構造物理化学II (20200721) M: 以下は宮本のコメント
16s2040: 
分子に項の記号を用いる場合はどのようになるのでしょうか  M: 教科書 p.385 や参考書をよく読めばいいのでは?

16s2052: 
混成軌道をとっているときのエネルギー状態はどのようにして導き出すのでしょうか M: 自分で考えてわからないのはナゼか? // 普通どおり $ \DS \int \phi^* \hat{H} \phi \d\tau$ を計算すればいいのでは?

17s2007: 
再現性や検証可能性が認められて実験事実として扱われるために、回数や再現できた人数などの目安はあるのでしょうか。 M: 回数や人数に意味があるのか?

17s2028: 
量子数が変わればエネルギーが違うとのことですが、例えば p 軌道同士 (例えば py→px) での電子遷移が起こる場合でも、発光などが起こることはあるのでしょうか?また、そのような電子遷移を観察する方法はあるのでしょうか? M: はて? ``量子数が変わればエネルギーが違う'' と, 最近どこで誰かが言いましたか? // p 軌道同士での電子遷移って, d-d はラポルテ禁制ですが? 遷移エネルギーは, どの程度のものでしょうかね?

17s2029: 
フントの規則の 3 番目において、副殻の半分以上あるいは半分以下の占有によって基底状態が決まるのはなぜなのか。 M: そりゃ, $ L$$ S$ が同じであっても $ J$ が異なる状態・項が存在するのだから, そのどれかが基底状態になるでしょ.

17s2037: 
$ (2p)^2$ において、 $ \DS m_{l_1}=+1$, $ \DS m_{l_2}=-1$ のときと、 $ \DS m_{l_1}=0$, $ \DS m_{l_2}=0$ のときでは、$ \DS M_L$ はどちらも 0 だが、このふたつの状態は区別可能か。 M: 状態は ($ L$, $ \DS M_L$) で指定されるのだが, これは単一の ($ \DS l_1$, $ \DS m_{l_1}$, $ \DS l_2$, $ \DS m_{l_2}$) からできているわけではない. // 基底系の変換 (ユニタリ変換) と言ってみるテスト

17s2045: 
クープマンズの近似と実験値が少し誤差があるのはどのような要因ですか? M: 20200714 の 16s2008 参照

17s2047: 
フントの規則は全ての原子に対して適用可能なのか。例外はあるのか。 M: 全ての原子, イオン について調べていませんので, 私は知りません. 普通に取り扱うことのできる元素 (周期表で第三周期くらいまでの典型元素や第一行目くらいの遷移元素など, 根拠や出典は無い) について, フントの規則に従っていると考えるものだと思われます.

17s2051: 
表8・3 の実験値とはどのような実験で求めることができるのか M: 私は知りません. 原著論文にあたってください. // 教科書 9 章以降に掲載されている図や, 参考書に掲載されている図から推定すると, 光電子分光法を用いていると推定されます.

18s2004: 
電子状態 (項記号) によるエネルギーの違いはどのようなものですか。 M: 意味不明. どのようなものって, エネルギーはエネルギーでしょ. 何が聞きたいのかわからない. // ハミルトニアンを詳細に検討してみれば?

18s2006: 
フントの規則の S が同じ時、L を比べて大きい方がエネルギーが低いということですが、電子間反発が少ない方が安定ではないのでしょうか。実際に本日の講義での $ ^1D_2$$ ^1S_0$ を比べた時、L が大きいのは $ ^1D_2$ ですが、電子間反発が少ないのは $ ^1S_0$ だと思いました。 M: 思うだけならあなたの勝手だが, どういう根拠があって, $ ^1S_0$ の方が電子間反発が少ないとの判断なのでしょうか? // L=1 は ( $ \DS m_{l_1}$, $ \DS m_{l_2}$)=(1, 1) だけですが, L=0 は (1, $ -1$) と (0, 0) の混合ですから, 後者の方が電子間の距離は小さくなりそうですが?

18s2009: 
フントの規則の 3 つめの法則には半充填の場合の記載がありませんが、半充填の場合にはどのような軌道でも 3 つめの法則を適用するような電子の状態にはならないということですか? M: 自分で考えてわからないのはナゼか? // スピン多重度が最大になるような半充填では必ず $ L=0$ なので, $ J$ は実は $ J=S$ しかない.

18s2014: 
電子スピンにおいて、先に電子オービタルを求めて後に項記号を求める手段では駄目なのですか M: 意味不明. 先に電子オービタルを求めるとは, どういうことか? 具体的に何をどうすることか? // 多電子原子の波動関数について, わたしたちはオービタル近似を採用している. これで得られる波動関数は, ハミルトニアンの厳密解ではない. 厳密な電子オービタルは得られない.

