地質学実験ホーム

「地質学実験」ガイダンス資料

2000年4月12日

1.本実験の目的及び内容

 地質学実験は, 地質学的データを野外で得る為の野外地質調査の基礎を体得することを目的とする. その為4月には事前の室内での予備調査を行い, 5月から7月の前半には実際に野外に出て地質調査を行う. また,7月後半にはそれまで得たデータを室内でまとめる. 野外で行う地質調査は,調査地までの移動等にも時間を要する為, 正規の時間では行なえない. その為,本実験は5月から7月の前半にかけては土曜日に行い,水曜日には行わない. また,レポートを各調査毎に提出してもらう. したがって,本来休日である土曜日をほぼ終日費やし, レポートの作成にも多大な労力を要する. にも拘わらず2単位にしかならない実験なので,多くの落伍者が出ることが予想される. 知的欲求の充足や将来の必要性以外の理由 (例えば単なる単位の取得やハイキング)での参加は, 履修放棄につながる可能性が高い. 履修放棄は他の履修者や教官の迷惑となるので,確固たる理由のない履修は慎んで頂きたい. 数日間野外調査に参加出来なかった場合は,後日各自該当する日の調査ルートを調査し, レポートを提出すれば出席と同等に扱う.
 本年度は弘前盆地南縁周辺の調査を予定している(4月26日に確定する). 毎週の調査ルートはその都度地球環境学科掲示板(2F)に掲示する. 地形図はその都度現地でコピーを配付するが, 国土地理院発行の1/25,000地形図「久渡寺」及び「大鰐」を購入しておくと便利である. 尚,本実験の野外調査は現地集合,現地解散なので,野外での調査中はもちろんのこと, 現地までの移動等に際しても安全には充分留意すること. また,怪我等に備えて学生教育研究賠償責任保険 (理工学部4年間で3,900円:学生便覧参照)等に加入すること.
 本実験の履修に際しては, 「地質学」及び「層位・古生物学」の単位を取得していることが望ましい. また,「岩石学・鉱物学」を同時に履修することが望ましい.

2.日程

 以下の日程を予定している.野外調査は天候によっては中止するが,その場合の連 絡方法は,調査ルートの掲示に合わせて示す.
4/12(水) ガイダンス(氏家教官)[共通教育棟304号室]
4/19(水) 地形図の読図及びそれに基づく地形解析(根本教官)[同上]
4/26(水) クリノメーターの使用方と地質図学その1(根本教官)[同上]
5/13,20,27,6/3,10,17,24,7/1,8(土) 野外調査(全教官)
7/12(水) 野外調査のデータのまとめ方(氏家教官)[共通教育棟304号室]
7/19(水) 空中写真判読(佐々木教官)[同上]
7/24(月) 地質図学その2(根本教官)[同上]
10月上旬 まとめのレポート提出期限(日時は7/12に指示する)

3.野外調査の装備

 終日野外を歩くので,以下を遵守する事.尚,危険なので 移動時には荷物を手に持たない.

※ハンマー及びクリノメーターは希望者には貸与するので,丁寧に扱う事.尚,4年 次に地質系教官の元で野外地質調査を伴う卒業論文を作成するつもりの者は,この機 会に地質調査用具を購入する事を勧める.共同購入に関しては,次週(4月19日)に 説明する.尚,主要な地質調査用具(下線を付した物)を準備出来ない者の履修は認 めないので,事前に購入するか先輩等から借りておく事.

4.参考文献等

 以下に掲げた文献は,野外調査を行う上での参考文献であり,室内に於ける各実験 に関する参考文献は,その都度紹介する.

(1) 教科書

狩野謙一,1992,野外地質調査の基礎.古今書院,東京,120 p.

(2)地質学一般に関するもの

地学団体研究会新版地学事典編集委員会編,1996,新版地学事典.平凡社,東京 ,1,443+374 p.
ホームズ,A.・ホームズ,D. L.(上田誠也ほか訳),一般地質学I,II,III.東京 大学出版会,東京,756 p.
垣見俊弘・加藤碵一,1994,地質構造の解析−理論と実際−.愛知出版,東京,274p.
狩野謙一・村田明広,1998,構造地質学.朝倉書店,東京,298 p.
勘米良亀齢・水谷伸治郎・鎮西清高編,1991,地球表層の物質と環境.岩波地球科学 選書,岩波書店,東京,326 p.
木村敏雄編,1984,地質構造の科学.朝倉書店,東京,370 p.
中村一明,1989,火山とプレートテクトニクス.東京大学出版会,東京,334 p.
平 朝彦・阿部 豊・川上紳一・清川昌一・有馬 真・田近英一・箕浦幸治,1998, 地球進化論.岩波講座地球惑星科学13,岩波書店,東京,527 p.
平 朝彦・浜野洋三・藤井敏嗣・下田陽久・末広 潔・徳山英一・上田 博・竹内謙 介・住 明正・佐野有司・蒲生俊敬・井澤英二,1996,地球の観測.岩波講座地球惑 星科学4,岩波書店,東京,130 p.
横山 泉・荒牧重雄・中村一明編,1992,火山.岩波地球科学選書,岩波書店.東京 ,306 p.

