構造物理化学II (20190730)
M: 以下は宮本のコメント
- 18s2001:
- フント則の 3 番目で副殻の半分以上, また半分以下の占有により基底状態が決まるのはなぜか? M: 何が聞きたいのか分からない. // 副殻に入る電子が, 半分以上または半分以下のどちらであろうとも, オービタルに入っている電子で, 状態のエネルギーが決まるのは, 当然でしょ. // 考えているのは, 電子のエネルギー, 電子状態のエネルギーだし.
- 18s2002:
- 項の記号がフントの規則に従わなかった場合, それは単なるミスなのか. それとも従わない特例などあるのか. M: 講義でも示したように, 原則的には, ハミルトニアン (8.55) に従ってエネルギーが求められるので, 規則に従うことになる. このハミルトニアンでよく記述できない系であれば, 特例となる可能性があるが, そのような例は...... // ある種の金属イオンは, **周囲の環境 (配位子場の強さ) に依存して** 高スピンだったり低スピンだったりすることは, 既に知っているはずだ. あいかわらず, 前提となる条件節を無視した大雑把すぎる議論をしている.
- 18s2003:
- オービタルのエネルギーは高スピン, 低スピンで影響するものがあるか. M: 自分で考えて分からないのはナゼか? // HF法で考えれば, フォック演算子にはオービタルが使われていて, これによりクーロン積分や交換積分が見積もられる. 高スピンと低スピンとで電子間相互作用は同じか? // 18s2002 も参考
- 18s2004:
- 項のエネルギー値は電子充填によりかわるのか. M: 自分で判断できないのはナゼか? // 18s2001 参照
- 18s2005:
- 原子の項の記号が原子スペクトルの記述に用いられるとあるが, それ以外にはどのようなものに使われるのか. M: 別に, 必要なところで使えばいいでしょ. // 原子やイオンが登場する場面. もっと化学を勉強すれば分かるのでは?
- 18s2006:
- 低スピン状態や高スピン状態をもつ元素を項記号で表すときは, それぞれの状態のときに分けて表せばよいのですか. M: 何をどう分けるというのか? // 例えば ``
の電子配置'' との記述では, 低スピンと高スピンを区別できない/状態が低スピンなのか高スピンなのか分からない.
- 18s2008:
- どの項が最もエネルギーが低いかを考えるとき, 閉殻になっているものの方が安定で, エネルギーが低いことから,
が小さくなるにつれてエネルギーも小さくなるように感じました. 最大の
のとき最安定になるのは どうしてですか. M: 感じるのはあなたの勝手だが, それが正しいわけじゃない. 教科書や参考書をよく読めばいいのでは? 18s2002 のコメント前半も参照. // パウリの排他原理により, 同種のスピンは異種のスピンよりもいっそう互いに退けあい避けあう. つまり空間的により離れる傾向にあり, それだけクーロン反発が減少する.
- 18s2009:
- 炭素の基底状態を考えたとき,
の配置が複数出てくるが, これらの電子の入り方について区別をするのか? M: 区別をするからこそ, 複数のミクロ状態としてカウントする. もしも区別しないのであれば, まとめて一つとカウントするのでは?
- 18s2010:
- フントの規則と実際の計算による値の比較は一致するのか. それともなんらかの要因の寄与による際はあるのか. M: 教科書や参考書をよく読めばいいのでは? 18s2002 参照
- 18s2012:
- J は量子化されていますが, これは L と S の取りうる値にどのような制限を加えていますか? M: 自分で考えて分からないのはナゼか? // J, L, S の間には, どんな関係式が成り立つか?
- 18s2013:
- ミクロ状態が複数考えられるものを 1 つの表し方で表す方法は, 実際には正しくないと話していたが, それならなぜ
,
, ...... などの表記がされるようになったのか. M: 現在知られている科学知識が, 全部そっくりそのまま最初から知られていたわけではない. // ``実際には正しくない'' なんて話した記憶はない. 何かの勘違いでは? // 電子配置としては何も間違っていない. 状態の記述としては不十分だが.
- 18s2014:
- 遷移元素においてフントの規則から外れる元素が存在するのはなぜですか. M: 具体的にどの元素が外れているか?
