数ってなんだっけ?


数の構造


  1. 自然数
     数える,順番など人類の文化とも密接に関係する。

  2. ゼロ(零)の発見とインド式記数法
     紀元五,六世紀ごろインドで発見された0を含む数の記法 (現代用いられている十進法)はインドの代数学を進歩させた。 たとえばギリシャでは百をC,五百をDなど文字を用いていたので大きな数を 扱いにくい,位取りが不便で計算が複雑 (計算はそろばんなどを用いて,数字は結果等の記述に用いられた)であった。 インド式記数法 は,これらを克服して 0 から 9 までの10個の数字だけで, どのような大きな数も表すことができ,計算(筆算)も簡単, さらに大小関係も一目瞭然となる。 インド式記数法なしでは今日の科学文明は達成できなかったといわれている。 なお,インドにおいて,一二世紀ごろには 0 は数として取り扱われている。

  3. 整数
     自然数のみの問題も含めて,整数の問題は理解しやすいものも多い。しかし現代でも未解決のものも多い。ガウス曰く”数学は科学の中の女王であり整数論は数学の中の女王である”.現在でも,数学の発展に大きな寄与をし続けている.

  4. 有理数
     紀元三,四世紀ごろのインドの写本(土中から発見)によれば,ほぼ現在用いられている形の有理数の記法が存在した。また,整数は 1 を分母にする分数で表されている。さらに未知数を表す'・'を用いてる,解法は仮定法(エジプと同様)によっている。

  5. 代数的数
     有理係数代数方程式の解になっている数.たとえば2の平方根などである。この数は正方形の対角線に関連して発見されたが,ピタゴラスの信念(万物現象はすべての整数の比で表される)に反していたためにアロゴン(口外してはならない秘密)と名付けられた。インドにおいて十二世紀ごろには,有理数と無理数(超越数も含む)の区別を付けないで数として扱われている。

  6. 超越数
     有理数係数の代数方程式のの解となっていない数で,自然対数の底,円周率など重要な数を含んでいる。非常に大きな数を扱う近代科学の発展に貢献した。

  7. 実数
     数のうち無理数を含む正の数の考え方はギリシャ時代からあったが,負の数の考え方は実在性を込めて不明瞭であった。デカルトの解析幾何によって,負数の幾何学的意味(存在等も含む)が与えられ,正数と同格に数として扱われるようになった。

  8. 複素数
     ドモワブル,オイラーの複素数計算に対して,ガウスは複素数の幾何学的表示を与え,複素数と名付け,数としての性質(四則演算)と実在を明確にした。複素数は複素関数論,代数幾何学の発展の基礎となっている。 さらに物理学等とも密接に関わっている。

のホームページにもどる。