化学の基礎 II(G) (20151124)
M: 以下は宮本のコメント
- 15s3001:
- 教科書の中で, 実在気体のことを不完全気体ともいう, とありましたが, これは, 実在するものが理想の状態方程式に当てはまらないから, という意味なのでしょうか. M: 自分で判断できないのは何故か? 言葉の意味が分からなければ, 辞書を見れば良いのでは(?) それとも国語力の問題(?)
- 15s3002:
- 実在気体と圧縮因子の圧力依存性のグラフで, 低圧では一時的に
が下がるのは何故. M: 実在気体のどのような性質を, 理想気体では無視していたか, 考えればいいのでは(?)
- 15s3003:
-
のように
が付くと, 平均値という意味になるのですか. M: 本書では, そういう使い方をしている. p.67 の一行目参照. 他の書籍でも同様の使い方をするものがある. 参考書参照.
- 15s3004:
- ビリアル状態方程式において,
という定数があるが これは多くの定数が出現するにもかかわらず正確に定めることができるのでしょうか. M: ``実験結果をよく再現する'' に注意, 前頁末の ``実験から得られる
データを再現するように決められる'' と同じ意味. カーブフィッティングとか, 最小二乗法などを調べてみればいいのでは(?)
- 15s3005:
- 根平均 2 乗速度のところで
とあるが そもそも根号をつける意味はあるのか 付けない方が見てもわかりやすいと思う. M: 速度と速度の二乗は次元 (単位) の全く異なる物理量だし, 日常的には ``速度の二乗'' よりも ``速度'' のほうになじみがあると思うのだが? // ``分子の平均速度の一つの表現方法'' との教科書の説明が理解できないのか(?) (7.4) 式も参照
- 15s3006:
- ファンデルワールス状態方程式は どんな気体にも厳密に成立するのか. M: そもそもファンデルワールスの定数
は, ``実験から得られる
データを再現するように決められる'' のであるが, 得られているデータになるべくよく一致するとするのが精一杯. これは vdW の状態方程式もまた, 自然に対する近似のひとつなので, 原理的にしょうがないことだ.
- 15s3007:
- 図5.5 において, どうして高圧で
が 1 より大きくなるのは 排除体積の影響でおきるのか. また高圧にすれば同時に温度も上昇するはずです. M: 高圧ということは気体の密度が大きいということで (気体の質量が一定ならば, 系の体積が小さいということ), すなわち系の体積に対して気体分子の体積を無視できないということ. // 図5.5 は正確には, 温度一定の時の圧縮因子の圧力依存性です. 参考書参照
- 15s3008:
- ビリアル状態方程式は どのように導き出すのですか. M: 別に. 普通に ``
や
の多項式として展開'' します. テイラー展開などをイメージしてください.
- 15s3009:
- 図5.5 のグラフでは, 二重結合がある分子, 原子量が重い分子などで, どのように変化するのですか? M: 図にも載っているエチレンは二重結合があるし, 水素と窒素を比べれば質量の効果などが推定できるのでは(?) 詳細は, 参考書やデータブックなどを参照してはいかがか(?)
- 15s3010:
- 実在気体の状態方程式が二つ紹介されたが 理想気体の状態方程式と同様に, 常識として知っていなければいけないものなのか. M: あなたの常識は, 他人の非常識(?!) // 大学では, どのような種類の勉強が求められているか(?)
- 15s3011:
- 圧力が低く温度が高いとき 理想気体に近づきますが, 一致することがある条件はないのでしょうか? M: 理想気体と実在気体の違いは何か? そのような違いが生じる理由は何か? 圧力や温度の条件を変化させると, 前述の理由がなくなることがあるのか?
- 15s3012:
- ボイルの法則やシャルルの法則で示されている,
とは どういう意味か. M: 本気ですか? ``比例する'' という意味の数学記号を見たことがないのでしょうか? 式の前の文章中にも記載されているのに.
- 15s3013:
- 容器の体積を大きなものにすることで分子間力や排除体積を無視して
の式を用いて計算することは可能ですか. M: 本気ですか? これまで, そういう計算を一切やってこなかったのでしょうか? ``近似'' とは, どういう意味でしょうか?
- 15s3014:
- 図5.5 の C
H
と NH
のグラフは左端が 1.0 から離れているようですが 圧力が 0 に近くても理想からずれるのですか. M: あなたは, 本当にずれると考えているのですか? そして, 教科書の図は精密であって厳密に正しいと(?) // おそらく, 変化が急なので, 目の錯覚でしょう :-p
参考書も参照
- 15s3015:
- なぜ温度を数値化するのに ボイルの法則から 100 年以上必要だったのか? M: 本当に, 温度について考え工夫した人が全くいなかったと思ってるんですか? 当時の科学知識や技術のレベルとか, 科学史を勉強すれば良いのでは(?) それとも読書感想文(仮称) のネタ(?)
