構造物理化学 I (20150803)
M: 以下は宮本のコメント
- 14s3001:
- 直線形の剛体回転子は (6.10) 式で表すことができましたが, 直線形以外では別の式が必要になりますか? M: 教科書 13 章および参考書を参照
- 14s3002:
- 球の表面上の直行[原文ママ]関数系である球面調和関数とは, 具体的にどのようなイメージをもてばよいのでしょうか. M: ``具体的'' な ``イメージ'' とは, 言語矛盾では(?) // 教科書 6 章および参考書を参照
- 14s3003:
のエネルギーが分子に加って回転のエネルギー準位が増加したとき, 振動以外に何か特別な反応があるのですか? 例えば, 炎色反応では, 縮退を起こして, 固有の炎色を示すのですが, 分子の場合どんなことが起こるのですか? M: ``炎色反応では, 縮退を起こして〜'' が意味不明です. // 自分で調べたり, 考えたりしないのでしょうか?
- 14s3005:
- H
O 分子は, 分子間で水素結合を形成していますが, 慣性モーメントを測定することで, この結合長を知ることはできるでしょうか. // 自分の論理性に自信を持つにはどうしたらいいでしょうか. M: 水素結合が問題なのではなく, 総体としてどのような構造になっているか, 三次元空間にどのように原子が配置されているかが重要なのではないでしょうか. // 何か過大な期待をしているのでは(?) 科学の問題では, 論理形式が合っていれば十分でしょ. もしも間違いを指摘されたら, その根拠を問い返して議論すればいいだけ.
- 14s3006:
- 剛体回転子の振動も含めてエネルギーを計算すると, どのくらいの違いが出るのか. また, どのように計算するのでしょうか. M: 私は知りません. 調べて分かったら, 教えてくださいネ
- 14s3007:
- 角運動量の 2 乗は量子力学においては自然に出てくる演算子であることに留意する必要があるとあるが, 角運動量の 2 乗という演算子はどのようなことをさせる演算子ですか? M: 量子力学では物理量 (可観測量) には, 対応するエルミート演算子が存在する. 角運動量の 2 乗も同じ.
- 14s3008:
- 吸収された赤外線のエネルギーはどのように放出されるのですか? M: 一般には, 励起状態は輻射による失活または輻射によらない失活によりエネルギーを失って基底状態に戻る. また反応を誘起する場合もある. 教科書 13, 15 章を参照
- 14s3009:
- 水のような折れ線型の分子の剛体回転子を考えるとき, 重心は結合軸上に存在しないと思うのですが, 結合軸上にない重心を中心に回転しているモデルを考えるのでしょうか. M: 物理の基礎を復習する必要があるのでは(?)
- 14s3010:
- 吸収するマイクロ波スペクトルは分子によって異なると思うのですが, 吸収させるマイクロ波スペクトルの振動数はどのように予測をつけるのでしょうか. M: 今ではかなり精確な量子化学計算で分子の平衡構造を求めることが出来ます. 一般に分子軌道計算とか言われているやつです. 他にも, 類似化合物の結果から予想するとか, いろんな方法があると思いますけど. // 実際の実験では, もちろん周波数掃引するわけでしょうが.
- 14s3011:
- 回転遷移を観測する事で質量がわかっている直線分子の原子間キョリが分かる, との事ですが, 未知のものの構造決定には利用可能なのでしょうか. また, 無数にある分子のくみあわせでは違う形のものでも同じような回転遷移を示す事はあるのでしょうか? M: ひとつの手法で全てがわかるというようなものは, たぶん無いでしょう. 色々な手法を組み合わせて, 分子の構造解析をすればいいのでは(?) // 偶然に慣性モーメントが一致することは, あるかもしれませんネ. 当然ですが. 教科書 13 章や参考書も参照.
- 14s3012+:
- 先走った質問になるかもしれませんが, 次の節で 13 章において電磁輻射をうけると状態が他の状態に遷移するとありますが, 二原子分子でなくなるということですか? また剛体回転子では外力が存在しないのでポテンシャルエネルギーの項は存在しませんが, 新たなポテンシャルエネルギーの項は表れるのですか? M: ``状態'' という言葉が曲者です. ここでは日常語ではなく, 専門用語として使用されています. それは, ``基底状態'' とか ``(第一) 励起状態'' などのように, 当該分子が適切な量子数で区別できる異なるエネルギーを持っていることを意味しています. もちろん, 異なる回転エネルギーを持った状態とか異なる振動エネルギーを持った状態なども含みます. //
ですから, 外力
とポテンシャル
は, 表裏一体です. 物理の基礎を復習してください. たとえば ``シュタルク効果'' と言ってみるテスト.
