弘前大学 理工学部 地球環境学科
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卒業研究&修士論文発表会
平成19年度に行われた発表会で発表者にフレッシュな印象を語ってもらいました。
外圏環境学分野 ■大気水圏環境学分野 ■地圏環境学分野 ■自然防災工学分野
質問事項:

Q1:研究は順調に進みましたか。
Q2:研究で印象に残ったことを教えてください。
Q3:研究発表を終えての感想は?
Q4:今後の抱負を聞かせて下さい。後輩へのメッセージもお願いします。

外圏環境学分野

学部4年生 大野祐理君 「Ia型超新星データを用いた非一様性宇宙の検証」

A1:1月末まで研究を続けていたので順調とは言えませんでした。しかし、卒業論文は余裕を持って終わらせることができました。
A2:本研究では、Ia型超新星を再分析することで、ダークエネルギーによって説明されていた宇宙を非一様性という立場から説明できる可能性を示しました。私が研究で印象に残っているのは、研究が行き詰まった時です。それを乗り越えることが積み重なって自分の研究に自信を持つことができました。
A3:発表練習は5回も行いましたが、それでも不安だったので卒業論文を読み返したりしていました。それでも当日は緊張しましたが、終わった後は大きな達成感がありました。
A4:私はこれから他大学の大学院で銀河の研究を行いますが、今回行った研究の経験を生かし、よりよい研究を行いたいと思います。



 非一様宇宙モデルとflatモデルという従来のモデルの比較図。グラフの縦軸は超新星の見かけの等級で、大きいほど暗い星(遠い星)を表します。横軸は超新星の赤方偏移でこの値が大きい程、観測者に対して速く遠ざかっていることを意味します。 この図を見るとz=0.7までflatモデルと良く合うことがわかります。


学部4年生 吉藤智彦君 「モンテカルロシミュレーションを用いた衝撃波による粒子加速機構の研究」

A1:なかなか思い通りには進みませんでした。
A2:夜遅くまで同じゼミの人たちと残って研究を進めたことです。自分の所属するゼミでは"宇宙線"という、宇宙空間を飛び交う高エネルギー粒子について研究しています。ゼミのメンバーはそれぞれ異なるテーマを扱っていますが、研究を進める上で重なる部分もあります。ゼミで夜遅くまで議論して、お互いの研究に役立てられたことがとても印象に残っています。
A3:やり遂げたという達成感を味わうことができました。
A4:ある程度一生懸命になって研究に取り組んでみないと、その面白さはわからないと思います。全力で取り組んでください。


かに星雲(Crab Nebula): 超新星残骸の画像(NASAホームページより転載)。宇宙線粒子はこの超新星残骸外縁に形成された衝撃波によって加速されていると考えられています。私達は理論と観測の両方からこのメカニズム解明に取り組んでいます。


大気水圏環境学分野

大学院博士前期課程2年生 佐川智孝君 南大西洋収束帯(SACZ)の形成メカニズムの数値的・観測的研究 −ブラジル高原の影響に注目して−」

A1:途中で何回か学会発表をしたことで、途中経過をまとめられたので、ある程度は順調でした。
A2:幸運にもイタリアで行われたIUGG(国際測地学及び地球物理学連合)でポスター発表をすることができ、修士論文をまとめる大きな足がかりを得ることができました。国内で開催された学会でも、口頭発表・ポスター発表共に経験することができ、成果が残せたと思います。研究の対象が南米の降水帯だったが、数値モデルを使った研究は興味深く、「数値予報」という分野の理解にも通ずる研究でした。
A3:やっと終わったという感じです。もっと上手にまとめられれば他の人にも理解されやすい研究になったかなと思います。
A4:ゼミでは勉強以外にも様々なことが学べました。4月からは青森県内の高校で教える予定ですが、学んだことをこの先も大事にしていきたいと思います。大学院ではやろうと思えば色々なことができるはずなので、外に出せるような研究をどんどんして欲しいと思います。


 南大西洋収束帯(赤丸)の衛星画像。梅雨前線帯に類似の性質が数多く指摘されています。数値実験により、アンデス山脈だけでなく、ブラジル南東部にあるブラジル高原が、南大西洋収束帯の形成に大きな役割を果たすことがわかりました。