18s2018: 
最も安定なものの求め方は分かったのですが、仮に安定する順に並べよと言われた時どう考えれば良いでしょうか。 M: p.328 の (8.55) 式で系のエネルギーを求める.

18s2027: 
フントの規則に関してのお話がありましたが、フントの規則に当てはまらないものは存在するのでしょうか? M: 17s2047 参照

18s2030: 
フントの規則において、「S が最大」 の条件を満たしたとき、なぜ J の大小を考えずに基底状態を決定しても良いのですか? M: 19s2021 参照

18s2032: 
最低エネルギー、基底状態がどれかを求める時にフントの規則を用いていましたが、別な方法はありますか? M: 18s2018 参照

18s2034: 
項記号を考えるときに閉殻した軌道は無視して考えたが、閉殻した軌道に含まれる電子との相互作用は無いのか? M: 自分で考えてわからないのはナゼか? // 項記号を考えるときに, 電子間の相互作用の大小が問題になるのか?

18s2038: 
炭素の基底状態が項記号で三重項の P で J=0 のときであるとわかったが、電子配置ではどのときであるか示すことができるのか。 M: 項記号の意味・意義を理解していないようで, 残念. // 教科書 p.322 からをよく読めばいいのでは?

18s2043: 
金属には低スピン状態や高スピン状態があるが、これらは項記号に影響はあるのか?また、影響があるならどのように影響するのか? M: 自分で考えてわからないのはナゼか? // 低スピンと高スピンとで, 何の値がどう違うのか?

18s2045: 
項記号に主量子数の情報を与えようとすると、どういう表記になりますか。 M: そういう例があるか, 教科書や参考書をよく読めばいいのでは? // そもそも項記号は何による状態の分類か? どういう物理量の結合を考えているか? // それに主量子数 $ n$ は, どう寄与するか?

19s2001: 
$ (np)^2$ の項記号を求める際の $ L=2$, $ S=0$ についてと $ L=0$, $ S=0$ のどちらにも $ \DS M_L=0$, $ \DS M_S=0$ が含まれているのはどういうことですか。 M: 別に. 見たままの, $ \vec{L}$ の z 成分が同じだったというだけでしょ. // 17s2037 参照

19s2002: 
遷移が禁制というのは全く遷移しないというわけではなく、ほんの少しは遷移すると無機化学では考えましたが、例えば禁制である $ \DS ^2S → ^2D$ 遷移についても遷移を考えることはありますか。 M: いいえ, 禁制は禁制です. 遷移確率は厳密に zero です. しかし実際は, 理想的な状態からのズレがあり, そのために ``近似的に禁制'' とか, ``禁制がわずかに破れる'' ということになります. // 無機化学で言えば, 遷移金属イオンの d-d 遷移は ラポルテ禁制 ですが, 現実には可視部に弱い吸収があって薄く色がついて見えます. d-d 遷移が禁制なのは, 遷移金属イオン周りの配位構造が $ \DS O_h$ とか $ \DS D_{4h}$ とかの場合です. しかし実際の分子・イオンは, 周囲の溶媒などの環境も含めて考えれば, 整った構造を持つ $ \DS O_h$ 等ではないし, そもそも分子内振動運動をしているため, 平衡構造としては整った構造かもしれないが, 振動の途中の位置では分子構造はひずんでいると言ってもいいわけです. 私たちにとっては瞬間的な構造の歪みかもしれませんが, フランク-コンドンの原理に従えば, 電子遷移に比べて分子内振動運動は非常にゆっくりであって, 核は止まって見えるわけです.

19s2004: 
どうして先生が 1 回目で求めた 15 通りがだめなのですか M: 重複があるから. と説明したのだが, 伝わっていなくて残念.

19s2005: 
1 つの電子配置に対して複数個存在する項記号の中で基底状態はどう判断するのか M: だから ``フントの規則'' だと, 講義の最後に紹介したのに伝わていなくて残念.

