構造物理化学II (20190604) M: 以下は宮本のコメント
18s2001: 
試行関数のパラメータとは物理的にどのような値なのか? M: 試行関数や扱う系に依存する話では?

18s2002: 
変分法以外の方法で近似を行うことは可能なのか. M: 教科書 7 章では良く用いられる二つの方法について説明すると, 前回の講義でも説明したのだが, 伝わっていなくて残念.

18s2004: 
試行関数の違いによっての近似解の誤差の大きさはどのようにかわりますか. M: 自分で計算してみればいいのでは? // 試行関数や扱う系に依存する話では?

18s2005: 
今の時代, スーパーコンピュータと呼ばれるようなものがあったりするが, そういうものを使っても, 例えば講義で出ていたヘリウム原子の基底状態のエネルギーの厳密解は解けないのか. 解けないと言われているのか. M: こういう誤解をする人がいるから, 前回 ``厳密解'' の意味を説明したのに, 全く理解されていないようで残念. // 厳密解とは, 数学の解析学的手法 (微分・積分・開平・四則など) のみを用いて式変形して得られる解析解のこと. したがって, 方程式 $ \DS x^2 - 2 = 0$ の厳密解は $ \sqrt{2}$ であり, これをたとえばニュートン法を用いたりして (スーパーコンピュータで) $ 1.4142\dots$ と何万桁何億桁まで求めても, それは厳密解ではない.

18s2008: 
変分原理において より厳密な解を求めたいときは, 何度も何度も試行関数を様々な範囲で考えて, $ \DS \frac{\d E(\alpha)}{\d \alpha} = 0$ となる $ \alpha$ の値でエネルギー $ E(\alpha)$ が最小を見つけなければいけないということですか? M: ``より厳密'' とは? 18s2005 のコメントも参照. // ``様々な範囲'' とは? // 自分で判断できないのはナゼか? // 18s2009 も参照

18s2009: 
試行関数を選ぶ際に, より多くの変数パラメータを含む関数を用いれば, 厳密な結果により近い値を求めることができるということか? M: 教科書 p.266, p.272 や参考書をよく読めばいいのでは? // 18s2013 も参照

18s2010: 
リチウム以降の $ \DS \hat{H}$ にも 水素・ヘリウムの形を含むのか, それとも大きく違う形をとるのか. M: 意味不明. 何の形の話か? // 論理的に組み立てればいいのでは? 自分で考えて分からないのはナゼか?

18s2011: 
水素, ヘリウム原子以外の原子の基底状態エネルギーを求めるのに変分法は使えるのですか? M: 自分で考えて分からないのはナゼか? // 個別の系について使える・使えないを逐一暗記しなくちゃいけないとしたら, そんなの科学じゃない.

18s2012: 
変分法で求めた $ \DS E_$min が $ \DS E_$min$ \gt E_0$ とならない場合でも 適当なパラメータを追加・調整することで近似解を求めることはできますか? M: 変分原理が成り立たない場合だって?? 正気か?

18s2013: 
変分法を用いるとき, 対象について 試行関数のおおよその形は, 決まっているのか. M: 別に. 好きにすればいいのでは? ``任意の関数'' の意味を理解できないのか? // 真の解に近い方がいいに決まっているが, 真の解がどんなものかは, 当然, 系に依存する話だ. // 18s2009, 18s2016 も参照

18s2014: 
ヘリウム原子のエネルギーは誤差が小さかったのに, 水素原子, 調和振動子のエネルギー誤差がかなり大きくなったのはなぜですか. M: そういう試行関数を用いたから. // 変分法の要点を理解していない??

18s2015: 
変分法に用いる試行関数は複雑なものになるほど誤差は小さくなるのですか. M: ``関数が複雑'' とはどういうことか? 18s2009 参照

18s2016: 
試行関数はつまり, 求めたい数値[原文ママ]と同じようなふるまいをする関数をもってくればいいのか. M: 自分で判断できないのはナゼか? 18s2013 参照 // ところが, 求めたい関数は未知なので, それと同じような振る舞いと言っても......

18s2017: 
ヘリウム原子の基底状態の話の時に, 厳密解は分からないため実験値と計算結果が比べられていましたが, 実験値はある一定の水準で正確であるなどの確証はあるのですか. M: 本気か? 物理量の (実験的な) 測定とはどういうことか? 実験誤差や有効数字とは??

18s2018: 
試行関数を考える際, 注意しなければならないことはなんですか. M: 講義で説明したのに, 伝わっていなくて残念. // 18s2013 参照

18s2019: 
変分法において, 変物[原文ママ]パラメータが多ければ多いほど厳密解に近づくとあったが, 近似ではなく, 一致することはあるのか? M: 教科書や参考書をよく読めばいいのでは? // どういうときに一致するか?

