構造物理化学II (20220517) M: 以下は宮本のコメント
質問カードには「良い質問」を書くのであって, ふと思いついた疑問や教科書を読んでいてあなたが理解できなかった点についての質問を書くのではない. この違いを理解していないと思われる質問が多数あるようだ.

16S2008: 
角運動量の 2 乗にはどういう意味があるのか M: 角運動量の二乗という意味がある :-p // 意味付けは人が行うことであって, 自然に初めから備わっているものではない. 自分で意味を考えればいいのでは?

18S2018: 
球面調和関数等、調和関数が存在しますがどの様な性質を持って調和となっているのでしょうか。 M: 日常用語の ``調和 (バランスよく整っている, 周囲に馴染んでいる)'' とは意味が違う. ここの ``調和'' は英語の harmonic に対応する言葉で, 例えば ``調和振動子'' はフックの法則に従って振動するもののこと. // フックのポテンシャル (放物線) に調和 (美しく整っている) を感じる人もいるかもしれませんが......

19S2017: 
ルジャンドル多項式の直行性はどのような役に立ちますか? M: 20S2027 のコメント参照

19S2022: 
日常生活において,球面調和関数はどこに使われているのでしょうか。 M: 自分で探してみればいいのでは?

19S2049: 
P222 に置いて、「この 3 方向を区別できないということが (2l+1) 重の縮退度を説明する」とあるがどういうことか?縮退していることはともかく、縮退度まで理解するにはどのような知識が必要か? M: 言葉通りでは? 何が分からないのか?? // 教科書の文章を, 話の流れや他の記述との関係を全く考えずに, ピンポイントでごく一部だけ抜き出しても理解できないでしょう. はっ! これって国語力不足ということか. // 教科書 p.220 の中ほどから $ l=1$ の場合の話になっているから, $ 2l+1=3$ となるわけだけど, これのどこが難しい話なのだろうか? // そうは言っても, 一般の場合であっても x, y, z は区別できないので, $ L$ は 1 に限定されるわけではなく, それが $ 2L+1$ 重の縮退を説明できると言われてもピンとこない.

19S2051: 
球面調和関数を実数にする意図は何なのでしょうか。 M: 本気か? // 教科書の図6.4, 6.7 等を見て考えればいいのでは?

20S2001: 
ルジャンドル多項式が直交しているのはなぜでしょうか? M: ルジャンドル方程式は同次線形な方程式なので, 固有値方程式と見ることができる. そこで異なる固有値に属する固有関数は互いに直交している. ......は, 本当でしょうか?

20S2004: 
球面調和関数は (剛体回転子の) 波動関数であるため、それ自体は物理的な意味を持っていないと考えてよいですか? M: 自分で判断できないのはナゼか? // 16S2008 のコメント後半参照 // 波動関数であることが意味を持たない理由になるのだろうか? そこのところを, 詳しく説明してください。

20S2006: 
dcosθ の説明の時、x=cosθ のとき、dx=sinθdθ と説明があったのですが、dx=-sinθdθ ではないのですか? M: 講義の時にそのように板書したのだが, 伝わっていないようで残念. // 負号については積分領域を考えればいいのでは?

20S2010: 
p.222 より、x,y,z の 3 方向を区別できないということが (2l+1) 重の縮退度をどのように説明しているのですか。 M: 19S2049 参照

20S2021: 
電子は 1/2 か -1/2 のスピン量子数を持ち、2 つのうちのどちらかに回転していますが、外部から磁場を与えると回転に影響はありますか? M: 電子スピンは, 古典力学的な意味での回転運動を意味していないので, 質問の意味がよくわからない. // 章末問題6.45, 6.46 と類似の関係が電子のスピン角運動量についても成り立つ. 詳細は専門の参考書を参照.

20S2027: 
球面調和関数が $ \DS L^2$$ \DS Lz$ の固有関数であることはどんな利点があるのですか? M: 自然は人の利となるために存在するわけではない. // 勉強すれば分かるのでは? どんなことに利用できるかは, あなたが考えて工夫すればいいのでは?

20S2029: 
ルジャンドル多項式の陪関数がや解が直行しなければならないのはなぜですか M: 20S2001 参照

20S2036: 
教科書 p222 で、回転する系では x,y,z の見分けがつかず、三方向の区別ができないことが (2l+1) 重の縮退度を説明するというのはどういうことか。 M: 19S2049 参照

20S2037: 
角運動量の 2 乗が $ \DS h^2l(l+1)$ のみなことですが、角運動量の演算子を球面調和関数に付けたらその固有値しか出ないという解釈で大丈夫ですか? M: 自分で判断できないのはナゼか? // 量子力学の一般的原理を復習する必要があるのでは? // ``演算子を関数に付ける'' とはどういうことか?