19s2006: 
半充填よりも電子が多いか少ないかで基底状態の判断をする J の値の大小が変わるのはなぜですか。 // $ \DS M_s$$ \DS M_L$ の値が 0 とのとき、$ S$$ L$ の値の区別をすることはできるのか。 M: 教科書 (8.55) 式参照. 半充填よりも電子が多いか少ないかで, スピン軌道結合定数の符号が違うので, $ J$ の大小に対するエネルギーの大小が逆転する. // 17s2037 参照 // 副殻を閉殻にするための電子数は $ (2 l + 1) \times 2$ である. これを $ p$ とすると, 副殻に $ n$ 個の電子が入ったときと, $ p-n$ 個の電子が入ったときは, 全く同じ項記号が発生する. 後者は閉殻から電子が $ n$ 個抜けたものであり, 言い換えれば, $ n$ 個の正孔が入ったものと考えられる. このためスピン軌道結合定数の符号が反転していると考えればよい.

19s2007: 
フントの規則について、全オービタル角運動量や全スピン角運動量が最大のものが基底状態をとるのはなぜですか。 M: 18s2018 参照

19s2009: 
フントの規則より、L と S が同じ場合エネルギーの状態が副殻によって変動するのはなぜですか? M: ちょっと意味不明. ``副殻によって変動する'' とは, 具体的に何がどうなるという話か?

19s2010: 
相関エネルギーは具体的に言うとどのくらいの数値で大きい、小さいと定義されるのか。 M: あいかわらず論理学がわかっていない予感. 定義など, あなたが好きに行えばよい. (他と矛盾する定義すら可能.) // 教科書の記述では, 化学結合エネルギーと同程度であるので, どうだと言っているか?

19s2011: 
LS 結合で決定されたある原子の項記号は、その原子のエネルギー準位図と何か関係があるのでしょうか? M: 自分で考えて分からないのはナゼか? // ある電子配置から発生した電子項は, それぞれ固有のエネルギーを持つ. これらを図示したものは何か? 教科書の図8.3, 8.4, 8.5 等はどうやって描かれたのだろうか? (ちなみに後二者は, グロトリアン図 と呼ばれている)

19s2012: 
フントの法則の 3 つめについてなのですが、副殻がどれくらい占有されているかによって最安定の判別が逆になるのはなぜですか。 M: 19s2006 参照

19s2013: 
原子同士が結合するとき、これらの項記号によって表される状態が関係してくるのか。 M: 教科書 9 章や参考書をよく読んで勉強すれば分かるのでは?

19s2014: 
重い原子についても LS 結合は適応できますか? M: 個別の電子のオービタル角運動量 $ \DS \vec{l}_i$ とスピン角運動量とを合成して全角運動量を得る方法として, LS 結合 と j-j 結合 の方法がある. 原子番号の小さいほうでは前者が適していて, 原子番号が大きい重原子では後者の方法が適している (その方が状態を記述する良い量子数になっている). しょせんは, どちらがより良い量子数か, より良い表現になっているか, という ``程度'' の問題.

19s2015: 
安定な状態を取る $ \DS m_l$$ \DS m_s$ を求めるにはどうすればいいのか M: 17s2037 参照

19s2016: 
フントの規則(3) S, L とも同じなら, 半充填よりも電子が少ないと J が最小のもの, 半充填よりも電子が多いと J が最大のものが基底状態になるのはなぜか. (p.327 に経験的法則に従っているとあるので, こうなるとしか言えないのか.) M: 19s2006 参照

19s2018: 
$ (np)^2$ の電子配置で、$ L=2$, $ S=0$ の時に選ばれた $ m_l=0$, $ m_s=0$ には、$ L=2$, $ S=0$ の時選ばれず、$ L=0$, $ S=0$ の時に選ばれた $ m_l=0$, $ m_s=0$ との違い (選ばれた or 選ばれなかった理由) はありますか?この場合はミクロのものとして区別できないものとしているという認識でいいのでしょうか? M: 17s2037 参照

19s2019: 
炭素における 15 通りの電子配置の状態は場所によって確率的に存在することはありますか。 M: 全然違う, 全くの見当違い.

19s2020: 
フントの規則により最低エネルギー、基底状態を求められましたが、励起状態もフントの規則により求められるのでしょうか。 M: 本気か? フントの規則は, 何を決める規則か? // 18s2018 参照

19s2021: 
三重項が一重項よりも低いエネルギーをもつのはなぜですか。 M: スピン多重度の異なる状態のエネルギーは, ハミルトニアンのスピン交換相互作用 $ -2J {\bm S}\cdot{\bm S}$ (ここの $ J$ は量子数でなくて交換積分) の項による寄与が大きい. これは $ 10^{-1} \sim 10^2$ cm$ ^{-1}$ 程度のエネルギーである. // 三重項では二つの電子のスピンの向きが同じである. スピン磁気量子数が同じ電子は, 同一の空間を占有したがらない (パウリの排他原理のおなじみのバージョン). すなわち電子間距離は, 一重項の時よりも離れると期待される. このため電子間のクーロン反発エネルギーが小さくなる.

