々に成長しつつあります。
- [質問]
- 地震が起きると必ず津波はくるんですか。
- [答]
- テレビの地震速報を見ていればわかるように,津波を伴わないほうが多いです
(「この地震による津波の心配はありません」)。
5月10日の授業から
- [質問]
- 日本に活火山はどれくらいあるのでしょうか。
- [質問]
- 今,最も噴火しそうな火山はどこですか。富士山はいつ頃噴火しそうですか。
- [質問]
- 活火山・休火山・死火山は,どのように区別するのですか。
- [質問]
- 溶岩が噴き出したときの温度はどれ位ですか?溶岩が岩石になるには(冷え固まるには)何日くらいかかりますか
- [答]
- とりあえず,参考リンクをご覧下さい。
- [質問]
- p37(a)をみるとヨーロッパでも地震は発生しているように思いますが(日本等と比べると少ないですが)日本ほど体感できないのはなぜでしょうか?
- [答]
- ヨーロッパといっても,イタリアからギリシャにかけて,またスペイン南部はかなり地震が起こっているのが
図からわかると思います。きわめて少ないのはフランスからイギリスや,北欧です。このあたりでは地震を感じたことがない
人がいても不思議ではないでしょう。
- [質問]
- 最近カナダで石油が他の岩石に混じった状態で相当量見つかったようですが,本当でしょうか。あまり想像ができないです。
- [答]
- おそらくオイルサンドやオイルシェールのことではないでしょうか。合衆国やカナダでは古くから知られていますが,
経済的に採算が取れず利用はされていません。最近の原油高で注目されています。
- [質問]
- 浅間山は群馬県と長野県の県境にありますが,どちらになるんですか?
- [答]
- 両方です。
- [質問]
- そのへんにころがっている石は全てマグマからできたんですか?
- [答]
- 日本全体で平均的に見れば,“そのへんにころがっている石”が
マグマからできた岩石である可能性は60%以上(たぶんもっと)あるでしょう。
他には堆積岩や変成岩があります。岩石については第1部第4章で扱います。
- [質問]
- 海外の火山について,もっとよく知りたいです。
- [答]
- 英語ですが参考リンクにデータがまとめられています。
- [質問]
- 東京都に火山があるんですか?
- [答]
- 一種のひっかけ問題になったかもしれません。23区内はもちろん,
本州内の東京都には火山はありませんが,伊豆大島や,三宅島,八丈島などはすべて“東京都”です。
- [質問]
- 関東地方に大きな地震がくるといわれていますが,どう思いますか?
- [答]
- 人はいつか必ず死ぬ,というのと同じ意味では,必ず来ると思います。
5月17日の授業から
- [質問]
- 花崗岩には,建物の柱として使える位の強度があるのでしょうか。
- [答]
- はい,古くはエジプトのピラミッドから,建材として使われています。
ただ最近は装飾用の内壁,外壁としての使用が主のようです。
- [質問]
- 超塩基性の火山岩が存在しないのはなぜですか?。
- [答]
- 超塩基性のマグマが(現在の地球には)存在しないからです。
マグマはマントルのかんらん岩が部分融解して生じます。部分融解では
比較的低温で液体になりやすい成分が溶け出すため,一般にはもとの岩石よりも
SiO2に富んだ化学組成を持つマグマが形成されます。そのためかんらん岩(超塩基性岩)から
玄武岩(塩基性岩)のマグマが形成されます。もしかんらん岩を全融解近くまで融解すれば,
超塩基性のマグマが発生しますが,そのためには非常な高温(1650℃以上)が必要で,現在の地球では発生していません。
先カンブリア時代にはコマチアイトと呼ばれる超塩基性の火山岩が噴出しており,
当時は地球内部の温度が現在よりも高温だったと考えられています。
- [質問]
- 岩石の名前でひとつだけ“デーサイト”というカタカナ語がありますが,なにか理由があるのでしょうか。
- [答]
- はい。“デーサイト”(デイサイトと書くのが普通ですが)は,以前は“石英安山岩”と
呼ばれていました。火山岩の名前は,正確に表す場合は岩石名の前に斑晶鉱物の名前をつけて表すのですが,
それに基づくとこの名前は「石英斑晶を含む安山岩」という意味に取れます。以前はそれでも特に
差し支えはなかったのですが,火山岩の名称が化学組成に基づいて行なわれるようになると,
石英斑晶の有無と岩石名の間に不一致が生じる例が多数生じることになります。そのため“石英安山岩”の
名前を使わないことにしたのですが,他に適切な名前もないため,英語名をカタカナ書きすることになりました。
統一が取れず,あまり美しくはないのですが,そのような事情で使用されています。
5月24日の授業から
- [質問]
- インドとユーラシア大陸はいまもぶつかりあっているのですか。
ぶつかりあっているなら,ヒマラヤ山脈は今も標高が高くなっているのでしょうか。
- [答]
- 現在もぶつかり合っています。そのためヒマラヤ山脈は現在も隆起を続けています。
ただ,それによってどんどん標高が高くなるかと言うと,高くなるにつれて侵食も激しくなるので,
必ずしもそうではありません。
- [質問]
- プレートが沈み込んでいったら,いつかは大陸同士がぶつかってしまいますよね?
