化学の基礎 II(G) (20160107)
M: 以下は宮本のコメント
- 15s3001+:
- 実在の熱機関の変換効率がつねにカルノーサイクルより小さくなるのは, 摩擦などの不可逆的な変化以外に, カルノーサイクルでは作業物質をゆっくり膨張, 圧縮していることも関係しているのでしょうか. M: それではカルノーサイクルの本質を理解したとは言えない. 個別具体的な現象とは離れて, 実在の熱機関は必ず不可逆過程を含む. 一方, カルノーサイクルでは全ての過程が可逆過程である.
- 15s3002*:
- 変化量である
と状態の数である
B
は本当に等価と言えるのか. M: 講義で示したように, エントロピー変化については矛盾は無い. それ以上の議論については, 参考書参照.
- 15s3003:
- 絶対零度下で完全結晶であっても, 混合物では
にはならないのですか. M: ``完全結晶'' の意味を調べて, 考えてみればいいのでは(?) また純物質, 化合物, 混合物の意味は(?)
- 15s3004:
- 圧力が一定でない場合, エントロピー
は出すことができるのですか. M: 別に, 普通に出せば良いでしょ(?) // 講義で示した定圧の場合についてはああするというだけで, 別の場合には別の計算をすればいい.
- 15s3005+:
- カルノー効率の限界値は物質によって変化するのか. M: カルノー効率について理解していない質問だ. // カルノー効率は, 高温側と低温側の熱源の温度だけに依存し, 具体的な熱機関の構造や材料の種類に依存しないという, 驚くべき特徴がある(!)
- 15s3006:
- 孤立系以外では 付加逆変化であっても必ずしも系のエントロピーは増大しないとは どういうことか. M: 言葉通りの意味. 講義でも説明したが, 何が分からないのか?
- 15s3007:
- ほとんどのものは温度を一定に保ちながら膨張させればいいとあるが, 膨張することによって温度は変わらないのか? M: そりゃ, 変わることもあるでしょう. あたりまえでは(?)
- 15s3008:
- 絶対零度で完全結晶のとき以外で分子が静止する時はあるのですか. M: 自分で判断できないのは, なぜか?
- 15s3009:
- なぜ無限小変化だと, 可逆変化とみなすのですか? M: 可逆変化とは, どのような変化か?
- 15s3010:
-
の関係はなぜ成り立つのか. M: ``最大の膨張仕事 (PV 仕事)'' と言ってみるテスト
- 15s3011:
と
カルノー は別のことを表しているのですか? カルノー効率が
となるということは マイナスの値もとるのですか? M: 脊髄反射でなく, 丁寧に考えてください. それぞれの物理量が何を表しているのか, その意味をしっかりと理解しましょう. 定義式は? 別の物理量との関係は? 取りうる値は?
- 15s3012:
- ボルツマン関係式
B
の
は系の微視的な状態の数を表すが, 微視的とは具体的にどういうことか. M: 今さらな質問で, ビックリ. 言葉の意味が分からないなら, 辞書を見ればいいのでは(?)
- 15s3013*:
- 板書で
と書いてありましたが クラウジウスの不等式から高温側, 低温側のエントロピーはそれぞれ
h
,
c
であるから
となるのではないのですか. M: なぜその場で質問しないのか? //
が可逆過程で移動した熱とは限らないという意味ではその通りだが,
という結論は変わらない. もう少しよく考えると, 高温側も低温側も仕事の出入りはないのだから, 移動した熱は全てそれぞれの内部エネルギーの変化をもたらす. すなわち移動した熱量は経路に依存しない状態量に等しく, 可逆過程で移動する熱量に等しい.
- 15s3014:
である条件として純粋な物質とあるが, 純粋でない場合は成り立たないのはなぜか. M: 不純物を含む場合, 絶対零度で原子の位置が固定されていたとして, 微視的な状態数は
となるか? 残余エントロピーと言ってみるテスト
- 15s3015:
- なぜ孤立系以外では自発的な変化でも系のエントロピーは必ずしも増大しないのか? M:
宇宙
系
外界
を見てじっくり考えればいいのでは(?)
