構造物理化学II (20190702)
M: 以下は宮本のコメント
M: 科学観がオカシイとしか思えないような質問が多すぎる. また脊髄反射的な質問がほとんどのように思われる. もっと科学の基本をしっかりとおさえた質問をしてほしいものだ.
- 18s2001:
- HF エネルギーを求めるとき, sp 軌道や sp
軌道[原文ママ]のように, 直線や平面での軌道で, 3 次元の球体に近似してよいのですか? M: 別に, 近似したければすればいいのでは? よしあしを判断するのはだれか?
- 18s2002:
- スレーターオービタルに当てはまらないオービタルは存在するのか. M: スレーターオービタルは, 多電子原子のオービタルの真の形か? 当てはまる/当てはまらないの判断基準は何か?
- 18s2003:
- オービタルの概念をかけ離れさせてまでして 1000 個以上のパラメータを使って精度を上げる必要はあるのでしょうか. M: 1959 年問いうことを考えると, 理論の限界や理論の正当性の検証の可能性が考えられる.
- 18s2004:
- スレーターオービタルの動径が水素原子のオービタルとちがって節をもたないのはなぜですか. M: 関数形を見れば自明. そのように定義されている. // そういうオービタルを考えただけの話. スレーターに聞けばいいのでは?
- 18s2005:
- エネルギーの原子単位
はハートリーとよばれているが, このハートリーがハートリー・フォックのハートリーから来たとすると それ以前にも色々な人 (例えばピケリスさん) がエネルギーの近似を求めようとしていたけど その時にはこのような単位はなかったのか? M: えてしてこういう名前は本人が言うのではないからね.
- 18s2006:
- 相関エネルギーのような考慮しきれないエネルギーは 他にも存在するのですか. M: 普通のシュレーディンガー方程式の厳密解とハートリー・フォックエネルギーの差が相関エネルギーというのが定義なので, それ以上のエネルギーはない. // 普通のシュレーディンガー方程式では記述されないエネルギーはあるでしょう. 量子化学をもう少し勉強すれば出てくるでしょう.
- 18s2008:
- 「オービタルの概念を捨てる」とはどういうことですか. 試行関数を, どのように設定するのですか. 授業最後の説明ではよくわかりませんでした. M: なぜその場で聞かなかったのか? 説明したのは講義の最後だけでなく, 講義中に何度も言ったのですが, 伝わっていなくて残念. // 古典的には, 一粒子の運動の経路を軌跡・軌道 (オービット) という. 量子論ではそれに対応して, 一電子波動関数の事をオービタルという.
- 18s2009:
- オービタルの概念を維持した上で最も精密に得られた計算結果はどのような値のものがあるか? M: HF 極限というのがそのひとつ. 表8.2 と p.305 参照.
- 18s2010:
- 実験値が不明のとき, 一般的に使用されるのはどの方法の値か. M: 何に使用するのか?
- 18s2011:
- 摂動論と変分法それぞれを持ちいて[原文ママ]原子のエネルギー計算を行ったとき, 実験値との誤差は何% 以内におさめるべきなのか? M: あなたはどの程度の精度で求めたいのか?
- 18s2012:
- 変分法で
や
を求める際にもつじつまの合う場の方法のようにはじめに
を仮定して
と
を何度も計算することで少ないパラメータでも比較的よい結果を得ることは可能ですか? M: 何をどうする計算なのか, 自分で計算してみればいいのでは?
- 18s2013:
- ハートリー・フォック法は, 厳密解の知らないものには, 利用できないのか. M: 本気か? 厳密解が知れていれば, ハートリー・フォック法なんか使って近似解を求める必要なんてないでしょ.
- 18s2014:
- (8-5) の
と 1 次の摂動エネルギー
は相関関係はありますか. M: 意味不明, 誤解の予感. // (8.5) 式は He の全ハミルトニアンであり, その解をどうやって得るかとは関係ないし.
- 18s2015:
- 13 次の摂動や 1078 個のパラメータを用いたときに実験値との誤差は
error まで小さくすることができたが パラメータなどを増やすことでこれ以上誤差は小さくできるのか. それとも今回の試行関数ではこれが限界なのか. M: 教科書 7 章をよくよく復習する必要があるのでは? // また, 実験値と厳密解との違いは何か?
- 18s2016:
- 摂動法で計算しているときにまた複雑な式が出てきたらそこに近似を用いてもいいのでしょうか? M: あなたは何をやりたいのか? どの程度の精度で近似解を求めたいのか? よしあしを誰が決めるのか?
- 18s2017:
- 教科書 p.302 の表8.2 において, 10 パラメータと 1078 パラメータのエネルギーを比べると, 10 パラメータの方がパラメータが少ないのに, 実験値に近いのはなぜですか. M: そういう試行関数を使ったからでしょ. 詳細は原著論文を見るしかない.
- 18s2018:
- 原子単位系を利用するとありますが その利点はどんなものなのでしょうか. M: 教科書 8.1 節や参考書をよく読めばいいのでは?
