構造物理化学I (20170120) M: 以下は宮本のコメント
16s2001: 
ポテンシャルエネルギーが 2 つの物体間の相対距離だけに依存するから 2 体問題を 1 体問題と考えられるというのはどのように一般化するのか. M: 意味不明. 質問文の ``ポテンシャルエネルギー〜考えられる'' が, 既に一般的な話. それをさらに一般化するとは, どういうことか?

16s2002+: 
振動している二原子分子のよいモデルであるとして調和振動子が用いられているが, では三原子分子の場合だとどういうモデルがありますか? M: 原子の数や幾何構造に応じて, いちいち別のモデルを考えなければならないとすると, ``分子振動'' について一般的な話など全くできなくなってしまうのでは? // 多体系の一般解について, 物理学の基礎を復習する必要がある? // 教科書 p.175 および p.555 など, または参考書を読めば分かるのでは? 基準座標と言ってみるテスト

16s2003: 
振動スペクトルや回転スペクトルを持つと物体の温度が上がるのですか. M: 勘違いの予感. ``スペクトルを持つ'' が意味不明.

16s2004: 
実際に分子を考えるにあたって, 調和振動子に熱エネルギーや光エネルギーが影響することはあるのですか. M: 何を聞きたいのか, 意味不明.

16s2005: 
質点が同一の直線上にあれば, 2 体系以外の運動でも 1 個の質点の運動と等価であるか. M: 私は知りません. 自分で運動方程式でもいじって考えてみれば分かるのでは?

16s2006: 
赤外線とマイクロ波を同時に吸収した場合, 振動と回転が同時に起こるのか. M: 自分で考えてみて分からないのはナゼか? // 光 (電磁波) を吸収したということの意味は?

16s2007: 
二原子分子で, $ \DS m_1 \neq m_2$ のとき重心が動くのは分かります. けれど, $ \DS m_1$ に働く力は $ \DS m_2$ に働く力と等しく反対向きと言われると, 重心が動かないようにも思います. 考え方がどのようにまちがえていますか. M: 初めから全部. // 二原子系の外部から力が加わらなければ, 分子の重心は静止 (または等速直線運動) したまま. そして, 大きさが同じで向きが逆なのは二原子間に働く力の話で, これは作用・反作用の話. 分子の重心はこれでは動かない. // 力学の基礎の復習が必要か?

16s2008: 
一原子分子 (He 等) を考える際にも振動スペクトルと回転スペクトルは計算できるのか. また計算できる際に分子の伸び縮みとはどういうことなのか. // 原子レベルの世界になると質量欠損 ( $ \DS E = m c^2$) がおこるので全エネルギーに変化がおこるのか. それとも 質量+エネルギー のカタマリで保存されるのか. M: 本気の質問なのか? 講義で何が伸び縮みする ``振動'' の話をしていたのか, 全く伝わっていないようで, 残念. 回転運動についても同様. // どの程度の質量欠損の大きさを問題視しているのか?

16s2009: 
分子の結合が振動しているということは, 電子が反発し合って振動していることになるが, 分子の周りに外部の電場が存在すれば, 分子の振動は変わるのか. M: 勘違い. 電子間には常にクーロン反発があるが, 分子振動の原因は, 電子間の反発ではない. // 外部電場があれば, 分子内の電子密度分布に影響して, 結果として分子振動が変化する可能性はある (振動シュタルク効果).

16s2010: 
調和振動子を 3 次元に拡張して考えると, 換算質量は任意の 2 つの物体でそれぞれ考えるべきなのか. M: ``3 次元に拡張'' が, 具体的に何をどうすることなのか, 意味不明. // 16s2002 のコメント参照

16s2011: 
どうして二原子分子の振動は調和振動子に近似できるのでしょうか. M: テイラー展開と言ってみるテスト. (5.23) 参照

16s2012: 
多体系でも換算質量を利用すれば一体系とみなして計算することができるのですか? M: 16s2002 のコメント参照

16s2013*: 
二原子分子の結合距離が伸びたり縮んだりする要因はまわりに存在する他の分子との衝突によるためでしょうか. いくつか要因があるとすれば何がこのような振る舞いに一番影響を与えますか. M: 量子力学的効果 // ポテンシャルエネルギーの勾配 (の逆符号) が力である (p.171, (5.8) 式). 古典的な振動子がポテンシャルの底 (平衡位置) に静止しているならば振動しないが, 量子力学的な振動子は不確定性原理の制限により静止できず, 最低エネルギーの状態であってもゼロ点振動を持つ. 量子力学的な調和振動子について, 学べば分かるのでは?