- 15s3016:
- 系の微視的な状態の数とは実際の分子の数と同じなのですか. M: いいえ. (9.8) 式に示されるように, 1 分子だけの系の状態の数は 1 ではない. またその下の説明文にあるように, 分子数が
の場合, 状態の数は
倍になるのではなく,
乗になる.
- 15s3017:
- 絶対零度からどのようにしてエントロピーを増加させるのですか. M: 教科書 p.113 の記述のどこが分からないのか?
- 15s3018:
- エントロピーが増加し続けると何か悪いことなどが起こりうるのでしょうか. M: 善悪の価値観は主観的なので, 自分で判断してください. // ``宇宙の熱的死'' と言ってみるテスト. 14s3015 参照
- 15s3019:
- 熱浴は外界以外にはありますか. M: そりゃ, 系や外界とは別に熱浴を考えてもいいけど, それにどんな意味・利点があるのか?
- 15s3020:
- ボルツマンの関係式で, 系の微視的な状態とは何ですか. M: 教科書や参考書を複数, よく読めばいいのでは(?)
- 15s3021:
- 宇宙全体のエントロピー変化について ある系のエントロピー変化
system
かつ外界のエントロピー変化
thermal
となる事象はどういったものがありますか. M: 別に, 普通にいくらでもあるでしょ. それを他人から教えてもらって, どうしようというのか?
- 15s3022:
-
において, 熱量が移動したときそれに対応して温度
は変化しないのですか. M: そりゃ, 変化することもあるでしょ. 講義でも高温の物体から低温の物体に熱が移動する例を説明したし, 温度が変化しない等温膨張も説明した.
- 15s3023:
- エントロピーの変化は圧力が変化する時では求められないのですか. M: 15s3004 参照
- 15s3024+:
- 微視的な状態数
は求めるのが難しいのに なぜボルツマンの関係式は有用だといわれてるのでしょうか? どのようなところで使われるのでしょうか? M: 数式は, 値を求めるためだけに使うのではない. 量の関係を表現してもいる. ボルツマンの関係式により, エントロピーの意味が具体的に理解できた.
- 15s3025+:
- エントロピーが孤立系の自発的な変化の方向性を支配することができるのは なぜですか? M: あまりにも自明と思って, 講義では強調しませんでしたが,
ということ. すなわち自発的な変化は, エントロピーが増大する方向に進む.
- 15s3026:
- 熱容量が無限大に大きいとはどういうことですか? M: 熱容量とはどういうものか?
- 15s3027:
- 系の微視的な状態を表すものは, 粒子の位置の他にどんなものがありますか. M: 速度とか, 他にもあると思われるので, 調べて分かったら教えてくださいネ
- 15s3028:
- 純粋な物質の完全結晶ではなく絶対零度の状態のエントロピーは, どのくらいの差があるのですか? M: そりゃ, 系 (モノ) によって色々でしょ. 参考までに ``残余エントロピー'' と言ってみるテスト
- 15s3029:
- カルノーサイクルで高温熱源, 低温熱源の温度によって数値は変わってしまわないのですか. M: 意味不明. 何の数値の話か?
- 15s3030:
- 孤立系では
より
となっていたが, 宇宙全体の時,
total
system
thermal
と
total ではなぜ 0 をとれないのか. M: 別に等号を含めても良いけど, こだわる意味はあまりないような気がする. そもそもどういう時に等号になるのか? 自発的変化が進行する場合はどうか?
- 15s3031:
- 化合物になるとエントロピーにはどれほどの影響を与えるのか. M: 15s3028 参照 標準エントロピーの値なども参考になるかも.
- 15s3033:
- ボルツマンの関係式を実用できる系はあるのですか. また, この式は外界のエントロピーを考える時には使えないのですか. M: 15s3024 参照 // 自分で判断できないのは, なぜか?
- 15s3034*:
- カルノー効率は, 熱から仕事への変換効率の理論的限界値を与えるとありますが, 理論的限界値となる条件とは具体的に何ですか. M: 15s3001 参照, 15s3010 のコメント参照
- 15s3035:
- 全宇宙において, エントロピーは保存されますか. M: 本気ですか? (9.3) 式, 図9.4 参照
- 15s3036:
-
での純粋な物質の完全結晶では微視的状態は一つしかないとありますが, 全ての分子が同じ状態で存在していると本当にいえるのですか. M: ``完全結晶'' とは, どういう意味か?
