観測システムSmall-Titanの現状:
神山眞先生から情報(3月18日時点)
昨日(3月17日)、アレー強震観測システム
Small-Titanの観測センターがある建物に短時間入館して観測サーバーなどの状況を確認できました。この建物は小生の研究室のある建物(10号
館、8階建て)の惨憺たるたる室内状況と異なり、揺れは小さかったと見え、サーバーなどの機器は机から転倒することもなく、無傷でした。
電源を入れ、サーバーを確認したところ、各観測点からの地震記録データを収録するフォルダーが最初にデータを送ってきた年月日時分秒をもって作成されておりましたが、中には各観測点の記録のデータファイルは一切なく空の状態でした。
Small
-Titanは各観測点の地震記録データをディジタル電話回線ISDNの経由で自動電話をかけ、データを観測センターのサーバーへ送るとともに、各観測ス
テーションの地震計システム(耐水耐圧のセンサーとその制御装置CPUとから構成)のCPUのメモリにデータを保存するように設定されています。
サーバーにフォルダだ作成されている状況から、各観測ステーションからデータを送り始めたことは確実で、かつ中にデータファイルがないことはデータ送信中に送信系統にトラブルがあったことが推定されます。
観測センターにはUPSが設置されており、停電しても3時間は電源が保証されておりますので、この結果は恐らくISDNが停電でダウンしたことによるものと考えられます。
以
上のことから、20各観測ステーションのCPUのメモリにデータが保存されていることを祈る思いで期待しています。20各観測ステーションは3時間の無停
電源装置を有しておりますので、これが正常に作動すれば、データを保存してくれているはずだと祈る思いです。ただし、地盤に設置されている地震計のセン
サーは耐水耐圧ですので、津波に耐えることが期待できますが、高さ約80cmに設置してあるCPUはそのようになっていませんので、いくつかの観測点は津
波で水没しているかも知れません(荒浜小学校は明らかに水没)。
以上が現状です。一刻も早く、各観測ステーションを回りたいのですが、現状はガソリンがなく、身動きできません。さらに、我々が被災者で不如意が重なっております。最終のことが判明するのに今しばらく時間を要すると予想されます。