20S2042: 
球面調和関数を用いることで水素型原子の電子の軌道を求めることができますが、この関数を用いて原子や分子が結合する場合の電子の位置や電子の軌道の形を求めることはできるのでしょうか。 M: 自分で判断できないのはナゼか? // 教科書や参考書を読んで勉強すれば分かるのでは?

20S2046: 
固有関数であることからどんな情報を得られるのですか。 M: 20S2037 のコメント参照

20S2051: 
クロネッカーのデルタを 2 本の式を 1 つにまとめるのに用いられていたが、式をまとめる以外にも何か意味はあるのか? M: 何の意味の話か? // 16S2008 のコメントの後半参照

20S2052: 
球面調和関数は他にどのような場面で使われたりしますか M: 20S2027 参照

20S2053: 
ルジャンドル陪関数は、ルジャンドル多項式からどのように定義されるのか?また m=0 でルジャンドル多項式を用いることの方が物理学的に多く見られるのか。 M: 教科書にも記載されているし, 講義でも説明したのに, 全く理解されていないようで残念. // 意味不明. 何と何とを比べて ``多くみられる'' というのだろうか?

21S2001: 
ルジャンドル陪関数が直行しなければいけない理由はなんですか? M: 20S2001 参照

21S2002: 
教科書 p211 に「ルジャンドル多項式は、物理学の多くの問題に表れる」と書かれていますが、今回のように水素原子のオービタルの角度部分を求めるほかに、どのような場面で利用されるのでしょうか。 M: 物理学を勉強すれば分かるのでは? // どこで使われているかのリストを暗記しても意味がない.

21S2003: 
角運動量の 3 成分を精確に測定できないとありますがここでもまたハイゼンベルクの不確定性原理のように測定できなくなるのですか? M: 自分で考えて分からないのはナゼか? 勉強すれば分かるのでは? // ``不確定性原理のように測定できなくなる'' とはどういうことか??

21S2004: 
ルジャンドル陪関数の P1(x) と P2(x) が直交するのはなぜですか?また、直交しない場合はあるのですか? M: 理由を問われても意味があるとは思えない. 現実にその二つの関数が互いに直交しているのは事実なのだから. // 20S2001 参照

21S2005: 
ルジャンドル陪関数が直交する必要があるのは何故ですか? M: 20S2001 参照

21S2006: 
高校のうちに本日のような積分変数の取り替え方を学習しなかったのはなぜですか? M: あなたが学ばなかった理由を私が知るはずないのでは?

21S2007: 
陪関数はどんな意味をもつのか。また、ルジャンドル陪関数が直交するのはなぜか。 M: 20S2053 参照 // 20S2001 参照

21S2008: 
式 (6.23) において水素原子を考えているから m の範囲は (m≠0, |m|≦l) ではないのですか? m=0 を考える必要あるのですか? M: なぜ m=0 を考える必要が無いのか? // m は (6.20) 式で規定され, それが (6.13) を経て(6.23) になっているのに, どこがどうして m=0 が排除されるのか?

21S2009: 
ルジャンドル陪関数では m の値はマイナスにならなかったのにも関わらず、球面調和関数では m の値がマイナスになる のは物理的現象においてどのような影響があるのでしょうか。 M: 勘違いの予感. (6.23) 式参照 // それぞれの物理現象ごとに考えればいいだけでは?

21S2010: 
本日の講義で、球面調和関数の整数 m が奇数の時に因子として ‐1 をつける流派があるという旨の話をされていたと思います。 どちらも間違いではないといえばそうかもしれませんが、個人的にはせっかく値を定めることが出来たものを流派の違いのようなもので統一しないというのはとても残念なことのように感じました。 先生は (他にも同じような状況のものもあると思いますが) 球面調和関数のこの状況は界隈にとって正しいあり方だと思いますか。 M: 現実には, ベストなものと普及しているものは別物という例はたくさんある. また, 複数の流儀が並存している場合もある (例えばメートルとヤード・ポンド; 文字や言語も). そもそも今回の問題も, 現実の状況と正しいあり方 (とあなたが考えること) とが解離している. // 球面調和関数についていえば, どちらの流儀にも一長一短がある.

21S2012: 
原子のオービタルにおいてs 軌道のみ、p 軌道のみなど特定のオービタルのみを観測、測定することは可能なのですか。 M: オービタルの何を観測するのか?

