構造物理化学II (20210615) M: 以下は宮本のコメント
17s2007: 
2 個の関数の一次結合を試行関数として使ってエネルギーを求めたとき、一方の解が第一励起状態エネルギーの上限に相当しているのはなぜでしょうか。 M: 教科書 p.277 参照. // 第一励起状態の近似波動関数は, 基底状態の近似波動関数と直交していることに注意. // 得られた近似波動関数の形にも注意. 励起状態の方が節の数が多く, 関数が起伏に富んだ形をしている. このような関数を近似するにあたり, 多項式の次数とか波の波長とか, どうしたらよいだろうか. テイラー展開とかフーリエ展開とかも参考に. // ``上限'' の意味が理解できないのは, 論理的思考ができていないからか? 変分原理によれば, エネルギーの近似値 (近似解 $ \DS E_\phi$) は厳密解 $ \DS E_0$ よりも大きい ( $ \DS E_0 \leq E_\phi$). これは逆に言えば, 厳密解は近似解よりも低い値であり, 近似解を上回ることはない.

17s2045: 
レイリーリッツでエネルギーの近似値が求められますが、この近似値は厳密解と比べてどの程度の誤差の範囲なのでしょうか M: 今回の例では, 教科書の記述を良く読めばいいのでは? // 一般には教科書 p.263 の記述 ``近似的方法を使うことによってシュレーディンガー方程式をほとんど望みの精度で解くことができる'' を未だに理解されていないようで, 残念.

18s2003: 
講義では行列を使って連立方程式の解を求める方法を学びましたが、従来のように連立方程式をそのまま解くことはあまり推奨されないのでしょうか?やはり永年行列式が得られることがここにおいては重要だということですか? M: 本気か? 解き方と得られる解との関係は? 解き方が違うと, 得られる方程式の解が異なるのか?? // 行列を使わないと永年方程式を得ることができないのか? // 連立一次方程式を行列を用いた形で表記することの利点は, 解を求める過程を逆行列の一言で言うことができること. また同次方程式の場合の話も一言で説明できる.

18s2014: 
同次連立方程式において行列を用いずに代入して求めました。これは適当な答案だといえるのでしょうか M: 18s2003 の回答参照

18s2038: 
今回の系では波動関数の複素共役をとっても互いに等しくなるが、そうでない場合、波動関数が虚数の項を含むとはどういう意味なのか。 M: 別に. 元々シュレーディンガー方程式は複素係数を持つ偏微分方程式でしょ? その解 (波動関数) が実関数になる必然性があるのか?

18s2045: 
1) 合理的な試行関数を用意する方法として、偶関数を a/2 だけ移動させた関数を試行関数とするのは可能か。 // 2) 試行関数を一様でないポテンシャルの系に対し選択するときもa/2を中心に対称という条件を満たす必要があるのか。 M: 偶関数を a/2 だけ移動させた関数が, なぜ ``合理的な'' 試行関数だと言えるのか?? // 一様でないポテンシャルの系でも, 波動関数が a/2 を中心に対称になると考えるのはなぜか? // (+) 基底状態は全エネルギーが最小の状態なわけだが, それは一般にはポテンシャルエネルギーが小さい領域に粒子が存在する確率がより大きいということでは?

18s2046: 
変分法で求められる値において厳密解や実験値などのいわば目的なるものご存在する場合それらの値に近づける方法は試行関数の次数を上げる他には何か手段はないのか M: 意味不明. 教科書 7 章の意味を全く理解されていないようで残念. // 目的の値が無い場合はどうするというのか? 試行関数の ``次数'' とは何か?

19s2007: 
今日の授業の最後で E が求められましたが、そこからどのように C1 と C2 を求めるのですか。 M: 教科書や参考書をよく読んで勉強すればいいのでは?

19s2011: 
レイリー・リッツの変分法を用いて、多次元の励起状態を求めることは可能でしょうか? M: 意味不明 // ``多次元の励起状態'' とは何のことか? 教科書では一次元の系の例を示しているが, 一次元の箱の中の粒子の多次元の励起状態とは???

19s2026: 
授業で扱った E についての二次方程式の 2 つの解のうち、大きい方の値は第一励起状態のエネルギーの上限であり、この値は真の値に比べて粗いものだとありましたが、なぜ真の値に近いものではなく粗い値が得られるのでしょうか。 M: 波動関数の形を見れば自明では?

19s2029: 
講義中で C1 と C2 が無意味な解となったが、この場合使用した試行関数が不適切であったということか?ただ、逆行列が存在したために無意味な解となってしまったのか? M: 講義でも説明したのだが, 伝わっていなくて残念. // 変分法を理解されていないようで残念. 試行関数が無意味な解となったことと, 試行関数が近似解としてあまりよくないものになることとは, 全く別の話なのだが.