(3) 地質調査に関するもの

藤田和夫・池辺 穣・杉村 新・小島丈児・宮田隆夫,1984,地質図の読み方と書き 方.古今書院,東京,194 p.
羽田 忍,1990,地質図の読み方・書き方.地学ワンポイント,共立出版,東京 ,124 p.
公文富士夫・立石雅昭編,1998,新版堆積物の研究法.地学双書29,地学団体研究会 ,東京,399 p.
三梨 昂・山内靖喜編著,1987,地質調査法.地学ハンドブックシリーズ2,地学団 体研究会,東京,303 p.
高安克巳・大西郁夫,1985,地質図学.地学ハンドブックシリーズ1,地学団体研究 会,東京,160 p.
Tucker, M., 1982, The Field Description of Sedimentary Rocks. John Wiley & Sons Ltd., Chichester, 112 p.

(4) 調査地域に関するもの

Hayakawa, Y., 1985, Pyroclastic geology of Towada Volcano. Bull. Earthq. Res. Inst. Univ. Tokyo, vol. 60, p. 507-592.
岩井武彦,1986,北村 信編,「新生代東北本州弧地質資料集」第1巻,島弧横断ル ートno. 12(十二湖−白神山−大鰐−十和田湖),地質図,地質断面図および同説明 書.宝文堂,仙台,12 p.
岩井武彦・甲田光明,1974,◆”汁愧麓楚沺ダ朕晃農林部土地改良第一課編,土地 分類基本調査「黒石」,青森県農林部土地改良第一課,青森,p. 22-38.
村岡洋文,1986,沖浦カルデラの形成年代.地質調査所月報,vol. 28, p. 293-296.
村岡洋文,1991,八甲田地熱地域の熱源系.地質調査所報告,no. 275, p. 113-134.
村岡洋文・長谷紘和,1990,黒石地域の地質.地域地質研究報告(5万分の1地質図図 幅),地質調査所,つくば,124 p.
村岡洋文・高倉伸一,1988,10万分の1八甲田地熱地域地質図説明書.特殊地質図, 地質調査所,つくば,27 p.
村岡洋文・上田 晃,1991,八甲田地熱地域の熱水系.地質調査所報告,no. 275, p. 135-152.
村岡洋文・山口 靖・長谷紘和,1983,碇ヶ関カルデラと遠部層を噴出した第三紀ク レーター型カルデラ.日本地質学会第90年大会講演要旨, p. 341.
根本直樹,1998,ii 第三系.青森県の地質,青森県観光労働部鉱政保安課,青森 ,p. 18-44.
根本直樹・山口義伸,1998,iii 第四系.青森県の地質,青森県観光労働部鉱政保安 課,青森,p. 44-59.
須崎俊秋・箕浦幸治,1992,青森県地域上部新生界の層序と古地理.地質学論集, no. 37, p. 25-37.
氏家良博・宮城一男,1989,津軽地域.日本の地質『東北地方』編集委員会編,東北 地方.日本の地質2,共立出版,東京,p. 153-158.

5.レポートについて

 野外調査のレポートは,調査毎に1通ずつと全体をまとめたもの1通を提出する. 調査毎のレポートは,当該調査の2日後(月曜日)の午後5時迄に根本のレターケースに提出する. 期限迄に提出されたレポートは,その週の金曜日迄に各自のレターケースに返却するので, 教官のコメントに留意し,次回の調査及びそのレポートの作成に臨むこと. 尚,教官のコメントにも拘わらず改善が見られないレポートには,再提出又は再調査を求める. 又,やむを得ず提出期限に間に合わなかった場合も,レポートは速やかに必ず提出する事. 各調査毎のレポートの提出が滞っている者には,履修放棄勧告をする. 全体をまとめたレポートについては,7月12日に改めて指示する.

(1) レポート作成上の一般的注意

(2) 調査毎のレポートのスタイルについて

(3) レポートによく見られる問題点

 以下にこれまで理学部の地質系野外調査実習のレポートで頻繁に見られた問題点を示す. 同じ轍を踏まないように留意する事.

6.露頭観察の手順

7.露頭での記載事項


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