19s2022: 
J の値によっては、同じ原子であっても違う性質が表れてくるのでしょうか。 M: 自分で考えて分からないのはナゼか? // 分光学的に遷移エネルギーの異なるピークが複数観測されていて, それぞれが電子項に帰属されている. ということは, 異なる遷移エネルギーを持つという異なる性質を持っているというわけだ.

19s2023: 
フントの規則1. 2 は分かりましたが、フントの規則3 において、副殻の半分以上、半分以下の占有によって最安定の状態が決まるのはなぜでしょうか。 M: 19s2006 参照

19s2024: 
例題8.8 では、最安定状態は $ {}^3P_0$ であることまで示していたが、フントの規則より基底状態を決定する時、解が 2 つ以上ある場合は示さなければいけないのか。 M: 本気か? まさか ``基底状態'' の意味を理解していない?

19s2025: 
項のエネルギーの差は実験的に確認することは可能ですか M: 自分で教科書をよく読んで勉強して, それでもわからなかったのでしょうか? // 例題8.10 参照

19s2027: 
基底状態を求めるときに、フントの規則が当てはまらないときはどうするのか。 M: 19s2014 参照

19s2028: 
LS 結合で電子の結合状態を表すことができないのはどんな場合ですか? M: 19s2014 参照

19s2029: 
全エネルギーと 1 電子オービタルの合計が異なるときの差は電子から影響を受けたために生じているのですか? M: 20200714 の 18s2045 参照

19s2030: 
フントの規則によると L と S が同じ場合、副殻に半分より少なく占有されているか、多く占有されているかで最低エネルギー状態が判断できるが、そのように判断できるのはなぜか? M: 19s2006 参照

19s2031: 
フントはフントの規則でよく聞きますが、他にどういった研究をなされていたのですか? M: 本人に聞けばいいのでは? :-p // 読書感想文(仮) のネタか?

19s2032: 
$ np^2$ 軌道について ml と ms の組み合わせを考えた時、Ms、Ml の値が同じ場合の組み合わせは区別できますか。 // フントの規則において、半充填より電子が多い場合と少ない場合で j についての条件が異なるのはなぜですか。 M: 17s2037 参照 // 19s2006 参照

19s2033: 
全角運動量 J は L+S で与えられるのになぜフントの規則において S も L も同じ値のとき J で比較することができるのですか? M: 微妙に誤解の予感. // 与えられた L, S から複数の J が発生する場合がある (L+S, L+S-1, ..., |L-S|) から.

19s2034: 
項記号の決定の際に電子が一つ上の軌道に飛び出る (励起状態) 場合どのように考えられるか。 M: 本気か? // 別の電子配置になる.

19s2035: 
基底状態を調べるとき、フントの規則を用いる方法以外に方法はあるのか。 M: 19s2006 参照

19s2036: 
項記号はあるひとつの電子配置を決定しますが、これにより基底状態の電子の軌道への入り方を決定することができるということでしょうか? M: 微妙に勘違いの予感 // 電子配置から (複数の) 項記号が発生するが, 項記号から電子配置を決定することはできない. まず, 原子オービタルの主量子数に関する情報は項記号に含まれていないし, 全オービタル角運動量・全スピン角運動量・全角運動量を同じくする別の電子配置も考えられる. さらに $ L$, $ M_L$, $ S$, $ M_S$, $ J$, $ M_J$ 等で表される状態は, $ l_i$, $ m_{l_i}$, $ s_i$, $ m_{S_i}$ 等で表される状態と一対一対応していない. 17s2037 参照

19s2037: 
電子の数がもっと多くなっても LS 結合で電子状態を見ていくことは可能なのか。 M: 自分で判断できないのはナゼか? // LS 結合の考え方に, 電子数の上限はあったか?

19s2038: 
フントの規則が授業の最後に出てきましたが、この規則は基底状態だけでなく励起状態においても役立つ規則ですか? M: 19s2020 参照

19s2039: 
項記号で L と S が同じでJの値で最もエネルギーの低い電子配置を決める場合、電子が半充填よりも多いか少ないかで J の値が最大か最小かが変わりますが、これは何が影響しているのでしょうか。 M: 19s2006 参照

19s2041: 
電子配置と項の記号で表される自然界の原子の各々の状態は確率的に決定されているのか。その比が大きいものが、いわゆる物質の性質に反映されるのか。 M: 量子力学の本質を理解していないようで, 残念. // 量子力学的粒子の振る舞いは, 決定論的か, それとも確率論的か? // 物質のその性質は示強性か示量性か?