19s2031: 
永年方程式の言葉の由来はなんですか? M: 19s2045 参照

19s2040: 
一般に一重項状態より三重項状態の方がエネルギーが低いのはなぜですか。 M: 教科書章末問題 8.25 や参考書をよく読んで勉強すれば分かるのでは?

19s2045: 
永年方程式の「永年」とはどのような意味で用いられているのでしょうか。 M: コトバの意味が分からなければ, 辞書を見ればいいのでは? // 元は天文学で用いられた計算・言葉だそうだ.

19s2046: 
試行関数を選択する際により多くの変分パラメータを含む関数を選択すれば、より厳密解に近い値を求めることが出来るということでしょうか? M: 自分で判断できないのはナゼか? // 教科書 p.266, p.279 や参考書をよく読めばいいのでは?

19s2049: 
光はなぜ真空中でも伝わるのか? M: エーテルがあるから :-p // 物理学の基礎を復習する必要があるのでは?

19s2051: 
相関エネルギーと結合の間に大小の相関関係はあるのでしょうか? M: 

19s2053: 
意味のある解や無い解とは行列式が 0 であるから意味がある、無いのではなく計算後の解が今求めたいものに必要かどうかによって意味がある無いが判断されていて、別の方程式では行列式が 0 でない時も意味のある解になり得るということですか? M: ``non-trivial/trivial solution'' については, 以前 (教科書 2 章) で話をしたのだが, 見についていないようで残念. // 一次元の弦の振動の場合, 振幅が恒等的にゼロの状態を無意味な解と呼んだが, 物理的には静止していて振動していない弦の状態を表すという意味はある. // ちなみに trivial solution に対応する日本語の言葉には ``無意味な解'', ``つまらない解'', ``自明な解'' などのバリエーションがある.

20s2001: 
変分パラメーターを増やすと、厳密解に近くなりますが、一つではどの程度の一致が見られるのでしょうか? M: 教科書に例がいくつも載っているので, 読んで勉強すればいいのでは?

20s2002: 
永年行列式を解いて E1 と E2 が得られるとあったがどちらも近似的なエネルギーとして採用されるのか M: 変分法とか近似の思想を理解されていないようで, 残念. // 講義で変分法の初めに説明した.

20s2003: 
274 ページの永年行列式を解くと、E の値が二つ得られ、片方が基底状態のエネルギーの近似で、もう片方の解は箱の中の粒子の第一励起状態のエネルギーの上限に相当するとあるのですが、それはなぜですか?この二つの状態は何か似ている点があるのですか? M: 17s2007 参照

20s2004: 
最初に行列に逆行列が存在すると仮定したのは、その方が理解しやすいからですか M: 理解しやすいかどうかはあなたの主観. // 18s2003 の回答参照

20s2005: 
2次の永年方程式から得られる大きい方の解は箱の中の粒子の第一励起状態のエネルギーに相当するのはわかったが、それがなぜ粗いものになるのか。また、第一励起状態のエネルギーについて、これより正確な値を得る方法はあるのか。 M: 17s2007 参照 // 一般に変分法でよりよい近似値を得る方法は?

20s2006: 
E の厳密な結果とは、実験で得た結果でしょうか? M: ``E の厳密な結果'' とは何のことか? // 言葉づかいは正確に. たとえば教科書 p.264 には ``6 章で学んだようにこの問題は厳密に解ける'' とあるし, p.265 には ``厳密な結果 (式 6.44) は, $ \DS E_0 = ...... = -0.500 (......)$ である'' などと記載されている. (他にも ``厳密'' を用いている箇所はある)

20s2007: 
永年行列式から得られる E の大きい解の方の物理的な意味はなんですか M: 17s2007 参照

20s2008: 
赤外線くらいの波長域のエネルギーで分子を振動させることができ、それより短い可視光などの波長域のエネルギーで電子を励起させることができますが、例えば水に紫外線を当て続けたとしても温度は上がりませんか。紫外線を当て続けたら電子がエネルギーを吸収しきれなくなって分子の結合が切れることはありますか。 // (*) 気体と液体と固体で基底状態のエネルギーや電子を励起するためのエネルギーや分子を振動させるためのエネルギーは異なりますか。もし異なるとして、シュレディンガー方程式や変分法などで求めてきたエネルギーは三態のうちどの状態におけるエネルギーを求めているのですか。 M: 教科書 15 章や参考書をよく読んで勉強すれば分かるのでは? 微妙に誤解の予感. ``紫外線を当て続けたら電子がエネルギーを吸収しきれなくなって......'' など, 量子力学の基本原理 (教科書 1 章など) を復習する必要があるのでは? // われわれ化学者は, 一般に分子を基本単位として物質を考えるわけですが, その状況下で気体・液体・固体といった状態 (相) の違いは, 分子にとって何が違うと考えればよいでしょうか? すると, 一個の分子を取り上げてそのエネルギーを求めている計算は, 物質の状態についてどんなモデルを考えていると言えるでしょうか?