- [答]
- はい,それで大陸同士が合体してより大きな大陸が形成されます。
- [質問]
- p.104の(2)にて,枯れた植物が地中に埋まって5700年も残っているのでしょうか。土に帰ってしまうのでは?
- [答]
- はい,枯れた植物のほとんど全ては,5700年といわず,もっと短い時間で分解されてしまいます
(「土に帰る」というよりは二酸化炭素になって大気に帰るわけですが)。
ごく一部の,たまたま保存されやすい環境で残ったものだけが,年代測定に使われます。
例えば,火砕流に取り込まれて炭になったもの,湿地などに埋まったものなどです。
そのようなものは場合によっては数億年でも固体の状態で保存されます。石炭はそのようにして地下に埋まった
植物が元になっています。
- [質問]
- 地層の境界線の意味がわからなくて,クリノメーターの話が全然わかりませんでした。地層の境界線は何を基準としたどれのことなのですか。
- [答]
- 92ページの図18で言うと,薄い茶色の部分と茶色の部分が,それぞれ地層を表します。
両者はこの場合は平面で接しています。この平面が地層の層理面になります。この平面と地表面との交線を
地層の境界線と言っています。境界が平面であっても,地表面が起伏を持っている場合には,
境界線も直線ではなく複雑な曲線になります。クリノメーターではかるのは境界の平面の姿勢(走向と傾斜)です。
- [質問]
- 地質時代の区分で,中生代のトリアス紀は,昔は三畳紀と呼ばれていたものが,
なぜトリアス紀と呼ばれるようになったのですか。
- [答]
- トリアス紀(Triassic)は現在でも三畳紀と呼ぶほうが多いのではないかと思います。
はっきりと使われなくなったのは二畳紀のほうで,これはその元の言葉の“Dyas”が使われなくなって
ペルム紀(Permian)になったためです。教科書ではおそらくペルム紀の表記に合わせてトリアス紀を
第1の表記としたのだと思います。
6月7日の授業から
- [質問]
- クロマニョン人とネアンデルタール人が共存していて,われわれの祖先であるクロマニョン人が生き残ったということは,ネアンデルタール人は完全に絶滅してしまったのですか?
- [答]
- そのように考えられています。
- [質問]
- 時代の区分の○○紀という名称には,どのような由来があるのですか。
- [答]
- 例えば参考リンクをご覧下さい。
- [質問]
- 最初の直立二足歩行をした人類はサヘラントロプス・チャデンシスで覚えなおしたほうがいいのですか?それとも今もっている教科書通りに覚えたほうがいいですか?
- [答]
- 使用している教科書の「改訂版」では,
「約700万年前に二足歩行した最も原始的な人類サヘラントロプス・チャデンシスがアフリカに現れ,…」と,
記述されており,授業ではそれにそって説明しました。ただこれについては異論もあるようで,また
今後新たに化石が発見されて変わって行く可能性も十分にあるので,決定的な事実としてではなく,
現時点での認識と考えておけばいいと思います。
- [質問]
- 年代の区分表ですが,教科書にのっているものはかなり詳しい方なのですか?
- [答]
- 教科書115ページの図14は“紀”までの区分ですが,“紀”は“世”に,“世”は“期”に,
さらに細分されます。新生代については120ページの図25に“世”までの区分が出ています。
正式な完全な図はInternational Stratigraphic Chart
で見られます(英語)。日本語訳はウィキペディア「地質時代」にありますが,少し古い資料(A Geologic Time Scale 1989)に基づいているらしく,一部違いがあります。
- [質問]
- 地理の用語で安定陸塊という言葉がありますが,安定地塊と同じ意味でしょうか?分布も似てますし…。
- [答]
- きちんとは調べ切れませんでしたが,ほぼ同じ意味として良いようです。
- [質問]
- p117「古生代石炭紀に,…,森林が広がった」とあり,「それらの…,石炭のもとになった」とあるが,なぜ南半球の高緯度地域を除くのか?
