化学の基礎 II(G) (20151015)
M: 以下は宮本のコメント
- 15s3001:
- 水素原子のスペクトルを観測する実験の際の高電圧はどのくらいの大きさですか. M: 私は知りません. 機器メーカーに聞けばいいのでは(?)
- 15s3002:
- ラザフォードの実験で,
線が金原子核だけでなく電子に影響されて軌道が曲がることはないのでしょうか. M: そりゃあるでしょうが, しかし質量を考慮すれば, 効果の程度は予想できますネ. 単純な力学の問題です.
- 15s3003:
- 水素以外に線スペクトルに名前がついている原子はありますか. M: あります. Na の D 線が有名でしょう. これは太陽光のスペクトル中の暗線 (フラウンホーファー線) に由来する名称です. また元素の特性 X 線には系統的な名称がついています (
,
,
,
等).
- 15s3004+:
- なぜラザフォードのモデルだと加速度運動になるのか自分の理解がおいつかなかったのですが, 物理科学の教科書読むより力学からやりなおした方がいいですか? M: こんなこと他人に聞いている暇があるなら, さっさと物理学の基礎を勉強したほうがいいのでは(?) (+) 加速度運動とは, ベクトル量である速度が変化する運動のこと. 等速円運動は, 速度の大きさは変化しないが向きは絶えず変化している.
- 15s3005+:
- 不確定性原理で「はっきりときまった軌道と異なるものとして区別」とかいてあるのですが そもそも円型の軌道はないのですか? M: 軌道の形が円形かどうかと, はっきりときまった軌道かどうかとは, 全く別の話です. はっきりと決まった放物線軌道等もありうる. // オービタルとは, 時々刻々と粒子の位置と速度 (運動量) を追跡して軌跡を描くことができない, 粒子の運動の様子を, 連続した線で描くことができないという意味です.
- 15s3006*:
- 電子がエネルギーの高い軌道から低い軌道へ遷移する際に, そのエネルギー差に等しい光を放出するということでしたが, その光子はどこからやってきたのですか. M: 電子が余分のエネルギーを光子の形で放出したということ. 電子の状態が変化するとともに光子が生まれた.
- 15s3007:
- 昔はトムソンの原子モデルでは周りの電子が中心に近づきつぶれるのでダメだとされていましたが, ボーアの立てた仮説を考えれば, トムソンのモデルも一様はずれているわけではないということですか? M: 自分で判断できないのは, ナゼか? // 全然違います. 教科書や参考書をよく読んではいかがか(?)
- 15s3008:
- ボーアの水素原子モデルで
以上のときより高いエネルギーの状態とされているが
以上のときのエネルギー状態の区別は特に必要ないのですか? M: 自分で判断できないのは, ナゼか? // 区別しないでバルマー系列やパッシェン系列等々を生成することができるか?
- 15s3009+:
- He などの電子が 2 個以上ある原子なら, 陽子-電子間のクーロン力だけでなく, 電子-電子間のクーロン力の作用も加えて原子モデルを考えればいいのですか? M: 自分で判断できないのは, ナゼか? // (+) 具体的にどう定式化すればいいだろうか? そしてそれをどうやって解けば......
- 15s3010*:
- 電子の角運動量について,
は仮定であるが, その仮定は正しいと言えるのか. M: 背理法は, 仮定をおいて矛盾を導き出し, 仮定を否定する論法. 今回は角運動量についての仮定で実験事実をうまく説明できた (矛盾は生じなかった). よって, 仮説演繹法的には, 正しいことが推定される. (しかし実際には間違っていた. §2.3 および参考書を参照)
- 15s3011:
- ラザフォードの散乱実験で, 先生が
線は今ではヘリウムの原子核ということがわかっていますがとおっしゃっていたのですが, この実験を行っているときは
線が何かわかっていなかったのですか? また, なぜ
線が使われたのですか? M: 科学史を調べてみればいいのでは(?) というか, 読書感想文 (仮称) のネタ発見?!
- 15s3012:
- 原子の構造が分かる以前に, 電子や陽子の存在が比較的最初のうちに分かっていたのは なぜか. M: 科学的な事実の発見が, 科学的な論理の順番に従って起こると思っていませんか?