- 15s3016:
- 実在する気体を理想気体に近づけるための方法や実験はありますか. M: 他に答えを求めて探すより, 自分で工夫すれば良いのでは(?) // 15s3011 のコメント参照
- 15s3017:
- ビリアル状態方程式において ビリアル係数はどのようにして導き出して使用しているのですか. M: 15s3008, 15s3004 を参照
- 15s3018:
- 「気体分子 1 モルの並進運動のエネルギーは
に等しい」という仮定が出てくるが, なぜ
なのでしょうか. M: もしも係数が ``1'' ならば理解できる, と思っているのなら, フィーリングだけで理解したつもりになるのはやめてください. // 講義中にも説明のだが伝わっていなくて残念. 教科書 p.68 の傍注も参照.
- 15s3019:
- 理想気体に一番近い分子は何ですか. M: 自分で考えればいいのでは(?) 15s3011 のコメント前半を参照
- 15s3020:
- ファンデルワールスの状態方程式でなぜ
がでてくるのか. M: 衝突の頻度を減少する因子と衝撃の強さを減少する因子と アトキンス では説明している. 参考書など参照
- 15s3021:
- 排除体積は なぜ分子 1 個の体積よりも大きくなるのですか. M: 本気ですか? 分子の体積よりも小さくなると期待していたのか?? 図5.6 を見てよく考えればいいのでは(?) // 複数の物体が, 同時に同じ位置を占めることはできるか? // ここでは分子を球形と仮定しているが, 私たちは分子が原子核とその周囲にまとわり付いている電子雲だと知っている. さて, 分子の体積とは, いったいどの範囲まで?
- 15s3022:
- 分子運動の速さを検討するときに, 圧力と熱についての要素が同時に考慮されていないのは何故ですか. M: その ``熱'' とは, 何のことか?
- 15s3023:
- 実在気体が理想気体とずれがあることによって, どのようなことが分かるのですか. M: 正気ですか? 15s3011 のコメント前半参照
- 15s3024:
- なぜ
の平方根をとるのでしょうか? 根平均二乗速度とは なんですか? M: 15s3005 も参照
- 15s3025:
- 「同じ数の分子を含む気体試料は, 同じ温度と同じ圧力のもとでは同じ体積である. 分子の大きさや形などの個々の性質によらない.」というのがアボガドロの仮説である. とありますが, これは証明されていないのですか? M: 実在の気体について, この仮説は成り立つのか, 各種の実在の気体の圧縮因子を考えてみればいいのでは(?)
- 15s3026:
- 理想気体をつくりだすことは可能ですか. M: 自分で考えて分からないのは何故か? 15s3011 のコメント参照
- 15s3027:
- 実際の研究では, ファンデルワールス状態方程式とビリアル状態方程式のどちらが使われる機会が多いですか? M: 統計をとったことがないので, 私は知りません. 調べて分かったら, 教えてくださいネ
- 15s3028:
- 理想気体は存在しないのに理想気体を想定した式をつくっても実在気体の式にするときズレは生じないのでしょうか? M: 自分で考えて分からないのは何故か? なぜ実在気体の状態方程式というものが存在するのか? 図5.5 の意味は何なのか?
- 15s3029:
- どうして絶対温度よりも低い値はないのですか. また絶対温度のときの原子や分子はどのような状態でいるのですか. M: 1 個の分子の平均運動エネルギー
B
で考えてみればいいのでは(?) // 実際には量子論的な効果を考慮しなければいけないが, まずは古典力学の範囲で考えてみればいいのでは(?)
- 15s3030:
- 気体定数
は どのようにして求められたのか? M: 求めた人に聞けばいいのでは? // 状態方程式を利用するとか, 考え付きませんか(?)
- 15s3031:
- 実際の分子は弾性衝突しないため, 運動エネルギーが失われるが, すると, 時間がたつにつれて分子は運動しなくなるといえるのか. M: それでもやっぱり全エネルギーは保存されるので, 分子の内部振動とか回転運動や, 容器を構成している原子の振動などに分配される. もしも外界とは断熱されて, 容器の中で熱平衡状態にあるのならば, 運動エネルギーは失われない.
- 15s3032:
- 気体分子 1 モルの並進運動エネルギーが ``
'' という仮定があるが, どうして ``
'' なのか? M: 15s3018 参照
- 15s3033:
- 教科書には (5.17) 式に関して, 温度がマクロな量であると書かれていますが, なぜそういえるのでしょうか. M: じゃあ, 温度はミクロな量なのか? なぜ? // 1 個の気体分子が容器内にあるとき, その温度をどう考えたらよいでしょうか?
- 15s3034:
- 温度を数値化するのに 100 年以上の時が必要だったのは なぜですか. M: 15s3015 参照
- 15s3035:
- 圧力因子が 1 より小さい時と 1 より大きい時では 何が違うのですか. M: 圧縮因子が違う
:-p
// 15s3002, 15s3007 などのコメントも参照
- 15s3036:
- 圧縮因子は気体がある圧力で理想気体に状態が近いかそうでないかを表していると思いますが, それ以外に何か示していますか. M: 自分で考えて, いろいろと読み取れば良いのでは? 15s3002, 15s3007 などのコメントも参照
- 15s3037:
- ファンデルワールスの状態方程式も 分子の衝突は弾性的であるという仮定は そのまま使われているのですか. M: 自分で考えて分からないのは何故か? 理想気体の状態方程式に対して, 何を考えてどういう修正を施したのか?