- 18s2019:
- 多電子原子の低スピン又は高スピンであることが, 波動関数にどのような影響がでてくるのでしょうか? M: 当面のハミルトニアンにスピンが関与する項はあったか? // 開殻系をあつかうために, UHF (非制限 HF) という手法があることはある. 詳細はより高度な量子化学の参考書参照.
- 18s2024:
-
について 1〜2, 3, 4 … n 次まで摂動エネルギーを求めたとすると, n 次で実験値とのエラーがなくなることはないのか. M: 18s2015 参照
- 18s2025:
- ハートリー・フォック法ですべての多電子原子についてシュレーディンガー方程式解けるのですか? また, 他によりよい方法があったりするのですか? M: 対象とする原子や分子について, 何かの制限があるのか? // ハートリー・フォック法について勉強すればわかるのでは?
- 18s2026:
- エネルギー /
が負になるのが理解できても状態が想像できません. M: 本当には理解できていないのでは? // では, 負になる理由をどういうモデルで考えて理解できたのか?
- 18s2027:
- シュレーディンガー方程式を解く方法としてハートリー・フォック法やつじつまの合う場の方法などがありましたが, 紹介されていない他の方法はありますか. M: (初等的な) 教科書にこれまで記載されたもので全てと考えるのは, 論理的に妥当だろうか? // 参考書もよく読んで勉強すればわかるのでは? // 妥当な仮定に基づき, 良好な結果を与え, 結果の素直な理解も容易な, そういう方法がある時にあえて異なる方法を開発する必要はあるのか?
- 18s2029:
- ハートリー・フォック方程式を解く際, つじつまの合う場合以外で解く方法はありますか? M: あるかもしれませんが, 私は知りません. 調べてわかったら, 教えてくださいネ.
- 18s2032:
- 教科書 p.305 にある, ハートリー・フォック極限は, どのような意味を持つ極限なのでしょうか. M: 言葉通りだが, 何が分からないのか? // ハートリー・フォック法で採用されている近似の範囲内で最善の解.
- 18s2033:
- シュレーディンガー方程式の解との誤差を比較するのに, よく実験値の値が出てきますが, これはどのような条件下で測定したものですか. 粒子がエネルギーを得て, 励起状態や, 熱運動を持ってたら変化しませんか. M: 申し訳ないが, 初心者の思い付きレベルのことなど, 専門の研究者・科学者なら当然考慮済みだと, 想像できないのでしょうか? // 20190611 の 17s2047 参照
- 18s2034:
- オービタルの概念を捨てると より良い近似解が得られるのはなぜか. M: 教科書 p.305 にある説明の, どこが分からないのか? 参考書も読めばいいのでは?
- 18s2035:
-
の
と HF eq. の中の
が一致するまで (有効数字まで) 固有関数を解き続けるが, 2 つの
が一致しない状況 (事象) は存在するのか. M: はじめに仮定した波動関数が, HF 方程式の解とかけ離れていたら, そりゃ一致しないでしょう. (だから繰り返し計算が必要になる) // 非線形の最適化みたいなものだから, 初期値が悪ければ, 繰り返し計算が収束しないことは, そりゃあるでしょう.
- 18s2036:
- どうしてスレーターオービタルの動径部分は節をもたないのか. M: 18s2004 参照
- 18s2037:
- ヘリウム原子の摂動エネルギーが 13 次でほとんど実験値と一致していたが, どうして 13 次なのか. 14 次以降は 13 次のときより誤差が大きくなるということはあるのか. M: 原著論文を読むしかないのでは? // 摂動論の基本的な仮定とは?
- 18s2038:
- 相関エネルギーで
exact はわからないとあったが, 教科書では近似によって求めていた. これは, 相関エネルギーが厳密なものとの差が大きいからわからないとしたのか. M: 意味不明. 何の話をしているのか??
- 18s2040:
- 最適化試行関数と厳密な波動関数の error をより小さくする研究は 今でもされていますか? M: 私は知りません. // 原理的には解明済みの問題ですが? ここから新しい何かが生まれると期待されるのでしょうか?
- 18s2041:
- 教科書 式 (8.16) のように, HF 法より実測に近いエネルギーが得られる関数があるのに, オービタルの概念を用いて HF 法からエネルギーを求めようとするのはなぜか. M: 教科書 p.306 の説明の, どこが分からないのか? // He 原子については (8.16) でうまくいったが, それ以外の原子や分子についてはどうすればいいのか? He については実験値があったから (8.16) で良いと分かったが, 実験値の無い系, そもそもまだ合成されていない化合物や不安定な反応の遷移状態の場合, どんな波動関数が良いのか, どうやって判断すればいいのか?
- 18s2042:
- 多電子原子のシュレーディンガー方程式を解くのにハートリー・フォック法以外の良い方法はあるのか? M: 18s2027 参照
- 18s2043:
- 摂動論において, 厳密解が分かる部分までを非摂動部分にするべきなのか, それとも近似法を用いてもよいのか. M: 人間の思考は, ``べき'' と強制されるようなものではないので, 好きにすればいいのでは? // もちろん結果の妥当性は, 摂動論の原理原則にしたがっていないので… // あなたは何をやりたいのか?