- 15s3013
:
- ボーアは基底状態のとき, 原子核と電子が接していると考えなかったのは, 何故ですか. M: ボーアじゃなくてもそう考えるのが普通でしょ. もしも接していたとすると, 電子を取り出すのにどれだけのエネルギーが必要になるか, 考えてみればいいのでは(?)
- 15s3014:
- ラザフォードのモデルではクーロン力と遠心力のつり合いは考慮されていなかったのですか? そうであるならなぜですか? M: ラザフォードのモデルでは, つり合っていないから. // (+) ボーアのモデルが画期的なのは, 電磁気学に反して円運動をしている電子からは電磁波が放出されないと考えたこと. 状態間の遷移によってはじめて電磁波が放出されると考えた.
- 15s3015:
- プランク定数の値 (
Js) は どのような実験をすれば求めることができるのでしょうか? M: 自分でどれだけ参考書を読んで勉強したり考えたりしたのでしょうか? // 歴史的には, プランクによる黒体輻射の理論と光電効果の実験結果という独立な物理現象に, 全く同じ定数が関与していることから, これが基本的な物理定数の一つであることが強く示唆された.
- 15s3016:
- 軌道半径は
の最も安定であると書かれていましたが, つまり自然界にある水素は基底状態であるものがほとんどを占めているということになりますか. M: 自然界で水素は, どこに多く存在しているか? 例えば太陽系の中では, 励起状態の水素の方が多いような気がします :-p
- 15s3017:
-
において
が 2 以上となり励起状態で半径が大きくなるのは 水素がどのような状況になった場合ですか. M: だから ``励起状態'' だと. // もしかして ``状態 (state)'' という言葉の意味を理解していない(?)
- 15s3018+:
- ボーアの原子モデルは, なぜ水素以外は説明できないのか. M:
He
等の水素以外の原子 (イオン) も説明できますけど(?) ``水素類似原子'' と呼ばれる. 参考書も参照 // 15s3009 参照
- 15s3019:
- どのようなときに原子は励起状態になるのですか. M: 励起状態は基底状態と何が違うのか?
- 15s3020:
- ラザフォードの実験で,
線が原子核だけでなく電子の影響を受ける可能性は考えられないのですか. M: 15s3002 参照
- 15s3021
:
- 励起状態ではエネルギーが高いのでより広い半径で動き回りますが, あまりにも動きが大きいと, 核とは関係のない動きに移っていきそうですが, 円運動は保たれるのですか. やはり基底状態になるようにエネルギーを消費して, そのような状態にならないように運動するのですか. M: 核とは関係ない動きに移るためには, どこからどんな作用を受ける必要があるでしょうか? // ``基底状態になるようにエネルギーを消費'' して円運動を維持するとは, いったいどういうことか?
- 15s3022:
- ボーアはなぜ仮定を組み込んだのだろうか. M: 本人に聞けばいいのでは?
:-p
// そうしないとスペクトルを説明できなかったからでは(?)
- 15s3023:
- 原子の波長は, 原子量が大きくなるにつれて, 多くなっていくのですか? M: 意味不明. ``原子の波長'' とは何か?
- 15s3024:
- 一連の水素原子の線スペクトルで, 領域ごとに名前をつける必要はあるのか? M: リュードベリの式に基づけば, グループ分けする意味はあるでしょう. すべての輝線がいちどに発見されたわけではないでしょうし, 発見された瞬間に関係式が見つかったわけでもない.
- 15s3025:
- トムソンの原子モデルやラザフォードの原子モデルでは, 説明できないことがあると分かった時, でも, 新しいモデルが発見されるまでは, 直前まであったモデルを原子モデルとして, 世界中で定義付けていたのですか? それとも空白にしていたのですか? M: ``世界中で定義付け'' って, どういうことか? あるアイデアが提案された時に, すぐに世界中の科学者に受け入れられるわけじゃないのに. 二つの原子モデルが提案されても, すぐにわかる不備がある以上, 完全に正しいものだと考えられて科学者たちに歓迎され受け入れられたとは思えない.
