分子分光学 (20200713) M: 以下は宮本のコメント
16s2008: 
遷移が 0-0 で起こる時フランク・コンドン因子の値が大きい場合と小さい場合では、核間距離がそれぞれどういう状態であるといえるのか M: 講義で説明したのに, 伝わっていなくて残念. // フランク-コンドン因子の大小の違いが生じるのは, どうしてか?

16s2043: 
基底振動状態と励起振動状態の電子ポテンシャルエネルギー曲線のずれで振動遷移の強度の位置が変化するとありますが、今までの講義での一電子励起が許容か禁制かの関係性はありますか。 M: 著しく誤解の予感. まずは電子および振動のエネルギーレベルがどうなっているか, 正しい描像を身に付ける必要があるのでは? // まずは ``基底振動状態と励起振動状態の電子ポテンシャルエネルギー曲線'' という出だしから眩暈が......

18s2045: 
スペクトルで発生するギザギザの部分で 0→1, 0→2, 0→3 の順で波が出てくるとのことだったが、0→1, 0→2 の順なのは納得がいくのだが、1→2 と 0→3 といったように、遷移する順番はどのように判断できるのでしょうか M: ``遷移する順番'' が, 何のことを言っているのか分からない. // 1→2 のようなホットバンドは, 始状態として電子基底状態で振動励起状態に分子が存在しなければいけない. その数は, 電子基底状態で振動基底状態にいる分子の数と比べてどの程度の割合か? 実際に計算してみればいいのでは?

18s2051: 
フランク-コンドンの原理の説明で用いられた基底状態と励起状態の二種のポテンシャルエネルギー曲線について、励起後の曲線が基底状態の曲線のほぼ真上にあり平衡結合長がほぼ変わらない場合と少し平衡結合長が長くなるようにずれている場合とで、(りん光、蛍光のスペクトルが遷移時のエネルギー差に対応してギザギザで観測されることを除いて) 失活過程に違いはありますか。 M: 振動構造の相対強度は, 講義でも説明した通り, フランク-コンドン因子の大小による. フランク-コンドン因子とは, 振動波動関数の重なり積分である. したがって他にも波動関数の重なりが異なる可能性があり, それは遷移確率に関係していると考えられる. 失活過程であれば, それは無輻射遷移速度定数の大小に関係していることになり, 発光の量子収率にも効いてくる.



rmiya 平成32年7月20日