- 14s3013:
- 式 (5.47) は, 外力が存在していないのでポテンシャルエネルギーの項はないが, 外力が存在する場合, 式はどのように書きかえられるのですか. M: 14s3012 の後半参照
- 14s3014:
- 研究室などに配属された時, 最も必要なことは何か? M: 行儀のよい学生であること
:-p
- 14s3015:
- 剛体回転子モデルでは距離を固定して考えましたが, 実際の分子との誤差はどのくらいになるのですか. また, 調和振動子モデルとはどちらの方が実際の分子に近いですか. M: 私は知りません, 調べて分かったら, 教えてくださいネ. // 異なる現象をあらわす異なるモデル間で, 何をどうやって比較すればいいのでしょうか?
- 14s3017:
- 今回の剛体回転子や運動方程式など, 物体の運動の様子を表す式では, 質量がある物体を対象としていますが, 例えばフォトンのような質量をもたない粒子の運動はどのような式で表わされるのでしょうか. M: 別に, 普通に波として扱ってもいいのでは(?) または, 場の量子論などを勉強してみれば良いのでは(?)
- 14s3020:
- 剛体回転子は回転しながらも振動している, とありましたが, その振動はどういった振動なのでしょうか? また, それにより回転運動への影響は無いのでしょうか. M: 完全に誤解しています. ``剛体'' の定義を確認してください. // 次に, ``剛体'' の条件をはずした時に, どこがどう変わるのかを考える.
- 14s3021:
- なぜ二原子分子は本当の剛体回転子ではないのですか? M: ``剛体'' の定義を確認してください.
- 14s3022:
- 大気中に含まれている N
や O
は太陽光のうちどの波長を吸収するのですか? M: 少なくとも可視光や赤外線ではない, という知識はないのか? それぞれのスペクトルを調べればいいのでは?
- 14s3023:
- 慣性モーメントは
とありましたが, 異なる質量, 速さのものを 1 つの文字でおきかえられ, 2 体問題が 1 体問題に変換できるのはなぜですか. M: 換算質量
でも同様のこと (``異なる質量, 速さのものを 1 つの文字でおきかえられ, 2 体問題が 1 体問題に変換でき'' ていた) が. 自分を手を動かして計算して考えてみればいいのでは(?)
- 14s3024:
- 分子が電子輻射を吸収するときに永久双極子モーメントをもっていなければならないのは なぜですか. // 双極子モーメントであれば永久双極子でなくともいいのですか. M: 教科書 5, 13 章や参考書をよく読んでください. 遷移の種類 (電子, 振動, 回転, etc.) により, 関与する双極子モーメントや分極率テンソルや磁気双極子モーメントなどなどが異なります.
- 14s3025:
- マイクロ波分光学は分子の回転遷移の研究手段であるが, なぜ二原子分子なのですか? M: 別に, 二原子分子に限られた話ではない. 教科書 13 章や参考書も参照.s しかしモデルとして最も簡単で理解しやすいのは, 二原子分子でしょう.
- 14s3026:
- p.189 に角運動量の 2 乗は量子力学において自然にでてくるや p.190 に
がつぎの条件に従わなければならないことが自然に出てくるとあるが, 自然にでてくるとはどういうことですか. 計算で求められるということですか. M: 国語力不足(?) ``自然'' の対義語は ``人工的・人為的'' でしょう. すなわち ``自然にでてくる'' は ``恣意的に導入される'' の反対. たとえば水素原子のボーアモデルでは, 角運動量の量子化を恣意的に導入していた.
