分子分光学 (20200518) M: 以下は宮本のコメント
16s2008: 
要素間の演算が考えられない状況とはどういう事か M: どこでそんなことが起こるのでしょうか? // 何かの勘違いか? // どんな演算を考えるかを明示しないで, 整数の集合は群を成すか? と問われてもナンセンスだということ. という話?

16s2019: 
0を除く全ての実数と乗法の集合は群の定義を満たすのか。 M: 自分で考えて分からないのはナゼか? // 群の定義に基づいて考えればいいだけでは? // 数と演算を合わせて一つの集合を作るとは??

16s2043: 
群の定義5で紹介された交換則が成り立つ時と成り立たないときで群の構成する要素に変化はあるのか。 M: 自分で考えて分からないのはナゼか? // 交換則は群の要件ではない. // 何か勘違いしているようだが, 交換則が成り立つ群や成り立たない群が, それぞれ存在するだけ. 交換則が成り立たない群を交換則が成り立つようにすると (って, どうやって??) 群の要素が増減する (なぜ?) 等ということが起こるわけじゃない.

17s2001: 
C3のマイナス一乗という対称要素が存在するということは、C2のマイナス一乗も存在するのか? M: 自分で考えて分からないのはナゼか? // $ \DS C_3^{-1}$ は ($ \DS C_3^2$ と実質的に同じで), $ -120\Deg$ 回転 (または $ 120\Deg \times 2 = 240\Deg$ 回転) という操作である. それと同様に考えれば......

18s2016: 
共役についてですが、二つの対象要素の共役の組み合わせだけでなく、三つ以上の対象要素による共役の組み合わせというものは存在するのでしょうか M: ある意味で, 理解できていない人の典型か? // 重要な用語の意味を正確に理解していない. 二つの要素 $ a$$ b$ が, $ \DS c^{-1}*a*c = b$ の関係にある時, ``$ a$$ b$ を互いに共役である'' というわけで, ここに三つ以上の要素が共役という話は出てこない. (共役 を昔は 共軛 と書いたそうで, 軛は牛を二頭横並びで縛り付けて車を引かせるための横木の事なのだそうだ) // もしも $ c$ とは別の $ z$ を用いると $ \DS z^{-1}*a*z = y$ となったとすると, もちろん ``$ a$$ y$ は共役だ'' ということになるが, だからといってこのとき ``$ a$, $ b$, $ y$ の三者が共役である'' とは, わざわざ言わないだろう.

18s2018: 
覚えるべき事として類と共役が出てきましたが、類と共役の違いが分からなくなりました。どう違いますか。 M: 共役は二つの要素の間の関係. 類は群の部分集合のことで, その要素は二つとは限らない. // もしも要素が a と b の二つの類があれば ``a と b は互いに共役である'' と ``a と b とで一つの類を作る'' と言う. きちんと理解してください. // 18s2016 も参照 // 例えば $ \DS \{a, b, c, d, e\}$ という位数が 5 の群があったとして, 任意の要素 $ a$ に対して $ \DS r_i^{-1} a r_i = a_i$ を考える. ただし $ \DS r_i$ は群の $ i$ 番目の要素であって, これは $ a$$ \DS a_i$ とが共役であることを意味している. ここで $ i = 1...5$ のときの $ \DS a1, ..., a_5$ は類を作る. ($ \DS r_i$ は必ず単位元を含み, 少なくともその時は $ \DS a_i = a$.)

18s2045: 
(1)点群の要素で閉じている場合の a*b=cの場合はa≠b≠cなどの条件である必要はないのか。 (2)Sn、回映対称の操作は、「Cnの第一の操作にiの第二の操作を行ったもの」と定義されているように、他の4要素と違いはっきり独立している操作ではないため、今回学んだように「Cnの第一の操作にiの第二の操作を行ったもの」と表現することが可能であるにも関わらず、それが定義される対象要素である理由は何か。 M: (1) 群の定義は説明したとおりである. // 逆に, なぜそのような制限が必要だと思ったのか? // (2) そもそも言葉遣いがヘンテコ. ``定義される対象 (対称?) 要素である理由'' など, 頭が痛くなりそうだ. (定義されない対称要素ってあるのか??, 例えば $ \DS C_4$ などは, 定義されないのか? 定義されないのに, どんな操作なのか分かるということはありえるのか?) // それはさておき, 回映軸の定義が違う. 正しくは ``$ \DS C_n$ の第一の操作に $ \DS \sigma_h$ の第二の操作を行ったもの'' である. // ただし空間群の話の時の転義回転軸は回反軸であり, ``$ \DS C_n$ の第一の操作に $ i$ の第二の操作を行ったもの'' と定義されている. その意味では回映軸の代わりに回反軸であっても構わないのだが, どちらを採用するかは習慣としか言いようがない. // ちなみに $ \DS i = \sigma_h S_2$ であることを考えれば, $ i$ を独立した要素と認めるのに疑問を感じないのはナゼか? あるいは, $ \DS S_n$ から先に考えれば, $ \DS C_n = \sigma_h S_n$ であるにもかかわらず $ \DS C_n$ を独立した要素と認めるのはナゼか?

18s2051: 
σdはσvの特殊な場合に過ぎないと教科書にあるが、区別しないことでどのような不都合が生じるのでしょうか? M: 別に. しかし $ \DS \sigma_d$ だけが出てくることはないと思うので, $ \DS \sigma_v$ とは異なる系統の $ \DS \sigma$ であることが明確にわかることは, メリットなのでは?



rmiya 平成32年5月25日