- [答]
- おそらく次のページ(118ページ2行目)にあるように,「南半球では大きな氷河が発達した」ためと思われます。
ちなみに推定される当時の大陸分布では,北半球の極域は海だったようです。
- [質問]
- p112,問5の答が早くて聞きとれませんでした。教えて下さい。
- [答]
- 簡単に言えば,「石灰岩は炭酸カルシウム(CaCO3)からなり,CO2を固体として固定するため」です。
- [質問]
- 大量絶滅のある説として,“花”が裸子植物から被子植物に変わったというのを聞いたことがあるのですが…これも一説ですよね?
- [答]
- 恐竜の絶滅の原因として提唱された説で,1994年にNHKスペシャルで放映されたシリーズ
「生命 40億年はるかな旅」で取り上げられて広く知られるようになりました。ただ,
あまり有力な説とは考えられていないようです。
- [質問]
- オルドビス紀の日本での地層の具体的な場所を教えてください。
- [答]
- 岐阜県上宝村です。参考リンク
6月21日の授業から
- [質問]
- 弘前はフェーン現象が起こりやすいですか?
- [答]
- 一種の盆地地形ではあるので,起こりやすいほうだとは思います。定量的なデータまでは調べ切れませんでした。
- [質問]
- 地球と宇宙の境界はどこですか?
- [答]
- テキストの134ページにあるように,「地球の大気は上空に行くにつれてしだいに希薄になり,
宇宙空間へとつながっていく。」ということなので,明瞭な境界は存在しません。
あとは「宇宙(空間)」という言葉の定義の問題なのですが,これも地表から30kmぐらいから500kmくらいまで,いろいろあるようです。
- [質問]
- 成層圏より上には大気はないのですか?
- [答]
- 「中間圏」「熱圏」までは少なくとも大気圏ですから,
大気は「あり」ます(その先どこまで「ある」かは,これも言葉の定義の問題になってしまいます)。
- [質問]
- 大気が希薄で温度が高くても熱くないということがよくわかりません。もしそのような空間に人体がおかれたらどうなりますか。
- [答]
- 「温度」は,基本的に,個々の気体分子のもつ運動エネルギー(の平均値)により定義されます。
しかし我々が体で感じる「熱さ」は,気体分子の運動エネルギーを直接感じているわけではなく,
気体分子の衝突によって与えられるエネルギーを熱さとして感じていると考えられます。
個々の気体分子の運動エネルギーは多くても,大気が希薄であれば衝突する分子数は少なくなり,
結果として与えられるエネルギーの総量は少なく,「熱くない」ことになります。
- [質問]
- 問4が,いまいち理解できないので,説明をお願いします。
- [答]
- 「大気圧」は,その上に載っている大気の重さである,ということから,ある地点で地表での大気圧の半分になったとすれば,
大気はその地点よりも上に半分,したがってそれよりも下にもう半分がある,ということになります。
スライド「高さと気圧」を見ながら考えてみて下さい。
- [質問]
- 成層圏内のオゾンはどのくらい紫外線を吸収するのですか。また,吸収することで温度はどの程度上昇しますか。
- [答]
- 紫外線のうちで可視光との境界付近のものは地表まで70%近くが届きますが,
波長が短くなるにつれて大気圏(主に成層圏)で吸収される割合が増え,波長が0.3μmよりも短い紫外線は,
大気圏でほとんどが吸収され,地表まで届きません(教科書144ページ図1,145ページ本文)。
地球の成層圏で温度が上昇するのはオゾン層による紫外線の吸収が原因とされています。
大気組成がCO2が主で,オゾン層のない金星や火星の大気は,高度が上がるにつれて温度は単調に減少しています。
したがって仮に地球の大気圏にオゾン層がなければ,136ページ図2のグラフで,圏界面(対流圏界面)の温度と,
中間層と熱圏の境界(中間圏界面)の温度を直線で結んだような温度分布になると考えられます。
ごくおおざっぱにいえば,実際の温度分布でそれよりも高温になっている分だけ,紫外線を吸収することで温度が上昇していることになります。
- [質問]
- 温暖化が進むと水の循環のバランスは変わりますか?
- [答]
- いろいろと変化が生じることが予想されています。このことについての情報は現在大量にありますので,自分で調べてみて下さい。
- [質問]
- 今温暖化で北極の氷が解けて海面が上昇していると言われますが,もし温暖化がとまっても,
地球の温度は下がりはしないので,北極の氷が再凝固するわけではないですよね?
ということは陸が水に(途中不明)てしまったら,二度と戻らないって事ですか(隕石の衝突など特殊な状況は除いて)?