16s2014: 
調和振動子と剛体回転子について, ある二原子分子に長い波長を当てるとその分子は調和振動子として働き, 短い波長を当てると剛体回転子として動くという解釈でよいのか. M: 全然違う. そもそも ``長い波長を当てる'' 等が意味不明. 何の波長の話か?? // 振動運動と回転運動のそれぞれの様子を, 調和振動子や剛体回転子のそれとみなす (近似する) という話.

16s2015+: 
二原子分子は振動と回転が同時に起こることはないのですか. 起こるとしたら, 互いにどのような影響を及ぼすか. M: 二原子分子は, 並進運動しながら, 回転運動もしながら, 振動運動もしながら, 分子内の電子も運動している. あたりまえ. ただこれらの運動を, 互いに独立と考えて (近似して), それぞれ個別に考えるところから始める. もちろん現実には, 完全に独立だとは言えずに相互作用はあるが, 近似の精度を高める段階で, 別途考慮する. // 例えば回転運動が激しくなれば, 遠心力によって原子間距離が引き伸ばされる効果が考えられる. 教科書 p.539 や参考書を参照

16s2016+: 
力の定数は二原子分子の種類によって変わりますか. また, どうやって決めるのですか. M: 二原子分子の結合の力の定数とは, 結合の強さと関連している. 二原子分子の種類によって結合の強さが異なることは, 容易に想像できると思うが? // 振動スペクトルを測定する. 観測された振動数は $ \DS \omega = \frac{k}{\mu}$ であるが, 原子の質量は既知であるので, 力の定数がわかる.

16s2017: 
p.173 に, 全エネルギーが保存される「保存系」というものが出ていますが, 実際には, 現象としてはありえないことだと思うのですが, どうなのでしょうか? M: あり得ないことだと断言する根拠は何か? // エネルギー保存則 (より正確には, 質量・エネルギー保存則) は, 宇宙の法則の中でも最も重要で, これまで反例がみつかっていないものの一つですが?

16s2018: 
二重結合をもつ分子や, 環状構造の分子なども, 分子間で振動するのでしょうか. M: 分子間力の働かない分子は無いと思うが?

16s2020: 
2 体系の運動は換算質量をもつ 1 個の質点の運動と等価になるのはなぜですか. M: 2 体系の運動方程式から 1 体系の運動方程式と同じ形の運動方程式が導出されることを講義で示したのだが, 伝わっていなくて残念. 詳しい式の導出の過程は, 教科書や参考書を参照して, 自分でやってみること.

16s2021: 
振動スペクトルや回転スペクトルが可視領域に現れることはあるのか. M: 可視光のエネルギーは電子状態間の遷移のエネルギーに相当し, この領域のスペクトルは電子スペクトルとも呼ばれる. しかし電子状態が変化する時に, 同時に振動や回転の状態も変化することがあり, 結果として電子スペクトルに振動や回転の構造が乗ることがある. 例えば教科書 p.546 には振動構造が乗った電子遷移 (可視吸収スペクトル) が, p.633 には吸収と蛍光に振動構造が見られる様子の模式図が, それぞれ示されている.

16s2022: 
実際の二原子分子は振動しながら回転しているので剛体回転子として考えられないと思うのですが, それでも剛体回転子として考えるのは考えやすくなるからなのか. M: 考えやすいかどうか, 自分で判断できないのはナゼか? // 16s2015 参照

16s2023: 
二原子分子の結合距離が伸び縮みするというのは初耳だったのですが, 常に伸び縮みしているものなのですか? 静止することはないのですか? また, 静止することがあるならば, どのようなとき静止するのですか? M: 16s2013 参照

16s2024: 
二原子分子の回転スペクトルを使って分子内の結合長を決定するとありますが, 結合距離の伸縮を表す振動スペクトルを使ってでは決定できないのか. M: 振動スペクトルから得られる振動数は原子の質量と結合の力の定数, 回転スペクトルから得られる回転定数は分子の慣性モーメントと, それぞれ関連している. 結合距離はどちらに関与しているか.