- 15s3026:
- モーズレーが原子番号と陽子の数が等しいことを発見したと教科書に書いてありましたが, どのようなことをして発見したのですか. M: どの教科書のどこに書いてあった? // 参考書などで自分で調べればいいのでは(?) // 特性 X 線の波長 (エネルギー) についてのモーズレーの法則
- 15s3027:
- ダイヤモンドの単結晶は, 人工的に 1300 以上の高温で 5 GPa の超高圧の条件で合成されるそうですが, それよりも高温・高圧の条件下だと, より硬いダイヤモンドが合成されるのでしょうか. M: 炭素の状態図 (p.7) を参照
- 15s3029:
- 電子が粒子性と波動性を持っているとは, 電子 1 粒に波の性質もそなわっているという解釈なのでしょうか. M: ``粒に波の性質がそなわっている'' とは, どういうことか?
- 15s3030:
- 核は 陽子+中性子 でできているが, 陽子+電子 の方が安定しやすく, 核になりやすいのではないか? M: 安定しやすいか, 核に成りやすいかは知らない. 核の
崩壊を知らないのか?
- 15s3031:
- 電子のスピードで原子の半径が決まり, 半径が特定の大きさしかなり得ないならば, ある原子の電子のスピードは常に全て一定と考えてもよいのか? M: ``常に全て一定'' とは, どういうことか, わかりにくい. あちらの水素もこちらの水素も電子のスピードは同じという意味か, この水素が基底状態でも励起状態でも電子のスピードは同じという意味か(?) いずれにしても答えは質問文中に書いているに等しいのだが.
- 15s3032:
- 実験事実に基づかない仮定された数式, 例えば今日の授業で出た電子の角運動量
等は どのように出てくるのか. M: 角運動量が
となるのは普通の力学の問題で, 仮定などではないが(?)
- 15s3033:
- 太陽の組成は主に水素とヘリウムのはずでしたが, 太陽光が白色光で, 多くのスペクトルを示すのは なぜでしょうか. M: ``多くのスペクトル'' とは? // 黒体輻射と言ってみるテスト
- 15s3034:
- ラザフォードの原子モデルは散乱実験にもとづいているとわかりました. トムソンの原子モデルはどのような実験にもつづいていたものなのですか. M: どちらのモデルも, 単一の実験に基づいているわけではないでしょう. 当時既知の複数の実験事実や常識を考慮しているはずです.
- 15s3035:
線が He の原子核ということは原子から原子核のみを取り出すことは可能なのですか. また, 原子核から陽子や中性子を選択的に取り出すことはできますか. M: 15s3011 参照 // 後半について, 核物理学を勉強すれば良いのでは(?)
- 15s3036:
- 光電効果のエネルギー変化について, 電子に関するものなので光の吸収や発光しか関係しないということですか. M: 自分で判断できないのは, ナゼか? // 参考書で勉強したんでしょ(?)
- 15s3037:
- 水素原子の三つの同位体の中では中性子のない
H が最も高い割合で存在していますが, 原子番号=中性子の数 とならないのはなぜですか. 中性子の数を決める要因などはあるのでしょうか. M: 原子核物理学を勉強すれば良いのでは(?) // 原子番号が大きいほど, 中性子の割合が増加する傾向がありますネ
- 15s3038:
- ラザフォードの金箔実験において, 金箔を用いているのはなぜなのでしょうか. 他の金属箔ではだめな理由は何なのですか. M: 金の特徴は? //
線の透過性に注意
- 15s3039:
- なぜラザフォードの原子モデルは, 今, トムソンの原子モデルより一般に考えられているのか. M: ``一般に考えられている'' とは, どういう意味か? // 今日の講義内容をあまり理解できていないようで, 残念です.
- 15s3040:
- 化学の基礎 IIG の講義をしていて楽しいことはありますか? M: 何点狙いの質問か? // あったら (なかったら), それがどうだというのだろうか?
- 15s3041:
- ボーアの水素原子についてですが, クーロン力と遠心力でつり合っている電子に外から少しでも力を加えると, 軌道が変化すると考えたのですが, それでも安定な状態といえるのでしょうか? M: 物体に力が働けば, その運動状態が変化するのは, 普通の力学ですね. それがどうかしましたか? // ``安定'' の意味を勘違いしているのか(?)
- 15s3042:
-
と仮定して水素原子の半径を求めたということですが, どうして
と仮定できたのですか.