- [答]
- 北極(に限りませんが)の氷は,常に一部が融けて一部が形成されています。
融ける量と形成される量のバランスで増えたり減ったりするわけなので,「二度と戻らない」ということはありません。
- [質問]
- 気圧のところのポンプの例がわからなかった。mmHgは何と読むのですか?
- [答]
- ポンプの替わりにストローで吸うと考えて,長さ約10m以上のストローでは水が飲めない(垂直に立てるとして),といえばわかるでしょうか。
「mmHg」は,「ミリメーター水銀」あるいは「ミリメーター水銀柱」と読むようです。
- [質問]
- 断熱減率と気温減率の違いがよく分かりません。
- [答]
- スライド「雲の発達」の説明の通りです。
- [質問]
- 他の大気のある惑星でトリチェリの実験をやったらどうなるんですか。
- [答]
- 水銀柱は,それぞれの惑星の大気圧に対応した高さになります。
月の場合は大気がない(大気圧0)なので0に,
金星であれば大気圧は90気圧(テキスト11ページ)とすれば,高さは76×90=6840cmになるはずです
(金星は気温も高いのですが,その影響は無視するとして)。
- [質問]
- フェーン現象の“フェーン”という言葉はどういう起源ですか。(学者の名前とか,地名とか?)
- [答]
- “フェーン”は“Föhn”というドイツ語で,もともとはアルプス地方でアルプス山脈を
超えて吹き降ろす高温で乾燥した風に対して使われていたものが,一般名になったものです。
- [質問]
- トリチェリの実験がいまいちよく分かりません。
ふたをはずして真空部分ができるということは,Hgが管外に出ていますよね。
Hgが管外に出ようとする圧力=大気圧になったところ(76cm)で停止するのかなあと思うのですが,
大気圧がHgを押し上げる?というのがよくわかりませんでした。
- [答]
- 仮に管の口を閉じて中を真空にして,それを水銀に入れて口を開くとすると,
水銀が管に「吸い込まれる」ことになります。この場合でも,はじめに管内が完全に真空なら,
水銀柱の高さは76cmになります。
6月28日の授業から
- [質問]
- エベレストのように標高が高い山があった場合,気流の流れは変化しますか?
- [答]
- はい。ヒマラヤ山脈〜チベット高原の存在は,
東,東南,南アジアの気候に大きな影響を与えています。典型的な例は次回の授業で出てくる,
梅雨の時期のオホーツク海高気圧の形成です。
- [質問]
- 太陽光のうち,可視光線は紫外線とは違って有害ではないのですか?
- [答]
- 程度問題ではありますが,有害とはいえないと思います。
- [質問]
- 同一水平面内に気圧の差があるということは,重力にも強弱があるという事でしょうか。
- [答]
- 場所ごとの重力の差はほとんど影響を与えないはずです。温度差や大気の流れによって,
気圧の差が生じます。
- [質問]
- 亜熱帯高圧帯付近は砂漠気候になっていることがわかった。
このことに関連して,図14において30°付近の降水量よりも20°付近の降水量のほうが低くなっている
理由はあるのですか。(地軸がやや傾いているからですか?)
- [答]
- 図14を見れば分かるように,降水量分布は南北で正確に対称ではなく,
北緯30°と北緯20°では北緯30°のほうが降水量が少なく,
いっぽう南緯30°と南緯20°では南緯20°の方が降水量が少なくなっています。
このような非対称は,おそらく南北半球の海陸分布の非対称に起因すると思われますが,
詳しくは(私には)よくわかりません。
- [質問]
- 北半球では,高気圧は時計回り,低気圧は反時計回りに吹くので,
地衡風の説明の時の図(図9)では,当然右向きに吹くと考えてはいけないのでしょうか?
- [答]
- なぜ「高気圧は時計回り,低気圧は反時計回りに吹く」かを説明するのが
地衡風の概念ですので,結論を先に使うわけにはいきません。
- [質問]
- 人が人工的にコリオリの力を使っている機械や装置はありますか?
- [答]
- コリオリの力によって「動く」装置としては,7月12日の授業で説明した
フーコーの振り子が代表的なものです。実用的な装置としては,
ジャイロスコープの一種に,コリオリの力を利用するものがあるそうです。
- [質問]
- 空気と地表との摩擦でも摩擦熱は発生するのですか?