16s2026: 
定義される量 $ \mu$ を換算質量という, とあるが, 換算質量と実際の質量との違いが影響を及ぼすことはないのか. M: 勘違いの予感. どんな場面で換算質量が使われるか, どのような経緯で換算質量が導入されたかを, 教科書や参考書をよくよく読んで理解する必要があるのでは?

16s2027: 
二原子分子で調和振動子が用いられていますが, 単原子分子でも用いることができるのですか? M: 16s2008 の前半参照

16s2028: 
二原子分子であれば皆 2 体系の運動をするのか. M: 本気の質問か? ``2 体系'' という言葉の ``2'' は, 何を表していると思っているのか?

16s2029: 
二原子分子の剛体回転子を考えるとき, 分子自体の振動も含めて考えるのか, それとも回転のみを考えるのか. M: 本気か? 物理学の基礎を復習する必要があるのでは?

16s2030: 
赤外線とマイクロ波を同時に当てた場合どうなりますか. M: 16s2006 参照

16s2031: 
分子間の力をばねとみて, 計算していましたが, イオン結合性の分子などを考えた場合, ばねの力のかわりに, クーロンの法則を用いることは可能ですか? M: なぜ自分で考えないのだろうか? // 実際の分子においては, 原子間がばねでつながれているのではない. 実際の結合に対して, ``ばね'' はあくまでもモデル. / イオン結合で原子が結合した ``分子'' の例として, どんなものがあるというのか? / 分子を構成している粒子間に働く物理的な力として, 何があるか? ちなみに, われわれの物理世界に力は 4 種類しかない.

16s2032: 
図 5.5 において, 核間ポテンシャルと調和振動子が極小近傍で近似できるとあるが, $ l$ が小さくなるにつれ値がずれるのはどうしてなのか? M: $ l$ が大きくなる方でもズレているが, 小さくなる方だけを質問しているのはナゼか? // 例えば $ l = 0$ は可能か?

16s2033: 
定常状態において気体状態の原子が多いのはなぜか. // 二原子分子にバネはついていないのにどうして, バネでつながれた 2 つの質点に関する議論を用いるのだろう. M: 私は数えたことがないので知らないが, 本当に多いのか? // フックの法則にしたがう系を考えていて, その具体的な例としてなじみのあるバネでつながれた質点の系があるのだが, そういう論理の例示や抽象化を理解できないのは, どこに問題があるのか?

16s2035: 
例えば電磁波は調和振動子と考えられますか? M: 考えるのはあなたの自由なので, 好きにすればいいのでは?

16s2036: 
特に質問はないです. M: そうですか. 提出物が要件を満足していません.

16s2037: 
剛体回転子が水平面に対して垂直に回転する場合, 全エネルギーにはその他のエネルギーも含まれるのですか. 含まれるとしたら位置エネルギーなどですか. M: 位置エネルギーの大きさは? その他のエネルギーとして何を想定しているか?

16s2039: 
三体系以上の運動も同じように換算質量 $ \mu$ を用いて一個の質点の運動と等価になるのか. M: 16s2002 のコメント参照

16s2040: 
換算質量は $ \DS \mu \frac{\d^2 x}{\d t^2} = -k x$ において なにを表しますか. M: 意味不明. $ \mu$ が換算質量だが, この式を (5.3) 式と見比べてみれば?

16s2041: 
3 体系や 4 体系と体系が増えた場合でも他の体系と同じように扱うことができるのでしょうか. M: ``体系が増える'' の意味が分からない.

