津軽地方で行われた高層気象観測

高層気象観測は,気球に観測器をつけて浮上させ上空の観測をするもので,大気の立体的な構造を知る上で重要な情報を得ることができます。
青森県では,太平洋側の三沢で自衛隊が観測を行っていますが,日本海側の津軽地方では,観測例がほとんどありませんでした。
京都大学の研究組織「生存基盤科学研究ユニット」から支援を頂き,津軽地方で高層観測を2009年の冬と夏に行い,冬の季節風と夏のヤマセを観測することができました。
観測の速報は,日本気象学会2009年度秋季大会(福岡市)で発表する予定です。
観測の実施に当たり,多くの方々,特の下記の方々にお世話になりました。どうもありがとうございました。
京都大学生存圏研究所(津田先生,古本先生,東先生),国土交通省三沢空港事務所,弘前大学農学生命科学部(伊藤先生,房先生),弘前大学理工学部・理工学研究科学生

冬季の季節風の観測は藤崎農場(FUJISAKI),夏季のヤマセの観測は金木農場(KANAGI)で行った
 観測初日のようすを報じた新聞記事(東奥日報,2009年1月25日)この画像は当該ページに限って東奥日報社が利用を許諾したものです。




 2月14日午前9時の天気図(上図)と,藤崎農場での風速の鉛直分布(下図,縦軸は気圧)。970hPaの地表から920hPa面(高度およそ500m)まで風速が弱い理由として,観測地点の上流側にある白神山地や岩木山の遮蔽効果が考えられる。

気球にゾンデ(観測機器)とパラシュートを結びつけているところ。

放球の様子。まず気球を手放し,その後,パラシュートとゾンデを手放します。

雨中の放球