- [答]
- はい,地表が受けたエネルギーは最終的には熱エネルギーになっているはずで,
それは「摩擦熱」とみなせると思います。
- [質問]
- 圏界面が高緯度地方と低緯度地方で高さが異なるのはなぜでしょうか。
- [答]
- 大まかに言えば,大気の大循環と関連していて,ハドレー循環による上昇流の
発達する低緯度地域で高くなるということになると思います(153ページ図13)。
- [質問]
-
- [答]
-
7月5日の授業から
- [質問]
- 冬場に“台風”という言葉をニュースなどで言っているのを聞いたことがないのですが,
なぜ冬場の台風に相当するくらいの低気圧を“台風”と呼ばないのでしょうか。
何か基準でもあるのでしょうか。
- [答]
- 台風は簡単に言えば熱帯低気圧の大きいものですが,
「熱帯低気圧の発生する海面の水温は26.5℃以上で,これより低い海水温の海上ではほとんど発生しない」
(テキスト158ページ)ためです。
- [質問]
- 南極の氷が解けて海の塩分濃度が〜という未来を描いた(はずの)“デイ・アフター・トゥモロー”
はご覧になったことがありますでしょうか?ツッコミ所は多々ありましたが,
おもしろくもあり考えさせられる映画でした。
- [答]
- 見たいと思ってはいますが,まだ見る機会がありません。
- [質問]
- 「風が吹く」というのは「空気塊が移動する」ことだと解釈してもいいのですか?
- [答]
- いいと思います。
- [質問]
- 温暖化によって氷河が全て溶けると,どのくらいの国が水没するでしょうか。
- [答]
- すみませんが,ちょっと調べ切れませんでした。
- [質問]
- ジェット機の排気ガスにオゾン層を破壊する物質が含まれていると聞いたことがあります。本当でしょうか。
- [答]
- 現在のジェット機は対流圏上部を飛行しているので影響ははっきりしていませんが,
将来成層圏を飛行する次世代超音速ジェット機が実用化された場合の影響が懸念されています。
- [質問]
- 地球温暖化の原因について,一部の学者は主原因はCO2ではないと主張しています。先生は地球温暖化の原因についてどうお考えですか?
- [答]
- 難しい問題で簡単には答えにくいのですが,原因はともかく終末論的な未来予測は行き過ぎであると思います。
- [質問]
- 海洋の層構造,高校では混合層→表層,温度躍層→主水温躍層で習ったんですけど,
同じ意味ですよね?(深層は深層で習ったので)
- [答]
- 全く同等ではないようですが,調べ切れませんでした。
- [質問]
- 温暖化が進めば海流の流れ,温度,塩分などに変化はあるんですか?
- [質問]
- 今の地球の環境変化などによる気候変動に伴い,新しい気団や海流が存在しうる可能性はありますか?
- [答]
- 海流や気団に変化があり,それがさらに様々な影響を及ぼすと考えられています。
- [質問]
- 黒潮が流れているところでは,沖に行くにつれて海面が高くなっているとどこかで
聞いた覚えがあるのですが,なぜそのようなことが起こるのですか?
- [答]
- 以下のページに説明されていることだと思います。
参考リンク
- [質問]
- 寒流と暖流がぶつかったあと海流はどうなるんですか?
- [答]
- 鉛直方向には移動しにくいので,方向を変えてさらに流れて行くはずです。
日本列島付近では,黒潮と親潮はぶつかって東に向きを変え,それぞれ環流の一部を形成しています
(169ページ図2)。
- [質問]
- 「暖かい気体は寒い気体の上にくる」と教わりましたが,
逆転層が出来た場合には適用されないのですか。
- [答]
- 174ページ図7に示されている通り,逆転層の内部では,まさに
「暖かい気体は寒い気体の上に」来ています。この部分が安定した成層構造になっているため,
さらにその下に高温の部分があっても,ちょうど蓋をされたようになって,
上昇しにくくなってしまう,ということです。
- [質問]
- 海流を知るには漂流するのが一番ですか?
- [答]
- そうかもしれませんが,漂流したことはないのでよくはわかりません。
- [質問]
- 地球規模の大気の流れってどのように計るのですか?
ただの予想で実はせいかくではないとかないんですか?
- [答]
- 大気の流れを観測する典型的な方法は,雲の移動を測定することです。
これは現在気象衛星によって高精度,広範囲の観測が行なわれています。
- [質問]
- 海水中の貴金属の濃度(特に金など)はどのくらいでしょうか。
- [答]
- 銀(Ag)で0.02[nmol/kg],金(Ag)で0.00015[nmol/kg]という数字が
文献(河村・野崎[編],「大気・水圏の地球化学」)にあります。nmol(ナノモル)は,
10のマイナス9乗モル(0.000000001mol)です。
- [質問]
- 海水中に溶けているNa+をすべて食塩NaClとして取り出すと,どのくらいの量になりますか?