21S2013: 
水素以外の原子で球面調和関数を使う場合、考え方にどのような違いが出てくるのですか M: 自分で考えて分からないのはナゼか? // 水素以外の原子は水素型原子と何がどう違うか? // 教科書 8 章や参考書を読んで勉強すれば分かるのでは?

21S2014: 
球面調和関数は水素原子以外の原子のオービタルを求めるのにも適用できますか? M: 21S2013 参照

21S2015: 
球面調和関数の符号についての説明がありましたが、符号の反転は計算過程で何かしらの不都合が生じるため用意されているのですか。 M: 波動関数の定数倍したものの物理的な意味は? // どんな計算の時にどんな ``不都合'' が生じると考えられるのか?

21S2018: 
角運動量の z 成分は $ \hbar$ の整数倍の値 m$ \hbar$ しか取らないが, 整数 m の磁気量子数はどのような意味をもつのですか M: 教科書や参考書を読んで勉強すれば分かるのでは?

21S2020: 
陪関数とはどのような意味を持つ関数ですか M: 20S2053 参照 // 陪は陪審員や陪席の陪. 陪関数は英語では associated function.

21S2022: 
球面調和関数の実数化とはどんな目的があるのでしょうか M: 19S2051 参照

21S2023: 
水素原子のオービタルではなく、混成軌道などといった複雑な軌道の球面調和関数の考え方のポイントは何ですか。 M: 混成軌道はどのように作られているのか? 教科書 10 章や参考書を読んで勉強すれば分かるのでは?

21S2024: 
ルジャンドル多項式はどういう所で利用されていますか? 物理の計算で使うのみですか? M: それを知ってどうするのでしょうか? どこで利用されているかを暗記しても意味がある勉強だとは思えないのだが...... // 利活用先を工夫して開拓すればいいのでは?

21S2025: 
角運動量の 2 乗と角運動量の x, y 成分は不確定性関係にあるのでしょうか. M: 自分で確かめてみればいいのでは? どうやって確かめればいいか?

21S2026: 
ルジャンドル多項式の解やルジャンドル陪関数が直行していなければならないのは、どうしてですか。 M: 20S2001 参照

21S2028: 
(6.25)式はどのように出されたのでしょうか。 M: 一年前期の科目 ``理工系の数学'' の教科書や物理数学の参考書を見て勉強すればいいのでは?

21S2029: 
クロネッカーのデルタが、式の場合分けを不要にする記号のようなものとありましたが、解をだす時にはクロネッカーのデ ルタはかかれていませんでした。クロネッカーのデルタは計算途中のどこでなくなるのですか? M: 意味不明, ``解を出す時'' とは何のことか? // 本気か? 具体的に何を計算するかに応じてクロネッカーのデルタが 1 または 0 になるだけでは?

21S2031: 
球面調和関数によって求めた電子の存在確率を利用すれば、共有結合などの電子を使った結合をどのように結合が起こるか予測できますか? // 球面調和関数の調和的な要素はなんですか?それとも海外の学術用語をそのまま和訳していて、特別な意味は表していないのですか? M: 教科書 9, 10 章や参考書を読んで勉強すれば分かるのでは? // 18S2018 参照

21S2032: 
教科書 p217 の 4 行目にある古典的な運動量とはどういった運動量なのでしょうか。 M: 言葉通りなのですが, 何がわからないのか? 教科書の当該箇所には (4.7) 式も指摘されているので, 関連箇所もよく読めばいいのでは?

21S2033: 
今回の講義で角運動量について正確に求めることができましたが、そうなると不確定性原理から粒子の位置が全くわからなくなるのではないか? M: 本気か? 自分で判断できないのはナゼか? // どの物理量とどの物理量との間に不確定性関係があるのか?

21S2034: 
世の中の原子がすべてボーア模型のような電子の軌道だった場合、水素原子は大丈夫だろうが、その他の原子同士の繋がり方などがおかしくなるのか?というか繋がりを維持できるのか? M: 本気か? 自分で判断できないのはナゼか? // ``大丈夫'' とは, どういうことか? 水素原子も平面につぶれているのだが...?

21S2035: 
ルジャンドル陪関数はルジャンドル多項式を用いて定義されているとあるが、ルジャンドル多項式の性質はルジャンドル陪関数においても当てはまるのか。 M: 本気か? 自分で計算してもわからないのか?