- 14s3027:
- より実際の分子の動きに近いものを考えようと思ったときは, 調和振動子と剛体回転子を合わせて考える, という方法でいいのでしょうか. それとも, 授業の最後におっしゃっていたように, 調和振動子でもエネルギーが異なる場合を考えるなど, 別々に条件を付け足しながら考えた方がいいのでしょうか. M: ``こう考えなければいけない'' などという制限は無いと思われます. ボルンオッペンハイマー近似とか, 振動の非調和性とか, 遠心歪みとか, 言っておきます. 後半の ``調和振動子でもエネルギーが異なる場合'' は, 意味不明.
- 14s3028:
- 同じ形の分子 (例えば H
O と H
S) では赤外線の吸収する割合は近い値となるのか? M: 近さの基準は何か?
- 14s3029+:
- 同位体では剛体回転子にどれくらいの差が出るのでしょうか. 明確に判断できるほど光を当てたときの振動数等に違いは出るのでしょうか. M: 同位体は何が違いますか? 分子に同位体置換すると, 何が変わりますか? それは振動や回転のエネルギー準位 (調和振動子近似, 剛体回転子近似でよい) に, どういう影響を与えますか??
- 14s3030:
- p.191 図5.10 の太い線の部分には光が当たらなかった=光を吸収した というな[原文ママ]ことですよね. M: 自分で判断できないのは, 何故なのでしょうか? 図のキャプションでも ``吸収遷移'' と記されていますが.
- 14s3032:
- 三原子分子であっても直線形ならばその剛体回転子の無機は 2 つの変数で指定できるのでしょうか. M: 自分で考えてみて, どこが分からないのか? 何が疑問なのか?
- 14s3033*:
- 球面調和関数は水素原子のオービタルと関係しているということでしたが, 他の分子にも適用は可能でしょうか. // どうして分子の自由度が高いと, 赤外線を多く吸収できるのでしょうか. M: 水素型原子については, 全く同様. それ以外の多電子原子であっても, 球対称なので, 角度部分については球面調和関数となる. 教科書 p.304 等および参考書を参照. // 吸収強度と自由度の数とは無関係. 多原子分子 (
原子分子) の分子内振動の自由度は
(直線形のときは
). 吸収強度は遷移確率に比例し, 遷移モーメント積分の二乗 (
) に比例する. 教科書 13 章および参考書を参照.
- 14s3035:
- 今回直交座標系ではなく極座標系を用いましたが, これは直交座標系 (
,
,
) を用いることで計算が複雑になるのを防いでいるのでしょうか. M: 自分で式を書き下して複雑さを判定し, 判断すれば良いのでは(?) もちろん別の面からの考察でもよいが.
- 14s3036:
- 振動の振幅は結合長に比べて小さいから, 結合長を固定していましたが, これはどんな分子たとえば三原子分子などでも成り立つのでしょうか. また, 単原子分子の振動や回転はどのように求めるのでしょうか. M: 教科書にもあるように, 章末問題5.22 を自分で解いて, 根平均二乗変位を平衡核間距離と比較してみればいいのでは(?) 力の定数は, どんな分子でも同程度なのでは(?) // 単原子分子の振動や回転とは, 本気で言っているのですか? 運動の自由度について, 物理の基礎を復習する必要があるのでは(?)
- 14s3037:
- 剛体の回転子の回転が激しくなるということは回転速度が速くなる以外に, 何か運動の仕方にあらわれる変化はあるのでしょうか. M: ``回転が激しい'' とは, どういうことですか?
- 14s3039:
- 電磁輻射を吸収あるいは放出して, 他のエネルギー状態に遷移するとき, 二原子分子状態は安定な状態に近づくということですか. M: ``二原子分子状態'' とは何ですか? 14s3012 参照
- 14s3040:
- 剛体回転子モデルでは, 結合距離が関わっているので CO と CO
では このモデルで考えると, 運動エネルギーやハミルトン演算子, スペクトルは違ってくるのでしょうか? M: 一般的な結合距離か当該分子の既知の構造を元に, 自分で計算してみれば良いのでは?
- 14s3041:
- 剛体の回転運動において半径
を一定としていましたが, どのような分子においても半径
は一定と定めるのでしょうか.
を一定であると定めることができない場合はないのでしょうか. M: 14s3021 参照, 14s3036 の前半参照
- 14s3042:
- 慣性モーメントがどうなると剛体はまわしやすくなるのですか?
