構造物理化学II (20180605)
M: 以下は宮本のコメント
- 17s2001:
- 値が 0 のときに zero と書き表すのはなぜですか? 自分で考えてみてもわかりませんでした. M: 皆さんに見てもらう板書で, 数値の 0 なのかマルバツの 〇 なのか等を誤解せず区別しやすいように表記しています.
- 17s2003:
- ヘリウム原子の波動関数は基底状態と励起状態でどのように違うのですか? M: 水素原子ではどうか? ボーアモデルにおける軌道や, 正しいオービタルはどうか?
- 17s2004:
- 永年方程式の「永年」は以前出てきた「厳密」のように何か性質はありますか. (secular を調べてみると恒常的とでてきますが) M: 歴史的理由でついた名前です. 元は天文学における惑星の軌道計算だと聞いたことがあります.
- 17s2005:
- 有効核電荷という考え方は変分法を行う過程の中で見出されたのですか. M: 私は知りません. 調べて分かったら, 教えてくださいネ. // スレーターの規則は, 直接には変分法と関係ないような気もしますが.
- 17s2006:
- 電子間の反発もそうですが, 引力は要素に組み入れないのでしょうか. M: 核と電子の間の引力は, 当然考慮されている. 存在するものをはじめから無視するのは不自然.
- 17s2007:
- 図7.1 に水素原子の基底状態に対する〜とありましたが, ランタノイドやアクチノイド, また放射性元素の基底状態でも, 水素電子[原文ママ]と同じようにプロットできるのでしょうか. M: 多電子原子については, 教科書 8 章や参考書を読めば分かるのでは?
- 17s2008:
- エネルギーの分子部分についての積分範囲は書かなくても問題ないのですか? M: その手の積分について, 一般には ``全空間'' だし ``粒子の存在範囲'' であることは, ここまで量子化学を学んできた皆さんにとって, もはや常識では?
- 17s2009:
- 変分パラメーターはエネルギーを最少に選ぶのはどうしてか. M: 変分原理
- 17s2010:
- 最も精度の高い計算とは他にどういったことを考慮すれば計算の精度をあげれますか. M: 17s2007 参照, 17s2024 も参照
- 17s2011:
- 厳密解がわからないときは どのように誤差を見積もるのでしょうか. M: ``誤差'' の定義は?
- 17s2012:
- マクスウェル方程式とシュレーディンガー方程式にはなにか関わり合いがありますか. M: 対象とする現象や系が全く異なるように思われますが. // 自分で見つけてみればいいのでは?
- 17s2013:
- ハートリーエネルギー
H とは どのようなエネルギーのことを指すのか. M: 講義中に
H と示した. // 教科書 8 章 1 節や参考書を読めば分かるのでは?
- 17s2014:
- 有効核電荷を機械を使わずより正確に求める方法は他にあるか. M: 有効核電荷は, ``有効'' なので, 直接測定可能な物理量というわけではない.
- 17s2016:
- リッツの変分法の例として一次元の箱の中の粒子をあげたが, 三次元でも の値は求めることができるのか? M: 厳密解を求めたときと同じように, 一次元を自然に三次元に拡張すればいいのでは?
- 17s2017:
- 変分パラメータを増やし続けると厳密解に近づき続けるのですか. M: 教科書 p.279 や参考書を読めば分かるのでは?
- 17s2018:
- He なので のはずなのに を変数とする理由がよくわかりませんでした. なぜ を変数でおくのか? M: だから, 自分以外の電子による核の電荷の遮へいという ``有効核電荷'' なのだが. 教科書や参考書をよく読めば分かるのでは?
- 17s2019:
- 最小になるエネルギー
の点がなければどうなりますか? (エネルギーが発散) M: どういう効果によってエネルギーが発散するのか?
- 17s2020:
- He 核まわりの 1 電子を考えた時, 波動関数は水素型になるのはどうしてか. M: (水素型原子の) シュレーディンガー方程式を, 自分で解いてみれば分かるのでは?