16s2042: 
原子間に働く力がバネの力のようにふるまうと どうしてわかったのでしょうか? M: 16s2011 参照

16s2043: 
なぜ換算質量を用いることによって 2 体系を 1 体系と同じく簡単に扱うことができるのか. M: 16s2020 参照

16s2044: 
平衡時のバネは古典的にはうごいていないと言っていたが 古典的でない場合の平衡はどのような状態なのか. M: 量子力学的には, 最低エネルギーの状態でもゼロ点エネルギー (ゼロ点振動) がある. 教科書 p.178 や参考書を読めば分かるのでは?

16s2045: 
回転しながら振動するような系は存在するのでしょうか. M: 16s2015 参照

16s2046: 
2 体系の運動は換算質量 $ \mu$ をもつ 1 つの質点運動と等価であるが換算質量が同じであれば他の運動も同じになるのか. M: 他の運動とは? // 自分で考えて分からないのはナゼか?

16s2048: 
運動エネルギーとポテンシャルエネルギーの全エネルギーが保存系というのを知ったが, この他には保存系のエネルギーはどういったものがあるのか. M: 物理学の基礎を復習する必要があるのでは?

16s2049: 
光のスペクトルについて, 透明なもの (例えば水や空気) は全ての色の光を吸収することができるということか? M: 光源からの光を全て吸収したとすると, 観察している者の目に到達する光はどうなるか? // (勘違いしている人が多数だが) 無色と透明は異なる. 反対の意味の言葉を考えてみれば自明なのだが, 有色 (または着色等) と不透明 (または濁っている等) は同義じゃない.

16s2050: 
調和振動子のモデルを考える時, なぜ分子と分子をバネでつなぐのですか. バネでなくても伸び縮みするものはあると思うのですが, やはりフックの法則のような都合の良い方則[原文ママ]があるからでしょうか. M: 勘違いの予感. // 分子同士をつなぐ話はしていない. // そもそも 5.1 節のタイトルに ``調和振動子はフックの法則に従う'' と書いてあるのだが, 教科書を読んでいないのだろうか?

16s2051: 
回転する 2 元子[原文ママ]分子では円運動を 3 次元に分けて運動方程式を立ててできるのですか. M: 意味不明. // 元子とか. 円運動は二次元平面内の運動だが, これを 3 次元に分けるとか. ``できる'' とは何のことかとか.

16s2052: 
赤色光を緑の葉に当てると, その光の色は見えなくなるのですか? // 植物以外の動物や無機物にも色がありますが, なぜ光が吸収されるのですか. 吸収された光のエネルギーは何に利用されるのですか. M: yes/no を他人に教えてもらう必要があるのか? 原理に基づいて考えれば分かるのでは? // ボーアの振動数条件. 教科書 15.1 節や参考書をよく読めば分かるのでは?

15s3007: 
図 5.3 の縦軸の単位は何ですか? M: 別に, 数値や大きさ それ自体に意味はないので, 好きな単位系で測ればいいのでは?

15s3014: 
2 体問題を 1 体問題に還元するのに条件付けしていますが 条件がないとなにが問題となるのですか. M: その条件を外してみて, 式の変形を自分で考えてみれば分かるのでは?

15s3025: 
教科書 p.172 の 6 行目に, 「バネが変形していないとき ($ x=0$) のこの系のポテンシャルエネルギーを 0 に選ぶと,」 とありますが 0 以外を選ぶことがあるのですか? M: 教科書のすぐ上の行をよく読んで考えれば分かるのでは?

15s3041: 
三原子分子の場合には, 相対座標はどのように考えられますか? M: 16s2002 参照

14s3007: 
換算質量 $ \mu$ により 2 体系のものを, 1 体系として解くことができますが, 3 体系にも応用することは可能ですか? M: 16s2002 参照

14s3034: 
初期条件の $ t=0$ のとき $ x(0) = A$ とあるが, $ A=0$ つまり平衡長のときは $ x(t)=0$ となるのでつまらない解が得られるが, $ t=0$ のときたまたま $ A=0$ になった場合と平衡だから $ A=0$ の場合を区別することはできますか. M: ``たまたま〜'' が意味不明. 初期条件は $ x(0) = A$ だけじゃない.

14s3046: 
振動スペクトルは赤外領域の光の吸収によるものとありましたが, 可視光や紫外線では全く振動しないのでしょうか. M: 16s2021 参照



rmiya, 2017-01-23