18s2021: 
最も精度の高い計算は, どのように求めたのか. M: この教科書で ``最も精度の高い計算'' が何を意味するのかは不明だが (教科書 p.263 の ``ほとんど望みの精度で'' の精度とは違うようだ), ハートリー・フォック極限以上を考えているようだ (p.302, p.305). 正確なところは原著論文を見るしかない.

18s2024: 
変分原理を用いたときのメリットは何か. M: 本気か? // 変分法という手法を使うことができる. 近似解を得ることができる.

18s2025: 
試行関数は何でもいいと言っていたが, 本当にどんな関数でも解くことができるのか? M: 自分で判断できないのはナゼか? // 変分原理を理解していない?

18s2026: 
適当な関数というのは基本的に予測で「こうなるだろう」と思われる関数をあてはめる, という認識で大丈夫でしょうか. M: 自分で判断できないのはナゼか? // 18s2016 参照

18s2027: 
試行関数中の変分パラメータをより多くするには, どのような方法を用いればよいのでしょうか? M: 試行関数の形によるのでは? // 教科書 p.272 や参考書を読めばいいのでは?

18s2030: 
電子間反発と計算で誤差がでることには関係性があるのか. M: なぜ厳密解が得られないのか?

18s2032: 
ヘリウム原子の基底状態のエネルギーを求める時, 電子間相互作用がどれくらい影響するかは, どのようにすれば分かりますか? M: 電子間相互作用の有無で比べるのが当然では?

18s2033: 
3s 軌道のように節面が複数あってグラフが複雑で, もしくは予測できないときは試行関数をどのように選ぶのですか. M: 教科書 p.272 や参考書を読めばいいのでは?

18s2034: 
試行関数を選ぶ基準にはどのようなことがあるか. M: 波動関数の 3 条件と系の物理的な要請を考慮すると講義でも説明したが, 伝わっていなくて残念. さらに, 教科書 p.272 や参考書を読めばいいのでは?

18s2035: 
変分原理の例として, 水素原子の基底状態を取り扱ったが, 取り扱う事象が励起状態や He, Li … であってもハミルトニアン演算子は一次元のものを使用するのですか. M: 自分で考えて分からないのはナゼか? // 系に依存する話では? 球対称な系なら…

18s2036: 
試行関数をどう選ぶかは, 講議[原文ママ]で挙げられたもの以外の方法がありますか? M: 18s2033 参照

18s2037: 
厳密解が得られないもので実験値もわかっていないものはありますか. M: 既知の分子だけでもゴマンとあるので, そんなもの, いくらでもあるのでは?

18s2038: 
実際の問題では, 試行関数は与えられることがほとんどなのか. M: 意味不明. 実際の問題とは?

18s2040: 
変分パラメータを増やし続けると厳密解に近づき続けるのですか. M: 私は知りません. しかし無限に続けられることは無いと思うのですが…

18s2041: 
$ E(\alpha)$ が最小なのはわかるが, なぜ $ \DS \frac{\d E(\alpha)}{\d \alpha} = 0$ となる値が最良の近似となるのか. M: 変分原理によれば, 最小のエネルギーが最良の近似なのだが, 何が分からないのか?

18s2042: 
実験値が得られないために, 求めた値の誤差がどの程度か分からないことはあるのか? M: 18s2037 参照

18s2043: 
励起状態のとき, エネルギーの上限の近似値があらくなるのはなぜか. M: 波動関数を見ると, 励起状態のものの方が激しく振動している. そこをうまく一致させるためには, より高次の項が必要とされるのは明らか. 逆にいえば, 同じ次数の項を用いた場合, 基底状態の方が一致が良いと言える.

18s2044: 
どんな状態においても変分パラメータを増やせば増やすほど計算が長くなるかわりに正確な答えを得ることができるのですか? M: 全ての場合について確かめたことはないので, 私は知りません.

18s2045: 
ローレンツ関数とガウス関数のちがいは何か. M: 数式が与えられているのだから, 自明では? // 自分で計算して比べてみればいいのでは?

18s2046: 
誰もが「これは誤差だ」と感じる正値とのズレはどのくらいなのでしょうか. (自分は 30 % もズレていると誤差だと思いました) M: 勘違いの予感. ``誤差'' とは何か? // 全員に聞いたことがないので, 合意の取れるズレの大きさについて, 私は知りません.

18s2047: 
He$ ^{+}$ や Li$ ^{2+}$ など電子が 1 つの水素原子に近いイオンならシュレーディンガー方程式で厳密に解りる[原文ママ]のか. M: 自分で判断できないのはナゼか? // 講義でも教科書でも参考書でも, さんざん水素型原子と言っているのに......

18s2048: 
計算で得られた数値と実験で得られた値が異なる場合, どのくらいなのでしょうかちらを優先的に考えるのですか. M: 本気か? あなたは何をしたいのか? 自然科学とは, どういう営みか?