- 18s2015:
- フントの規則にあてはまらないものはありますか? ある場合は最安定のものはどうやって求めるのでしょうか? M: 18s2002 参照
- 18s2016:
- 基底状態の判断にフントの規則と別の方法を使えるのか. M: 別に, 使いたければ使えばいいのでは? 具体的にどんな方法があるというのか? // 18s2002 のコメントも参考に.
- 18s2017:
- 炭素の基底状態の各電子配置の
,
を調べた時, 同じもの
がいくつかあったが, それぞれの性質に違いは生まれないのか. M: ``性質'' とは, 具体的に何のどんな性質のことか? // 量子数
と
で表される性質は, 当然同じわけだが......
- 18s2018:
- なぜ項記号という考え方が必要になったのですか. M: さんざん講義で説明したのに, 未だに理解していただけないようで, 残念. // 教科書や参考書をよく読めばいいのでは? // 18s2013 のコメント末尾も参照
- 18s2019:
- 項記号も用いて金属の基底状態を考える際に, 高スピン, 低スピンが関わるとどのような影響がもたらされるのでしょうか? M: 18s2003, 18s2006 参照
- 18s2021:
- 項記号は電子配置を詳しく知り, エネルギーが安定になる配置がどんなのかを知るために作ったものか? M: 作った人に聞けばいいのでは?
:-p
// 作られた当初の目的以外にも使われていると思うが. 所詮, 道具とはそんなもの.
- 18s2024:
- 基底状態を判断するのに, フントの規則以外の方法はあるのか? M: 勉強すれば分かるのでは? // 18s2002 参照
- 18s2025:
- 原子・イオンの項を考えるとき, 閉殻部分を除いてよいのはなぜですか? M: 講義で例を二つも挙げて説明したのに, 全く理解されていないようで, 残念. // 教科書や参考書をよく読めばいいのでは? 閉殻部分の電子が, 項記号を決める角運動量 L, S に, どのように寄与するかを考えればいいのでは?
- 18s2026:
- L, S が 2, 0 の場合の
,
が 1, 0 と L, S が 1, 1 の場合の
,
が 1, 0 は違う通りとして考えられるのでしょうか. M: 自分で判断できないのはナゼか? // 状態は量子数を用いて区別されるが, (一組の量子数 (
) で指定される) ミクロ状態としては同じ状態か? (一組の量子数 (
) で指定される) LS結合状態としては同じ状態か?
- 18s2027:
- 「ミクロ状態」という言葉が沢山でてきましたが, そもそも何がミクロ状態なのでしょうか. M: 専門用語の意味が分からなければ, 教科書や参考書をよく読めばいいのでは? // 講義で, 1 から 10 まで 0.1 刻みに全部を説明することは不可能です. 講義時間の 2 倍 (以上) の予習・復習が必要とされています.
- 18s2029+:
- 原子番号が小さい原子だけに選択律が当てはまるのは なぜか? M: 教科書でも条件節が書かれているはずで, それを無視しない. // 選択律の元となる
,
,
等が ``良い量子数'' だから. // 重原子になると, スピン軌道相互作用の寄与が大きくなり, 一組の
,
,
で表される状態 (波動関数) では十分に正しく状態を表現できなくなる. そのようなときには, (
,
,
で指定される) 波動関数を複数用いて, その線形結合 (混合) で状態を表現することになる.
- 18s2030:
- あるものをマクロな視点から見て, その後ミクロな視点から見たとき, 結果が大きく違っていたら前者の方が違ったということになるのか. M: そんなの, 時と場合によりけりなのでは? あなたは何をしたいのか??
- 18s2032:
- 励起状態の He 原子のミクロ状態は 4 つで, それが 3 通りと 1 通りに分けられますが, この 2 つのミクロ状態にはどのような違いがありますか. M: 後ででてくる ``ミクロ状態'' は, 言葉の使い方が間違っている. それはミクロ状態ではない. // 自分で考えて分からないのはナゼか? // L, S, J はそれぞれいくつか?
- 18s2033:
- ヘリウムの励起状態の項記号は 2 種類あり, エネルギー状態は 2 種類あるのですが, 実際観測する時のエネルギー値は 2 種類あること[原文ママ]ですか? もし 1 つしかなければ, なぜですか. M: 勘違いでは? // 自分で論理的に変なことを言っていることに気づいているのか? 前段でエネルギー状態が 2 種類あると述べているのに, 後段でいう観測されるエネルギー値が 1 つということはありえるのだろうか? // 教科書や参考書をよく読めばいいのでは?