学部4年生 那須野広太君 「相馬川沢水化学組成の季節変化から推定された化学成分の起源」

A1:研究内容を決まるまでに時間がかかりましたが、決まってからは比較的順調に進みました。
A2:私の研究は、沢水の化学成分起源推定で、プログラム計算を行い研究を進めました。その計算が必ずうまくいくというわけではありませんが、計算結果から考えられる沢水化学成分の成因メカニズムがもっともらしかったり、計算値と実測値が一致したりすると研究がうまくいっていると実感でき、興味深く研究することができました。また、同じゼミの友達と研究について議論できたことも印象に残っています。
A3:もうちょっと説明したいことがありましたけど、「とりあえず終わった」という感じでした。
A4:弘前大学の大学院に進学するので、今の研究を続けていきたいと思います。研究する期間が卒業論文の1年間だけというのは短いと感じました。研究に興味のある人は、大学院進学も良いのではないでしょうか。


研究地点である相馬川でのサンプリング風景



地圏環境学分野

大学院博士前期課程2年生 数田文代さん 「有機熟成に伴う有翼型花粉の色調変化−人工加熱した現生クロマツ花粉と化石花粉−」

A1:初めのうちは測定方法などで試行錯誤し、なかなか順調には進みませんでした。
A2:私の研究では、顕微鏡下で花粉粒子を探し、その色調を画像解析ソフトウエアを用いて測定していました。大変だったのは花粉粒子を探すことで、毎回顕微鏡酔いに悩まされました。
A3:自分なりに一生懸命取り組んだつもりでしたが、まだまだ勉強不足だったと痛感しました。
A4:4月からは環境も立場も変わりますが。不撓不屈の精神で頑張りたいと思います。後輩の皆さん。サークル活動や研究を通してたくさんの事を経験し、大学生活を楽しんでください。


 花粉は地下に埋没し加熱されることにより色が変化します。その変化を利用して、化石の花粉が受けてきた熱の歴史を解明します。


学部4年生 H.A.君 「地震および地殻変動から推定される南千島弧の前弧スリバーの運動」

A1:英語の論文を読むことに手間取り、順調には進みませんでした。
A2:・徹夜
   ・Linuxマシンの操作
   ・読むのが難しい英語の論文
   ・結局読まなかった英語の論文
A3:疲れました。とりあえず今は眠りたいです。
A4:一つのことを研究し、結果をまとめ、発表するということは、とても良い経験でした。後輩諸君も苦労するでしょうが、一つの経験だと思って頑張って欲しいです。


オープンキャンパスのために学生が作成したポスター。右端がHAさんです。



自然防災工学分野

大学院博士前期課程2年生 川井千春さん 「青森県周辺の伝播経路Q値」

A1:本研究で求めたQ値は、とても不安定な値で、結果となるまで先生と共に四苦八苦しました。
A2:一度社会人になり、2年のブランクがあったため、初めは研究をする環境になじむことで精一杯でした。しかし、研究をすることで知識を得ることが楽しく、弘前大学の大学院に入学し研究ができて本当に良かったと思っています。
A3:修士の2年間の一つの結果として研究発表ができ、体は疲れましたが、心は充実しています。
A4:研究を通して、自分で考えて行動し、結果を一つずつ積み重ねていくことは大変ですが、とても楽しく充実しています。卒業研究や修士の期間は短いですが、研究を通じて自分を高めていってください。


 研究で用いた二重スペクトル比法の概念図(上)と実際にQ値が求められた観測点の組み合わせ(下)。観測点間を結ぶ線の太さが推定した数に対応しています。


学部4年生 西岡琢弘君 「青森県中泊町大山長根地すべりの鉱物学的研究」

A1:後期から研究を始めましたが、実験が早めに終わったので余裕を持って進められました。
A2:自分の研究は、ボーリング試料から粘土鉱物を同定するという実験がメインでした。実験は時間を掛ければ終わりますが、研究内容を理解するというのが難しいと感じました。しかし、内容を理解すればするほど、実験結果の価値がわかりますし、研究が面白くなると思います。
A3:発表は独特の雰囲気があり緊張しましたが、終わってみれば晴れて卒業できるといった良い気分です。
A4:弘前大学の大学院に進みますが、2年間悔いのない生活を送りたいです。卒業研究が大学4年間の締めにあたります。自信を持って発表にむかえるように頑張って ください。


卒業研究で調査を行なった青森県北西部、中泊町小泊、大山長根地区、地すべり第1ブロック

 粘土鉱物は脆くすべりやすい性質を持っています。粘土鉱物にもさまざまな種類があり、すべりやすさが異なっています。本研究によって、最もすべりやすいスメクタイトという粘土鉱物がすべり面を形成していることがわかりました。なお、赤線で囲まれている部分が地すべりブロックのおよその範囲です。このブロックには民家が隣接していて、既に対策工が行なわれました。