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レポートについてのコメント(根本教官)

2000年5月20日

 既に各自のレターケースに5月13日の調査のレポートが返却されており, それを受け取ったことと思います。 各レポートは2名の教官が見ており (担当は毎回変える予定です), 赤および青のインクでコメントを記入しています。 表紙に対応する色で署名しておりますので, コメントに疑問がある場合には,当該教官に質問してください。 尚,初回という事もあり,多数のコメントが書かれていますが, 主に2つの点からコメントがなされています。 1つは言い回しや表現など書式上の問題です。 これは今後徐々に覚えて行けば良い事で, 「この実験が終わる頃のレポートには教官のコメントが殆ど無くなれば良い」 位の気持ちでいて下さい。 もう1つは観察の不足で,こちらは直ちに是正しないと, 最後のまとめのレポートを作成する際に, 再調査の必要が出て来ます。 自分の観察で何が足りなかったのか, 注意しながら今回以降の調査に臨んで下さい。 その他,考察などでは論理的におかしい点もコメントがなされていますが, 今後の考察の参考として下さい。

 以下,全般的に気になった点を書きます。

露頭の記載について

 多くの情報を盛り込むべきですが,無駄に長くする必要はありません。 例えば;

「堆積岩が観察された。砂岩であった。色は青灰色で,粒度は細粒であった。」
は,
「青灰色の細粒砂岩が観察された。」
と書けば充分です。 砂岩は堆積岩ですから,わざわざ堆積岩と断る必要はありません。 以下,一つのモデルを示しますが,露頭や個人のスタイルに合わせて柔軟にアレンジして下さい。 尚,これは実在の露頭の記載ではありません。

露頭3
 本露頭では明灰色の細粒砂岩と暗灰色のシルト岩の互層が観察された。 互層全体の厚さは1.5mで,層理面の走向傾斜はN53°E12°Nであった。
 砂岩の厚さは1〜2cmで,正級化しており,上位のシルト岩へ漸移していた。 一方,下位のシルト岩とは明瞭な層理面で接していた。 砂岩は主に透明で径0.2mm程度で等粒状の岩片からなり, 褐色を呈し径0.3mm程度で板状の黒雲母も含まれていた。
 シルト岩の厚さは0.5〜1cmで,平行葉理が発達していた。 また,シルト岩には長径1cm程度で黒色を呈する広葉樹の炭化葉片が含まれていた。
 本露頭では正断層も観察された。断層面の走向傾斜はN35°W48°SWで, 落差は1.5cmであった。厚さ0.5mmで灰色の断層粘土が見られたが, 条線は認められなかった。


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