- 17s2021:
- 今後, 現在よりも厳密な解を求めるためには何が必要なのか? M: この文脈で ``厳密'' に程度の違いがあるような使い方は不適切. // ``最も精度の高い計算'' が何をやっているのか見ないとわからない.
- 17s2022:
- 前回の欠席分をとり戻せず, 全然わからなかったので出直してきます. 質問なし M: そうですか.
- 17s2023:
- 変分パラメータは 2 つより多くてもかまわないとおっしゃっていましたが, 仮に - までの 3 つのパラメータを用いると, 6 次の方程式となり, - で計算した場合の解と数も値も異なると思うのですが, それでも
min (
exact) を求めるのに支障が無いというのはどうしてですか. M: え? 3 つのパラメータだと, どんな支障があるというのか? // 6 次の方程式とは, どういうことか?
- 17s2024:
- 0.014 % error の, 最も精度の高い計算はどう解くのですか. M: 教科書 p.302 や参考書を見ればいいのでは?
- 17s2025:
- 両辺を で偏微分するとありますが どうして するのでしょうか. M:
とするため. 17s2009 参照
- 17s2026:
- 変分法や摂動法以外に, 近似解を求めるための手段としてテイラー展開を用いることは手段としてテイラー展開を用いることは有効ですか?
M: テイラー展開では, 何をどうやって, 近似するのか?
- 17s2027:
- 試行関数を
と考えるとありましたが, の数が増えると計算が複雑になる一方で, 得られるメリットはなにかあるのですか?
M: それ単独では明確なメリットはないが, 教科書の続きにあるように, 永年方程式の項数を増やす一つに使えるメリットはある.
- 17s2028+:
- 授業内の (2) の項で, 「電子間反発を無視する」という前提のもと変数分離したが, の値は 2 より小さく, 斜へい[原文ママ]の影響を受けている, という計算結果になった. 電子間反発が無くても斜へいは起こる, ということか? M: 思考の論理を誤解している予感. 現実には電子間反発も核の遮へいもある. 一方が無くて他方が有るようなことはない. // 電子間反発を無視したのは, 系の波動関数を求めるところまで. 得られた波動関数を元にして変分計算を行った. ``どうやって関数形を予想するのか?'' という疑問に対する一つの答え.
- 17s2029:
-
min と
exact の誤差が小さくなったのは 試行関数として を用いたからなのか? M: 自分で判断できないのはナゼか?
- 17s2030:
-
を 行 列の行列要素として,
は, 状態 から状態 に遷移する確率を表していると思うが, 例えば, 励起状態からより低いエネルギー状態に遷移する場合に使われたりするのか. M:
のハミルトニアンが, 遷移を引き起こすどんな作用を表しているかによる. // 演算子が遷移を引き起こす作用ではないならば, 遷移確率を表すものではない.
- 17s2031:
- 変分パラメータの物理的な意味はなにか. M: パラメータによる.
- 17s2032:
- より小さい という有効核電荷の物理的意味とは何ですか. M: 有効核電荷
- 17s2033:
- どんな状況においても変分パラメーターを増やせば増やすほど計算が長くなるかわりに正確な答えが得られるのですか? M: 原理的にはそうなのだが, 全ての場合でより正確な答えが得られることを確認することもまた原理的に不可能.
- 17s2034:
-
が成り立つのがよくわかりません.
の項が 2 つできたり,
の項がなくなってしまわないですか. M: 実際に計算してみれば分かるのでは?
- 17s2035:
- レイリー-リッツの変分法で試行関数を 2 つの関数の線形結合を選んだが, 線形結合の関数の個数を増やすと計算が大変になると思うが答えの精度が上がるなどのメリットがあるのか. M: 17s2017 参照
- 17s2036:
- 1 価のヘリウムイオンのときのハミルトン演算子が水素原子のハミルトン演算子と異なる理由は何ですか. M: 正気か? // ヘリウムと水素は異なる元素だから.