M: 15s3010 参照
- 15s3043:
- トムソンのモデルとラザフォードのモデルはつじつまが合わないところがありましたが, ボーアのモデルでもつじつまが合わなかったところはあったんですか. M: もちろんあります. 加えて, 意味・理由のわからない仮定もあるし.
- 15s3044:
- ラザフォードの原子のモデルでの加速度運動の説明の図で, 電子は原子核を中心に円を描きながら, 動いていましたが, それは直線的に動くことはないのですか. [イメージ図は省略] M: 力学の問題としては, 初期条件の違いですね.
- 15s3045:
- 物理化学の授業では多くの式がでてきますが, ふつうに暗記したほうが手取り早いですか. それとも, その成り立ちも理解したほうがいいですか? M: 大学での勉強方法について, 私が講義中に言っていることを全く理解していないようで, 残念です.
- 15s3046:
-
H
の値を正確に求めるために原子核は電子とともに共通の重心をまわる回転運動と考えているのですが, 換算質量
の式の意味がわかりません. M: そうですか. しかし, 提出物が要件を満足していません. また質問カードの紙片は A7 サイズ程度にしてください. // 物理学の基礎の復習が必要と思われます.
- 15s3047:
- 電子の運動は加速度運動ではないから核に近づかすに遠心力とクーロン力のつり合いによってある軌道上を回っているという理解でいいんですか? M: 自分で判断できないのは, ナゼか? // 全然違います. 教科書や参考書をよく読んで, 正しく理解してください.
- 15s3048:
- ラザフォードの原子モデルでは軌道半径が一定ではない つまりクーロン力などが考えられていなかったということですか? M: 自分で判断できないのは, ナゼか? // 全然違います. 教科書や参考書をよく読んではいかがか(?)
- 14s3008:
- 今日の授業で, 質量数 1 の水素原子のスペクトルを求めることはできましたが, このボーアの理論で同様に質量数 2 や 3 の水素原子のスペクトルも求めることができるのでしょうか? M: できるかどうか, 自分で工夫してみれば良いのでは(?) // 構造物理化学 II で説明されたことを利用しても良い
:-)
- 14s3014:
- ド・ブロイの式は絶対零度の物質にも適用できるのか. M: 温度の違いが, 運動量や物質波の波長とどんな関係があると考えたのか?
- 14s3015:
- ラザフォードの実験以外に原子核の存在を明らかにするような実験はありましたか. M: 私は知りませんが,
線 (
粒子) に電子をまぶして…
- 14s3021:
- ボーアの原子モデルは水素原子しか説明できないのですか? M: 15s3018 参照
- 14s3030:
- ラザフォードの原子モデルの方がより正しいのは現実のモデルがそれに近いものであったためと, 彼の実験により彼のもでるが正しいということが確められたからでしょうが, トムソンも何かの実験で自分のモデルは正しくないという客観性を持てば彼も近いモデルを提晶[原文ママ]できたのではないのでしょうか. M: 歴史の if は, 確かめようがない. また人間の考えることなので, 当時の周囲の状況がその発想を生み出すという見方も出来るので, トムソンがいなくても別の誰かが ``ぶどうパンモデル'' を考えついたと思われます.
- 14s3034:
- 「原子の性質を決めるのは電子」というのはよく聞きますが, 陽子が原子の性質に大きく影響することはないのでしょうか. M: そりゃ, あるでしょうね. ただしここで問題にしているのは, どんな性質の話なのかには, 注意を払う必要がありそうです.
- 14s3040:
- 現在でも新しい原子を発見する研究をされている方たちがいると思われるのですが そのような研究をするときには, どのような方法をとるのでしょうか? 水素やヘリウムを発見したときのような昔と同じ方法なのでしょうか? M: 現在では, 新元素は実験室で発見されるということを知らないのでしょうか? または, 読書感想文 (仮称) のネタ発見?!
- 12s3017:
- クーロン力と遠心力がつりあっているとき, 核と電子の距離
は, 常に一定 (変化しない) ですが, 外部からの力が電子へ加わったとしたら, 距離
は変化するものですか? M: 15s3041 のコメント参照
- 12s3024:
- 可視領域の両端が同じ色 (マゼンダ) に近づくのはなぜですか? M: 見た目で本当に同じ色ですか? 私には菫色と暗赤色は別物に見えますけど(?)
rmiya, 2015-10-22