- 15s3038:
- 昔から暗黙の了解のように「分子は剛体」であることを使っていたというが, 実際には剛体と同じ性質を持っていることは 今まで確認されたのでしょうか? M: ``昔から〜使っていた'' と言っている人に聞けばいいのでは? // その仮定は, いつも常に使われていたのか? // 私たちは分子が原子核とその周囲にまとわり付いている電子雲だと知っているのだが…?
- 15s3039:
- 理想気体方程式と実在気体方程式は どのように使い分けるか. M: 別に, 必要な方を使えば良いのでは(?)
- 15s3040:
-
という式から なぜ平方根をとったのですか. M: 15s3005 参照
- 15s3041:
- 教科書に分子どうしが近づくと斥力が働く (p.70) と書いているが, なぜ, どのように働いているのか? M: 15s3021 のコメント参照
- 15s3042:
- 分子は温度を定めると, 個有[原文ママ]の根平均二乗速度を持つと考えられますが, この速度を測定することで実験で得られた物質を特定することはできますか. M: 飛行時間 (Time-Of-Flight, TOF) 型の質量分析装置, と言ってみるテスト
- 15s3043:
- なぜ CH
, C
H
, NH
などは圧力が小さいと圧縮因子は 1 より下がるんですか. M: 15s3002, 15s3007 などのコメント参照
- 15s3044:
- 気体分子があるのに圧力はないという現象はあるのですか. M: 講義では, 1 分子の気体による圧力を考えました.
- 15s3045:
- 分子が壁にぶつかったとき,
が
になるといったが, ボールが壁にぶつかるとだんだんエネルギーが失われていくように, 分子の場合もエネルギーが減るのではないか? M: 壁との衝突は弾性的であるとの仮定 (p.65) を忘れている.
- 15s3046:
- 理想気体とのずれが一番大きい実際気体は何ですか? M: ズレの大きさをどうやって見積もるか? // 一番小さい気体の逆を考えればいいのでは(?)
- 15s3047:
- なぜ気体の分子の動きがランダムなのですか? M: 特定の方向を優先する理由があるか? 協調して運動する理由があるか?
- 15s3048:
- 排除体積は分子によって変化するのですか. M: 排除体積の大きさは, どう考えるのか? 排除体積は, どのパラメータに反映されるのか? そのパラメータの値は, 分子の種類によって変化するか?
- 14s3008:
- 圧縮因子のグラフで, 二次曲線のようなグラフがあるのはなぜですか? M: 15s3002, 15s3007 などのコメント参照
- 14s3015:
- 気体分子運動のモデルでは 分子と壁との衝突は弾性的であると仮定しましたが, 実際の非弾性衝突により失われるエネルギーはどのくらいになるのでしょうか. 無視できるくらいに小さい値になるのですか. M: 壁との非弾性衝突により壁の原子の振動が大きくなることを, 普通何というか? これにより気体分子が失うエネルギーの大きさは, 何に依存するといえるか.
- 14s3021:
- 状態方程式はよく気体分子を使って求めることが多いですが, 「固体」または「液体」の状態方程式はあるのでしょうか? M: 私は知りません. 調べて分かったら, 教えてくださいネ
- 14s3030:
- 図5.5 のある分子とある分子 2 種の
と圧力が同じ値の点がありますが, これはこの点では実在気体と圧縮因子の圧力依存性が同じという意味を与える他に何か特徴はあるのでしょうか. M: 一点で ``圧力依存性'' とは, どういうことか? 何と何とが同じという話か?
- 14s3034:
- ファンデルワールスの式も状態方程式のときと同様の方法で求めることができますか. M: 求めてみれば分かるのでは(?)
- 14s3040:
- 自然科学において, 実在物質の特性を定量的に理解するために 理想気体からのずれを利用することがよく用いられる手法だと教科書にあったのですが, この手法以外だと どのような方法になるのでしょうか? M: 物性値のそのものを用いるだけでは(?) でも比較対象が無ければ, その値が正常なのか異常なのか, 判断に困りますね.
- 12s3017:
- 圧縮因子の理想気体からのずれは主にどのような原因からのずれが生じているのか. M: 15s3002, 15s3007 などのコメント参照
- 12s3024:
- 物質の状態方程式において, 並進運動のエネルギーを考えていますが, 回転など他の運動は, 考慮しなくてもいいのでしょうか? M: 理想気体なので, 気体分子の大きさや形状は無視して, いわゆる質点と考える. 実在気体の分子の場合は, 分配関数を考える (6-7 章参照).
rmiya, 2015-12-07