- 18s2034:
- 電子スピンが異なるときでもエネルギーが同じになることはあるのか. M: 自分で判断できないのはナゼか? // エネルギーはハミルトニアン (8.55) で求められると講義で説明したのだが, 伝わっていなくて残念. // 電子スピン S に依存する項と依存しない項とがあるので, 原理的には......
- 18s2035:
- 基底状態における He の項記号を答えられませんでした. 勉強します. // 原子番号が小さい原子だけに選択律が当てはまるのはなぜか. M: 教科書や参考書をよく読めばいいのでは? その説明の, 何がわからないのか? // 18s2029 参照
- 18s2036:
- 原子・イオンを考えるとき, 閉殻部分が無視できるのはなぜですか. M: 18s2025 参照
- 18s2037+:
- 炭素原子について,
と
が 0, 0 の組み合わせは 3 つありましたが, 1D2, 3P0, 3P1, 3P2, 1S0 のうちどれに含まれるかは どのように決めるのですか. M: 決める必要もなければ, 決めることもできない. // LS 結合状態では, 個別の電子の量子数の組
はもはや良い量子数ではない. 18s2026 参照, 18s2029 のコメントも参考
- 18s2038:
- He の励起状態の項記号を求めるときに,
,
のときが 2 つあるが
電子配置のときのように同じ状態と言わないのは 軌道が異なるため, 2 つを区別できるからなのか? M: 微妙に勘違いの予感. // 軌道が同じであろうと異なっていようと, 二個の電子が互いに区別できないことには変わりない.
となるためには個別の電子のスピン磁気量子数はどうあるべきか. そのときに他の量子数はどうなっているか? という話.
- 18s2039:
- ミクロ状態は現実でどのようなもので使われているのか. ミクロ状態で考える理由は何か. M: 項記号を考えるときに使われる. スピンオービタルやそこに電子が入るという考え方は, 非常にわかりやすい.
- 18s2041:
- なぜ, 原子, イオン, の項を考える時, 閉殻部分は無視してよいのか. M: 18s2025 参照
- 18s2042:
- フントの規則で S が小さくなるにつれて安定性が減少するのはなぜか? M: 18s2008 のコメント参照
- 18s2043:
- 多原子分子[原文ママ]のオービタル角運動量とスピン角運動量とスピン角運動量[原文ママ]の合成で LS 結合は原子番号が小さい原子だは[原文ママ]当てはまるのはなぜか. M: 意味不明. 多原子分子の話などしていないし, それに加えて......
- 18s2044:
- フントの規則の 3 番目にて, 副殻の半分以上, 半分以下の占有によって基底状態が決まるのはなぜですか? M: 18s2001 参照
- 18s2045:
- それぞれの項数を nPr などの順列等を用いて記述することはできないのか? M: 出来るかもしれませんが, 私は知りません. 調べて分かったら教えてくださいネ. // N 個の電子を同じ副殻内の等価な G 個のスピンオービタルに割り振る場合の数は, 教科書 (8.53) 式で与えられる.
- 18s2046:
- 閉殻の電子は L, S, J に寄与しないのに, 炭素の基底状態のとき 6 電子で考えているのはどうしてですか. M: どこで 6 電子で考えていたか?
- 18s2047:
- 角のエネルギーが化学反応のエネルギーより圧倒的に大きいのは何故ですか. M: 原子核物理学を勉強してみれば分かるのでは? というより, そもそも物理学の基礎の基礎を復習する必要があるのでは? // 電磁気力よりも核力 (弱い相互作用や強い相互作用) の方が, 圧倒的に強いから.
- 18s2048:
- 電子スピンが異なってもエネルギーが同じになることはあるのですか. M: 18s2034 参照
- 18s2049:
- 基底状態を調べるときにフントの法則を用いる方法以外に別の方法はあるのか. M: 18s2016 参照
- 18s2050:
- [白紙] M: 質問が記載されていない
- 18s2051*:
- 何故, 半充填より多いか少ないかでエネルギーを低いと判断する J の値の大小が変わるのですか. M: 副殻に n 個の電子を入れるのと, 閉殻から n 個の電子を取り除くのとで, 全オービタル角運動量 L, 全スピン角運動量 S は同じになる. すなわち n 個の電子と n 個の正孔が同じ L, S を」与えることになり, そこで粒子の電荷の正負だけが違うことになり, これはスピン軌道結合定数の符号の正負が違うことに帰着される. すなわち J についてエネルギーの大小が逆順になる. 教科書 (8.55) 式参照.