19s2042: 
フントの規則のところで、なぜ最大の全スピン角運動量 S が最大の時にエネルギーが最も低くなるのですか。 M: 19s2021 参照

19s2043: 
三重項状態と一重項状態のエネルギーの差はなにか M: 19s2021 参照

19s2044: 
1 電子のエネルギーの和と全エネルギーの値は差がありますが電子の数が増えれば差も大きくなるのですか M: 自分で考えて分からないのはナゼか? // 20200714 の 18s2045 参照

19s2045: 
なぜ閉殻は項記号で表さないのか? M: 激しく勘違いの予感. // 教科書 p.319 や例題8.4 をよく読めば分かるのでは?

19s2046: 
原子番号が小さい原子のみ選択律が当てはまるのはどうしてですか? M: 自分で教科書 p.329 や参考書ををよく読んで考えて分からないのはナゼか? // 教科書 (8.55) のハミルトニアンおよび p.329 参照. 選択律は摂動項 $ \DS \hat{H}^{(1)}_$SO がない場合の非摂動波動関数で記述される状態の話. すなわち $ \DS l_i$, $ \DS m_{l_i}$ が良い量子数として働く場合. 非摂動波動関数が摂動項まで含んだハミルトニアンの解により近いのはどういう時か? //19s2014 も参照

19s2047: 
$ \DS L_z = Σl_{z_i} = Σm_{l_i} = M_L$ のところの $ \DS M_L$ はなにを表していますか m の角運動量ですか? M: 本気か? // 数式に記載されている通りの $ \DS L_z$ // 角運動量量子数と磁気量子数との関係について, 復習する必要があるのでは?

19s2048: 
授業の後半で、L=2, S=0 の ml, ms の組み合わせ 5 つに 〇、L=1, S=1 の ml, ms の組み合わせ 9 ついてに □ をつけるなどして、区別していましたが、それらの組は明確に分けられるのですか? // (ml, ms)=(0, 0) というように組み合わせが同じであっても、〇 のものと □ のものに分けられていたため、そこの区別はどのようにしているのか気になりました。 M: 17s2037 参照

19s2049: 
例えば 2p 軌道に電子を二つ入れるには 15 通りの電子の入り方が存在するが、その 15 通りの電子の入り方の差異によってエネルギーの他にも性質的な違いは発生するのか? M: 本気か? // $ \DS (2p)^2$ の電子配置から 5 個の項が発生するわけだが, これらの項は何に基づいて記号が書かれるのか?

19s2050: 
全オービタル角運動量と全スピン角運動量は最大のものの方が最安定であるのに対し、全角運動量が最大のものが最安定というわけではないのはなぜですか。 M: 19s2006 参照 // $ L$$ S$ との (磁気的な) 相互作用のため.

19s2051: 
イオン化エネルギーの実験値の求め方はありますか? M: 自分で考えて分からないのはナゼか? 定義通りに, イオン化するために必要なエネルギーを測ればいいのでは? // エネルギーは, 光または電気 (電圧) として供給する.

19s2052: 
項記号で電子の状態を分けることによってエネルギーを考えるうえでメリットとなる点はありますか? M: 講義で何度も言ったのだが, 伝わっていなくて残念. // 電子配置が同じでも, $ \DS m_l$, $ \DS m_S$ の組が異なればエネルギーが違うかもしれないと. 実験的には有名なナトリウムの D 線のわずかな分裂だと.

18s6025: 
教科書 p.320-321 では、励起状態のヘリウムについて、$ L=0$, $ S=1$ の時、$ J=1$$ L=0$, $ S=0$ の時、$ J=0$ となっています。後者についてはわかるのですが前者については、$ J=1, 0$ の二つの値を取らないのはなぜでしょうか? // 例題8.8では、フントの規則によって基底状態の項記号を求めるようになっていますが、 基底状態以外の項記号についても、フントの規則を使ってエネルギーの大小関係を決める ことはできますか?例えば、例題8.8 の炭素原子の場合は、 $ ^3P_0 < {}^3P_1 < {}^3P_2 < {}^1D_2 < {}^1S_0$ と考えることはできますか? M: 本気か? $ J$ は L と S とのベクトル和から求められるというのが基本. 一方のベクトルの大きさがゼロの場合, ベクトル和の結果 $ L+S$ から $ \vert L-S\vert$ まで, 何通りか? // 19s2020 参照



rmiya 平成32年7月27日