化学の基礎 II(G) (20170124) M: 以下は宮本のコメント
15s2005: 
$ k$ が濃度に依存しないというのは本当なのだろうか, という疑問をもちました. シンプルな A$ +$   B$ \rightarrow$   P$ +$   Q という素反応を考えたときに, 濃度が大きいと, 分子間の相互作用の項が無視できなくなって $ k$ が濃度に依存するということはありますでしょうか. M: そういう場合は素反応とは言えないと思います. そして, 濃度の効果は反応次数に組み込まれるのではないでしょうか.

15s3006: 
複雑な複合反応の場合, 反応次数はどのような実験法によって求められますか. M: 系によって異なると思われます. 自分で工夫すればいいのでは?

15s3007: 
授業で $ \DS$   2H$ _2 +$   O$ _2 \rightarrow$   2H$ _2$O は素反応ではなく複合反応だといっていたと思うのですが, 教科書の p.135 では, 複合反応は複数の素反応が連立するとあります. これはどう考えればいいのですか? M: 書いてある通りですが. 何が分からないのか?

15s3014: 
反応物理化学の授業で四以上の分子数の反応の報告はないとあったんですが, 角度などを調整し, 図[図は省略]のようにぶつけた場合などで反応を起こせないものなのでしょうか. M: 報告がない, すなわち, もしあったとしても非常に稀である理由を理解していない予感. 今回の講義でも説明したが, ランダムな運動をしている分子が, ちょうどうまい具合に四個同時に (ほんのわずかでもタイミングがズレたらダメ) 出会う可能性は極めて低く, ほとんどありえないという話.

15s3030: 
反応速度 $ v$ を求める時, 素反応か複合反応かが分からないときは どうやって求めるのか. M: 実験的に求めるときに, 反応速度が反応物の濃度の何乗に比例するかを求めるときに, その反応が素反応か否かは関係ないのでは?

15s3033: 
複合反応において, 各反応で反応速度定数が異なるならば, 温度によって律速段階が別の反応になったりしますか. M: 論理的に考えれば自明では? 自分で考えて分からないのはナゼか?

15s3038: 
複合反応の反応の 1 つとして存在する, $ \DS$   H$ _2 +$   M$ \rightarrow$   H$ +$   H$ +$   M のようなものにおいて, M は反応によって物質としての変化はないですが, エネルギー状態は何かしら変化しているため, 同一のものとは考えにくいと思うのですが, M のエネルギー状態の変化は次の $ \DS$   H$ _2 +$   M$ \rightarrow$   H$ +$   H$ +$   M に反応に影響を及ぼすことはありえますか? M: 可能性を考えるだけなら, 簡単では? 自分で判断できないのはナゼか? // 初めの反応の右辺の M が, すぐ次の反応に使用されると? 気体分子の速度・平均自由行程・衝突頻度などを学んだのでは? どうして既習の知識を活用して考えようとしないのか?

15s3040: 
複合反応は実験によってのみ求められるということでしたが, この複合反応の素反応について分かっても複合反応を予想することができないのはなぜですか. M: 勘違いでは? 実験的に決定するしかないのは何なのか? 教科書をよく読む必要があるのでは?

15s3041: 
半減期についてです. 時間の経過とともに濃度は限りなくゼロに近づくが決してゼロにはならない. とありますが, 粒子が 1 つしかないときはどうなるのか? M: そもそも反応速度式では, 濃度が連続量であることを前提としている. しかしわれわれは, 物質は原子・分子という離散的なものからなることを知っているので, 厳密にいえば注目している系について濃度も離散的な量だと言える. // 半減期というものを考えることができるということは, そもそも扱っている現象が確率論的にふるまうことを意味している.

15s3042: 
なぜ気相では分子の個数の単位として mol ではなく, molecule を用いるのですか. M: 教科書 p.131 をよく読めば分かるのでは?

15s3045: 
$ a$   A$ + b$   B$ \rightarrow$   生成物 の複合反応で $ \DS v = k [$A$ ]^n [$B$ ]^m$$ n$, $ m$ は なぜ $ a=n$, $ b=m$ でないのか? M: 複合反応だから, 等しいとは限らない. 教科書や参考書をよく読めば分かるのでは?

15s3046: 
複合反応の速度式において 反応次数を化学量論係数が一致しない場合の反応式はあるか? M: 15s3045 参照

14s3008: 
2 つの反応物 A がお互いにぶつかって生成物 B ができる反応において, 反応速度が単に $ [$A$ ]$ ではなく $ [$A$ ]^2$ に比例するのはなぜですか? M:  A$ +$   B$ \rightarrow ...$ で A=B の場合. // もしかして A$ +$   B$ \rightarrow ...$ の速度が, 積 $ [$A$ ][$B$ ]$ に比例する理由を, 本当には理解していないのか?

14s3021: 
「二次反応の速度定数の決定には, 濃度の絶対値を測定する必要がある.」とありますがどのようにして濃度の絶対値を測定するのでしょうか? M: 本気ですか? 溶液中に含まれている目的物質の濃度の決定方法は, 色々と学んできて知っているはずでは?

14s3040: 
教科書の p.135 の Advanced に複合反応の速度式では反応次数と化学量論係数は必ずしも一致しないが, 化学平衡の平衡定数は, 一致している理由に 反応速度は, 反応系から生成系に至るまでの中間の素反応の組み合わせによらないためということであったのですが, あまり複合反応の利点を理解することができなかったのですが, どのようなところで重要になるのでしょうか? M: 誤読では? // ``複合反応の利点'' という発想が奇妙だ. ある反応系から生成物を得るときに, 複合反応と素反応のどちらを利用するかを, それぞれの有利不利を考慮して決めようとでもいうのか? // われわれは化学反応において, 複数の化学結合を切り, そしてあらたに別の複数の化学結合を形成させて, 目的の物質を得る. このときの化学反応は, たいていが複合反応だ.

13s3012: 
``復号'' 反応に違和感. 複合ではないのか. M: すみません, 板書を間違えていましたか? // 間違えていたのなら, ナゼその場で指摘してくれなかったのでしょうか?

12s3029: 
一次反応の速度式の傾きがゆるやかになっていくということは, 反応が平衡状態に近づいていっているということですか? M: 教科書 13 章や参考書をよく読めば分かるのでは?



rmiya, 2017-02-03