の
は具体的にどのように値が決められるのですか? M: 慣性モーメントについて, 物理の基礎を復習する必要があるのでは(?) //
は回転の量子数であって, 回転状態を区別するための指数であり, また離散的なエネルギー準位を与える元です. とりうる値が何であるかは, 教科書にも書いてありますネ.
- 14s3043+:
- p.190 に
で与えられる縮退度
をもつことが分かるとかいてありましたが, この式から求められるのですか? M: 教科書ではシュレーディンガー方程式である微分方程式 (5.55) の解き方までは説明されていませんが, これを解くと, 二つの整数
,
にもとづく球面調和関数
が解として得られます. このとき固有値は
だけで決まり, (
通りの値をとる)
には依存しません. すなわち縮退度は
ということになります. 微分方程式 (5.55) の解き方については, 参考書を参照
- 14s3044:
- 二原子分子の回転遷移はマイクロ波領域で起こる, となっていますが, 原子の数を増やしたり, 回転のエネルギーが増加したりなどで可視光の範囲まで引き上げることはできるのでしょうか? M: どのくらいの原子数 (質量(?)) にしたり, 回転のエネルギーを増やしたり (角速度または角振動数(?)) すれば, 可視光の領域になるのか, 自分で計算してみれば良いのでは(?)
- 14s3045:
- 剛体回転子は回転する二原子分子の一つのモデルであるということから, 二原子分子しか考えることが出きないのか? (多原子分子や単原子はこの考えを用いることが出きないのか?) M: 論理的には, 二原子分子以外の系については, できるともできないとも述べていない. しかし ``剛体'' の意味を理解していれば, 答えは明らか. 教科書 13 章や参考書を参照.
- 14s3046:
- 選択律とは この式に対するもの以外に存在するのでしょうか. M: ``この式'' とは, どの式?? // 教科書 13, 15 章や参考書を参照.
- 13s3001:
- 主量子数が 0, 1, 2, 3, … という数字に対して s, p, d, f, … という記号が割り当てられていますが, このアルファベットの決めかたに規則はあるのですか? M: 勘違いです, 化学の基礎をしっかり復習しましょう. 教科書 p.226 や II(G) の教科書 p.30 や参考書をよく読めば良いのでは(?)
- 13s3006:
- 原子核の回転遷移も存在するのでしょうか. (原子核の回転とは原子核の中心を回転軸とした回転) 存在するとしたら, それは何かに利用されているのでしょうか. M: 運動の自由度の考え方について, 物理の基礎を復習する必要があるのでは(?) それとも核物理学方面の話(?)
- 13s3012:
- 期末課題のアンケートについて 採点, 評価の対象外 とありますが, これに答えないことによる減点等もありませんよね. M: 冗談か? それとも, 国語力の問題か?
- 13s3025:
- 電子遷移→UV, 可視光 // 振動→IR // 回転→マイクロ波 // 並進→電波? となるのか? M: エネルギーの大きさと
から考えればよいのでは(?)
- 12s3014:
- 剛体回転子の運動エネルギー
にポテンシャルエネルギーの項が存在しないのは (電気的, 磁気的) 外力も存在しないからとありますが, 同じ空間に存在する他の分子による影響 (分子同士の衝突や共鳴) も存在しないということでしょうか? M: 一体全体, 何を議論の対象にしているつもりなのか? どこで分子の集団の話をしているというのか?? または, ``外力が存在しない'' という日本語の意味が分からないのか? 14s3012 の後半参照
- 12s3024:
- 極性を持つ三原子の剛体回転子の慣性モーメントはどのように求めますか? M: 物理の基礎を復習して, 自分で計算してみれば良いのでは(?)
- 12s3029:
- (5.60) について
を用いると
は どうして出るのですか. M: 教科書をよくよめば, (5.59) で導出していることが分かるはずですが. 何が分からないのでしょうか?
- 12s3045:
- 直線型の剛体回転子の波動関数は
と
の二つの変数だけに依存しますが, どちらかの影響をより強く受けるということはあるのでしょうか. それともほぼ等しく受けるのでしょうか. M: 空間内での回転運動において, 二つの自由度 (二つの変数
と
) に, 何らかの優劣はあるのでしょうか?
- 10s3008:
- 吸収振動数と遷移振動数の違いは何ですか? M: 字が違う
:-p
前者は後者に含まれる.
rmiya, 2015-08-04