- [答]
- 海水の体積は約14億立方kmで,密度は1.02〜1.03g/立方cmということなので,
これと169ページの表から計算できますので,やってみて下さい。
- [質問]
- 食塩以外に,海水にある物質で,利用価値のあるものは存在しますか?あったら,その物質と利用法を教えてください。
- [答]
- 海水には,量を問わなければ,天然に存在する全ての元素が含まれているはずです。
その中にはもちろん有用な元素が含まれますが,濃度がごく小さいものが多いため,
経済的に価値があるものはわずかです。
食塩(NaとCl)のほかには,臭素(Br)が,主に海水から採取されているようです。
- [質問]
- 海にはどれくらい水があるのでしょうか?地球温暖化が進んで北極や南極の氷が溶け,海水面が上昇するということは,海水濃度が全体的に下がることになるんですか?
- [答]
- 海水の総量は約14億立方kmだそうです。氷が溶ければ海水の濃度はその分だけ低下するはずです。
7月12日の授業から
- [質問]
- 太陽が燃えつきたら宇宙はどうなりますか?
- [答]
- 「宇宙」全体に対しては,ほとんど全く影響はないと思います。
- [質問]
- 「かく速度」って何ですか?日常で使う速度と何が違うのか,よくわからなかったのですが…。
- [答]
- 「角速度」は,回転している物体の動きの速さを,原点からの方向の変化で表した量です。
「速度」=「移動距離」÷「時間」ですが,「角速度」=「移動した角度」÷「時間」になります。
- [質問]
- プラネタリウムのソフトっていくらですか?
- [答]
- 授業で使用したのは,
ステラナビゲーター8です。
私は使用したことはありませんが,フリーのものもいろいろあるようです。
参考リンク
- [質問]
- 黒点ができる理由は何ですか?黒点の数が少ない時は活動が極小というのがピンときません。
- [答]
- 以下のページの説明がわかりやすいかと思います。
参考リンク
- [質問]
- 直径1kmのクレーターを作るぐらいの大きさの隕石が,
地球に落ちてくる割合は1400年に1回とか聞いたのですが,将来地球にぶつかる可能性が高い隕石は存在しますか?
もし衝突したら一体地球はどうなりますか。
- [答]
- 差し迫った危険はありませんが,潜在的な可能性は存在するので,研究・探査が続けられています。
参考リンク
- [質問]
- 小惑星エロスって,何でこんな名前がついたんですか?
- [答]
- エロス(Eros)は,ギリシャ神話に現れる愛の神の名前に由来します。
参考リンク
- [質問]
- この前,屋上で流れ星を見ました。偶然なのかもしれないですが,岩木山側の空で3つ流れました。
見えやすい方角や好条件はありますか?
- [答]
- 方向による出現頻度の差はないと考えられていますが,
多数の出現(流星群)が予想される特定の日時があります。
2001年のしし座流星群の大出現は,記憶している人もいるかもしれません。
毎年安定して出現する流星群の代表として,ペルセウス座流星群があり,
8月12日夜から13日未明に極大が予想されています。
- [質問]
- 太陽の表面温度の6000Kというのは,Feの粒子?原子?の速さを測定してそれから6000Kと出したと化学の教科書に載っていたが,太陽の中の温度の15000Kというのは,どういう根拠ですか?
- [答]
- 太陽表面温度は,いくつかの方法で推定されていますが,代表的なのは温度と放射エネルギーの
スペクトル分布の関係によるものです(テキスト202ページ図5)。
中心部の温度については,理論計算による推定と思いますが,詳細はわかりませんでした。
7月19日の授業から
- [意見]
- 分光器が回ってきませんでした。
- [意見]
- 分光器は前を見てもまわってくる気配がなかったです。
この状態だと皆に回るまで4回くらい必要になってしまうと思います。
- [答]
- 次回7月26日に,再度(2台で)回します(回しました)。
- [質問]
- ブラックホールに吸い込まれた物質は実際どうなるか判明していますか。
- [答]
- 原理的に観測不可能(光が出てこないので情報がない)ため,理論的に考察することしかできないはずです。
いずれにせよ,私にはわかりません。
- [質問]
- 表面温度の違いで色が違うときに,色の変化(グラデーション?)が
虹の色と違うのはなぜなんでしょうか。(白とか)
- [答]
- 虹の色は,それぞれの波長の光に対応した色ですが,恒星から出る光は,
温度によって決まるピークの波長を中心として,かなり広い範囲の波長の光が混合されたものです。
そのため単一波長の光の色は観察されません。
- [質問]
- 黒点の変化の説明の中で,太陽の自転は赤道付近で約25日となっていましたが,
教科書では約27日です。ちょと気になりました。
- [答]
- よく気がつきましたね。27日は地球の上にいて太陽の表面を観察したときの自転周期で,
25日は太陽系の外側から太陽を観察したときの自転周期です。地球が太陽の周りを,
太陽の自転と同じ向きに公転しているため,地球上から観察すると地球が移動する分だけ長く見えるのです。
- [質問]
- 皆既日食は次はいつ見られますか。
- [答]
- 例えば以下のページに一覧があります。
参考リンク
- [質問]
- 部末問題の(2)がいまいち分かりませんでした。見かけの等級と絶対等級が等しければ,全部10パーセクなのですか?