- 15s3037:
- 理想気体の自由膨張でゆっくり膨張させると可逆変化になるのは なぜか. M: ``可逆変化'' とは, どのような変化か.
- 15s3038:
- ボルツマンの関係式
B
の
を直接求めることができないのならば, ボルツマンの関係式はどのような場合で使われるのでしょうか? M: 15s3024 参照
- 15s3039:
- なぜエネルギーの質の低下でエントロピーが増大するのか. M: ``エネルギーの質'' について考えてみればいいのでは(?)
- 15s3040:
- 冬休みの宿題の問題 3 の三重積分の計算の仕方が分かりませんでした. 何かヒントでもいいので教えてください. M: 提出物が要件を満足していません. // 講義のサポート web ページに, 数学の参考書を紹介している.
- 15s3041:
-
total
system
thermal
と表されていますが, この式だと宇宙全体のエントロピーが増えていると思うんですが. M: そうですね. それがどうかしましたか?
- 15s3042:
- 人間の代謝によって系のエントロピーが下がるのはなぜですか. M: 生物の体内で起こっている化学反応は, すべて自発的に進行している. それにもかかわらず, 生物の体には一定の秩序が存在しているように見える. このことをどう考えれば良いだろうか?
- 15s3043:
- 将来的には吸収した熱を 100 % 仕事に変換する事はできるようになるんですか. M: 熱力学の第二法則やカルノー効率を全く理解していないようで, 残念.
- 15s3044:
- 熱浴は宇宙においての外界の他にはあるのですか. M: 現実の系で文字通りの理想的な熱浴は存在するだろうか? // 15s3019 参照
- 15s3045:
- 熱から仕事への最高の変換効率を与える熱機関として, カルノーサイクルがあるが, どのくらいの効率なのか. M: 何を聞きたいのか分からない. 具体的にどういう状況を想定しているのか? 状況が指定されれば, 自分で計算すればいいのでは?
- 15s3046:
- エントロピーを統計論的に定義した理由は何か? M: 定義した人に聞けばいいのでは(?)
:-p
// 15s3024 参照
- 15s3047:
- 宇宙が拡大しているからエントロピーが増加していると考えれますか? M: そういう要因もあるかもしれないが, そうでなくても増加することをクラウジウスの不等式と (9.3) 式は示している.
- 15s3048:
- 孤立系以外ではなぜ自発的な変化であっても必ずしも系のエントロピーは増大しないのか. M: 15s3015 参照
- 14s3008:
- 冬休みの宿題についてですが, 演算子の期待値というのは一体何者ですか? まったくイメージがわきませんでした. M: マッカーリ &サイモン の 4 章の仮説 4 や, その他の参考書などをよく読んでみればいいのでは(?)
- 14s3015:
- 宇宙全体のエントロピーが最大まで増大して熱的死の状態になるとどうなるのでしょうか. M: どうもこうも, ``熱的死'' は自発的な変化の終着点で, それ以上でもそれ以下でもない.
- 14s3021:
- エントロピーが増大することで 宇宙全体の温度が共通になると参考書には書いてありましたが, そうなることで宇宙・地球への影響はどのようになるのですか? M: 14s3015 参照
- 14s3030:
- 現在の科学力で作り出せる最低温度はどれくらいですか. (地球上で) また最高温度を作り出す研究は新たな次元を作り出せるかどうかに利用されていると耳にしたことはありますが最低温度を作り出すための研究は何に利用されますか. M: 自分で調べてみればいいのでは(?) ウィキぺディアでは 1 nK 以下のようですね (正確には自分で一次情報にあたってください). // 新たな次元を作るって, 空想ですか(?) // 低温での物性には興味深いものが多い, とだけ言っておく.
- 14s3034:
- 「系の微視的な状態」とは何か. M: 15s3020 参照
- 14s3040:
- クラウジウスの不等式でどうして
rev
であることがいつも保たれているのですか? M: 15s3010 参照
- 12s3017:
- 今回の講義で出てきた
B
ですが,
の値を求めることができないのに, この式が存在する理由は何か? M: 15s3024 参照
rmiya, 20160126