18s2050: 
なぜ変分パラメータはエネルギーを最少に選ぶのか. M: 本気か? あなたは何をしたいのか? // シュレーディンガー方程式は, どういう物理量についての方程式か??

18s2051: 
今は「原子」の波動関数について考えているが これがイオン (例えば H$ ^{+}$, H$ ^{-}$ など) になると 何が変わりますか? M: 何の話か? 自分で考えて分からないのはナゼか? // 全電荷 :-p // ハミルトニアンを考えてみればいいのでは?

18s2052: 
精度の高い計算の方がより重要で, 使われることも多いと思いますが, もしそうなると, 精度の低い方の計算や考え方はムダになってしまうのですか? M: 価値観は人によって異なるのでは? // 教科書 pp.305-306 にかけてや参考書をよく読めばいいのでは?

18s2053: 
変分パラメータの選び方として物理的意味について考えて選ぶとよりよい近似ができると思った. $ Z$ は有効核電荷であると説明があったが, 水素原子の例の $ \alpha$ は電子の位置を意味するものであっているか? また, 他にどのような意味をもつパラメータが考えられるでしょうか? M: 思うのは勝手だが, 18s2033 のコメントも参考に. // 電子の位置とは何か? どうやって求められるものか, どういう式で表されるものか?

17s2007: 
誤差の値は各々の判断で決めるとありましたが, より精度の高い計算が必要になったときでも誤差は正じても良いのでしょうか. M: 本気か? ``より精度の高い'' 計算で誤差が生じない, 論理的な理由があるのか?

17s2029: 
ヘリウム原子の $ \DS E_$min について最も精度の高い計算結果が教科書にのっていたが, どのくらい複雑な試行関数を使っているのか. M: 教科書 p.302, p.305 をよく読めばいいのでは?

17s2037: 
$ \alpha$, $ \beta$ などのパラメータは原子の運動についての何を表わしているのか. M: $ \alpha$ について, 水素原子は何か運動をしていたのか? // 調和振動子の基底状態において, 原子はどんな運動をしているか? それを表す指標 (物理量?) は何か? 物理量 (の期待値) は, どうやって求められるか?

17s2039: 
変分パラメータは任意で決めても良いということですか? M: ``任意で決める'' とは, どういうことか? // エネルギーが最小になるような値に決めるのが変分法でしょ? 決して任意 (の値) に決めてよいわけではないのでは?

17s2045: 
調和関数と調和関数の積は調和関数ですか. M: ``調和関数'' とは何か? // 自分で計算してみれば分かるのでは?

17s2047: 
変分法と摂動論以外どのような近似的方法が構造物理化学で必要になってきますか. M: 勉強すれば分かるのでは? // マッカーリ&サイモン 下巻の始めに, 数値計算によって方程式の解を求める話が載っている. 当然これは近似解だ.

17s2051: 
式 (7.19) で $ \hbar$ を使っているが, $ \DS \frac{h}{2 \pi}$ で表した方が簡単になるのではないか? それとも $ \DS \frac{m_\text{e} e^4}{16 \pi^2 \varepsilon_0^2 \hbar^2}$ を単位として表すから, わざとそう表しているのか? M: 著者に聞けばいいのでは? :-p

16s2008: 
よりよい試行関数を見つけるためには, 少しの変化を加えた関数について, やみくもに計算を行って, 実測値と比較するしか方法はないのか. M: 18s2008 も参照 // 変分原理の要点を理解していない?

16s2009: 
中等教育の化学の教科書は大学入試レベルの内容しか書かれていないが, 高等教育に入ったときにガラリと変わる化学観について何も対策されていないように思う. せめて大学化学への導入として少しだけでも取り扱ってよいのではないか. M: 誤解の予感. 大学入試は高校教科書のレベルで実施するしかないと, 論理が逆である. 高校教科書に記載される内容については, 学習指導要領と教科書検定を通して文部科学省が決めている. つまりもっぱら国内の政治・行政の問題. しかし学問の本来の姿は政治から独立しているべきであり, 大学では学問の自由の名のもとに, 人類の叡智の結晶として, 科学の一分野である化学が講義されている.

16s2014: 
変分パラメータを多く含む試行関数を用いるとよりよい近似値を得られると p.266 にあるが, 増やすにはどのような手法があるか. M: 18s2009 参照

16s2028: 
厳密解はなぜ厳密に正しいと言えるのか. M: 正気か? 厳密に正しい解だから ``厳密解'' と呼んでいる. 18s2005 のコメント参照

16s2040: 
厳密解を求めることができるのに試行関数を用いて誤差を含む値を求めるのはなぜでしょうか. M: 何の話か? // 教科書にある例, 水素原子の基底状態や調和振動子の基底状態については, 変分法の説明のため, デモンストレーションだと書かれているのが理解できないのか?



rmiya, 2019-08-01