- [答]
- ちょっとわざとらしい設問なのでかえってわかりにくかったのかもしれませんが,
「仮に見かけの等級と絶対等級が等しい星があったとすれば,その星はどのくらいの距離になければならないか」
ということで,絶対等級の定義を問う問題です。
- [質問]
- シリウスは1等星といいますが,そんなに明るい星に見えたことがないのですが,本当に1等星なのですか。白色矮星だからそう見えるだけでしょうか…。
- [答]
- うーん,市街地から離れた暗い場所で,空の澄んだときに見ると,ほんとうに
ギラギラという感じで見えるはずですが・・・。もし見ているのが本当にシリウスならば,
周りに人工の光が多い市街地で見ているのではないでしょうか。シリウスは南天にある恒星で,
南の空で比較的低い高度までしか上がらないので,他の星に比べて市街光の影響は受けやすいと思います。
なお,シリウス本体(シリウスA)は白色矮星ではなく,A型の主系列星です。シリウスは連星で,
伴星のシリウスBが有名な(最初に発見された)白色矮星です。
- [要望]
- 昨年の期末テストの問題・解答を参考に勉強したいので,ホームページに載せてもらえないでしょうか。
- [答]
- 掲載しました。
- [要望]
- 授業のHPの更新が遅れているようですが,感想をHPにのせなければ,
少しはスライドや質問のほうに時間をとれると思うのですけど,いかがでしょうか。
- [答]
- 更新が遅れて申し訳ありません。感想を載せることもいってありますので,
どうにか載せられるようにします。
- [質問]
- 白色矮星を構成する物質は,原子番号で言うと数百番という値を持つような
重く密度のある原子で構成されていると考えてもよいのでしょうか。
それともそれほどまでの質量のある物質になると,原子という概念ではとらえられないのでしょうか。
- [答]
- 白色矮星の段階では,構成している物質はまだヘリウム,炭素などの普通の原子核を持った
原子と考えられているようです。電子軌道の部分が縮小されているのでしょうが,詳しくは私もよくわかりません。
- [質問]
- もし太陽の数百万倍の質量の星があれば,人と同じほどの寿命になりうるのでしょうか。
- [答]
- おもしろい考えですが,さすがにそれはありえない仮定ということのなるかと思います
(それだけの質量を集める過程が想定できないのではと思います)。
7月26日の授業から
- [質問]
- 宇宙は膨張しているといいますが,その膨張面の更に外側には一体何があると考えられるのでしょうか。
何もないのですか。
- [質問]
- 高校のときから気になっていたことがあります。
宇宙は膨張しているというけれども,宇宙の外側にはなにがあるんですか??大きくなるには,
そのまわりにそれなりにスペースが必要だと思うのですが…。
いまいち宇宙の膨張についてピンと来ません。
- [答]
- 私も十分に理解しているわけではないのですが,
「原理的に観測不可能なので,考える意味がない」というのがわりと一般的な考え方と思います。
私はそれで納得しています。専門家の方はもう少し別な考えを持っているのかもしれませんが,よくは知りません。
- [質問]
- 蛍光灯と白熱灯が(スペクトルが)違って見えるのはなぜですか。
白熱灯の光が太陽宏に近いことが関係しますか
- [答]
- 白熱灯の光は,フィラメントを加熱して,その温度に対応して発生する連続スペクトルで,
本質的には太陽光と同じです。一方,蛍光灯は,管内で発生した紫外線が管内面に塗布してある蛍光体を
光らせることにより,比較的狭い波長領域の光が複数混合されて白色にみえています。よって白熱灯は
スペクトルが連続に,蛍光灯は不連続に見えることになります。
- [質問]
- 。古い星が重い元素を多く含まない理由がよくわからないのですが…。時間が経つと金属kが重いFeに変ったりはしないのですか?