- 18s2044:
- HF 法の概要を He で説明している理由に物理的な解釈がうまくできるとあるが, 他の分子原子で解釈がうまくいかないときの理由は何なのでしょうか? M: 私には解釈がうまくいかない例があるとは思えませんが. // HF 法について, より高度な参考書を読んで勉強すればいいのでは?
- 18s2045:
- パラメータを増やせば増やす程制度は上がるが, どのような点, 状態で有意差がなくなるのか. M: 20190618 の 18s2017 参照 // 有意差とは何か? あなたは有意差の有無の基準をいくらと考えるか.
- 18s2046:
- ハートリー法とつじつまの合う方法には何らかの関係があるのか. M: 講義で, ハートリー・フォック方程式はつじつまの合う場の方法で解くと説明したのに, 伝わっていなくて残念. // 自分で勉強すれば分かるのでは?
- 18s2047:
- 電子間反発項は, 電子どうしのマイナスとマイナスが反発しあう力を表しただけの式だと思うのですが, どうして具体的な数値が出せないんですか. M: 数値が欲しければ, 基礎物理定数と, 変数には適当な値を入れて計算すればいいのでは?
- 18s2048:
- エネルギーを求める際, 実験値を用いず理論値を考えるのはどうしてですか. M: 意味不明. 何の話か? // あるひとつのエネルギーの測定値を得て, それで (既知の全ての現象を) 理解したと言えるか? その結果を未知の系 (未測定の系) に適用して, 測定値を定量的に予測できるか? // 理解するとは, どういうことか?
- 18s2049:
- 基底状態のエネルギーの実験値はどのようにして得たのか. M: 20190611 の 17s2047 参照
- 18s2050:
- ハートリー・フォック方程式を解いているときに出る, 交換積分が負の値をとることはないのか? M: 原子内の交換積分の値は正.
- 18s2051:
- オービタルの概念は何故計算値と実験値との誤差を大きくするのですか. (どのような邪魔をしているのですか) M: 大きくする・邪魔をする かどうかは, 知らない. (どうやって確かめるのだろうか?) // 少なくともそのままでは, 電子相関を考慮していない.
- 18s2052:
- 原子量や主量子数が大きくなると, 実際とのズレも大きくなってしまうのですか? M: 重原子効果 (スピン軌道相互作用), 相対論的効果が効いてくるので.
- 18s2053:
- 今回ヘリウムについて HF 方程式を考えた際に, 途中, 電子間の相関がないとして CE を定義したが これがもっと原子番号の大きい原子であれば 電子が増えて正しい値をとらなくなるのではないか? M: 意味の取りにくい質問. // HF で電子相関がないというのは, 定義. // 正しい値が何の話なのか分からない.
- 17s2007:
- なぜ物質波の波動関数は実数関数ではなく複素指数関数を用いるのでしょうか. M: それが自然だから. // 指数関数に限定されているわけではないが…
- 17s2029:
- 実験値として与えられている数値はどのくらい実験を行うことで導き出されているのか. M: 20190611 の 17s2047 参照
- 17s2037:
- 余剰次元の存在を証明することは可能か. M: 意味不明. 何の話か? // その分野の専門書を読めばいいのでは?
- 17s2039:
- 仮説6 で, 何故任意の 2 電子の交換に対して反対象[原文ママ]でなければならないのか. M: 電子がフェルミ粒子だから. // 二つの電子が全く同じ状態をとることはできないことを表現している.
- 17s2045:
- [白紙] M: 質問が記載されていない.
- 17s2047:
- 他にシュレーディンガー方程式を解く方法は どのようなものがありますか. M: 18s2027 参照
- 16s2009:
- NMR で使用する重溶媒の重水素は電磁気的なプロセスを利用して置換して得ているのか. M: 本気か? 電磁波によって軽水素が重水素に変換されると?
?? // 電磁気的なプロセスとは何のことか?
- 16s2014:
- p.305 にある
を完全に一般的にするとはどういう意味か. オービタルの概念とは何か. M: 特殊の反対が一般. 特定の関数形の反対が一般的な形. // オービタルはオービタル. 18s2008 参照
- 16s2028:
- 式変形の過程の手順は覚えるべきなのか, 閃くべきなのか. M: 別に. 普通に計算規則に従って計算をすすめるだけ.
- 16s2040:
- スレーターオービタルは節をもたないとありますが, これはなぜですか. M: 18s2004 参照
- 14s3019:
- 相関エネルギー CE は
exact
HF で表わされるが, 前提とした
exact がわかっているものしかこの関係を適用できないのか. M: 概念としての定義式であって, この式で実際に計算して求めるわけではないと, 講義でも説明したのだが, 伝わっていなくて残念.
rmiya, 2019-08-01