- 18s2052:
- フントの規則も量子力学的考え方に含まれるのですか? M: あなたはどう考えますか? // 古典物理学に含まれますか?
- 18s2053:
- 炭素の基底状態についてはミクロ状態が 15 通りあるとのことでしたが, ある炭素の基底状態の電子がどのミクロ状態にあるかを識別することはできるのでしょうか. M: ミクロ状態は固有状態ではないので, ある電子がそういう状態にいるという事ではない. LS 結合状態の方が状態を表す波動関数としては適していると考えられる. (だから LS 結合という事を考えるわけで......) // 18s2037 も参考
- 17s2007:
- 項記号にはスピン角運動量やミクロ状態などあるが, 同じ電子配置 (
など) でも放射性などは関係するのでしょうか. M: 正気か? 放射性同位体や放射線について復習する必要があるのでは?
- 17s2028:
- 原子の放出スペクトルは固有のものであるが, 複数のスペクトル線が見られる時, それは複数記述される項記号と相関があるのでしょうか? M: 自分で判断できないのはナゼか? // 複数のスペクトル線は, それぞれどのような状態間の遷移なのか?
- 17s2029:
- 項記号のような考え方が原子以外に用いられることはあるのか. M: 教科書 p.385 や参考書をよく読んで勉強すれば分かるのでは?
- 17s2030:
- 質問なし. M: そうですか
- 17s2037:
- 項記号を考えるときはパウリの排他原理に基づくことを前提とするのか. M: 自分で判断できないのはナゼか? // 電子についての重要な性質を忘れてしまってよい理由があるのか?
- 17s2039:
- 例として炭素の基底状態について挙げられましたが, L=2, S=0 のとき
,
の場合と L=1, S=1 のとき
,
の場合とで同じ
と
になってしまうが, どう区別すればよいのか. ただ通りをだすだけなので気にしなくてもよいのか. M: L, S が違うので区別できるでしょ?
- 17s2045:
- 全ての物理法則は公理をもとにして求められたものなら, 一見関係のない式でも根本的にはつながっているのか. M: 科学史を勉強すればいいのでは? 18s2013 の最初のコメントも参照
- 17s2047:
- フントの規則はどのような実験から成り立っているのですか. M: 別に. 普通に状態のエネルギーを求めれば分かるのでは?
- 17s2051:
- 教科書 p.316 の図8.1 において, 遷移元素のズレが第 4 周期より第 5 周期の方が大きくなっているのはなぜですか? M: その図はどれくらい精密なのか? このような議論に耐えられる精度があるのか? // 重原子であるほど, 電子相関の寄与が重要になってくるのかもしれない. 重原子ほど相対論的効果が効いてくるからかもしれない.
- 16s2009:
- 一つの実験で, 生成物の精製や器具の洗浄に時間と手間がかかってしまうが, それらを自動で行ってくれるツールがあれば, 実験サイクルを上げられないか. M: 自分で判断できないのはナゼか? // 可能かもしれないが費用はかかりそうですね.
- 16s2014:
- ミクロ状態とあるが, 何を以てミクロなのか. M: ミクロのつかない状態と比べてみれば? // ミクロ状態の意味を確認する必要があるのでは?
- 16s2028:
- 追試験 (?) も含めた最終的な合否はどのように判断されているのか. M: シラバスに記載されている.
- 16s2040:
- ミクロ状態の組み合わせによってエネルギーは変わるのでしょうか. M: 組み合わせとは, 何を想定しているのか?
- 14s3019:
- 項の記号について, とり得る励起状態は理論的なものだと思うが, 実際には, とり得ない励起状態もあったりするのか. あるとすれば, どういう原子なのか. M: なぜ, 実際には取り得ない励起状態があると考えたのか? どんな論理でそういう結論に至るのか? // ``理論的'' という言葉は, 机上の空論とか現実離れという意味か? だとすると, 物理理論の目的は何だと考えているのか?
rmiya, 2019-08-01