- [答]
- もともとの原料物質に重い元素をどれだけ含むかという違いです。古い(種族IIの)星でも,
質量が十分に大きければ進化につれて最終的には鉄まで形成されます。
しかし,同程度の質量で同程度の年齢同士で比べれば,もともと重元素の多い種族Iのほうが,
重元素を多く含むことになります。
- [質問]
- 膨張を逆算するまではわかりましたが,そもそも現在の宇宙の大きさがわからないのに,
100億〜200億年が宇宙の年齢と判断したのはどういうことですか。
- [答]
- これも厳密な議論は私の能力を超えるのですが,おおむね次のようなことと理解しています。
銀河までの距離と後退速度の関係が決まれば,それを遠方に伸ばして行くといつかは後退速度が
光速に達します。相対性理論により光速以上の速度はありえないので,その場所を「宇宙の果て」として,
その距離と光速から計算される年齢を宇宙の年齢とみなします。
- [質問]
- 水素,ヘリウム,炭素,・・・と核融合して行くなかで,リチウム,ベリリウムなどもその過程にあると考えてもよいのでしょうか。
- [答]
- リチウム,ベリリウム,ホウ素の3つの元素は,恒星内の核融合反応では形成されません。
一般に宇宙全体での元素の存在量は原子番号が大きくなるにつれて減少するのですが,
これらの元素は核融合反応の系列では「飛ばされて」しまうため,炭素や酸素よりも存在量が少なくなっています。
これらの元素は主に高エネルギーの宇宙線が炭素,窒素,酸素などの核に衝突して破砕することによって
生じたと考えられています。
- [質問]
- 重力で引き合って星になるのに,なぜ水素ガスを主とする恒星と,固体を主とする惑星などが,しかも互いの重力をおよぼし合う距離で双種存在しうるのですか。ある程度一箇所に集まって行くのがふつうに思えるのですが。
- [答]
- すみませんが私の現在の知識ではうまく説明できません。
最近の観測や計算機のシミュレーションなどによると,惑星ができるほうがむしろ「ふつう」ならしいです。
- [質問]
- 銀河は回転しているのですか?それとも収縮しながら回転しているのですか?
- [答]
- 数回程度回転する間は特に収縮はしていないと思われます。より長期にわたる進化については
よくわかりません。
- [質問]
- 白熱灯は単色光ですか。
- [答]
- いえ,ちがいます。単色光なら分光器を通しても単一の色のみが見えるはずです。
- [質問]
- 「天の川」と「銀河」「銀河系」の違いについて,よくわからなかったです。
- [答]
- 「天の川」と「銀河」は,本来はいずれも「夜空に見えるぼんやりとした光の帯」に
対する言葉です(英語では“Milky Way”)。これが星の集団であり,太陽を含む多数の恒星の集合体である
ひとつの天体であると認識された時点で,「銀河系(the Galaxy, our Galaxy)」という概念が生まれました。
そして同じような構成の大集団が宇宙には多数存在することがわかり,それらが個々の「Galaxy」と,
呼ばれることになります。これを日本語でなんと訳すかが問題で,スライドで示したようにいろいろな
訳が提唱されましたが,結局「銀河」と訳すことに落ち着きました。そうすると多数ある銀河(Galaxy)
のうちのひとつという観点から,「天の川銀河(Milky Way Galaxy)」という言い方がされるようになったということ
です。
- [質問]
- 分光器の問題は微妙で,正直あっているのかわからなかったので,一応答をウェブに載せてほしいです。
- [答]
- 2番目の質問にあるように,連続しているのが白熱灯,不連続になっているのが蛍光灯です。
実は,26日に新しく回覧したほうの蛍光灯(2つが1台になっているほう)は,各色の幅がもうひとつのほうに比べて
広がっており,ややわかりにくくなっています。買ってから気がついたのですが,他のを探す時間がありませんでした。
- [質問]
- 教科書P215,図20の右のHR図j(球状星団M3)が,
なぜこんな分布をするのかよくわからなかったのですが…。
- [答]
- 星団を構成する恒星がほぼ一度に形成されたとすると,形成されてから
ある程度の時間が経つと,それぞれの恒星は主系列上のその質量に応じた位置に並びます。
この段階を観察すれば,図20の左のプレヤデスのような状態になっているはずです。
それから時間が経過すると,質量の大きな恒星から順に主系列を離れて巨星へと進化していきます。
大質量のB型からA型ぐらいまでが巨星へと進化したのが真ん中のプレセペの場合になります。
更に進化するとF型からG型ぐらいまでが巨星になるわけですが,この段階では先に巨星に進化した
主系列上でB型からA型にあった恒星では中心でヘリウムの核融合が始まっており,HR図上をやや左側に移動します。
この段階の恒星が巨星の位置から左に並ぶ列を形成しており,「水平分岐」と呼ばれます。球状星団M3は,
この段階の姿を見ているものと考えられます。
- [質問]
-
- [答]
-
- [質問]
-
- [答]
-
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