- 17s2037:
- 演算子が固有値が実数であるためにエルミートでなければならないのはなぜですか. M: 本気か? 教科書 p.140 や参考書をよく読んで復習する必要がある?
- 17s2038:
- 有効核電荷について, 遮へい効果は s 軌道で強く, f 軌道などで弱くなると無機化学で学習しました. これは, f 軌道の広がりが大きく, ある 1 点の電子の存在確率が小さくなるために他の軌道の内側に入り込みにくくなっているからなのでしょうか. また, スレーター則から得られる値はどの程度の信頼性をもっているのでしょうか? M: 自分で判断できないのはナゼか? 自分でも ``軌道の内側に〜'' と言っているのだし, 動径分布を考えれば分かるのでは? // スレーター則は多くの元素 (原子) について概ね当てはまるように作られているので, 逆にそれぞれの元素についての個別の正確さは犠牲になっていると予想されるが? ところで信頼性の程度をどうやって測るのか?
- 17s2039:
- 未知の
について連立が得られたが, なぜ, この方程式を教科書では行列式として表しているのか. M: 教科書や参考書をよく読めば分かるのでは?
- 17s2040:
- [白紙] M: 質問が書かれていない.
- 17s2041:
- ハートリーエネルギーは定義ですか. M: 17s2013 参照
- 17s2042:
- 行列要素とは, なにをもって行列要素と言えるのか. M: 講義でも説明したのだが,
や
のように二つの添え字 (index) で一つの数が指定されている.
- 17s2043:
-
,
から解が 2 つ得られ, 小さい方を近似的な基底状態のエネルギーとするとあるが, もう一方は何を表すのでしょうか? M: 教科書 p.277 や参考書をよく読めば分かるのでは?
- 17s2044:
- 試行関数を用いて について求める時に複数の解が得られる場合は最も小さいものは基底状態のエネルギーだと考えられるが他の解はどのような意味をもつのか? M: 17s2043 参照
- 17s2045+:
- 良い質問が思いつかないです. M: そうですか. しかし質問は受動的に思いつくものではなく, 積極的に作るモノです.
- 17s2047:
- p.271 の「現在最も精度の高い計算」とは具体的にどのような計算のことを指しているのですか. M: 17s2024 参照
- 17s2048:
- [白紙] M: 質問が書かれていない.
- 17s2049:
- ヘリウムの基底状態のエネルギーの実測値は, ヘリウム原子の放出するスペクトルを計測して求めたものなのでしょうか. M: そうかもしれません. イオン化ポテンシャルかもしれません. 調べて分かったら, 教えてくださいネ
- 17s2051:
- 原子単位の値が更新されることはあるのでしょうか. M: 教科書 8 章や参考書をよく読めば分かるのでは?
- 16s2001:
- 変分パラメーターを増やし続けることで解は厳密になっていくものなのか. M: 17s2017 参照 // 17s2021 のコメントも参照
- 16s2006:
- 式 (7.37) の 1 つの解は基底状態エネルギーと非常によく近似な値が得られるのに対し, もう一方の解はなぜ, 第一励起エネルギーの上限に相当しているのか. M: 異なる固有値に属する固有関数 (固有状態) は互いに直交しているので, もう一方の解は基底状態に直交した状態のエネルギー (の上限) に相当する. 教科書 p.138 や参考書をよく読めば分かるのでは?
- 16s2009:
- H'uckel 分子軌道法では のとき
となるが, コンピュータをつかって のときの
の値を出すには, 試行関数の積分をそのまま求めればよいか. M: 自分で判断できないのはナゼか?
- 16s2014:
- 変分パラメータはどのように与えられるのか. M: 別に. 好きにすればいいのでは? 試行関数を好きに選べばいいのと同様に.
- 16s2017:
- 教科書 p.276 に, この場合の
min と
exact の結果のよい一致は, 単純な試行関数にしてはできすぎであると, ありますが他の場合では, 精度はこれより下がるのでしょうか. M: 日本語力不足か? // 自分で計算してみればいいのでは?