20s2009: 
永年方程式から求めた 2 つの E のうち小さい方を基底状態のエネルギーとして採用するとありますが、大きい方は何のエネルギーを表しますか? M: 17s2007 参照

20s2011: 
教科書では c1 で偏微分をしていました。c1 の複素共役でも偏微分してもよいのはなぜですか。 M: c1 と c1 の複素共役とは独立な変数ではない

20s2012: 
H11 や H12、 H22 というものは原子軌道のエネルギーを表すので、S12=S21=S=0 とおいて E を求めることを参考書で見かけます。S=0 とおいて良い理由について、S は重なり積分であるので軌道の空間的重なりを表す。つまり、原子が十分に離れていれば近似をして良いという解釈でいいのでしょうか。また S11 や S22 は原子自身と原子自身?の重なりでしょうか。 M: 記号が何を表すのかを, よくよく考えればいいのでは? // ここで H11, H12, H22 は原子軌道のエネルギーなのか?

20s2013: 
レイリーリッツの変分法において行列式を解くことによって導かれる 2 つの解 E1. E2 のうち E1 はエネルギーの近似値であるが、E2 はどの状況のエネルギーの値を示すのですか? M: 17s2007 参照

20s2015: 
教科書 p.277 で永年方程式のもう一方の解が厳密な結果とかなり差があることが述べられていますが、基底状態のエネルギーや例題7・5 の規格化された試行関数については厳密解と比べてかなり良い結果であるのに、第一励起状態のエネルギーについてだけはあまり良い結果が得られないのはどうしてか。 M: 17s2007 参照

20s2017: 
無限級数のように項を増やすことによって、より近い近似解を得ることが出来るか? M: 19s2046 参照

20s2018: 
永年方程式を解くことで、E について解くことができることはわかったのですが、変分パラメータを求めることができるのは逆行列が存在する場合のみなのですか。 M: 教科書や参考書をよく読んで勉強すれば分かるのでは? 数学の基礎を復習する必要があるのでは?

20s2019: 
c1, c2 を実数とした方が簡単かと言っていましたが、虚数を想定して計算しても連立方程式の時点で同じ結果になりますが、c1, c2 が虚数となる事はありえるのですか? M: 自分で判断できないのはナゼか? // 18s2038 参照

20s2020: 
式 (7・24) の厳密な結果はどのようにして求められたものなのですか。 M: 本気か? // 箱の中の粒子の問題は既習なのでは??

20s2022: 
連立方程式を解くためになぜ代入法ではなく行列を用いて解いたのでしょうか。代入法で解いた方が簡単だと思うのですが。 M: 18s2003 の回答参照

20s2023: 
式 7.22 が関数の一次結合であるとありますがそれは $ \DS x^n(a-x)^n$ の関数ですか? M: 自分で判断できないのはナゼか? // (7.25) 式をよく見て考えればいいのでは?

20s2024: 
c1 と c2 を変分パラメーターとして一次元の箱の中の粒子のエネルギーを求める際、2 つの関数の一次結合を試行関数として教科書では計算を行っていますが、求められた解のうち片方が第一励起状態エネルギーの上限に相当すると p277 であるのですがこれはなぜですか? M: 17s2007 参照

20s2025: 
行列について調べるとハイゼンベルク群という行列がでてきたが、これはどのような特性がありどのような計算の時に用いるのだろうか。 M: 

20s2027: 
変分パラメーターが虚数であることはないのですか? M: 元々波動関数は複素関数なので, 変分パラメータを実数に限る理由は無いと思われるが, 複素数で微分することは普通の実数で微分することほど簡単ではない. 複素解析を勉強すれば分かるのでは?

20s2028: 
今日出てきた連立一次方程式を代入法ではなく、行列を利用した方を推奨していたのはなぜですか M: 18s2003 の回答参照

20s2029: 
Be と B の間に新しい元素が加わることはありますか M: 正気か? // 原子番号 4.5 の元素とは?

20s2030: 
レイリーリッツは 2 次元、3 次元でも同じ計算方法なのか? M: 自分で判断できないのはナゼか? // ちなみに, その次元数は何を意味しているのか?

20s2032: 
講義の中では基底状態のエネルギーを変分法を用いて求めていたが、励起状態のエネルギーを変分法を用いて求めるにはどうしたらよいか。 M: 17s2007 参照

20s2033: 
変数パラメータは 0 になると確実に無意味な解になるのですか? M: 自分で考えて分からないのはナゼか? 19s2053 参照 // 試行関数の形はいろいろある.