21S2036: 
$ L^2$$ Lz$ が可換であることはどのように役立つのでしょうか。 M: 自分で利活用法を考えればいいのでは? // 教科書 p.142 や参考書を読んで勉強すれば分かるのでは?

21S2037: 
式中に虚数単位があるにも関わらず、量子数が整数で出てくるのはなぜですか? // 倍関数の持つ物理的意味とは何ですか? M: どこの話か? なぜ, 式中に虚数単位がある時に整数の量子数が出てはイケナイのか? // 箱の中の粒子問題でも, 教科書では一般解を三角関数の和で書いたが, 代わりに虚数単位を用いた指数関数で書く書き方もある. 現象は同じなので, それでも量子数が整数で出てくることになる. 既習事項を理解していないということか?

21S2038: 
なぜ p.217 のプランク定数が量子力学系における角運動量の基本的な尺度になっていることが注目に値することなのですか? M: あなたはナゼ不思議に思わないのか? プランク定数は, 主としてどこで用いられている定数か? それと角運動量との関係は?? // 関係があるとは全く思われない物理現象に対して共通の基礎物理定数が関与しているとは, 自然の神秘だとは思われませんか?

21S2039: 
なぜ球面調和関数で coendon&shartley 流では正の奇数の時だけ(‐1)を因子としてつけるのですか? M: 最も大きな理由は, 昇降演算子 $ \Lpm = \Lx \pm i \Ly$ を球面調和関数に作用させた結果についてでしょう. $ \DS \Lpm Y_l^m = \sqrt{l(l + 1) - m(m \pm 1)} \hbar Y_l^{m+1}$ と一般形を書けるのは, 球面調和関数が Condon&Shortley 流儀の場合. (自分で計算してみれば分かる)

21S2041: 
角運動量の二乗が量子化されているが電子はどのように回転運動するのだろうか。そもそも回転しているのか。 M: あなたがここで言っている回転運動とは, 自転のことか公転のことか? // 電子は太陽系の惑星のように軌道上を公転運動するのだろうか?

21S2042: 
L2 と Lx は可換で同時に測定できても Lx や Ly が正確に観測できないことにデメリットはありますか? M: 本気か? 自分で考えて分からないのはナゼか? // ベクトルの長さ (の二乗) と成分の一つしかわからない (他の二つの成分は分からない) のだが, それで充分だと?

21S2043: 
ルジャンドル多項式やルジャンドル陪関数を求めるとその解が直交していると証明出来るのはなぜですか。 M: 20S2001 参照

21S2044: 
球の表面にわたって規格化直交しているということは式 6・31 のどこからわかるのですか M: 本気か? 正気か? // 関数形が規格化直交していることを数式で表すとどう書けるか? 一次元の箱の中の粒子の場合は? 三次元の箱の中の粒子の場合は? 三次元の球面の中の粒子の場合は?

21S2045: 
なぜ x=cosθ とするのですか? M: そうでないと, ルジャンドル方程式にならない. :-p

21S2046: 
教科書 P222 において、$ \DS L^2$$ Lz$ の可換、同時に精確に決めることができるのは、$ Lx$$ Ly$ についても同様に $ \DS L^2$ と同時に精確に決めることができるとありますが、この 3 つの xyz は区別できないだけで、等しいわけではないのですか。 M: 本気か? 自分で考えて分からないのはナゼか? // ベクトル量の三成分が等しいとはどういうことか? 今そうなっているのか?

21S2047: 
(6・23) の解をルジャンドルの多項式といい、m≠0 の場合の解はルジャンドル陪関数と言われるが、この時なぜ多項式と陪関数という 2 つの言葉を使い 1 つに統一しなかったのか M: 私は知りません. 名付けた人に聞けばいいのでは? :-p

21S2050: 
水素ヘリウム以外の原子で Z を求めたとき、どの軌道の電子がどのくらい遮蔽しているかまで確認することはできますか? M: どうやって遮蔽の程度を測ればいいだろうか? そもそも, 水素ヘリウムでは, どうやって遮蔽の程度を見積もったか? 同じ方法が他の元素でも使えるだろうか? 実験的に測る方法はあるだろうか? 理論的に評価する方法はあるだろうか?

21S2052: 
球面調和関数は電子の存在確率を求めることができますが、他の原子との結合しやすい電子の位置を球面調和関数を用いて求めることが出来ますか? M: 教科書や参考書を読んで勉強すればよく分かるのでは? // 原子間の化学結合を形成している電子は, 原子の周囲にどのように分布しているだろうか? $ \sigma$ 結合や $ \pi$ 結合の電子は?



rmiya, 2022-05-24