第11回非静力学モデルに関するワークショップ

気象予測において数値モデルは大変重要な手段です。
これまで,流体力学における静力学平衡の仮定を前提とした数値モデルが長く使われてきました。
最近の計算機能力の向上により,細かな地形や雲を扱うことが可能になり,空気の鉛直運動の表現に制約を与える静力学平衡の仮定が問題となってきました。
そこで,この仮定を用いない,非静力学モデルの利用が広がりつつあります。

日本気象学会非静力学数値モデル研究連絡会(非静力2000)では,高精度非静力学モデルを利用した気象・気候研究の推進とモデルの開発を目的として毎年ワークショップを開催しています。

第11回のワークショップは,弘前大学大学院理工学研究科寒地気象実験室が共催し,弘前大学理工学研究科を会場として行われました。
37件の一般講演と2件の招待講演が行われ,およそ60名の研究者が全国から集まり,熱心に講演に聞き入りました。
各講演に対しては様々な質問が出され,活発な討論が行われました。

弘前大学からは,次の3件の発表(発表順、○は発表者)が行われました。

○児玉安正・佐川智孝(修卒):ブラジル高原がSACZの形成に及ぼす影響
○児玉安正・佐藤悠(修2)・古川悠也(修1):ISCCP・D1データとNICAMにみられる熱帯と亜熱帯収束帯の雲の出現特性
○石田祐宣・牛島光宙(修卒)・本間智之(修卒)・金田一真規(学卒)・久光正明:2007年に八甲田山系猿倉岳で発声した突風の数値実験

東北大学・岩崎先生によるワークショップの趣旨説明

防衛大学校・中西先生による招待講演

日本気象学会理事長・東京大学・新野先生の懇親会挨拶

集合写真