20s2034: 
変分パラメーターは実数であるというほかに条件はあるのか M: 20s2027 参照

20s2035: 
(7・37)のもう一方の解は第一励起状態エネルギーの上限に相当してるとあり、上限を超えると第ニ励起状態に遷移すると考えられますが電子移動速度は何かと関係がありますか? M: 17s2007 参照 // 意味不明. 何が上限を超えるという話か? 上限を超えると第二励起状態とは, どういうことか?

20s2038: 
原子番号が大きくなってもリッツの変分法は 1 次元の箱の中の粒子として考えるという点は変わらないのですか。 M: 致命的に勘違いしている予感. // 原子番号が何の関係があるのか? ``1 次元の箱の中の粒子として考える'' とは, どういうことか?

20s2039: 
p.277 で、式 (7.37) の E についての 2 つの解のうち大きい方は箱の中の粒子の第一励起状態エネルギーの上限とありますが、試行関数の変分パラメーターを増やして解が 3 個、4 個となった場合、それぞれの解は何を意味するのでしょうか? M: 17s2007 参照 // 基底状態と第一励起状態の二つの状態に直交した状態とは?

20s2040: 
行列を使わない解き方は存在しますか。 M: 18s2003 の回答参照

20s2041: 
一次元の箱の中の粒子ではなく実際の粒子のエネルギーを計算する際にヒュッケル近似を用いるそうですが、その中で隣接しない全ての共鳴構造を 0 にすることがなぜ必要なのでしょうか。 M: 大きな勘違いの予感. // 一次元の箱の中の粒子と実際の粒子とで計算方法が違うとか, なぜ計算方法を変えなければいけないのだろうか? // ヒュッケル近似とは何か? どこで使われる近似か?

20s2042: 
変分パラメータについて 1 次の試行関数を用いると、どのような原子や分子でも永年行列式から基底状態エネルギーを求めることはできるのですか。 M: 自分で判断できないのはナゼか? できるできないを, 個別に暗記しなければいけないのだろうか? できる原子とできない原子があったとすると, その違いは何だろうか? // 原子や分子によって, 出来たりできなかったりすることに合理性はあるだろうか? 科学の理論とは, どうあるべきでしょうか?

20s2043: 
連立方程式をとく時、わざわざ行列を用いる必要性はどこにあるのか? M: 18s2003 の回答参照

20s2044: 
Eの値が二つ得られるが、小さい方を近似的な基底状態のエネルギーとすると、もう一つは何のエネルギーを表しているのか。 M: 17s2007 参照

20s2045: 
複素関数 S の変数を複素数 z、実部の関数を φ、虚部を ψ とすれば、S(z)=φ(z)+iψ(z) と書けます。実数関数のグラフのように従属変数の軸と独立変数の軸を書くと、2 つの実軸と 2 つの虚軸が必要で 4 次元的なグラフになって描けないように思いますが、別の書き方があるのですか?もしくはそもそも複素関数のグラフなど考えないのですか? M: グラフを描くことについて, こうしなければいけないとか, こうしてはいけない等の制限なんか無いので, 自分で工夫すればいいだけでは? // 二つの実軸と一つの虚軸や一つの実軸と二つの虚軸 ならば三次元的なグラフ?

20s2046: 
式 (7・37) のもう一方の解が第一励起状態エネルギーの上限に相当していることはどのように確かめたのですか。 M: 17s2007 参照

20s2047: 
リッツの変分法の中で試行関数を選ぶ場合に X の値を a としておいて、2 分の a を中心に左右対称であることを先験的知識として取り上げてましたが a は問題によって条件がついたりするのですか M: 本気か? // それが先験的知識なのだが......

20s2048: 
永年方程式について 「永年」 と 「secular」 の共通点は何ですか? M: 19s2045 参照

20s2049: 
変分パラメータが増えれば厳密なエネルギーの値に近づくのはなぜか。 M: 19s2046 参照

20s2050: 
永年方程式から 2 つ E の値が得られ、そのうちの大きい方の E はなぜ第一励起状態の上限に相当するのですか? M: 17s2007 参照

20s2051: 
p.277 で式 (7・37) のもう一方の解は箱の中の粒子の第一励起状態エネルギーの上限に相当しているとあるが、厳密な結果と比較するとかなり誤差があるにもかかわらずどうして第一励起状態エネルギーの上限に相当していると言えるのか?それとも値の比較以外の別の観点があるのか? M: 17s2007 参照

20s2052: 
一次元の箱の中の粒子を考えた際に出てきた a は、今回の永年方程式では考えないのですか M: 教科書 p.272 の記述や p.274 の記述をよく読めば分かるのでは?



rmiya, 2021-06-25