- 16s2019:
- が有効核電荷をとるときに電子が原子核の電荷を遮蔽するのはなぜか. M: 論理を誤解している予感. 電子が核の電荷を遮蔽するから, が減って有効核電荷になる.
- 16s2023:
- 永年行列式の行の数と列の数と求める波動関数にはどんな関係がありますか? M: 線形代数 (行列の固有値問題) を復習する必要がある?
- 16s2026:
- 2 つの関数の一次結合を試行関数として採用すると, 一方の解が箱の中の粒子の第一励起エネルギーであるとできるのはなぜか. M: 励起エネルギーと励起状態のエネルギーは別のもの. // 16s2006 参照
- 16s2028:
- 表8.2 について 13 次の摂動論の 13 次であるのは何か意味があるのか? M: 計算した本人に聞けばいいのでは? // (実行可能な範囲で) 精度を高める意味がある.
- 16s2040:
- レイリー・リッツ変分法はどの点が優れた変分法ですか? M: 教科書 pp.277-278 や参考書をよく読めば分かるのでは?
- 16s2044:
- 原子のまわりの 1 電子だけを考える近似法は が大きくなるにつれて電子数が多くなるため, の近似解の実測値からのずれを[原文ママ]大きくなっていくのか. M: 私は知りません, 調べて分かったら, 教えてくださいネ // または, 自分で計算してみれば分かるのでは?
- 16s2046:
- (7.37) のように一方の解が第一励起状態のエネルギーの上限に相当しているのはなぜか. M: 16s2006 参照
- 16s2048:
- p.277 に励起状態のエネルギー上限のもっともよい値を得る方法があるとあるが, どのような方法か. M: 誤読では? // 16s2006 のコメントもヒントになる
- 16s2049:
- リッツの変分法は励起状態においても用いることができますか? M: 16s2006 参照
- 15s3005:
- ラプラス演算子は
の極座標系で表記されているが ヘリウム原子のハミルトニアンの
というデカルト座標系となっているが なぜこの項だけデカルト座標で表記しているのか. これによるメリットはあるのか. M: ラプラシアンは, 座標系によって表記が異なる. 都合のいい座標系を用いればよい.
- 15s3007:
- より多くのパラメーターを含めれば厳密な解に近づくだろう. ならばより少ないパラメーターで厳密な解を得るには 1 つ 1 つのパラメーターを正確なものにすればいいのか. M: 誤解している予感. // 正確なパラメータとは何か? 水素の 1s オービタルの動径関数を
で近似したときの というパラメータがどうであれば正確なパラメータと言えるのか??
- 15s3014:
- p.227 で厳密な結果は
あるいは
であるとあるが があるとないとでは大きく違うと思うのだが または 1 に近い値なのか. M: 教科書 p.274 からの説明をよく読めばいいのでは? (あちこちで, と言及されている)
- 15s3025:
- 近似的方法において, 将来的には, 実測値との誤差が 0.00 % の結果になることは可能なのですか? M: 根本的に感覚がズレている予感. // 近似解はどれだけ精度を上げても近似解であって, 厳密解ではない. 一方, 実測値には常に測定誤差が含まれている.
- 15s3028:
- ハミルトニアンは実験値か. M: 正気か? 量子化学の基礎からみっちりと復習する必要があるのでは?
- 15s3030:
- [白紙] M: 質問が書かれていない.
- 15s3048:
- 教科書 p.272 には, 「電荷が 2 ではなく
のように ``見える''」と書いているが, 実際にはどうなのか. M: その解は厳密解とどの程度一致しているのか? // 見ているモノに実際のところを聞けばいいのでは?
:-p
- 14s3019:
- He 原子以外の原子についても 電子間反発項を無視して近似できるんですか. M: 別に. 好きにすればいいのでは?
rmiya, 2018-06-21